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GTC 2025:Nvidiaの新たなロードマップ、GM連携、サーバ市場押上げ

Nvidiaの年次開発者会議、GTC 2025が、3月17日〜21日、San Joseで開催され、"What’s Next in AI Starts Here"と、半導体もその1つ、現下の市場を大きく引っ張る人工知能(AI)分野の今後の方向性があらわされている。同社CEO、Jensen Huang氏の熱いプレゼンに始まって、GPU製品のロードマップが更新され、先の先まで2027年に至る新たな展開が見られている。AI半導体と並んで、ロボット開発への重点化があらわされ、自動運転などゼネラル・モーターズ(GM)との連携が発表されている。Foxconn(鴻海精密工業)からは、AIサーバの売上げが2年以内にiPhoneを上回るとの読みがあらわされて、それぞれシナリオ通りの今後となるかどうか、注目するところである。

≪AIの熱気加減いつまで≫

GTC 2025のプレゼンおよび概況関連が、以下の通りである。

◇NVIDIAの開発者会議、AI半導体・ロボット・量子に注目―GTC2025 (3月18日付け 日経 電子版 11:30)
→米エヌビディアの年次開発者会議「GTC」が17日、米カリフォルニア州サンノゼで始まった。オンラインを含め30万人超が参加するテクノロジー分野の最注目イベントだ。1)AI半導体2)ロボット開発3)量子コンピューター――の3分野に関する発表が焦点となる。GTCの会期は17〜21日。

◇University leaders share concerns over AI at Nvidia's GTC 2025 (3月18日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→*Nvidiaは、高等教育におけるAIについて議論するために、大学のエンジニアリングリーダーによるパネルを開催した。
 *Pioneering Al in Higher Educationのパネリストたち:San Jose McEnery Convention Centerで開催されたNvidia GTC 2025において、「Accessible Learningと大学の将来性」についてのディスカッションが行われた。

CEO、Huang氏のプレゼンの様子である。

◇Huang Talks Tokens, Reveals Roadmap at GTC 2025―Explore Nvidia's AI breakthroughs and new roadmap as CEO Huang unveils advanced GPUs and technologies at GTC 2025. (3月19日付け EE Times)
→NvidiaのJensen Huang CEOが嬉々としてTシャツキャノンを観客に向けて発射したことを除けば、今年のGTC 2025の基調講演は、昨年に比べるとロックコンサートのような雰囲気はやや薄れたように感じた。フアン氏はインパクトのあるスライドに頼り、数学で聴衆を「拷問」するようなジョークを飛ばした。台本もテレプロンプターもなく、2時間以上にわたってエヌビディアのイノベーションのペースと現在、そして未来について語り続けた彼の熱気は、2、3の出番を逃したくらいでへこたれることはなかった。

◇A new type of data center is coming. What's next?―How AI is affecting the future of data centers (3月19日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→*San Jose McEnery Convention Centerで開催されたGTC 2025のDesigning and Simulating Next Generation Data Centers & AI Factories With Cadence and Nvidiaセッションで、NvidiaのSenior Data Center Cooling and Infrastructure Engineer、Kourosh Nemati氏がAIファクトリーについて議論。
 *新しいファクトリーは、従来のデータセンターの6倍にあたる120キロワット以上の電力を生成することができる。

投資家の反応は、今回それほど、という受け止めもあらわされている。

◇Nvidia seeking to expand its AI lead with robots (3月20日付け Taipei Times)
→*ロボットの時代 エヌビディアのジェンセン・フアンCEOは年次カンファレンスで新しいAIチップとロボット開発を発表したが、投資家は大きな発見はなかったと見ている
 *エヌビディアのジェンセン・フアンCEO(最高経営責任者)は火曜18日、年次GPUテクノロジー・カンファレンス(GTC)で、AIコンピューティングのコストが制御不能になりつつあるという懸念に対処した。
 *GTCでフアン氏は、より強力なチップと関連技術を発表し、顧客に明確な見返りを提供すると述べた。このラインナップには、Blackwell Ultraと呼ばれるNvidiaのフラッグシップAIプロセッサーの後継機や、2027年までの追加世代が含まれる。

Huang氏は、量子コンピューターの市場登場についての前回のコメントを撤回している。

◇Nvidia CEO Huang says he was wrong about timeline for quantum, surprised his comments hurt stocks (3月20日付け CNBC)
→*エヌビディアのJensen Huang(ジェンセン・フアン)最高経営責任者(CEO)は木曜20日、1月に行った、今後15年以内に有用な量子コンピューターが市場に登場するかどうか疑わしいとするコメントを撤回した。
 *この発言は、Nvidiaのイベント「Quantum Day」で行われた。
 *「これは、CEOがゲスト全員を招待して、なぜ自分が間違っていたのかを説明させるという史上初のイベントです」とフアン氏は語った。

また、Huang氏は米国市場への投資計画を、次の通りあらわし、トランプ政権への配慮が見られている。フィナンシャル・タイムズは、概略次のあらわし方である。
…エヌビディアは今後4年間で、米国で製造されるチップやその他の電子機器に数千億ドルを費やすと、同社の最高経営責任者(CEO)が語った。トランプ大統領の「米国第一主義」貿易政策の影響が世界経済に波及する中、世界で最も価値のある半導体グループによる巨額の支出計画は、アップルを含む他のテクノロジー企業が発表した数十億ドル規模の米国投資計画に続くものだ。

◇Nvidia Plans Massive Outlay on US-Made Electronics, FT Says―Report: Nvidia to spend billions on US-made chips, electronics (3月20日付け Yahoo/Bloomberg)
→エヌビディア社は、今後4年間で数千億ドルを費やして米国製のチップや電子機器を調達することを目指している、と『フィナンシャル・タイムズ』紙が報じた。
ジェンセン・フアンCEOはFT紙に対し、同社が設計した最新のチップや、エヌビディアが搭載するデータセンター向けサーバーは、TSMCやフォックスコン・テクノロジー・グループが運営する米国の工場で生産できるようになったと語った。これは、カリフォルニア州サンタクララを拠点とする該チップメーカーにとって、サプライチェーンの回復力における大きな前進である、とフアン氏は付け加えた。

