WSTS、25年の半導体市場を半年前の11%成長から22%成長へと大きく上方修正
WSTS(世界半導体市場統計)が2025年の世界半導体市場を前回(2025年6月発表)の11.2%成長/年から大幅に上方修正し22.5%成長と予測した。これにより世界の半導体市場は前回の7008.7億ドルから7722.4億ドルへと拡大する見通しとなった。ここまで大きな変更を導いた原動力はやはりAIデータセンター市場である。3年前まで産業用分野の一つに過ぎなかったデータセンター市場がAIと共に急拡大し、大きな市場を形成しつつある。

表1 世界半導体は2025年に7722億ドル、26年に9755億ドルと予想 出典:WSTS
一方で、従来の半導体市場をけん引してきたパソコンやスマートフォンは成長がほぼ止まりつつある。ただし、飽和状態が続くだけであり、落ちていく気配は見えない。つまりパソコンもスマホもしばらくの間はなくなることはないが、成長せず飽和したままになる。つまり自動車市場と同様、中古市場が花開き、新車市場は完全に飽和する状況になる。
AIデータセンターはAIのインフラを築くための投資が活発で、半導体市場もけん引している。なかでもGPUやCPU、FPGA、ASICなどのAIチップが拡大していると共にそれらのコンパニオンチップのようにメモリ(DRAMやHBM)も同時に成長する(表1)。さらに、それらがボードに搭載されると、PMIC(パワーマネージメントIC)や、高周波対応の積層セラミックコンデンサやインダクタ、制御目的のRISC-Vマイコンなども一緒に成長していくことになる。
ただしドライバとして最も顕著に表れるAIチップをWSTSは「ロジック」と括っており、25年はロジックが37.1%成長、メモリが27.8%成長となっている。これが26年には、ロジックが32.1%成長、メモリは39.4%成長になるとWSTSは見ている。
上記のような見方から、26年はさらに26.3%成長し、9754.6億ドルという強気の見方になっている。2030年に1兆ドルという見方に対して楽観的という見方があったが、30年ではなく26年に早くも1兆ドル弱まで来ると見ているのである。27年、28年もプラス成長でとどまることを知らない様相で、27年には1兆ドルを超えることになる(図1)。
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図1 2028年までの予測 出典:WSTS
2026年に20%を上回るような成長だと翌年は作りすぎによる反動で、マイナス成長になってしまうのがこれまでのシリコンサイクルである。今回は、28年までずっとプラス成長が続くという見方だが、製品の作りすぎで調子の良い年の翌年は、おそらくこれまで通りのシリコンサイクルでマイナス成長がやってくるのではないだろうか。人間が市場をコントロールすることは不可能であり、作りすぎと作らなすぎの繰り返し、すなわちシリコンサイクルは、これまでと変わらないのではないだろうか。特にメモリのような大量生産品はこの傾向が強い。


