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インテルへの米国政府はじめ投資の動き;AI半導体、米中せめぎ合い

再建立て直しを図っているインテルへの米国政府の出資が検討されるまでに至っていたが、バイデン前政権にてCHIPS and Science Actに基づいて同社に向けて決められていた割り当てと引き換えに同社の株式を取得する、と週末に発表されている。出資比率は9.9%になるとのことである。さらに、ソフトバンクから$2 billionの出資が発表され、傘下のArmによるAI(人工知能)半導体設計についてインテルによる製造が取り沙汰されている。AI半導体については、Nvidiaによる中国向け仕様品を中国側が拒絶する動きが見られて、また新たな米中せめぎ合いの様相となっているとともに、Nvidiaが間に入って一層揉まれる展開が見られている。

≪インテルそしてNvidiaへの注目≫

まずは、インテルへの米国政府の投資を巡る先週末からの動きの関連が、以下の通りである。

◇[News] Trump Administration Reportedly Mulling a Stake in Intel Amid U.S. Manufacturing Push (8月15日付け TrendForce)
→トランプ政権は、米国での半導体製造の強化、遅延しているオハイオ州の工場への資金提供、および事業の監視権の獲得を目的としてインテルの株式取得を検討していると報じられているが、アナリストらはTSMCのファウンドリとしての役割と技術の安全性に対する潜在的な影響を指摘している。

CHIPS and Science Actの助成金を転換する案が浮上している。

◇Trump administration reportedly weighs 10% stake in Intel via CHIPS Act grants, making government top shareholder (8月19日付け CNBC)
→1)*トランプ政権は、インテルがCHIPS and Science Actに基づいて取得した助成金を株式に転換する案を検討していると報じられている。
  *インテルの現在の時価総額に基づくと、10%の株式取得は約$10.4 billionに相当する。
 2)ブルームバーグの報道によると、トランプ政権は、CHIPS法に基づく助成金を株式に転換するなどして、インテルの株式10%を取得することを検討している。この動きにより、ワシントンは米国半導体業界のリーダーシップ回復を目指すインテルの筆頭株主となる可能性がある。

◇US government planning to take 10% stake in Intel in return for Chips Act money as Softbank invests $2bn (8月19日付け Electronics Weekly (UK))
→先週、米国政府がインテルに投資する可能性があるというニュースが報じられ、同社の株価は8%上昇したが、政府関係者がブルームバーグに対し、この投資は、政府がチップ法の補助金や軍事契約でインテルが得ている$10.9 billionを株式に転換することで実行される可能性があると語ったことで修正された。

◇トランプ米政権、インテル出資比率10%検討 実現すれば筆頭株主に (8月19日付け 日経 電子版 06:02)
→トランプ米政権が検討する米インテルへの出資を巡り、株式総数の10%を取得する方向で調整していることがわかった。複数の米メディアが報じた。出資額は$10 billion(約1兆4800億円)を超える可能性がある。実現すれば米政府はインテルの筆頭株主になる。米政府はインテルに対し、米アリゾナ州や米オハイオ州など4州への投資に最大$7.86 billionの補助金を決定している。

◇米政権、補助金の見返りにインテル株要求 TSMCなどに出資も検討 (8月20日付け 日経 電子版 09:47)
→ラトニック米商務長官は19日、米半導体大手インテルへの出資協議を巡り、補助金を支給する見返りとして同社の株式を要求すると明らかにした。取得する株式には「議決権はない」と話し、経営戦略の策定には米政府が関与しない考えを示した。ロイター通信は同日、米政府がTSMCなどの株式取得も検討していると報じた。

米政府の出資が、週末に次の通り発表されている。

◇米政府、インテルに1兆3000億円出資 補助金代わりに株9.9%取得 (8月23日付け 日経 電子版 07:32)
→米半導体大手インテルは22日、米政府が同社に対して約$8.9 billion(約1兆3000億円)を出資すると発表した。出資比率は9.9%になる。米政府が過去に拠出を決めた補助金のうち、未支給の金額を株式取得に充てる。米国内での半導体製造を担うインテルに対し米政府の関与が強まる。米政府はインテルの普通株式を1株当たり20.47ドルで取得する。

ソフトバンクからのインテルへの出資が、今週のはじめに発表され、業界各紙の以下取り上げである。

◇Intel is getting a $2 billion investment from SoftBank (8月18日付け CNBC)
→1)*ソフトバンクは、インテルに$2 billionを投資し、発行済み株式の約2%に相当する株式を取得する。
  *インテルの株価は昨年、NVIDIAが支配するAI市場でのシェア拡大に失敗したことで、60%下落した。
  *この投資は、製造事業の立ち上げに多額の投資を行ってきたものの、まだ主要顧客を確保できていないインテルへの信任投票となる。
 2)ソフトバンクはインテルに$2 billionを投資し、1株23ドルで株式の2%を取得する。これは、苦戦するインテルへの信頼を示すものだ。AI分野での競争に挑み、ファウンドリの顧客獲得を目指すインテルにとって、ソフトバンクはインテルの第5位の株主となる。