◇Nvidia planning massive outlay on US electronics (3月21日付け Taipei Times)
→Nvidia Corpは、今後4年間で数千億ドルを費やして米国製のチップや電子機器を調達することを目指している、とFinancial Timesが報じた。エヌビディアのJensen Huang CEOは、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、同社が設計した最新のチップと、エヌビディアがデータセンター向けに提供するサーバーは、TSMCと台湾で鴻海精密工業として知られるFoxconn Technology Groupが運営する米国の工場で生産できるようになった。

AIロボットへの取り組みである。

◇NVIDIA、スター・ウォーズの夢を現実に AIロボで覇権―GTC2025 (3月21日付け 日経 電子版 14:19)
→米エヌビディアがロボット開発のリーダーに名乗りを上げた。高度なAIを搭載したロボットの実現に向け、ソフトウエア開発環境から半導体までをまるごと提供する構想を披露した。AI半導体の成功体験を応用し、ロボット分野でも覇権を狙う。

以上の概要であるが、Nvidiaの新たなGPU製品ロードマップについて、先の先までのあらわし方の具体的内容および関連が以下続いていく。

◇We heard you like HBM - Nvidia's Blackwell Ultra GPUs will have 288 GB of it―Nvidia unveils Blackwell Ultra GPUs with 288GB HBM3e―There goes AMD's capacity advantage (3月18日付け The Register (UK))
→1)GTC:NvidiaのBlackwell GPUアーキテクチャは、まだ揺りかごから出たばかりだが、グラフィックス・チップの巨人はすでに、Ultraをテーマにした同テクノロジーのリフレッシュで、ライバルのAMDに対するリードを広げようとしている。
 2)Nvidiaは、最大288GBのHBM3eメモリと15ペタFLOPSのFP4性能を備えたBlackwell Ultraグラフィック・プロセッシング・ユニットを発表した。AI推論用に設計されたこのGPUsは、より大きなモデルをより効率的に実行できる。Nvidiaはまた、RubinとRubin Ultra GPUsを発表し、データセンターのロードマップを詳述した。

先の先、2027年までと、「Mooreの法則」を思い起こすが、「Huangの法則」が如何に推移していくかに注目である。

◇Nvidia announces Rubin GPUs in 2026, Rubin Ultra in 2027, Feynman also added to roadmap―NVL144 and NVL576 configurations coming down the pipe. (3月18日付け Tom's Hardware)
→Nvidiaは本日開催されたGTC 2025カンファレンスにおいて、2026年と2027年のデータセンターロードマップの更新を発表し、今後予定されているRubin(天文学者Vera Rubinにちなんで命名)とRubin Ultraの構成を紹介した。
同社はBlackwell B200のフル生産を終えたばかりであり、Blackwell B300は2025年後半に予定されているにもかかわらず、Nvidiaはすでに次の2年間を楽しみにしており、パートナーが来るべき移行を計画するのを支援している。

◇Nvidia announces Blackwell Ultra, Rubin roadmap plans at GTC (3月18日付け Fierce Electronics)
→AIに関する誇大宣伝は以前ほど光っていないが、NvidiaのJensen Huang CEOは、我々の関心を薄れさせようとはしていない。相変わらずエネルギッシュで革ジャンに身を包んだフアン氏は、Nvidiaの春のGTCイベントに登場し、AIコンピューティング、特にエージェントAIと物理AIの時代が差し迫っている中で、(Deepseekは非難されるかもしれないが)誰もが考えているよりもはるかに多くのコンピューティング・リソースが必要になることを再確認させ、この必要性をサポートするNvidia GPUシステムのロードマップを紹介した。

◇Nvidia Blackwell accelerates computer-aided engineering software by 50X (3月18日付け VentureBeat)
→Nvidiaは、Nvidia Blackwellハードウェアが、大手コンピューター支援ソフトウェアエンジニアリング企業のデジタルツイン向けソフトウェアを50倍高速化すると発表した。
これらのベンダーには、Ansys、Altair、Cadence、SiemensおよびSynopsysが含まれる。このような高速化されたソフトウェアと、Nvidia CUDA-Xライブラリ、および自動車、航空宇宙、エネルギー、製造およびライフサイエンスなどのパフォーマンスを最適化するブループリントを使用することで、エネルギー効率を維持しながら、製品開発時間を大幅に短縮し、コストを削減し、そして設計精度を高めることができる。

◇Nvidia announces Blackwell Ultra and Rubin AI chips (3月18日付け CNBC)
→*Nvidiaは火曜18日に開催された年次GTCカンファレンスで、人工知能(AI)モデルの構築と展開のための新しいチップを発表した。
 *Jensen Huang(ジェンセン・フアン)CEOは、今年後半に出荷されるチップファミリーであるBlackwell Ultraと、2026年に出荷される予定の次世代GPUsであるVera Rubinを明らかにした。
 *今回の発表は、エヌビディアの新しい年次リリース・ケーデンスを試すもの。AIブーム以前は、Nvidiaは1年おきに新しいチップアーキテクチャをリリースしていた。

◇Nvidia’s Huang Expected to Reveal Details of New AI Chips―All eyes on Nvidia as CEO likely to unveil flagship AI chips―Nvidia chief expected to reveal details about the company’s new flagship AI chips - designed for huge data centres that train AI systems (3月18日付け Asia Financial News Group (London)/Reuters)
→エヌビディアのJensen Huang CEOは本日、グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)、中央演算処理装置(CPU)およびネットワーク・チップを搭載した同社の新しいフラッグシップAIチップ「Rubin」を発表する見込み。このチップは、AIシステムを訓練する大規模データセンター向けに設計されており、今年中に生産が開始され、2026年には大量展開される予定。

