NANDフラッシュの最新ランキング、キオクシアは2位をキープ、3位にWD
直近(2021年第4四半期)のNANDフラッシュランキングにおいてキオクシアは2位をキープしたことがわかった。これは、市場調査会社のTrendForceが調査した結果である(参考資料1)。第4四半期では、企業向けSSDを除き、eMMCやUFC、クライアント向けSSDなどのNANDフラッシュの売り上げは前四半期比で低下した。
図1 2021年第4四半期でのNANDフラッシュの各社の売上額 出典: TrendForce
2021年全体では、NANDフラッシュは前年比21.1%増の686億ドルの販売額となり大きく成長した。リモートでの業務や教育、クラウド需要などが奏功したとTrendForceは見ている。以下、第4四半期での各社の動きを紹介する。
第4四半期でトップのSamsungは、データセンター需要がプラスに働いたものの、クライアントPC向けのSSDが在庫調整、中国のスマートフォン市場が弱含み、部品の供給不足の影響を受けてSSDと電子部品とのミスマッチなどの要因により、ビット出荷は5%減り、ASP(平均単価)も5%減ったため、前四半期比で6.1%減少の61.11億ドルとなった。
キオクシアは、第4四半期にデータセンター需要が継続したが、パソコンメーカーの在庫調整と購入金額の減少により、前四半期比で2.6%減の35.43億ドルとなった。ただし、ASPはほぼ維持したものの、ビット出荷量は1%低下したためだとしている。
キオクシアと共にNANDフラッシュを生産しているWestern Digitalは、SK hynixを抜き2位に上がった。クライアントおよび企業向けのSSDの需要が共に弱かったものの、5Gスマホ向けに米国主力メーカー(Apple社であるがTrendForceはそう書いていない)の強い需要があったためにビット出荷量は13%も伸びた。しかし、消費者向けの製品だけにASPは6%下がり、結局、前四半期比5.2%増の26.2億ドルになった。
SK hynixはデータセンター顧客と米国主力スマホメーカーの需要により、ビット出荷量は10%以上伸びたが、ASPが中国製スマホの出荷調整とパソコンメーカーの在庫調整によって下がったために結局2.8%増に留まった。売上額は26.15億ドル。
Micronもパソコンメーカーとデータセンター顧客の在庫調整で伸び悩んだ。176層の3D-NAND製品が採用されているが、ASPが5%低下し、Micron全体として前四半期比4.7%減の18.78億ドルになった。
SK hynixがIntelのNANDとSSD事業部門を買収した結果、hynixの米国子会社として誕生したSolidigm(ソリダイムと発音)社は、企業向けSSDのサプライチェーンでPMIC(パワーマネージメントIC)不足により、ビット出荷量が5%低下した。ノートパソコンの注文は依然強いものの、ASPが低下したため結果的に第4四半期売上は9.9%減の9.96億ドルとなった。Solidigmは実質的に旧IntelのNANDフラッシュ部門であるが、3D-Xpoint技術を使ったストレージクラスメモリのOptane製品は扱っていない。
2022年第1四半期の見通しについて季節柄、需要が弱まるため、2021年第4四半期よりはNANDフラッシュの売り上げは下がるだろうと見ている。
参考資料
1. "Total NAND Flash Revenue Drops 2.1% QoQ in 4Q21 Due to Slowing Demand and Falling Prices, Says TrendForce", TrendForce (2022/02/22)
2. 「2桁成長したNANDフラッシュのランキングをTrendForceが発表」、セミコンポータル (2021/08/27)