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2009年の1年間で最もよく読まれた記事はやはりルネサスとNECエレの統合

2009年に最もよく読まれた記事は、ニュース解説「「ルネサス/NECエレ経営統合」報道の裏を読む」であった。日本経済新聞とNHKによって4月16日の朝、第一報が報じられた直後、ルネサステクノロジもNECエレクトロニクスも「僕らは知らない」、という態度であった。日立製作所は「当社として決定・公表したものではありません」というプレスリリースを流した。この記事では広報部門が否定するニュースの読み方について解説した。

第2位もニュース解説で、「重電の2強、日立と東芝の社長交替劇の真相を探る」と題する記事である。これは2009年3月に日立製作所と東芝の社長がほぼ同時期に交替したことに対して、業界を取材し、声を反映した話を書いたもの。同じような重電の企業でありながら、片や透明性のある交替と前社長の潔さが評価されたのに対して、もう一つの企業は院政による暗いイメージを残した。取材した人たちの名前は決して明らかにできないが、複数の人たちに聞いた本音を書いた。

第3位もニュース解説で、「キマンダが破産手続きを申請、エルピーダへの影響とDRAMビジネスの今後を占う」が入った。2009年1月24日、世界大手のDRAMメーカー、キマンダが経営破たんし、破産手続きを申請した。DRAMビジネスはこれから先どうなるか。32ビットシステムではもはや今以上の高集積化はそれほど求められない。DRAMプレイヤーは世界には多いが、しかし日本に1社もないとなればこれまた問題が残ることを指摘した。ただ、この時点ではエルピーダが資本増強しなければならないほどひどい財務状況に陥っているとはわからなかった。

第4位は、インダストリー「半導体メジャー3社のトップ年頭訓示、次の成長軌道に乗るための秘策を語る」である。これは2009年の年頭に東芝、ルネサス、NECエレの3社の社長が訓示を述べたニュースリリースを元にそれぞれの抱負をまとめたもの。

第5位は、津田建二の眼「独断と偏見で切る、各社の製品表から見えてくる半導体産業のベストな再編」である。
新聞や雑誌などで業界再編がやかましく言われているものの、ただ単にプレイヤーを減らすことが本当に企業のためになっているか、という視点で議論した。ここでは東芝、ルネサステクノロジ、NECエレクトロニクスなど大手半導体メーカーの製品ポートフォリオを各社のホームページから拾い上げて作成した製品一覧表を元にした。どのメーカーが何に強く、何に弱いかを考えながら、製品ごとに強いメーカーをより強く、弱い製品を持つメーカーはその製品を強いメーカーに売ることで強くなれる、方法を探った。

6位以下は、泉谷渉の視点「日本の電機再編は意味あるか〜ルネサス/NECエレの経営統合がもたらすもの〜」、
ニュース解説「東芝・NECとの統合交渉は真実か?そのメリットはなにか?強くなれるシナリオは?」、
津田建二の眼「海外でも否定的なNECエレとルネサスとのショットガン結婚」、
マーケット「在庫調整はもう終わり、3〜4月からは絞りすぎた生産を増やす方向へ」、
湯之上隆の視点「半導体メーカーの2社統合問題(1)−なぜ、2社統合がうまくいかないのか
が入った。

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