◇What Does SoftBank’s Investment in Intel Stand For? (8月19日付け EE Times)
→1)インテルが再び話題になっている。今回は、日本のテクノロジー・ファイナンス大手、ソフトバンクが、カリフォルニア州サンタクララに本社を置き、経営難に陥っている半導体メーカーの株式約2%を$2 billionで取得するという。ソフトバンクはインテル株を1株23ドルで取得する予定だが、これは買収の前兆というよりは、戦略的な連動と言えるだろう。ソフトバンクの孫正義会長兼CEOは、これを先端半導体製造への戦略的投資と呼んでおり、業界関係者の中には、ソフトバンクが先端プロセスノードでハイエンドチップを生産できるインテルの大規模な製造インフラへの投資機会を狙っているのではないかと見ている向きもある。
 2)ソフトバンクはインテルの株式2%を$2 billionで取得し、半導体製造への取り組みに自信を示している。一方、米国政府は、アジアのライバルであるTSMCやサムスンに対抗するため、インテルのファウンドリー能力を強化するため、$10.5 billionで10%の株式取得を検討している。

◇Financial lifeline for Intel as US government looks at taking a 10% stake―Intel gets $2B from SoftBank as US weighs 10% stake (8月19日付け New Electronics (UK))
→1)経営難に陥っていた半導体メーカー、インテルはソフトバンクから$2 billionの投資を受け、同社の株式を取得したというニュースを受け、財務面で「二重の」追い風を受けた。ソフトバンクは同社株を取得した。また、米国政府も同社の株式10%の取得を検討しているという報道もある。
 2)インテルはソフトバンクから$2 billionの投資を確保し、ソフトバンクは同社の第5位株主となった。一方、米国政府は、CHIPS and Science Actに基づく資金調達を迅速化するため、インテルの株式10%の取得を検討しており、これが実現すれば筆頭株主となる。このアプローチにより、インテルは業績目標に基づく分割払いではなく、より迅速に資金全額を受け取ることができる可能性がある。

傘下のArmによるAI半導体開発のインテルへの生産委託が、今後に考えられる可能性の方向である。

◇ソフトバンクG、自前AI半導体へ相乗効果 インテルに3000億円出資 (8月19日付け 日経 電子版 18:02)
→ソフトバンクグループ(SBG)は19日、米インテルに$2 billion(約3000億円)出資すると発表した。同社株の約2%を取得する。SBGは傘下の半導体企業を通じてAI向け半導体を開発しており、インテルへの生産委託につながる可能性がある。SBGはデータセンター投資に続き、AIの頭脳となる半導体の供給体制を構築する。

◇ソフトバンクG、インテルに3000億円出資 米半導体生産後押し (8月19日付け 日経 電子版 10:31)
→ソフトバンクグループ(SBG)は18日、米インテルに$2 billion(約3000億円)を出資すると発表した。インテルにはトランプ米政権が出資する計画が報じられている。SBGは米政権と歩調を合わせ、米国の先端半導体の生産を後押しする。
 SBGはインテルの普通株式を1株あたり23ドルで取得する。同社の18日終値は23.66ドルだった。インテルの時価総額は約1000億ドルで、出資比率は単純計算で約2%になる。18日の米株式市場の時間外取引でインテルの株価は同日終値に比べ約6%上昇した。

◇Intel in talks with other large investors for equity boost at discount, sources say (8月20日付け CNBC)
→インテルは、売上高の減少、市場シェアの喪失、そしてAI事業の停滞に直面しており、ソフトバンクからの$2 billionの資金注入に加え、追加の株式投資を求めている。米国政府の監視と経営陣の混乱により株価は7%下落し、同社のリスクの高い再建努力は困難を極めている。

◇[News] Decoding SoftBank’s Intel Gamble: Son’s Bold Move to Connect ARM and Chip Manufacturing (8月20日付け TrendForce)
→ソフトバンクが1株23ドルで取得した$2 billion相当のインテル株は、単なる割安な投資以上の意味を持つ。孫正義氏が製造業に異例の投資をしたのは、アームのチップ設計とインテルの未活用のファウンドリ能力をAI主導の成長に結びつけるという、戦略的な野心を示唆している。

インテルはじめ世界の主要半導体メーカーの米国における半導体製造強化が米国政府により求められている現時点であるが、いろいろ議論含みの関連が以下の通りである。

◇Trump eyes U.S. government stakes in other chip makers that received CHIPS Act funds: Reuters―Sources: US considers equity stakes in chipmakers (8月19日付け CNBC/Reuters)
→関係筋によると、米国は、CHIPS and Science Actに基づく補助金と引き換えに、サムスン電子、TSMCおよびマイクロン・テクノロジーなどの半導体メーカーの株式取得や、インテルを含む計画の拡大を検討しているという。Howard Lutnick商務長官は、政府が財政支援の見返りに株式を取得すべきだと示唆したと報じられており、ドナルド・トランプ大統領もこの姿勢を支持しているという。企業とホワイトハウスはコメントを控えた。

