Semiconductor Portal

» ブログ » インサイダーズ » 長見晃の海外トピックス

消費浮揚を図る動き/市場実態いくつか/グローバル雑学王−38

深刻な経済危機の打開に向けて、世界の各国・地域で景気回復、消費浮揚を図る動きが伝えられている。一方、在庫が払底して生産が立ち上がる動きも一部に見られて、全世界的な期待というものをありありと感じるところがある。落ち込み、低迷もいい加減にという強い気分があるが、回復軌道のシナリオについては十分過ぎるほどの見極めが求められると感じている。

≪消費浮揚を図る動き≫

我が家にも定額給付金の申請書類が届いたが、さてどう使うか。古くなった家電製品の買い換えが第一案というところであろうか、これも地元経済への貢献ではある。さて、近隣の国々はどうかということで、まず注目したのが旧正月に当てて"消費券"を我が国と同様に支給した台湾の状況である。少し前の話題となるが、Eメール配信いただいている「中華民国 台湾投資通信」vol.162(2009年2月)より以下の通りである。

=======
○台湾初の試み−−「旧正月特需」をもたらした消費券効果

「消費刺激と国内経済振興のため」(行政院)に、全国民2300万人に総額835億元(約2250億円)、一人当たり3600元(約9700円)が支給された台湾初の消費券。第一段階の発給日からひと月。特需を享受する事業者が出る一方、偽造
券騒動や早くも「2回目」の望む声が出るなど、台湾は消費券の話題で沸いた。

・第一段階給付日の2009年1月18日、この日だけで2117万人(給付対象者の約91%)が受け取った。2月12日時点の未受領者はわずかに約68万人。受け取り期限の4月30日まで2ヶ月以上残し、ほぼ全国民に行き渡ったことになる。
(注)2段階の給付 統一給付…1月18日
           個別給付…2月 7日〜4月30日

・1111人力銀行(人材仲介)が2月11日から17日に行ったアンケート調査(有効回答数1301人)から:
 →「消費券を既に使い切った」…約41%
 →消費項目別 日常生活用品    56.5%
           衣類・アクセサリー  27.9%
           外食・食品       23.4%
           ハード&ソフトウェア 15.5%
           正月用贈答品    14.2%
=======

それでは大陸の中国ではどうなのか、ということで以下の記事を見つけている。

○定額給付金支給「経済効果はいかほど?」―中国も大注目 (3月5日付け)
→日本では、総額2兆円を国民に支給し、景気を刺激する定額給付金関連法案が4日、第2次補正予算関連案の再可決で成立した。中国でも内需拡大の一環でこのほど、「消費券」の給付が行われており、日本での定額給付金の経済効果などについて、注目が集まっている。新京報が5日付伝えた。

少し前のNHKテレビでも、中国の各自治体における消費浮揚策のあれこれが紹介されていたが、うろ覚えながら次の例があった。
・自動車購入  13万円の補助
・液晶テレビ  消費割引券

お隣の韓国については、以下の厳しい経済状況を知らされているが、具体的な浮揚策は如何に、これから見ていくところである。

◇韓国経済急減速、成長率2.2%に修正。(3月27日付けasahi.com)
→韓国銀行(中央銀行)が27日、韓国の2008年の国内総生産(GDP)実質成長率(暫定値)が2.2%だったと発表、1月発表の速報値2.5%から下方修正された旨。5.1%だった2007年からは大幅減速、通貨危機の打撃で6.9%のマイナス成長となった1998年以降では最も低い水準の旨。

ところで、当世の消費性向というのはどうなっているのだろうか。年代ごとに考え方、処し方が変わってくるであろうが、米国の消費者を対象にした以下の調査結果にはいくつか意識喚起を求められるところを感じている。

◇Social networking: boomer adoption up, Gen Y plateaus (EET)(3月25日付け EE Times)
→Accentureが米国消費者3,000人を対象に行ったconsumer electronics製品&サービス利用についての年次調査。ハイライトのいくつか、以下の通り。
 * Accentureの調査では45才以上で定義されるbaby boomersは、もっと若い世代より約20倍速く人気のconsumer技術アプリを受け入れている旨。
 * 1年前に比べて、18-24才の消費者、Gen Yには、consumer electronicsおよび関連サービスの利用が減速している。
 * "connected home"は起きてきていない。
 * 調査回答者の91%が"Second Life"のようなvirtual worldを過ごすのは"週ゼロ時間"。


≪市場実態いくつか≫

ここのところの定番メニューであり、上記のサブタイトルも固定してシリーズ化しても、と思うくらいである。エレクトロニクスそしてデバイス市場の快方に向けてうごめく注目の実態を、小生勝手ながらの項目分けにより今回は次の通りと相成っている。

