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8インチSiウェーハ上に形成した白色LEDが160 lm/Wの輝度を達成

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米国のLED(発光ダイオード)専門メーカーのBridgelux社は、8インチSiウェーハ上にGaNの白色LEDを作り、色温度4350Kのクールホワイトで160 lm/Wと、従来のサファイヤやSiC基板で作ったLED並みの明るさを実現した。クラックのないGaN結晶層を実現できたためで、2年後には商品化したいとしている。

図1 Bridgelux社の研究開発現場 出典:Bridgelux

図1 Bridgelux社の研究開発現場 出典:Bridgelux


このLEDは、従来構造と同様、青色LEDの上に黄色い蛍光体を被せたもの。蛍光体を2種類使い、色温度2940Kウォームホワイトの白色LEDも作製し、その輝度は125 lm/Wだった。色の3原色RGBからR(赤)G(緑)を混ぜると黄色になることから、白色LEDは通常、青色LEDの上に黄色の蛍光膜を被せることで作製する。

高価なサファイヤやSiCの基板で作製していた、従来の青色LEDとは違い、Siウェーハは大口径化が容易であり、しかも同じ面積の単価も安い。このためSiウェーハ上にGaNを形成するとコストは75%、すなわち1/4に安くできるはずだとしている。

もちろん、SiとGaNとは結晶の格子定数が大きく違うため、バッファ層を何層にもわたって形成する必要がある。しかもGaNの熱膨張係数はSiよりもかなり大きい。このため高温でのエピタキシャル成長ではクラックが入ったり割れたりしやすく、きれいな結晶性のGaN膜を形成することが難しい。Bridgelux社はクラックが入らないように独自のプロセスを開発しこのバッファ層を形成した。室温ではまっ平らなウェーハになっているという。

1.5mmの青色LEDチップをパッケージに封止し、350mAのバイアス電流で光出力591mW、総合効率59%を得た。350mAでの順方向電圧は低く2.85Vしかない。通常、3V以上はある。駆動電流を1Aに上げると、順方向電圧は3.21Vとなり1.52Wという高い出力の光を発射している。この場合の総合効率は47%になった。波長の均一性は8インチウェーハ全面で6.8nm(標準偏差)であり、波長の中央値は455nm。

「この画期的な技術によって、LED産業のプレイヤーや構造が変わり、設備投資の大きな削減につながるだろう。このため、この方法を採用する企業は増えていく」と同社CEOのBill Watkins氏は述べる。Bridgelux社は世界中に500以上の特許を持ち、GaN-on-Siウェーハのサプライヤであると同時に青色LEDメーカーでもある。同社はSi上のGaNエピタキシャル技術と青色LEDに注力してきた専門メーカーだけに照明用の高輝度LEDの低価格化を推進できる立場にあるとWatkins氏は言う。研究開発に集中する同社はアセットライト戦略を採り、既存の半導体メーカーとのライセンスパートナーシップを通じて、低価格LED照明を推進していく。

参考資料
1. Bridgelux Announces New Breakthrough in GaN-on-Silicon Technology for Solid-State Lighting

(2011/08/15)

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