◇[News] Samsung Reportedly Seizes on Intel Talent Exodus, Hiring Glass Substrate and Packaging Experts (8月21日付け TrendForce)
→インテルの大規模なリストラとプロジェクトの中止により人材流出が加速しており、サムスン電子とサムスン電機は米国でのファウンドリー拡大と研究開発(R&D)の成長を強化するため、パッケージング、基板、およびBSPDN(Back Side Power Delivery Network)のベテランエンジニアを積極的に採用している。

◇US eyeing TSMC stake, minister says (8月21日付け Taipei Times)
→1)半導体製造投資:J.W. Kuo(郭俊偉)経済相は、米国がTSMCの取締役就任を求める場合、投資審査局の承認が必要になると議員らに語った。
 2)台湾の郭俊偉経済相は、米国がCHIPS法に基づく資金援助を通じてTSMCの株式取得を求める可能性があると述べた。この動きには台湾の投資審査が必要となる。TSMCの事業に対する米国の影響力への懸念が高まり、株価は急落した。

インテルそしてNvidiaに対する米国政府の取り組みについて、以下の論調も見られている。

◇Trump’s Nvidia and Intel meddling is a ‘scattershot method of crony capitalism’: Walter Isaacson (8月21日付け CNBC)
→1)*ドナルド・トランプ大統領のインテルおよびNVIDIAとの取引は「縁故資本主義の場当たり的な手法」だと、Walter Isaacson氏は述べた。
  *ホワイトハウスは、NVIDIAおよびAMDと中国に15%の利益を得る契約を交わした後、経営難に陥っている半導体メーカー、インテルの株式取得を推し進めている。
  *最近イーロン・マスクの伝記を執筆したことで知られるTulane Universityのアイザックソン教授は、この手法ではアメリカの製造業の復興は実現しないと主張した。
 2)ウォルター・アイザックソン氏は、トランプ大統領によるインテル、NVIDIAなどの企業への介入を縁故資本主義と批判し、強制的な支払い、経営陣への圧力、製品への義務付けは腐敗を助長し、競争を歪め、アメリカの製造業を本格的に復興させることはできないと警告した。

次に、AI半導体への注目である。引き続く米中の応酬の様相のなか、まずは半導体チップの50%以上を中国国内メーカーから調達するよう求める中国政府である。

◇China mandates more domestic AI chips for data centres to cut reliance on Nvidia (8月17日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)*2023年と2024年には、内モンゴル自治区や広東省など、全国で500以上の新規データセンター建設計画が発表された。
  *中国は、米国が輸出規制を強化する中、外国技術への依存を減らす取り組みを加速させており、データセンターにおける国産コンピューティングチップの採用拡大を義務付けている。事情に詳しい関係者によると、国内の公営コンピューティングハブは、国内半導体産業を支援するため、チップの50%以上を国内メーカーから調達するよう求められている。
 2)中国は、公営データセンターで使用するチップの50%以上を国内メーカー製にすることを義務付けており、米国の輸出規制が続く中、技術の自立化を加速させている。この変化はAI開発を支援する一方で、外国製チップに依存しているデータセンターにとっては技術的な課題を生じさせている。

◇China mandates domestic firms source 50% of chips from Chinese producers - Beijing continues to squeeze companies over reliance on foreign semiconductors―Reports: China enforces 50% domestic AI chip sourcing―Questions remain about how native chips will work with existing AI infrastructure and software platforms like CUDA. (8月18日付け Tom's Hardware)
→中国は、シリコンの自給率向上のため、国内データセンターに対し、チップの50%以上を国内メーカーから調達することを義務付けたと報じられている。上海発のガイドラインを全国に拡大するこの措置は、輸出規制に直面しているNVIDIAやAdvanced Micro Devicesといった米国製プロセッサへの依存度を低下させる可能性がある。しかし、国内チップはAIの学習能力が低いため、この政策は中国におけるAIイノベーションを鈍化させる可能性がある。

中国国内の半導体メーカーには道が開けた形である。

◇China’s Nvidia challenger Cambricon to raise US$560 million for AI chip development (8月18日付け South China Morning Post)
→1)中国政府がデータセンターに国産AIチップを採用することを決定したことで、Cambriconの見通しは改善した。
 2)カンブリコン・テクノロジーズは、AIチップ開発のために約40億人民元の資金調達を承認され、中国の技術自立への取り組みを強化した。需要の急増と政府の支援に支えられ、同社の株価は1年で280%以上急騰し、NVIDIAの潜在的なライバルとして位置づけられた。

ASMLも、米中の狭間の難しい立ち位置である。

◇ASML's uneasy role in the tech war: What 3 years inside the Dutch giant reveal about US-China rivalry―ASML finds itself at the center of the US-China tech rivalry (8月18日付け DigiTimes)
→米国は中国への半導体技術輸出規制を着実に強化しており、中でもASMLの極端紫外線(EUV)露光装置の禁輸措置は最も重大な措置となっている。

中国のAIの進展は予想以上と、Nvidiaのフアン氏に続いて警鐘を鳴らすOpenAIのアルトマン氏である。

◇US underestimating China’s AI progress, OpenAI’s Sam Altman says (8月19日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)OpenAIのCEO、米中間のAI軍拡競争は見た目以上に複雑だと語る
 2)OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏は、米国が中国の急速なAI進歩を過小評価するリスクがあると警告し、輸出規制によって勢いが鈍化することはないと強調した。アルトマン氏は、中国のオープンソース戦略、産業界への迅速な導入、そして急速な能力を強調し、NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏の懸念に呼応した。

