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シリコンシーベルトサミット福岡2008レポート(1)

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福岡県および福岡先端システムLSI開発拠点推進会議、九州半導体イノベーション協議会の3社が主催して2008年2月26日に福岡市で「シリコンシーベルトサミット福岡2008」が開かれた。九州では自動車産業と半導体産業の拠点が複数あり、特に成長が期待されているカーエレクトロニクスに焦点を当てた講演が続出した。以下、行われた講演をつぶさにレポートする。

福田悦生

東芝 セミコンダクター社
システムLSI事業部先端SoC応用技術部


1.知事挨拶
福岡県知事 麻生 渡

 本日は、シリコンシーベルトサミット2008を開催し、多くの皆様が出席されたことに感謝します。
 本サミットは、シリコンシーベルトプロジェクトの一貫であり、このシーベルト自体は、既に約7年強が経過している。研究開発を主として文科省の地域知的クラスターの資金と県の資金を合わせ研究している活動である。今後、さらに5カ年続ける事が予定されている。九州は、東アジアを中心に世界的な半導体の技術開発動向と需要分野の調査を中心に、世界的な半導体の中心地を目指している。今回のテーマは、自動車と半導体を合わせ、さらに環境問題も合わせて開催した。現在九州では、「自動車150万台構想」を掲げており、4つのプロジェクトの1つである「未来カー」の設計開発拠点を目指している。自動車に関する様々な問題点、例えば燃費の問題、安全の問題、情報化の問題等を考慮すると、半導体と車の融合が不可欠である。その意味でも、今回のテーマは、重要な意味を持っている。九州は、「150万台構想」の目標である「未来カー」の設計拠点になる。2つの政策の融合を目指したこのシンポジウムが、業界における大きな活動の刺激かつ情報源になることを望んでいる。九州が、世界的な半導体の設計開発及び製造拠点になることを期待している。


2.組織委員長挨拶
組織委会委員長
九州半導体イノベーション協議会会長
日本電気株式会社 代表取締役会長 佐々木元

恒例により、最近の半導体産業の状況及び車と半導体の技術動向を説明する。


2008 Semiconductor Market Forecast: 1


 この表は各調査会社の2007年から2008年にかけての半導体市場の推移を示した表である。電子機器の伸び率が、結果的に半導体市場に繋がるが、電子機器が3〜7%の成長に対し、半導体は6〜9%の成長と予想されている。これに対し、製造装置の市場推移であるが、2009年は2008年の北京五輪の後のため、横ばいまたは減速と予測されている。


2008 Semiconductor Market Forecasts: 2


 この図は地域別の半導体の市場予測を示したグラフである。2008年では、市場の地域構造としては、アジアが50%、日本が18%のシェアを確保しており、アジア地域が68%のシェアを占めている。


Worldwide MOS IC Production Capacity and Utilization


 上の図に生産能力の推移を示す。半導体統計に基づいた稼働率を示しているが、半導体生産は、依然として90%前後の高い稼働率を示している。生産能力(黄色のグラフ)も着実に増加していることが分かる。


Worldwide Wafer Shipments


 上の図はウェーハの大きさ別の出荷量を示す。水色が300mmを示しており、既に従来の4,5インチの生産量を上回っている。つまり、300mm時代を迎えていると言える。

(続く)

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