◇Nvidia’s Huang says faster chips are the best way to reduce AI costs (3月19日付け CNBC)
→*火曜18日に開催されたNvidiaのGTCカンファレンスでHuang氏は、同社のグラフィックプロセッサ(GPUs)のコストと投資利益率について顧客が抱いている疑問は、より高速なチップによって解消されるだろうと述べた。
 *Nvidiaは、今年発売されるBlackwell Ultraシステムは、複数のユーザーにAIを提供するのに非常に高速であるため、Hopperシステムの50倍の売上げをデータセンターに提供できる、というのは複数のユーザーにAIを提供するのがとても速くなったから、と述べた。
 *各Blackwellを2つのGPUsとしてカウントするNvidiaの新しい慣例に基づき、4大クラウドプロバイダーはすでに360万台のBlackwell GPUsを購入している。これは、130万個のHopper GPUsから増加している。

◇Nvidia unveils new AI products that it says can help DeepSeek’s models run faster―Nvidia's AI products seek to boost DeepSeek's R1 model (3月19日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*Huang CEOは、Nvidiaの最新製品がDeepSeekのR1のような大規模モデルの推論能力を劇的に高める可能性があることを説明した。
 *Nvidiaの新しい製品は、DeepSeekのR1モデルのパフォーマンスを大幅に向上させる可能性があると、チップ大手のジェンセン・フアンCEOは火曜18日、AIの時代における該米国企業のかけがえのない地位を強調することを目的としたメッセージの中で述べた。
カリフォルニア州サンノゼで開催された同社の年次GTCカンファレンスで、フアンCEOは、Nvidiaの最新製品が、DeepSeekのR1のような大規模モデルの推論能力を劇的に高める可能性があることを説明した。

◇NVIDIA、AI半導体の処理性能1.5倍に 25年後半の新型で―GTC2025 (3月19日付け 日経 電子版 05:47)
→米エヌビディアは18日、2025年後半に新型のAI半導体を投入し、処理性能がいまの1.5倍になると発表した。26〜27年にかけ、年1つのペースで新型を出す開発計画も示した。AIそのものの出来を左右する半導体の処理性能を段階的に高め、AI半導体市場での優位を維持すると説明した。

次に、Nvidiaの連携開発の取り組みであるが、ロボットに向けてGMとの連携が次の通りである。

◇GM teams up with Nvidia to bring AI to robots, factories, and self-driving cars (3月18日付け TechCrunch)
→ゼネラルモーターズは、工場、ロボット、および自動運転車など、該自動車メーカーのビジネスのあらゆる側面に触れられるように設計された拡大コラボレーションで、物理的な世界にAIをもたらすためにNvidiaを利用する。
Nvidiaの創業者兼CEOであるJensen Huang(ジェンセン・フアン)氏は、サンノゼで開催されたGTCの基調講演でこの提携を発表し、自律走行車の時代が到来したと語った。

◇Nvidia and GM are partnering to build self-driving cars―General Motors will rely on Nvidia's AI expertise to build its next generation of cars (3月18日付け Quartz)
→ゼネラル・モーターズ(GM)は、次世代自動車の製造にエヌビディアの人工知能(AI)の専門知識を活用する。

◇Nvidia, General Motors partner to make 'next-generation' cars (3月18日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→このニュースは、Jensen Huang(ジェンセン・フアン)CEOがSAPセンターでGTC 2025の基調講演を行った際に発表された。

◇Nvidia extends GM pact as industrial AI push continues―GM taps Nvidia AI chips for autonomous tech, factories (3月19日付け Mobile World Live (U.K.))
→ゼネラルモーターズは、エヌビディアのAIチップとソフトウェアを統合し、該自動車メーカーの自律走行技術、工場プロセスおよびロボット工学を強化する。この協業では、NvidiaのOmniverseをデジタルツインとAIモデルのトレーニングに使用し、GMの製造工程を最適化する。

ほかにも連携の取り組みが以下の通りである。

◇Rune Aero uses Nvidia GPUs to cut virtual wind tunnel costs by 80%―Rune Aero cuts fuel usage by half with help from Nvidia (3月18日付け VentureBeat)
→Rune Aero社は、Nvidiaのグラフィック・プロセッシング・ユニットとPhysics AIを搭載したインタラクティブな仮想風洞(wind tunnel)を採用し、初期の航空機設計コストを80%削減するとともに、積載量を2倍にし、燃料消費を50%削減した。Luminary CloudのCFD(Computational Fluid Dynamics)シミュレーションとNvidia Omniverseを利用したこの技術は、リアルタイムの設計最適化を可能にし、航空貨物の経済性を一変させる。

◇Schneider Electric plugs into AI's power hunger with Nvidia digital twin tech―Schneider Electric creates AI data center digital twin―Because guesswork won't keep the lights on (3月19日付け The Register (UK))
→Schneider Electricは、ETAPおよびNvidiaと提携し、AIデータセンターの運用をシミュレートするデジタルツインシステムを開発した。このシステムはNvidia Omniverseを使用し、リアルタイムのパフォーマンス追跡とエネルギー最適化を提供し、AIワークロードの増大する電力需要に対応する。

AIサーバの市場押上げが、Foxconnから今回のGTCであらわされ、関連する内容含め以下の通りである。

◇鴻海、AIサーバーで再成長 前期売上高30兆円超え、過去最高 ホンダ・日産の再協議注視 (3月15日付け 日経)
→台湾電機大手の鴻海精密工業が14日発表した2024年12月期決算は売上高が過去最高となり、日本円換算で初めて30兆円を超えた。米エヌビディアに供給するAI向けサーバーが米アップルのiPhoneに続く受託生産ビジネスの柱となった。電気自動車(EV)事業で日本勢との提携を探り、第3の柱に育てる。