さて、AI半導体について米中の狭間で翻弄され続けた先週末からのNvidia関連の動きが、以下続いていく。

◇Nvidia’s efforts to please both US and China get harder as H20 becomes bargaining chip (8月16日付け South China Morning Post)
→1)時価総額で世界トップの企業が、北京とワシントンの貿易交渉の中心に立っている。
 2)7月の北京訪問中、NVIDIAのCEO、Jensen Huang氏は、H20チップの米国輸出許可申請中を発表し、盛大な歓迎を受けた。しかし、中国規制当局はすぐにセキュリティ上の懸念からNVIDIAを精査し始め、中国企業に国産AIチップへの多角化を促した。

中国向けに仕立てたNvidiaのAI半導体製品が、米国政府の輸出許可を受けられるか、中国政府が喜んで受け入れるか、が焦点となる。

◇Nvidia says it’s evaluating a ‘variety of products’ after report of new AI chip for China (8月19日付け CNBC)
→1)*エヌビディアは、中国向けに現行製品よりも高度な新型AIチップを開発中とのロイター通信の報道を受け、「多様な製品」を検討中だと述べた。
  *報道された計画は、エヌビディアが先週、売上高の15%の分配と引き換えに、中国での製品販売を再開することで米国政府と合意したことを受けてのものだった。
  *ドナルド・トランプ大統領は最近、エヌビディアに対し、中国でより高度なAIチップの販売を許可する可能性を示唆した。
 2)エヌビディアは、Blackwellアーキテクチャをベースとした中国市場向けB30A AIチップの発売計画が報じられたことを受け、新製品の検討を進めている。この動きは、米国の輸出規制、米国との最近の販売協定、そしてscaled-downチップをめぐる政治交渉が続く中で行われた。

◇NVIDIA Preps Blackwell B30A For China: Faster Than H20 But Half The Performance of Blackwell Ultra B300―Reports: Nvidia developing Blackwell B30A chip for China (8月19日付け Wccftech)
→Nvidiaは、HopperベースのH20に代わるBlackwell B30Aチップを中国市場向けに開発していると報じられている。B30AはH20よりも高速になると予想されているが、Blackwell Ultra B300の半分の性能しかない。B30Aは、デュアルチップ構成のBlackwell B200およびB300とは異なり、シングルチップ設計になると予想されている。

◇Nvidia plans more powerful chip for China after Trump approves H20 export, sources say (8月19日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)NVIDIAは、早ければ来月にも中国の顧客にサンプルを納入して試験を実施したいと考えているが、米国規制当局の承認は保証されていない。
 2)NVIDIAは、Blackwellアーキテクチャをベースにした中国向けAIチップ「B30A」を開発している。このチップはH20よりも高性能だが、主力製品であるB300より性能が低い。米中間のテクノロジー摩擦が激化する中、米国では輸出制限を巡る議論が続いているため、規制当局の承認は依然として不透明だ。

◇NVIDIA、先端AI半導体で中国向けを開発 性能は制限とロイター報道 (8月20日付け 日経 電子版 05:56)
→ロイター通信は19日、米エヌビディアが中国向けに新型のAI半導体を開発していると報じた。トランプ米政権が従来品の対中輸出を認めたことを受けた取り組みとなる。米国向けの先端品に比べて性能は劣るが、従来の中国向けチップより高性能になるという。

Nvidia依存から脱却、とはしごを外す中国のスタンスがあらわれきている。

◇中国、AI半導体で脱NVIDIA 自給率70%超へ号令 (8月20日付け 日経 電子版 05:00)
→中国の主要地方政府は2027年までに人工知能(AI)など向けデータセンターの半導体の国内自給率を70%超に引き上げる。米エヌビディア製品への依存から脱却し、国有通信大手をけん引役に華為技術製品などへの切り替えを促す。
 国や企業の競争力を左右するAIで米国に依存しない半導体サプライチェーン構築を急ぐ。

中国向けAI半導体についての米国政府との話し合いは続けられている。

◇‘It’s up to, of course, the United States government’: Jensen Huang says a new China chip is in the works with Trump weighing in (8月22日付け Fortune /The Associated Press)
→NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは金曜22日、同社が中国向けに設計する新たなコンピューターチップの可能性についてトランプ政権と協議していると述べた。
 フアンCEOは台湾を訪問中、エヌビディアの主要製造パートナーである世界最大の半導体メーカー、TSMCと会談した際、中国向けAIデータセンター向け「B30A」半導体の可能性について質問を受けた。

中国の使用拒絶の様相を受けて、Nvidiaは対象製品の生産停止を指示との報道が見られている。

◇Nvidia Asks Suppliers to Halt H20 Work, Information Says―Sources: Nvidia halts H20 chip production amid Beijing pressure (8月22日付け Yahoo/Bloomberg)
→エヌビディアは、サムスン電子やアムコー・テクノロジーを含む部品サプライヤーに対し、H20 AIチップ関連の生産停止を指示したと、The Informationが匿名筋の情報として報じた。
 The Informationによると、エヌビディアは今週、中国政府が中国企業にH20の使用を避けるよう要請したことを受けて、これらの指示を出した。H20は中国市場向けに特別に設計されたチップを指す。同社の株価は、米国市場の前場取引で約1.3%下落した。

