10月に最もよく読まれた記事は、Intelの再生計画に関するブログ
2024年10月に最もよく読まれた記事は、「Intelが発表した事業立て直し計画を検証する」であった。これは服部毅氏のブログであり、Intelが9月の取締役会で行った今後の再生戦略について述べたもの。同社に対する買収計画も取りざたされていた。Intelが10月末に発表した第3四半期の決算では、約2.5兆円の赤字が明らかにされ、ひとえに工場であるファウンドリ部門の赤字が響いた。
次によく読まれた記事は、「ラピダスの先端パッケージ工場はじめ、半導体工場、続々建設」である。これはラピダスが建設中の北海道千歳市の工場に続き、近くのセイコーエプソンの事業所内に先端パッケージ工場を建設するというニュースや、TSMCの米国アリゾナ工場でも後工程のAmkorと協業するというニュースをまとめたもの。ラピダスは自社で賄い、TSMCは他社とコラボで先端パッケージ工場にするという点で対照的だ。
第3位の「ASMLの業績が絶好調なのに株価が下がった理由」は、2024年第3四半期のASMLの決算が発表され、前年同期比19.6%増の74.7億ドル、営業利益率も同32.7%と好調なのに、株価が下がった理由を述べた記事。次の四半期も88~92億ドルと見込んでいるのに、株価が落ちた理由は受注額が大きく減ったためだ。特に中国向けの装置を多数出荷して稼いできたが、どうやら中国の半導体メーカーはもう頭打ちになったようだ。この影響はいずれ、Applied Materialsや東京エレクトロンにもやってくる。
第4位「メーカーとサプライヤの関係が逆転するTSMCとNvidiaの新技術」では、TSMCとNvidiaの関係が逆転したという珍しいケースを紹介した。通常はファブレス半導体のNvidiaからの半導体チップ製造の注文をTSMCが受け、製造している。Nvidiaが客でTSMCがサプライヤという関係だった。しかし今回は、NvidiaのGPUとソフトウエアAIライブラリを利用したEUVリソグラフィ技術をTSMCが導入し、NvidiaがTSMCのサプライヤになるという関係になった。
第5位「TSMC、先端パッケージの熱問題を解き、チップ設計にAIを積極的に導入」は、TSMCが物理的なシミュレーションベンダーであるAnsysのツールを用いて、先端パッケージの熱問題を解析したり、シミュレーションツールにAIを導入してシミュレーションの精度を高める技術を積極的にAnsysが推進していることを紹介した。