【底を打った?】
◇Chip industry outlook improving, says TSMC's Chang(3月27日付け EE Times)
→Reuters発。欧州商工会議所が台北で行ったビジネスサミットにて、TSMCのchairman、Morris Chang氏。半導体業界の今後の見込みは、1ヶ月前よりは良い事態となっているが、売上げは昨年比では依然大きく減少している旨。
◇PC slide slows as Intel eyes embedded(3月27日付け EE Times)
→Broadpoint.Amtech(Greenwich, Conn.)のアナリスト、Dinesh Moorjani氏。中国での需要改善を引き合いに、2009年のPC販売数量および売上げ見積もりを1ポイントつり上げ、それぞれ-7%および-15%の旨。
◇Powerchip sees DRAM shortages on the horizon(3月26日付け EE Times)
→World Semiconductor Council(WSC)のchairmanで台湾の半導体メーカー、Powerchipのchairman、Frank Huang氏が警告。ここ数ヶ月にわたるDRAMsの積極的なcapacity削減により、今年末までにはかなりの不足に陥る様相の旨。
◇ASE, SPIL 2Q utilization to rebound(3月25日付け DIGITIMES)
→市場観測筋の見積もり。Advanced Semiconductor Engineering(ASE)とSiliconware Precision Industries(SPIL)の実装&テスト稼働率、今四半期の40-50%から、来る2009年第二四半期には60%に上がっていく旨。
◇Who's ordering fab tools in '09?(3月23日付け EE Times)
→Needham & Co. LLC(New York)のアナリスト、Edwin Mok氏。半導体装置メーカーにとって市場の底が見えてきており、実際、Intel, Nanya, Samsung, Toshiba, TSMCなどが2009年のfab tools発注を行っているか、始めている旨。底に近づいており、2009年第二四半期に受注が前四半期比フラットに、第三四半期の受注/売上げが伸びると見る旨。
◇No rebound for PC market until Q3 2010, says Gartner(3月23日付け EE Times)
→Gartner社発。PC supply chainは2009年第一四半期に"底を打つ"が、数四半期の間は低い水準を引きずる展開、持続的回復は2010年第三四半期以降になると見る旨。
◇TSMC resumes production as orders surge  (3月23日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが、handset半導体、テレコム製品およびグラフィックプロセッサの短lead time受注急増に支えられて、ほぼフル生産に戻す旨。
 第二四半期受注は前四半期比10-30%増と見える旨。

【エネルギー関係】
◇Germany's SolarWorld to get big slice of Obama boom(3月27日付け EE Times)
→ドイツの再生エネルギー大手、SolarWorldが、唯一米国での完全所有生産拠点を擁するドイツのsolar会社となって、"Obama boom"のbig winnersの1つに、業界危機から以前より力強く抜け出る可能性の旨。
◇U.S. lags in top 10 solar markets      (3月24日付け EE Times)
→European Photovoltaic Industry Association(EPIA)(Brussels, Belgium)発。グローバルsolar photovoltaic(PV)市場が、2007年2.4GWから、2008年は少なくとも5.5GWに伸び、今年は7GWにまで達すると見る旨。
 取り付けcapacity総計は、2007年9GWから、2008年は約15GWになる旨。
 2008年PV市場トップ10、次の通り。
   スペイン  2,511MW
   ドイツ    1,500MW
   米国      342MW
   韓国      274MW
   イタリア    258MW
   日本      230MW
   チェコ      51MW
   ポルトガル   50MW
   ベルギー    48MW
   フランス     46MW

【アナログへの期待】
◇TI analog boss says unit will drive company growth(3月26日付け EE Times)
→TI社senior VP & analog IC事業部門ヘッドのGregg Lowe氏。経済が悪化している現在、同事業部門の全社売上げへの寄与が、40%から50%超に高まっていく軌道にある旨。
◇New analog IC markets seen after 2008 decline(3月26日付け EE Times)
→Databeans社(Reno, Nev.)発。analog ICsの牽引役として、携帯電話、multimediaプレーヤーおよび携帯&ワイヤレスの一般的な流行に混じって、エネルギー、輸送、健康&安全などの新系統のアプリが見えてきている旨。
 2007年および2008年の世界アナログ市場シェアランキング、下記参照。
 ⇒http://i.cmpnet.com/eetimes/seminews/2009/chart1_032609.gif
◇China stimulus boosts analog demand(3月24日付け EE Times)
→中国における景気対策などの要因のお蔭で、アナログ市場が上向いてきている旨。