◇Tech war: Nvidia CEO ‘surprised’ by Beijing’s move to question the security of H20 AI chips―Nvidia CEO reacts to China's security concern over H20 chips (8月22日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)フアン氏は金曜22日に台湾を訪問し、ファウンドリーTSMCの幹部らとの会談を予定していたが、この発言はこれより前に行われた。
 2)NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏は、同社のAIチップ「H20」に関する中国政府の安全保障上の懸念に驚きを表明し、中国当局が以前、NVIDIAに対し同チップのライセンス取得を強く求めていたことを指摘した。H20チップは米国の輸出規制を遵守するように設計されており、フアン氏はNVIDIAが中国向けに製品を生産できるかどうかは米国次第だと述べている。現在中国市場向けに検討されているB30Aチップは、NVIDIAのBlackwell技術をベースにしており、同社の主力製品であるB300チップの性能を落とした代替品となる予定だ。

中国政府のスタンスへの問いかけとともに、米国政府への問いかけもあらわされている。

◇Nvidia’s icy reception in China is buying time for Huawei (8月22日付け Taipei Times)
→1)中国政府は大きな勝利を収めた。それなのに、なぜ主要AIチップの復活にこれほどの不安を装っているのだろうか?
 2)NVIDIAのチップ販売再開に対する中国の敵対的な対応は、貿易上の優位性を維持しながらHuaweiのAI対応力を強化するための戦略的な遅延を隠蔽している。安全保障上のリスクが警告されているにもかかわらず、中国企業は依然としてNVIDIAに大きく依存しており、関税を軸とした米国の政策転換には疑問符が付く。

◇NVIDIA、中国向けAI半導体関連の生産停止を調達先に要請 米報道 (8月22日付け 日経 電子版 13:14)
→米ネットメディアのジ・インフォメーションは21日、米エヌビディアが中国向けAI半導体「H20」を巡り、関連品の生産を停止するように一部の調達先に伝えたと報じた。中国当局がエヌビディア製を排除する意向を示したことで、米政府が認めた輸出再開の先行きが不透明になっている。

◇中国向けAI半導体、NVIDIAが世代交代模索 「排除」受け苦肉の打開策 (8月23日付け 日経 電子版 05:43)
→米エヌビディアが中国向けAI半導体の世代交代を探っている。中国向けの主力品「H20」を巡り、関連品の生産を停止するように一部の調達先に伝えたことが明らかになった。中国当局が国内でH20の「排除」に動いているためだ。エヌビディアは新型品の投入という苦肉の策で、巨大市場へのアクセスに望みをつなげる。

どう落ち着くか、波乱含みの今後に引き続き注目するところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□8月19日(火)

米ロ会談を受けたホワイトハウスでの欧州側のスタンスである。

◇欧州首脳、トランプ氏のロシア傾斜にクギ 「安全への関与」は歓迎 (日経 電子版 06:22)
→欧州首脳は18日、米ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との会談に参加した。ウクライナの「安全の保証」に米国が加わることを歓迎しつつ、和平交渉がロシア優位に進まないよう欧州も関与させる声が出た。

世界の政治状況よりも、9月の利下げがどうなるかに注目した動き、FRBの前向きのスタンスがあらわれて、最高値更新で締めた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ小幅反落、34ドル安 米ウクライナ会談にも反応薄 (日経 電子版 07:17)
→18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前週末比34ドル30セント(0.07%)安の4万4911ドル82セントで終えた。昨年12月に付けた最高値(4万5014ドル)に迫っており、持ち高調整や利益確定目的の売りが出た。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が引き続き相場を支えた。
 ダウ平均は前週に770ドル高となり、2週連続で上昇していた。

□8月20日(水)

◇NYダウ10ドル高、ジャクソンホール前に慎重姿勢 最高値の場面も (日経 電子版 05:36)
→19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比10.45ドル(0.02%)高の4万4922.27ドルで引けた。一時、0.7%高の4万5207.39ドルをつけ、2024年12月の史上最高値(終値ベース)を上回ったものの、その後テック株を中心に伸び悩んだ。今週の金融イベント「ジャクソンホール会議」を前に投資家の慎重姿勢も強かった。

トランプ関税から、中国とインドが急接近である。

◇中国とインド急接近 トランプ関税が後押し、モディ氏「協力拡大を」 (日経 電子版 16:23)
→インドを訪れている中国の王毅共産党政治局員兼外相は19日、ニューデリーでモディ首相と面会した。中国外務省によると、中印対立の原因だった国境問題を適切に管理し、両国の協力を拡大させる方針で一致した。
 インドはトランプ米大統領が6日、インドからの輸入品に25%の追加関税を課す大統領令に署名したことに反発する。

□8月21日(木)