◇AI server revenue to double: Hon Hai (3月15日付け Taipei Times)
→1)好調な市場:サーバーとネットワーク製品はスマートフォンに代わってホンハイの売上げに最も貢献するだろうと、同社のYoung Liu会長は述べた。
 2)ホンハイは今四半期、エヌビディアのGB200チップの需要に牽引され、AIサーバーの売上が2倍以上になると予想している。AIサーバーは1兆台湾ドルに達する可能性があり、スマートフォンを抜いてトップの収益源となる。同社は成長を維持するため、米国での事業拡大と設備投資の増加を計画している。

◇Worldwide Server Market Revenue Increased 91% During the Fourth Quarter of 2024, according to IDC - Nvidia continues dominating the GPU server space (3月18日付け IDC)
→International Data Corporation(IDC)のWorldwide Quarterly Server Trackerによると、サーバー市場の売上高は2024年最終四半期に過去最高の$77.3 billionに達した。今四半期はベンダーの売上げが前年同期比で91%増加し、2019年以降で2番目に高い成長率を示した。
 x86サーバーから発生した売上げは2024Q4に59.9%増の$54.8 billionに達した一方、非x86サーバーは前年同期比262.1%増の$22.5 billionに達した。
 2024年第4四半期のGPU内蔵サーバーの売上高は前年同期比192.6%増となり、2024年通年ではサーバー市場の売上高の半分以上がGPU内蔵サーバーによるものである。Nvidiaは、2024年第4四半期における組み込みGPU搭載サーバーの総出荷台数の90%以上を占め、サーバーGPU分野を引き続き支配している。ハイパースケーラーやクラウドサービスプロバイダーがGPU内蔵サーバーを採用するペースが速いことがサーバー市場の成長に拍車をかけており、2024年通年の売上高は$235.7 billionで、2020年以降2倍以上の規模に成長している。

◇Tencent ramps up Nvidia H20 orders as DeepSeek's breakout spurs AI arms race―Tencent orders Nvidia's H20 AI chips, reports say (3月18日付け DigiTimes)
→Tencent Holdings Ltd.は、大規模なAIアプリケーションへの進出をサポートするため、数百億元相当のエヌビディアH20 AIチップを発注したと報じられている。Caijing誌は、この需要の急増が短期的な供給不足を招いていると報じている。

◇Taiwan's Foxconn expects servers to top iPhone earnings within 2 years―Foxconn chair anticipates server revenue surpassing iPhones soon ―Foxconn debuts GB300 server as part of 'advanced super chip ecosystem' at GTC2025 (3月19日付け Taiwan News)
→フォックスコンは、2年以内にiPhoneよりもサーバーの収益が上回ると予想している、と同社会長が火曜18日に語った。
 カリフォルニアで開催されたNvidiaのGTC 2025で、FoxconnのYoung Liu(ヤング・リウ:劉揚偉)会長はCNAに対し、同社のサーバーの売上げがiPhoneの売上げを上回る可能性があると語った。「2年以内には間違いなくそうなるだろう」とリウ氏は付け加えた。
 フォックスコンはこの展示会で、「AI工場の計算エンジン」としてNvidiaと共同設計したサーバー、GB300 NVL72を発表した。Foxconnはまた、高度なAIアプリケーション向けのNvidiaのGB200サーバーも製造している。

◇Servers to surpass iPhones by 2027: Hon Hai (3月20日付け Taipei Times)
→*NEXT GENERATION:同社(Hon Hai)はまた、今年台中の病院でサービスを開始する看護ロボット「Nurabot」を含む自動化された機械も展示した。
 *鴻海精密工業は、サーバーの売上高が2年以内にiPhoneの売上高を上回ると予想しており、早ければ今年中にこの目標を達成する可能性があると、劉揚偉(Young Liu)会長は火曜18日にカリフォルニア州サンノゼで開催されたNvidia Corpの年次技術会議で語った。

そのほか、関連する内容&動きを取り出している。

◇SK hynix ships HBM4 samples for clients for 1st time in world―SK Hynix releases HBM4 samples, with eye on mass production this year (3月19日付け The Korea Times (Seoul))
→SKハイニックスは水曜19日、次世代高帯域幅メモリー4(HBM4)チップのサンプルを世界で初めて顧客に出荷し、AIに特化したメモリーチップの主要サプライヤーとしての地位を固めたと発表した。
該チップメーカーによると、同社は最近、12層HBM4のサンプルを主要顧客に認定テストに向けて提供した。HBM4は第6世代のHBMで、グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPUs)やその他のAIアクセラレーター・チップのプロセス加速に重要な役割を果たす。

◇Musk Says Chip Capacity Will Decide Winner of AI Race (3月20日付け EE Times)
→Elon Musk氏は、高度なチップ製造能力を持つ国がAI競争に勝つと考えている。
「今後数年で、アメリカが勝つ可能性が高いと思う」とマスク氏は3月17日、Ted Cruz上院議員とのインタビューで語った。
「そして、誰がAIチップの製造をコントロールするかということになる。AIチップを製造する工場は、誰が管理しているのか?もしその多くが中国に支配されれば、中国が勝つことになる」。
マスク氏によれば、台湾のTSMCは現在すべてのAIチップを製造しており、それはアメリカにとって国家安全保障上の問題だという。

◇NVIDIA、AI半導体で狙うデータセンターの「次」―GTC2025 (3月20日付け 日経 電子版 17:31)
→米エヌビディアがAIの経済圏を広げている。米サンノゼで開催中の開発者会議「GTC」には同社の技術を採用する約400社が出展した。対話型が中心だったAIの裾野をロボットや自動運転に広げ、計算処理に使う半導体の需要を喚起する戦略が浮き彫りになった。

