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一貫対応による高付加価値半導体事業拡充へ

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Advanced Business Model of Semiconductor (ABMS)セミナー第二回(セミコンポータル主催)が1月30日、熊本のパレア熊本で開催された。本セミナーは、ウェーハレベルパッケージ、次世代テスティング、MEMSなどにおいて新規ビジネスモデルの創出を目指して、国内外の成功しているビジネスモデルの情報を提供し、産業界、大学・研究機関、地方政府関連組織との成果のあるパートナーシップの構築や、装置メーカー・材料メーカー・ソフトメーカーなどとのWin-Winのアライアンスの促進を目指して開催されている。

2007年4月の福岡、今回の熊本、2008年秋の北九州、2009年春の大分、と九州で4回シリーズとして開催されている。今回は、特別講演として、「熊本を中心とする九州半導体産業の今後」について話された。NEC九州 代表取締役社長、今村 徹氏の講演の中から、同社が注力する事業領域と九州半導体産業の今後についての話を紹介する。

九州は、半導体関連(IC、ディスクリート、半導体製造装置)製品出荷額は2005年時点で約1.9兆円と全国の19%シェアを有する。特筆すべきことは、IC 1個当たりの生産金額の推移を全国と九州で比較すると、2000年以降、全国平均の生産金額が大きく下がっていることに対して、九州で生産されているICの生産単価はある程度の水準を維持していることである。つまり、付加価値の高いICの生産へと九州がシフトしていることがこの推移から読み取ることができる。九州では高付加価値のICを生産し、汎用品は海外生産という構図となる。


IC 1個当たりの生産金額の推移


NEC九州は、マイコン事業をベースに事業領域を拡充していく。同社は、自動車用マイコンでは、32ビット中心に、パワートレイン、ボディ、オーディオ、ダッシュボード、エアバッグ、ローエンドボディ、各応用分野に対応したASSPをラインアップしている。
さらには、ナビゲーションや予防安全(衝突防止など)ついては、マルチコアプロセッサによる新しい成長領域であり、モーター、ヘッドランプ、インジェクター、ソレノイドなどにおいては、マイコンとメカを繋ぐパワーデバイスを強化し、高耐圧・大電流制御パワーICやMOSFETを拡充する。

これらの製品は、水平分業では品質保証ができにくい。設計から組立まで一貫対応することによって高品質が実現できる分野である。NECエレクトロニクスでは、設計子会社であるNECマイクロシステムとも連携を図り、NEC九州、NECマイクロシステム、NECセミコンパッケージ・ソリューションズと連携を図り、一貫対応を可能としている。また、同社の製品の4割が海外向けであるが、国内同様に、高品質を武器に自動車メーカー、電装部品メーカーなど世界の50社に製品を提供しており、今後は、中国、インドの顧客拡大を狙う。

高付加価値半導体のアプリケーションとして、自動車向けの他、ロボットの需要も期待できる。九州は産業用ロボットの製品出荷額は1,327億円(2005年)と、全国シェアは22.8%であり、さらに増加傾向にある。この需要もインテリジェンシーが期待され、さらには安全性の点からも高付加価値半導体の有望な市場となる。

九州半導体産業の今後を考えると、


  • 高品質、高信頼性や開発のスピードとフレキシビリティを求める「ものづくり」は日本回帰

  • 従来のスケーリング法則で微細化プロセスを採用した工場は投資額が高く、投資回収が次第に困難になり、高密度実装が脚光を浴びる。携帯の中の技術をすべてできるのは日本だけである。総合技術力と職人技を持つ日本のものづくりの得意分野を活かせる時代が来る

  • 優秀な人材を求めて、先端産業の九州立地がさらに加速する

  • 自動車、カーエレクトロニクス、ロボット各産業との連携がさらに加速することで新たなビジネスチャンスが到来する


といえよう。

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