◇ナスダック2日で2%安、AIバブル論に警戒 ダウは小幅続伸 (日経 電子版 06:04)
→20日の米株式市場でハイテク株中心のナスダック総合株価指数は続落し、前日比142ポイント(0.7%)安の2万1172で終えた。2日間では2%の下げとなった。これまで株式相場の上昇をけん引してきたAI関連への投資が過剰との見方が浮上し、ハイテク株の過熱感が意識されている。ダウ工業株30種平均は小幅に続伸、前日比16.04ドル高の4万4938.31ドルで引けた。

□8月22日(金)

◇米の対EU関税、半導体・薬「15%上限」 共同声明 車は当面維持 (日経)
→米国とEUは21日、貿易協議に関する共同声明を公表した。米国はEUからの輸入品に課す関税率を既存の関税と相互関税を合わせて15%とする。分野別関税を検討する半導体や医薬品、木材も15%を上限にすると明記した。

◇NYダウ反落152ドル安 ウォルマート下落、FRB議長講演前で下値堅く (日経 電子版 06:56)
→21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比152ドル81セント(0.34%)安の4万4785ドル50セントで終えた。四半期決算を発表したウォルマートが大幅に下落した。ほかの消費関連株も連れ安して相場の重荷となった。半面、FRBのパウエル議長の講演を控えて様子見の投資家も多く、下値は限られた。

□8月23日(土)

◇FRBパウエル議長「リスク変化」で9月利下げに道 データ重視は譲らず (日経 電子版 06:09)
→FRBのパウエル議長は22日、経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」での講演で、雇用の下振れリスクの高まりを示し「見通しとリスクのバランスの変化は政策の調整を正当化しうる」と語った。「金融政策は既定のコースにはない」としてデータ重視の姿勢は崩さなかったが、市場が注目する9月の利下げ再開へ道を開いた。

◇NY株846ドル高で最高値 利下げ確率8割に再浮上、強まる景気楽観論 (日経 電子版 06:18)
→22日の米株式市場でダウ工業株30種平均が8カ月ぶりに最高値を更新した。FRBの利下げ再開への期待が高まり、足元で想定以上に堅調な企業業績も相まって投資家の強気姿勢を促した。ただ関税がインフレ再燃を招く兆候もあり、楽観論が押し上げる株高は過熱リスクも抱える。ダウ平均は前日比846ドル(1.9%)高の4万5631ドルで終えた。


≪市場実態PickUp≫

【Arm】

上記のソフトバンクによるインテルへの投資で注目される傘下の半導体設計のArmの動向である。以下の人材関連の動きである。

◇Exclusive: Arm hires Amazon AI exec to boost plans to build its own chips―Arm taps Amazon AI chip director to advance in-house chips (8月18日付け Reuters)
→アーム・ホールディングスは、アマゾンのAIチップ開発ディレクターであるRami Sinno氏を、自社製チップの開発責任者として採用した。シンノ氏は、アマゾンのTrainiumおよびInferentiaチップの開発で知られる。アームがチップアーキテクチャの設計からチップ全体の製造へと事業を転換することは、事業拡大に向けたより広範な戦略の一環である。

◇ARM’s In-House AI Chip Pursuit Sees a Massive Breakthrough as the Firm Hires Amazon’s AI Chip Expert Responsible for Highly-Capable Trainium CPUs―ARM Manages to Poach a Key Executive From Amazon's AI Chip Team, Driving Its In-House CPU Progress (8月18日付け Wccftech)
→ARMの自社製AIチップ開発への野望は、かつてハイエンドASICsを担当していたAmazonのAIチップ開発担当ディレクターを採用したことで、大きく前進した。
 チップIP企業、ARMは、AI業界からの膨大な需要を捉えるため、事業戦略の転換を図り、CPU市場への参入を目指している。


【TSMC関連】

TSMC熊本の現時点について、TSMCアリゾナの状況とともに以下の注目である。

◇熊本の「半導体渋滞」、鉄路に活路 地元一丸で協議会―新生シリコンアイランド (8月18日付け 日経 電子版 05:00)
→熊本県内の慢性的な交通渋滞を鉄道網の整備で改善しようと、沿線自治体が動き出した。協議会を立ち上げ、TSMCの熊本工場(菊陽町)の近くを走る豊肥線の輸送力強化をJR九州に申し入れる。半導体産業の集積は経済効果をもたらす一方、渋滞などひずみも出ている。交通インフラ整備は急務となっている。

◇TSMC Arizona posts first profit since launch (8月20日付け Taipei Times)
→1)TSMCのアリゾナ工場は、堅調な需要と4nmプロセスの生産に支えられ、2024年上半期に初の利益45億2000万台湾ドルを計上し、昨年の損失を回復したと発表した。一方、日本拠点は、世界的な事業拡大を支援する政府補助金の増額にもかかわらず、損失が拡大した。
 2)TSMCのアリゾナ工場は、堅調な需要と高い工場稼働率により、2024年上半期に45億2000万台湾ドルの利益を上げ、初めて黒字転換を果たした。一方、TSMCが全世界で671億3000万台湾ドルの補助金を確保したなか、日本事業は赤字が拡大した。