≪グローバル雑学王−38≫

当たるも当たらぬも八卦というところ大かもしれないが、我が人生を振り返ってみて、結構同感、賛同する心当たりが随所にあるから不思議な思いも湧いてくる。今回は、

『「血液型」の世界地図』
(著者 能見 俊賢氏:青春新書INTELLIGENCE PI-144)

より、日本史を飾る英雄たちについて血液型から辿るそれぞれの性格模様である。

3章 血液型から「日本史」を解き直す
    〜信長、秀吉、家康… 血液型で浮かび上がる三者三様〜

[天下布武、天下統一、天下安泰の三者三様]
・現代に至るまで人間性比較の基本タイプに
 *織田信長 …B型の典型と見る人は実に多い
          →一か八かの投機好き
          →即断即決で意外な展開に持ち込む
          →"やわらかアタマ"から生み出される実用重視
          →いざとなれば何とかなる! そんな不用心さ
 *豊臣秀吉 …血液型が判明、O型英雄の見本のよう
          →一段ずつ上を望む姿勢
          →現実性は最も強く、いっぺんに高望みしたりしない
          →目的のためには、形式や信念、手段にとらわれない
          →徹底した現実主義、ポイントづかみは確実
          →仲間や身内に対するスキンシップの温かみ
 *徳川家康 …絵に描いたようなA型の美点
          →忍耐と調和、献身、大器晩成
          →プライドとケジメに意地
・次の三者三様の図式の考え方でどうか?
  新しい時代を切り拓くB型
  大づかみに世をまとめ上げるO型
  治世安定の土台を築くA型

[追いつめられて開き直る明智光秀の謀反]
・戦国武将の血液型 →まだほとんどは未確認だが…
 *豊臣秀吉: 細川忠興と締結した起請文の花押の血判から、O型であったことが判明
 *伊達政宗: 遺骨鑑定からB型と判明
 *上杉謙信: 起請文の血痕からAB型とされる
・明智光秀 …A型ではないかと見る
        →本能寺の変を引き起こした悲劇、A型的思いつめが引き金になっていたのかも
        →光秀の苦悩と悲劇は、現代を生きるA型にとっても同情を禁じえないところ

[大黒柱として超然とする前田利家のAB型らしさ]
・血液型で共通する雰囲気: "親分"のO型
                   "リーダー"のA型
                   "親方"のB型
                   "大黒柱"のAB型
・加賀百万石の藩祖、前田利家 
              …AB型指導者のムードを強く感じる
              →決定的な敵をつくらなかった
              →その時、その立場での役割に全力
              →周囲の動向や感情に乱されることがない
              →他人の中傷やウソを嫌う温厚な人柄、無類の公平さ
              →どちらにも偏らない調整パイプ役、頼りがいのある"大黒柱"

[力不足の時は耐える時、淀君のO型的したたかさ]
・豊臣秀吉の側室、淀君 
 …人一倍強い母性愛、女たちへのライバル意識も激しいO型女性の典型のよう
 …弱い立場にある時は、弱い者としてのバイタリティで、強者の保護欲をかきたてる。O型おんなの凄味。

[合戦マニア上杉謙信の正義感と趣味性]
・上杉謙信 …マニアックで、いやみで、正義漢 →実にAB型
        →戦国時代に作戦や采配を趣味として楽しむ、数少ない武将のひとり

[死ぬまで現役! 北条早雲を駆り立てたB型性]
・北条早雲 −戦国大名のはしり:56才からの再挑戦
      …足利政権の末期、体制の中に居ながら発想を逆転させ、実質的な行動に移せる柔軟性は、やはりB型的
      …無位無冠のまま88才で没、"面白き世を、面白く生きぬいた"実用人生、楽観人生

["長生き競争"に勝った徳川家康の粘り強さの秘訣]
・O型説も捨て難い徳川家康 
 →戦国の世に終止符を打ったのは、最も長生きをした家康
 →家康は秀吉との長生き勝負に勝った
 →徳川300年の安定基盤は、O型の優れた健康管理能力が可能に(?)

[騒乱を治めた尼将軍北条政子のO型らしい名演説]
・北条政子 …血液型はO型(遺髪から鑑定)
        −源頼朝亡きあとの北条執権政治は、妻政子によりその基礎
        →"コレッ!"と決めた時の一途さ、抜群の積極さと粘り
        →彼女のO型的親分性、姉御肌に磨き
        →現実重視のO型
        →O型姉御の渾身の演説 →明治維新に至るまで、およそ600年にわたる武士の世を決定づけたとも

[使命感に情熱を燃やし信念に殉じた土方歳三のA型性]
・土方歳三 …新撰組を短期間に鉄壁の組織につくり育て、維持した立役者
        →冷酷非情な悪役を一身に
        →状況によって大変身、A型性を感じさせる傾向

ご意見・ご感想