◇NVIDIA、拭えぬ「DeepSeekショック」 米中AI分断が影―GTC2025 (3月21日付け 日経 電子版 05:56)
→米エヌビディアの開発者会議「GTC」が21日閉幕する。年に1度のイベントでAI半導体の新規計画やロボット技術を示し事業見通しの明るさを訴えたが、AIの2大大国である米中の分断に悩む姿ものぞかせた。中国のDeepSeekの台頭が分断を深めており、エヌビディアへの影響も避けられない。

非常に敏感な内容に至るまで、AIの今後の熱気加減が気になるところであり、上記それぞれに注目するところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□3月18日(火)

トランプ政策の不確実性が覆う中、上げ下げが交互の今週の米国株式市場である。

◇NYダウ続伸、353ドル高景気敏感株に買い (日経 電子版 06:30)
→17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比353ドル44セント(0.85%)高の4万1841ドル63セントで終えた。同日発表の小売り指標が強弱まちまちの内容となり、個人消費を巡る過度な懸念が後退した。景気敏感株を中心に買いが広がり、ダウ平均は一時、500ドルあまり上昇した。

□3月19日(水)

◇NYダウ3日ぶり反落、260ドル安 FOMC結果前に売り (日経 電子版 06:00)
→18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比260ドル32セント(0.62%)安の4万1581ドル31セントで終えた。ダウ平均は前日までの2営業日で1000ドルあまり上昇した後で、主力株に持ち高調整の売りが優勢になった。ダウ平均の下げ幅は400ドルを超える場面があった。

利下げを求めるトランプ大統領と、慎重な米連邦準備制度理事会(FRB)の間の応酬が以下続いている。

◇Fed Dims Economic Outlook, Citing Uncertainty Over Tariffs―Federal Reserve holds rates steady, lowers growth outlook―Officials extend pause on interest rates while projecting higher inflation and unemployment (The Wall Street Journal)
→米連邦準備制度理事会(FRB)は基準金利を4.3%程度に据え置き、今年のインフレ見通しを2.5%から2.7%に修正した。FRBはまた、経済成長率見通しを2.1%から1.7%に下方修正し、$6.8 trillionの資産ポートフォリオの縮小を減速させる方針だ。FRB当局者は慎重な姿勢をとっており、経済情勢がより明確になるまで追加利上げは見送る方針だ。

□3月20日(木)

◇FRB議長、不確実性「異常な高まり」 政策金利は維持 (日経 電子版 04:32)
→FRBは19日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定した。同日公表した経済見通しの中央値は年内の追加利下げ回数が2回のまま維持された。パウエル議長は記者会見でトランプ米政権の動向を念頭に「見通しの不確実性は異常なほど高まっている」と強調した。

◇NYダウ反発、383ドル高 利下げ再開期待が先行 (日経 電子版 05:48)
→19日の米株式市場でダウ工業株30種平均が一時、前日比597ドル高まで上昇した。終値は383ドル高の4万1964ドルだった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内2回の利下げ見通しが据え置かれ、FRBが利下げを再開するとの期待が強まった。

追加関税の影響か、中国の対米輸出の減少である。

◇中国、2月対米輸出10%減 関税響き10カ月ぶりマイナス (日経 電子版 19:36)
→中国の対米輸出が減少に転じた。中国税関総署によると2月の米国向け輸出(ドル建て)は前年同月比10%減の$27.7 billion(約4兆1000億円)だった。10カ月ぶりにマイナスとなった。米国が2月に発動した対中追加関税が影響したとみられる。

◇Trump Says Fed Should Cut Rates as Tariff Push Heats Up―Trump urges Fed to cut rates as tariffs roll out (Bloomberg)
→ドナルド・トランプ大統領は、4月2日に発表される新関税について、FRBに利下げを要請した。「FRBは、米国の関税が経済に移行(緩和!)し始めるにつれて、金利を引き下げた方がずっといい」と、トランプ大統領はソーシャルメディアに投稿した。「正しいことをしろ。4月2日はアメリカの解放記念日だ!」

□3月21日(金)

◇NYダウ小反落、11ドル安 トランプ政策の不確実性重荷 (日経 電子版 06:08)
→20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前日比11ドル31セント安の4万1953ドル32セントで取引を終えた。米政権の関税政策を巡る警戒感は根強く、上値を抑えた。半面、前日に続きFRBの政策姿勢を好感した買いが入り、ダウ平均は280ドルあまり上昇する場面があった。

□3月22日(土)

◇NYダウ小反発、32ドル高 相互関税は「柔軟」発言で買い (日経 電子版 05:50)
 →21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比32ドル03セント(0.07%)高の4万1985ドル35セントで終えた。トランプ米大統領が関税に対する強硬姿勢を和らげるとの期待感が意識され、買いを誘った。関税への不透明感から朝方は売りが先行し、ダウ平均は500ドルあまり下落する場面があった。
 トランプ大統領は4月2日に貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」などを導入する意向を示している。21日午前には、相互関税を巡り「柔軟性がある」との認識を示した。中国の習近平国家主席と関税を巡って協議すると語ったとも伝わった。市場の警戒がいったん薄れ、売りの勢いが弱まった。


≪市場実態PickUp≫

【インテル関連】

インテルの新しいCEOに就任したLip-Bu Tan氏について、アリゾナ工場での18Aウェーハの状況とともに、以下の通りである。

◇Intel’s new CEO receives $66 million in options and stock grants on top of $1 million salary (3月14日付け CNBC)
→*金曜14日にSECに提出された書類によると、インテルのLip-Bu Tan CEOは、給与として$1 million、今後数年間に権利が確定するストックオプションと補助金として約$66 millionの報酬を受け取ることになる。
 *タン氏は、12月にPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏が更迭された後、今週該チップメーカーのCEOに就任した。

