2026年第1四半期のメモリ単価は30%以上の成長率の見込み
2026年第1四半期(1〜3月)のメモリ単価は、NANDフラッシュ、DRAMとも前四半期比(QoQ)で大きく値上がりしそうだ。NANDは33〜38%増、DRAMは55〜60%増になりそうだ。こう見るのは市場調査会社のTrendForce。需給ギャップが大きく広がり、供給不足で値上がりしても購入せざるを得ない状況になっている。特に米国ではDRAMがQoQで60%以上値上がりしそうだという。
図1 NANDフラッシュとDRAMの単価の値上がり状況 出典:TrendForce
DRAMは、AIサーバーの需要が相変わらず旺盛であり、DRAMを数枚重ねるHBM(High Bandwidth Memory)メモリは、GPUなどのAIチップと共に使われてきたが、米国を中心とするCSP(クラウドサービスプロバイダ)はこれまでと同様の勢いでDRAMを強く求めている。特に学習する場合には、ニューラルネットワークのレイヤーごとに演算→出力→格納、の一連の動作を繰り返すが、学習精度を上げようとすればするほど格納データは増える。大容量で高速のバーストモードのアクセスが必要なためHBMメモリが強く求められる。
特にHBMメモリはDRAMダイ(裸のチップ)を4,8,12,16枚などと重ねるため、DRAMのダイを大量に使うことになりDRAMダイそのものの供給が追いつかなくなる。TrendForceによれば、在庫はほぼ空っぽ状態だという。
ノートPCの需要がそれほど強くないのにも拘わらず、PC向けDRAM価格もサーバー向けDRAM価格につられて急速に値上がりしつつある。もちろんDRAM価格の値上がりはメモリボードメーカーの値上がりでもありパソコンメーカーにとっても頭の痛いところだ。
またスマートフォン向けでも、スマホメーカーの新製品発表ではない時期でさえモバイルDRAMの需給はタイトであり、LPDDR4XやLPDDR5Xなども供給不足で値上がるだろうと見ている。その結果、値上がりされることになる。
NANDフラッシュ需要は、DRAMとは若干違うようだが、AIデータセンター向けは、DRAMと同様の様子を見せている。NANDフラッシュはAI演算プロセスには直接使われないが、学習済みのデータを格納するために使われる。しかし、そのデータもRAG(検索拡張生成)や、学習結果の微調整(カスタマイズ)などですぐにデータをアクセスしたいという要求があるため、HDD(ハードディスク装置)では遅すぎることからNANDフラッシュを搭載したSSD(半導体ディスク装置)が好まれることになる。このためデータセンター需要はSSDすなわちNANDフラッシュ需要も高めることになる。
一方、消費者用パソコン向けSSDの需要はむしろ低いが、NANDフラッシュサプライヤーはクライエントSSDからAIサーバー向けへと力を移しているため、クライエント向けのSSDも不足気味になるだろうと見ている。特に大容量・低コストのQLC(4ビット/セル)の生産量が少ないという。スマートフォン向けのNANDフラッシュは需要が弱いが、2025年4Q(第4四半期)に値上がりしたため、DRAMよりも伸びは少ないと見ている。
参考資料
1. 「AIデータセンター需要の高まりを受け、NANDフラッシュ価格上昇に反転」、セミコンポータル、(2025/05/29)


