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半導体市況が回復、積極投資が始まる

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半導体市況の回復がはっきりして来たことを10月18日の日本経済新聞が伝えた。セミコンポータルでは、WSTSの数字やメモリ価格、TSMCの受注、半導体製造装置、シリコンの出荷面積の動向の状況などから半導体市況の回復を1〜2月前から報じてきた(参考資料123)。日経はTSMCの動向から市況の回復を分析している。

半導体産業では市況を映す指標の一つがTSMCの売り上げ動向だ。TSMCのビジネスは、最先端の微細な半導体を設計する米国のファブレスからの受注を一手に引き受けているため、その受注など財務状況から米国ファブレスの回復状況を知ることができる。18日の日経は、17日にTSMCが公式発表した2019年7〜9月期決算発表において、営業利益が5四半期ぶりに前年同期比でプラスに転じたことを報じた。

売上額は、前年同期比12.6%増の2930億台湾元(=94億米ドル=約1兆円)で、前四半期比でも21.6%増と回復している。営業利益も共にプラスで、前年同期比13.3%増の1079億台湾元で、前期比では41.4%増と急速に回復している(参考資料4)。

ファウンドリとしてのTSMCの特徴は、微細化製品の売上比率が大きいことだ。7nmプロセスサービスの売り上げは全売上額の27%を占め、10nmプロセスはあまり力を入れていないこともあり2%だが、16nmプロセスは22%もある。TSMCは16nm以下のプロセスサービスを「先端技術」と呼んでおり、先端技術の売上額は全体の51%を占めている。7nmプロセスをけん引するのは、ハイエンドのスマートフォンや5GベースバンドIC、HPC(High Performance Computing:データセンターやスーパーコンピュータ向け)関係の応用機器などで、仮想通貨向けの専用ASICチップの需要はもう消えた。

第4四半期も上向きで売上額は102~103億米ドル、営業利益率は37%〜39%の見込み、だという。2019年の設備投資額は140〜150億米ドルを見込んでいる。日経によると、TSMCは5G向けなどの半導体の最先端品の工場が既に「フル稼働状態にある」(魏氏)ため、今後は大きな増産に急ぐという。

すでに半導体投資を行い、研究開発実績を得られた例もある。日立化成が2019年初に次世代品の研究・試作ができる協業拠点を川崎市に開設したが、その成果について、18日の日経産業新聞が報じている。「パッケージングソリューションセンタ」と呼ぶその研究開発拠点には、4900平方メートルの敷地内にクリーンルームや検査室が配置され、60人の研究員が在籍する。シリコンウェーハをチップに加工する装置のほか、半導体チップと樹脂材料を基板に実装して試作品を作る最新鋭の装置が並ぶ。

封止材やフィルムなど半導体材料を幅広く手掛ける日立化成の下に他の材料メーカーなども集い、共同で最適な材料や製造工程の組み合わせを検証する。技術革新のスピードが高まり、半導体も短期間での開発も求められる。従来、半年程度かかっていた半導体の開発期間が同センタを使うと2〜3カ月程度に短縮した例もあるという。

また、5Gは今の景気のドライバとなっており、日本の部品メーカーが積極的に投資を始めている。21日の日経は、住友電気工業や村田製作所が100億〜200億円を投じ、生産能力や技術力を高める、と報じた。5G市場は本命のミリ波技術に関して部品の技術力が威力を発揮する。従来のフィルタやスイッチなどのRF回路部品だけではなく、アンテナがミリ波(波長が10mm以下)になると30GHz (波長10mm) でさえアンテナ素子は1/4波長、すなわち長さ2.5mmの金属片がアンテナになる。半導体パッケージ技術の上にアンテナを載せることが可能になり、小さな回路基板をアンテナとして用いるなど、半導体実装技術にも大きな影響力を持つ。GaNのパワーアンプはサブ6GHz帯狙いだが、送信機のパワー段に使われるため、住友電工は200億円を投資する。

参考資料
1. 日米半導体製造装置市場、底を打ったことはほぼ確実に (2019/09/25)
2. 世界半導体製造装置、底を打った模様 (2019/08/23)
3. 2019年のシリコンウェーハ面積は18年の6.3%減でも2017年よりは増加 (2019/10/01)
4. TSMC Reports Third Quarter EPS of NT$3.90 (2019/10/17)

(2019/10/21)

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