◇Lip-Bu Tan’s ‘new Intel’ is the last throw of the dice (3月16日付け Taipei Times)
→1)インテル社は、3ヶ月以上続いた新CEO探しの結果、同社の将来を救うにはLip-Bu Tan氏が最適であると判断した。水曜12日の夕方、ブルームバーグ・ニュースが報じたところによると、同氏はチップ・ビジネスで最も難しい仕事に就くことになる。さらに一歩進んで、これはアメリカのハイテク企業で最も困難な仕事かもしれない。
 2)インテルはリップ・ブー・タン氏を新CEOに指名し、重要な経営再建を託した。投資家はこれに好意的に反応し、インテルの株価は11%上昇した。

◇Intel reportedly begins initial test runs of 18A wafers at Arizona fab―Intel eyes Arizona test runs of advanced chips, reports say (3月17日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→*インテル社は、アリゾナ州チャンドラーにあるOcotillo工場で、これまで生産された中で最も先進的なコンピューター・チップのテスト生産を開始したと報じられた。
 *該チップメーカーは、アリゾナ工場で、これまで生産された中で最も先進的なチップ、18Aウェハーの初期生産を開始したと伝えられている。

◇Exclusive-Intel's new CEO plots overhaul of manufacturing and AI operations―Report: Intel's Tan eyes AI, manufacturing in overhaul plan (3月17日付け Yahoo/Reuters)
→ロイター通信が本件に近い人々の話を引用して伝えたところによると、インテルのLip-Bu Tan次期CEOは、同社のAIとチップ製造戦略の変更を計画している。タン氏は、AIアプローチの再構築、中間管理職の削減および新規顧客の獲得によるインテル・ファウンドリーの業績強化を望んでいるという。タン氏はまた、NvidiaやGoogleのような顧客を引きつけるため、製造プロセスの強化にも注力している、と情報筋は述べている。

◇Intel’s new CEO plots overhaul of manufacturing and AI operations (3月18日付け South China Morning Post)
→*先週のCEO就任後のtown hall meetingで、Tan(タン)氏は「厳しい決断」が必要になると従業員に語った。
 *インテルのLip-Bu Tan次期CEOは、火曜18日に同社に戻るのを前に、経営不振に陥っているテクノロジー大手復活のための抜本的な取り組みで。チップ製造方法とAI戦略の大幅な変更を検討している、とタン氏の考えに詳しい2人の人物がロイターに語った。


【韓国関連】

苦境にあると評されるSamsung、そして韓国政治の状況について、関連する内容を以下に示している。

◇Samsung's 1.4nm process development reportedly at standstill―Reports: Samsung faces hurdles in 1.4nm process development (3月18日付け DigiTimes)
→最近の報道によると、サムスン電子の1.4ナノメートル(SF1.4)プロセス開発という野心的な取り組みが、大きな困難に直面しているという。この展開により、サムスン・ファウンドリーは再び苦境に立たされる可能性がある。

◇Samsung CEO says company will pursue deals as it struggles for growth (3月19日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*サムスン電子はここ数四半期、ライバルの後塵を拝し、業績の低迷と株価の下落に苦しんでいる。
 *サムスン電子は水曜19日、人工知能(AI)ブームに乗れなかったことで昨年のハイテク株の中で最悪のパフォーマンスを記録した後、株主からの厳しい質問に直面する中、成長を促進するために大規模な取引を検討していると述べた。
  韓国サムスン電子は、AIプロジェクトからの旺盛な需要を享受してきた先端メモリー・チップや受託チップ製造の分野でライバルの後塵を拝し、ここ数四半期は業績低迷と株価下落に苦しんでいる。

◇TSMC widens edge over Samsung (3月19日付け Taipei Times)
→市場の共通性という点でも、資源の類似性という点でも、韓国のサムスン電子はTSMCの最大の競争相手である。両社は米国に工場を設立することで合意しており、ジョー・バイデン前米大統領が署名した米国CHIPS・科学法の補助金受給者でもある。しかし、両社の市場競争力の変化から、TSMCの対米投資の背景が明らかになった。

◇Samsung Electronics looking at deals to drive growth amid struggles: CEO (3月20日付け Taipei Times)
→サムスン電子は昨日、AIブームに乗れず、昨年最もパフォーマンスの悪かったハイテク株のひとつとなったことを受け、株主からの厳しい質問に直面するなか、成長を促進するために大規模な取引を検討していると述べた。
 該韓国企業は、AIプロジェクトからの強い需要を享受してきた先端メモリーチップや受託チップ製造の分野でライバルに遅れをとり、ここ数四半期、低収益と株価の低迷に苦しんでいる。

◇韓国、対米かじ取り混迷 米が安保で「要注意」指定 半導体産業に逆風 (3月21日付け 日経)
→政治の混迷が長引く韓国で、外交交渉力の低下によるリスクがあらわになってきた。トランプ米政権による自動車や鉄鋼への関税強化に対抗できず、安全保障上の注意が必要な「敏感国家」の指定まで受けた。政権の司令塔不在は、主力産業である半導体政策にも影響を及ぼしかねない。


【メモリ半導体関連】

NANDの値上げ、対してDRAM価格続落、そしてDRAMモジュールのSOCAMMs、と先行きぞれぞれ目が離せないところである。

◇NAND flash prices set to rebound as Micron and YMTC hike rates due to tight supply conditions―NAND flash prices expected to increase amid tight supply (3月17日付け DigiTimes)
→SanDiskが4月から値上げを発表したのに続き、Micron、Samsung Electronics、SK Hynix、およびYangtze Memory Technology Corp (YMTC)も4月に値上げするとの報道があり、NANDフラッシュ価格が戻していくことを示している。

