日米とも半導体製造装置市場はどこまで下がるかが焦点に
2019年1月における日本製および北米製の半導体製造装置の販売額は、前四半期比でそれぞれ1.8%減の1649億9300万円、9.9%減の18億9640万ドルとなった。このところ日米とも急速に販売額は下がってきており、2018年5月の販売額をピークにそれぞれ波は異なるものの下がり続けている(図1)。
図1 日本製および北米製半導体製造装置の販売額推移
2018年5月の販売額は、日本製が2217億9800万円、北米製は27億230万ドルで、これまでの最高値だった。日本製の半導体製造装置は同年9月にも、2140億8900万円と第2の山を持つが、12月には急降下した。北米製はずっと継続して落ちてきている。
日米とも、3カ月の移動平均値で表しているため、毎月の凹凸は吸収されているはずだが、それでも上がり下がりは激しい。特にこの最近の下がり方は、実際の数字よりも激しいはずである。
どこまで下がるだろうか。今回のメモリバブルでは、3D-NANDフラッシュの新しい製造プロセス装置の需要が旺盛で、2017年は製造ラインに投入したが歩留まりがそれほど上がらなかった。しかし、2017年後半から徐々に歩留まりが上がり、2018年は少しずつ値下がり始め、需要を広げ、むしろ健全な値下がりと市場の拡大をもたらした。一方、DRAMは生産ラインに回さず、単価が2018年第3四半期まで上がり続けた。この時期にようやくピークを迎え、第4四半期から価格が下落し始めた。2019年第1四半期に前四半期比約20%下落した。DRAMユーザーは要求してもDRAMメーカーは生産量を上げなかったと同時に数量を確保するため、二重三重に発注をかけていた。DRAMの20%マイナスにつられるようにNANDフラッシュも20%程度価格が急落した。
このため、DRAMメーカーもNANDフラッシュメーカーも製造装置メーカーに対して、装置発注にストップをかけた。図1を見る限り、1月で下落が止まることはないだろう。市場調査会社のTrendForceは、第2四半期も十数%値下がりすると見ている。2016年の後半レベルくらいまで下がりそうだ。しかし、その後は、IoT(200mmラインや130nmライン)やAI(ロジック)、5G(微細なLSI)、SiC/GaNなどの化合物半導体などの需要が出てくるため、緩やかに成長していくだろう。工業用・産業用に半導体がシフトしている限り、2桁成長は当分なさそうだ。
参考資料
1. 製造装置はしばらく冬の時代へ (2019/01/31)