【中国市場関連】

上記のAI半導体について急な変わり身が見られているが、遅れがちながら自立化とともに最先端に近づける中国の取り組みのさまざまな切り口関連が以下の通りである。

◇China is about to launch SSDs so small you insert them like a SIM card―Biwin's Mini SSD set benchmark for tiny storage―Two cutting-edge Strix Halo portables will have slots for it. (8月14日付け The Verge)
→MicroSDカードは小さいながらも速度が遅い。PCに搭載されているM.2ストレージは超高速だが、サイズが大きく、完全に密閉されている。そんな中、中国から新しいタイプのSSDが登場した。このSSDは、両方の長所を兼ね備えているかもしれない。そして、このSSDは既に2つの最先端のゲーミングノートPCに搭載される予定だ。
 中国のストレージメーカー、Biwinはこれを「Mini SSD」と呼んでいるが、別のメーカーは「1517」と呼んでいる。サイズはわずか15mm x 17mm x 1.4mmで、米国の1セント硬貨よりも小さく、MicroSDよりわずかに大きいだけだ。

◇China’s leading supplier of 12-inch silicon wafers given greenlight for Shanghai IPO (8月15日付け South China Morning Post)
→1)12インチウエハーにおけるEswinの能力は、中国の半導体自給自足戦略にとって重要な資産と見られている。
 2)中国最大の12インチシリコンウエハーサプライヤーであるEswinは、上海でのIPO承認を取得し、$683 millionを調達することで生産能力の倍増を目指している。この動きは、中国の半導体自給自足への取り組みと、AIを背景とした半導体需要の急速な増加を反映している。

◇[News] Hua Hong Seeks Controlling Stake in HLMC in Major China Foundry Consolidation Push (8月18日付け TrendForce)
→Hua Hong Semiconductor(華虹半導体)は、株式、現金、および資金調達を通じてHLMCを買収し、重複する65/55nmおよび40nmの生産能力を統合することを目指している。この取引は、中国における近年の半導体統合の中でも最大規模のものであり、最終契約が成立するまで競争上の懸念の解消を目指している。

◇Beijing reportedly pushes local chip usage as H20 sales resume in China (8月18日付け DigiTimes)
→エヌビディアのH20 AIチップが米中技術競争の焦点となる中、中国政府は国内での利用に対し、慎重ながらも強硬な姿勢を強めている。この動きは、中国が米国へのAIチップの供給を削減するというより広範な戦略を浮き彫りにしている。

◇Tech war: Huawei reveals Kirin chip inside 5G smartphones as firm overcomes US sanctions (8月19日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)*子会社HiSiliconが設計したKirin 9020システムオンチップ(SoC)は、Mate 70シリーズやPura 80シリーズを含むHuaweiのプレミアムスマートフォンに搭載されている。
  *Huawei Technologiesは、新型Pura 80シリーズにKirin 9020システムオンチップが搭載されていることを発表した。これは、米国の制裁対象となっている同社が、約5年ぶりに自社の先進的なスマートフォン用プロセッサの秘密のベールを脱いだことになる。
 2)Huaweiは、Pura 80スマートフォンにKirin 9020チップが搭載されることを発表した。これにより、秘密主義は終わり、HiSiliconの設計が明らかになり、米国の制裁下にもかかわらず5Gの復活を後押しするとともに、自社製プロセッサの革新性への新たな自信をもって、HarmonyOSエコシステムへの取り組みを強化した


【韓国市場関連】

SamsungおよびSKグループそしてAI向けHBMを主導する傘下のSK Hynixについて、現下の取り組みに改めて注目している。

◇Samsung taking market share from Apple in U.S. as foldable phones gain momentum (8月16日付け CNBC)
→サムスンは米国スマートフォン市場で地位を回復しつつあり、第2四半期の出荷台数は折りたたみ式端末と低価格端末の牽引により23%から31%に増加した。アップルは依然として49%でトップに立っているものの、圧力に直面しており、折りたたみ式iPhoneの計画が進んでいる。

◇SK chairman calls for sovereign AI to compete in global race ―‘AI competition is survival of fittest,’ says SK hynix CEO (8月18日付け The Korea Times)
→SKグループのChey Tae-won会長は、デジタル主権を強調し、グローバル競争力を強化するために主権的なAI開発を促した。SKハイニックスのKwak Noh-jung CEOは、AIの破壊的な力は「AI適者生存」競争に生き残るためのイノベーションを要求していると関連会社に警告した。

◇SK hynix chief says group's bold investment behind HBM success (8月18日付け Yonhap News Agency)
→SKハイニックスのKwak Noh-jung CEOは、かつて苦戦していた同社が高帯域幅メモリ(HBM)と世界のDRAM市場のリーダーへと変貌を遂げたのはSKグループの大胆な投資とSUPEX経営哲学のおかげだと評価し、AI主導の急速な業界変化の中でイノベーションを継続していくことを誓った。

◇SK Group chief stresses AI capabilities, operation efficiency (8月21日付け Yonhap News Agency)
→SKグループのChey Tae-won会長は、従業員に対し、効率性と競争力を高めるためにAIとデジタル変革を取り入れるよう促し、現在の多くの業務がAIに置き換えられると警告し、創造的な価値の創出とより強固な運営基盤を強調した。