◇Micron and SK hynix unveil new LPDDR5X SOCAMM memory up to 128GB, debuts on Nvidia GB300 systems―Micron, SK Hynix, Samsung debut SOCAMM―2.5X higher bandwidth than RDIMMs at the same capacity (3月19日付け Tom's Hardware)
→マイクロン・テクノロジー、SKハイニックスおよびサムスン電子の3社は、AIや低消費電力サーバーをターゲットに、LPDDR5Xを使用したsmall outline compression attached memory modules(SOCAMMs:小型外形圧縮添付メモリモジュール)を発表した。これらのモジュールは、NvidiaのGB300 Grace Blackwell Ultra Superchipシステムでデビューし、最大128GBの容量を提供し、DDR5と比較して消費電力が低い。

◇China’s top memory chipmaker YMTC to raise prices, alongside US peers Micron, Sandisk (3月19日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*平均10%前後となる4月からの値上げ見込みは、NANDフラッシュメモリの価格が今年中に回復することを示している
 *長江メモリ・テクノロジーズをはじめ、米国の同業マイクロン・テクノロジーやサンディスクなどの大手メモリチップ・メーカーは、同分野の減産とAI市場からの旺盛な需要を背景に、来月にも値上げに踏み切る見通しだ。各種業界紙によると、これらのメモリーチップメーカーはすでに中国本土を含む販売代理店に値上げを通知しているという。

◇DRAM、3%続落、2月大口 中国の自国産優遇響く (3月19日付け 日経)
→DRAMの下落基調が鮮明。2月の指標品の大口取引価格は前月比で3%安となり、メモリーメーカーと需要家の交渉は6カ月連続の値下がりで決着した。DRAMを搭載するパソコンやスマートフォンの需要の弱さに加えて、中国で自国生産品を優遇する動きが続いていることが響いた。


【中国関連】

量子プロセッサの研究開発、HuaweiのサーバSoC、清華大のAIフレームワーク「Chitu」、そしてRISC-Vの取り組み、などそれぞれ今後に注目である。

◇China achieves quantum supremacy claim with new chip 1 quadrillion times faster than the most powerful supercomputers―This new superconducting prototype quantum processor achieved benchmarking results to rival Google's new Willow QPU. (3月13日付け Live Science)
→中国の研究者たちが、地球上で最も優れたスーパーコンピューターよりも1兆倍(1015)速い量子プロセッシング・ユニット(QPU)を開発した。合肥(Hefei)にある中国科学技術大学(USTC)の科学者たちは、超伝導量子ビットを使用した「Zuchongzhi 3.0」と名付けられた105量子ビットの新しいプロトタイプチップは、量子コンピューティングの重要な前進を意味すると述べた。

◇“Quantum Leap” - China’s mind-blowing chip outpaces Google by a million-fold, revolutionizing speed―Chinese quantum processor surpasses supercomputers (3月16日付け Sustainability Times)
→1)中国科学技術大学(University of Science and Technology of China)の研究者が、グーグルのSycamoreを100万倍高速で上回る量子プロセッサー「Zuchongzhi-3」を発表、量子コンピューティングの覇権をめぐる世界的な競争において、大きな飛躍を意味している。
 2)中国の研究者が開発した量子プロセッシング・ユニット「Zuchongzhi 3.0」は、105量子ビットのチップで、最も強力なスーパーコンピューターよりも1兆倍高速だと主張している。このチップは、超伝導量子ビットと高度な工学的手法を駆使し、効率、コヒーレンス時間およびゲート忠実度の向上を実証した。

◇New Huawei Kirin X90 chip revealed in state report - possible server and PC chip set to replace the aging Kunpeng 920 design―Report: Huawei Kirin X90 SoC could replace Kunpeng 920―Details on specifications are still in the dark. (3月16日付け Tom's Hardware)
→1)CPUの信頼性とセキュリティーを評価する中国の国営レポートにより、HiSilicon Kirin X90という未発表のSoCが明らかになった(via Jukanlosreve on X)。ちなみに、HiSiliconはファーウェイの100%出資のチップ子会社である。このSoCが他のサーバー・プロセッサーと並置されていることから、2019年に発売された老朽化したKunpeng 920デザインの後継と位置づけられている。明確にするために、このレポートではプロセス技術、仕様、あるいは想定されるユースケースなどの重要な詳細は明らかにされていない。しかし、ファーウェイは以前からサーバーとPCの両方に同じ基本アーキテクチャを採用しており、同社は4月に自社開発のHarmonyOSを活用したノートPCの新ラインを発表すると報じられている。
 2)中国の国営報道が、Kunpeng 920の後継となりうるファーウェイのシステム・オン・チップ、HiSilicon Kirin X90を公開した。この報道では具体的な内容は明らかにされていないが、Kirin X90はSMICの7ナノメートルプロセスで製造され、Taishan V120コアを搭載するようだ。

◇Chip war: Chinese start-up aims to break Nvidia’s grip on AI with new model framework (3月16日付け South China Morning Post)
→1)清華大学とつながりのあるチームが、中国製チップを使って高度なAIモデルを構築するための新しいフレームワークを発表した。
 2)中国の清華大学とQingcheng.AIは、モデルの推論速度を315%向上させ、GPU使用量を半減させるAIフレームワーク「Chitu」を発表した。
  Nvidia製チップへの依存を減らすよう設計されたChituは、中国製GPUsをサポートし、国の技術自給を促進する。

◇Chinese startup challenges Nvidia's AI lead with new chip framework―Chitu framework aims to reduce reliance on Nvidia chips (3月17日付け The Korea Times (Seoul))
→清華大学(Tsinghua University)のチームが、中国製チップ上で動作するAIフレームワーク「Chitu」を開発し、Nvidiaのグラフィック・プロセッシング・ユニットへの依存度を下げる可能性が出てきた。スタートアップのQingcheng.AIによると、このオープンソースのフレームワークは、NvidiaのA800 GPUsでテストしたところ、モデルの推論速度が315%向上するなど、パフォーマンスの向上を示しているという。

◇ハイアール、IoT家電日本に投入 まずは家庭用エアコン (3月17日付け 日経 電子版 02:00)
→中国の家電大手ハイアールグループは日本市場にIoT家電を投入した。第1弾は3月発売の家庭用エアコン。スマートフォンで外出先から操作でき、AIで環境に合わせて温度などを自動調整する。海外では販売中のIoT対応冷蔵庫などの白物家電も順次投入する。

◇中国、先端技術の輸出規制 半導体・電池の中核部材巡り 米と覇権争い、流出防止 (3月18日付け 日経)
→中国政府は電池や半導体に欠かせない中核部材の生産技術を巡り輸出規制を強める。これまでレアメタルなどモノの輸出管理を厳格にしてきたが、中国が優位性を持つ技術に網を広げる。米国とのハイテク覇権争いが激しくなるなか独自技術の流出を防ぐ狙いだ。
 新たに規制するのはEVなどに搭載するリチウムイオン電池の主要部材である正極材や、半導体の材料であるガリウムをつくる技術だ。技術を海外に持ち出す際は商務省の許可が必要になる。同省が2月にパブリックコメントを終え、近く正式に導入するとみられる。

◇Hong Kong investment arm backs Chinese RISC-V start-up StarFive in tech push―Hong Kong supports StarFive startup to boost RISC-V adoption (3月21日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)このパートナーシップにより、香港はStarFive社のRISC-Vチップ・アプリケーションの香港での展開を支援することになる。
 2)上海に本拠を置く半導体の新興企業、StarFiveは、米国との緊張が高まる中、中国がチップ産業を強化するためにオープンソースのRISC-Vアーキテクチャに賭けていることから、同社の創立者によると、香港政府の財政的支援で同社のチップの採用が促進されることを目指している。


【ソフトバンクのAmpere買収】

ソフトバンクグループが、Armベースのデータセンター向けCPUsを開発するAmpere Computing社を買収、以下の通りである。元インテルPresident、Renee J. James氏が設立した会社である。

◇SoftBank to acquire semiconductor designer Ampere in $6.5B all-cash deal―SoftBank to buy Arm-based CPU maker Ampere for $6.5B (3月19日付け TechCrunch)
→ソフトバンクグループは、Armベースのデータセンター向け中央演算処理装置(CPU)を開発するAmpere Computing社を$6.5 billionで買収すると発表した。アンペールは完全子会社として運営される。ソフトバンクは、Stargateプロジェクトを含むデータセンターやAIインフラでアンペールのプロセッサを使用する予定だ。

◇Japanese tech giant buys Silicon Valley chip startup for $6.5B (3月20日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→*元インテルPresident、Renee J. James氏は2017年10月にアンペア・コンピューティングを設立した。
 *同社は、対米外国投資委員会の審査を含む規制当局の承認を経て、2025年後半に取引が完了すると見込んでいる。

◇SoftBank to acquire Arm CPUs for datacenter firm Ampere in $6.5 billion cash deal―Ampere's roadmap includes the launch of 3nm processors with 256-cores later this year. (3月20日付け Tom's Hardware)
→ソフトバンクグループは本日、Armベースのデータセンター向けCPUsを開発するAmpere Computing社を現金$6.5 billionで買収すると発表した。アンペールは、従業員1,400人を擁する完全子会社として現在の社名で事業を継続し、同社のプロセッサを提供し続ける。アーム・ホールディングスを傘下に持つソフトバンクは、提案されているStargateデータセンターを含む自社のデータセンターにアンペールのCPUsを採用する見込みだ。

◇Softbank buys Ampere (3月20日付け Electronics Weekly (UK))
→ソフトバンクは、サンタクララのArmベースのサーバーチップ設計会社、Ampereを$6.5 billionで買収した。
アンペールの技術は、2016年にMACOMに買収されたApplied Micro Circuit Corp(AMCC)のArmベースのサーバー・プロセッサーに由来する。

◇SoftBank to acquire chip designer Ampere in $6.5 billion deal (3月20日付け CNBC)
→*ソフトバンクグループは水曜19日、Armベースのサーバーチップを設計する新興企業、Ampere Computingを$6.5 billionで買収すると発表した。
 *ソフトバンクによると、Carlyle GroupとOracleの両社はアンペールの株式売却を確約しているという。
 *アンペールは独立した子会社として運営され、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くという。

◇ソフトバンクG、米半導体設計アンペア買収 1兆円規模 (3月20日付け 日経 電子版 10:49)
→SBGは20日、米半導体設計アンペア・コンピューティング(Ampere Computing)を$6.5 billion(約9700億円)で買収すると発表した。SBGは英半導体設計大手アームに続き、最先端の半導体関連企業を傘下に加える。トランプ米政権と約束した70兆円強の米国でのAIインフラ投資や、日本国内で生成AIを開発する戦略を加速する。

◇ソフトバンクG、半導体連合へ米社買収 電力問題に布石 (3月21日付け 日経 電子版 05:00)
→SBGは半導体連合の構築に向け、2025年後半に米半導体のアンペア・コンピューティングを買収する。SBG傘下の英半導体設計アームの回路図を生かし、データセンター向けのCPU(中央演算処理装置)を開発する。全米展開を目指すAI網は膨大な電力を消費するため、省電力に磨きをかける。

◇This week: SoftBank to Buy Ampere, Micron Results and imec Zeiss―SoftBank acquires Ampere for $6.5 billion to bolster AI and cloud initiatives. (3月21日付け EE Times)
→今週のビッグニュースは、ソフトバンクグループによるAmpere Computingの現金$6.5 billionでの買収で、アンペールの主な投資家であるCarlyleとOracle Corporation(主要顧客でもある)は、それぞれアンペールにおけるそれぞれの持ち分を売却した。公式発表によると、この買収はソフトバンクグループの能力を強化し、AIインフラ投資をサポートし、Cristal intelligenceやStargateのようなベンチャー企業を支援することになるという。

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