◇Samsung boosts 2nm chip competitiveness with Hyper Cell tech―Samsung to tap Hyper Cell tech in 2nm chip process (8月22日付け DigiTimes)
→サムスン電子のファウンドリー事業は、2nm半導体プロセスにおける競争力維持のため、Hyper Cell技術を活用する計画である。より柔軟なチップ設計を採用することで、性能と電力効率の両方を向上させることを目指している。


【AI関連の激動】

上記にも米中の応酬が随所にあらわれているが、AI関連はさらに切り口が多々。当面定点観測の色合いの本欄である。

◇OpenAI’s Sam Altman sees AI bubble forming as industry spending surges (8月18日付け CNBC)
→1)*OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏は、AIはバブル状態にある可能性があると述べ、市場の状況を1990年代のドットコムバブルに例えたと報じられている。
  *「投資家全体がAIに過剰に興奮している段階にあるか?私の意見はイエスだ。AIは今後非常に長い期間で最も重要な出来事か?私の意見もイエスだ」と、アルトマン氏は述べたと伝えられている。
  *アリババの共同創業者であるJoe Tsai氏、Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏およびApollo Global Managementのchief economist、Torsten Slok氏も同様の警告を発している。
 2)OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏は、AIブームをドットコムバブルに例え、投資家の過熱に警鐘を鳴らした。AIの変革力を認めつつも、OpenAIが資金調達、成長、そしてグローバル展開を積極的に推進する中で、過大評価のリスクがあると指摘した。

◇Complex Mix Of Processors At The Edge―Edge AI's processor diversity challenges designers―Diversity of compute elements proliferates for inference, but the mix varies by application. (8月18日付け Semiconductor Engineering)
→1)AIの急速な進化は、エッジプロセッサの多様化を推進しており、企業は現在のパフォーマンスニーズと将来性のバランスを取ろうとしている。「エッジとはクラウドやデータセンター以外のものを指すが、その種類は多岐にわたる」と、Imagination Technologiesのvice president of technology insights、Kristof Beets氏。「例えば、非常に小型でバッテリーを搭載している携帯電話と、エッジデバイスでありながら熱特性や電力特性が全く異なる自動車などである。」
 2)AIハードウェア戦略は、企業が柔軟性、コスト、およびパフォーマンスを重視する中で多様化している。GPUsが主流となっている一方で、設計者はASICs、NPUs、MPUs、DSPs、およびFPGAsを採用するケースが増えており、大手テクノロジー企業は推論やエッジワークロードを最適化するために特注のシリコンを開発している。

◇ディープシーク、新AIモデル開発に遅れ 中国の半導体原因か (8月19日付け 日経)
→中国のAI新興、DeepSeekが新たなAIモデルの開発に苦戦している。本来は5月に投入する予定だったが遅れている。中国通信機器大手の華為技術の半導体でモデルを訓練したが、思うように性能が上がらないもようだ。英紙フィナンシャル・タイムズが伝えた。報道によるとディープシークは1月に米エヌビディアの半導体を使った最初のモデル「R1」を投入して以降、当局に促されファーウェイの半導体「アセンド(昇騰)」を使い後継モデルを開発してきた。

◇DeepSeek V3.1 just dropped - and it might be the most powerful open AI yet―DeepSeek V3.1 challenges US dominance with open-source AI (8月19日付け VentureBeat)
→DeepSeek V3.1が、Hugging Faceでデビューした。チャット、コーディングおよび推論機能を統合した高度なハイブリッドアーキテクチャにより、急速に人気を博している。このモデルはAiderコーディングベンチマークで71.6%のスコアを獲得し、トップクラスの独自システムと同等の性能を備えながら、よりコスト効率に優れている。

◇Hon Hai set to operate Softbank’s AI server site (8月19日付け Taipei Times)
→1)協業:ソフトバンクは工場に製造設備を供給し、合弁会社がAIデータセンター機器を製造する予定だと、Hon Hai Precision Industry Coのchairman、Young Liu氏は述べた。
 2)Hon Hai(鴻海)は、ソフトバンクが新たに買収したオハイオ州の工場を運営し、OpenAIおよびOracleと共同で$500 billion規模のStargateプロジェクトの一環として、AIサーバー生産拠点に転換する。この合弁事業は、資金調達と競争上の課題を抱えながらも、孫正義氏のAIへの野心を後押しするものである。

米著名ファンド、テック大手に回帰 AI向け投資に期待 (8月19日付け 日経 電子版 19:34)
→米国の著名ファンドが開示した6月末時点の保有株式を調べたところ、巨大テック企業を買い増す動きが目立った。米国の関税政策や景気に対する懸念が後退。生成AI分野の成長期待から、テック株に再び資金が向かっている。

◇メタ、巨額報酬でのAI人材採用「一時停止」 体制刷新にめど (8月22日付け 日経 電子版 06:08)
→米メタがAI開発に向けた人材採用を一時的に停止したことが21日までに分かった。生成AI分野の遅れを巻き返すため、1人当たり$100 million(約148億円)にも上る巨額報酬で競合企業の研究者らを引き抜いたが、開発体制の刷新にめどがたったと判断した。

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