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IoT時代を見据えた少量多品種対応技術続出したセミコンジャパン2016

IoT時代は、端末からクラウドでのデータ解析、可視化まで、システム指向が強まる。商用化が始まっている工場の予防保全(preventive maintenance)のためのIoT端末は、工場ごとに仕様や要求範囲が異なる少量多品種展開となりそうだ。その時代に対応したアイデアがセミコンジャパンに続出した。

図1 ミニマルファブは同じサイズの装置をずらりと並べる 出典:ミニマルファブ

図1 ミニマルファブは同じサイズの装置をずらりと並べる 出典:ミニマルファブ


手探りで始めながらもようやく出口への解を見せ始めたミニマルファブのシステム(図1)、実装とパッケージング部門の微細ピッチに対応するSCREENのレーザー直接描画装置、半導体チップをテストする時間を短縮する日本National InstrumentsのPXIソリューション、IoT向けのミクストシグナル半導体やIoTモジュールをテストするアドバンテストのテスタ群などを紹介する。

ミニマルファブは、0.5インチのウェーハ=チップとして製造するシステムで、産業技術総合研究所の原史郎氏が提案してきたプロジェクトである。原氏によると、年間100個~1万個の少量多品種で、1~100ドル/cm2の価格のチップをターゲットとしている。IoT(Internet of Things)のような応用は、センサやマイコン、トランシーバを基本とする半導体を使うが、いずれも微細化をそれほど必要としないうえに少量多品種の応用になりうる。

ミニマルファブに使う製造装置はリソグラフィからデポジション、エッチング、洗浄、乾燥などの前工程から、ダイボンディングやワイヤボンディングなどの後工程などを一通りそろえた(図1)。微細化を必要としないとはいえ、0.7~0.5µmの寸法だとやはりマイコンやトランシーバでさえ大きすぎる。ミニマルファブとしてはもう少し微細化したい。28nm~130nmのパターンはSoCを設計するうえで欠かせない。一方でミニマルファブの装置は大きさが1440mm(高さ)×294mm(幅)と一般の製造装置よりはかなり小さいため、ここに微細加工できるリソグラフィ装置として小型電子ビーム装置が登場する。少量多品種を特長とするミニマルファブではマスクは不要だ。少量多品種の電子ビームによる直接描画技術は100nm以下の微細加工には向く。後工程においても、原氏はFO-WLP(ファンアウト-ウェーハレベルパッケージング)用の装置開発なども計画している。

SCREENは、FO-WLP向けにバンプやピラーのような電極形成に使うレーザー直接描画装置DW-3000をパネル展示した。SCREENは元々、プリント基板用やTFT形成用のレーザー直描装置を出荷していた。これを半導体後工程用に改造し、解像度としてL/S=2µm、実力1.5µmと半導体後工程の電極パターンの作製に使えるようにした。TSVにも対応できるという。描画用のレーザービームは、細い多数のMEMS反射板を上下に振ることで8000チャンネルもの光ビームのオンオフを同時にできるようにした。TSMCのFO-WLP技術であるINFOやSamsungの500mmパネルベースのチップにも対応するとしている。


図2 National InstrumentsのPXIベースの測定器

図2 National InstrumentsのPXIベースの測定器


多品種少量のICやモジュールをテストするのに向いているのがNational InstrumentsのPXIベースのテストシステム。日本NIはDUT(テストされるデバイス)に信号を与えるSMU(Source Measurement Unit)を使い、LEDに200µsのパルスを入力し、その波形をチェックしたり、半導体デバイスの入出力波形を観測したりするデモを見せた(図2)。加えて、パルス波形のオーバーシュートやアンダーシュート、リンギングなどの波形を、画面上で回路定数を変えながら確認できる。これを可能にするのがFPGA。FPGAでアナログの定数を変えられるような技術を特許化しており、NIの強みでもある。アナログ半導体やパワーデバイスなどのテスト評価、さらにそのまま量産できるSTS(Semiconductor Test System)もそろえており、試作から量産までのテスタとして使えることも強みである。

アドバンテストといえばメモリテスタメーカー、といったイメージを払しょくするような少量多品種対応のテスタやテストハンドラの新製品を同社は出してきた。テストハンドラ「M4871/4872」(図3)は、ビジョンアラインメント機能を採用し、一つのチェンジキットで様々なサイズのデバイスに対応する。この新機能は、被測定デバイスの品種交換のセッティング時間を45%以上短縮することでテスト生産性を向上させる。また、M4871/4872は、選別不良となったICをローダストッカに自動的に送り、再測定するのにわずか1分で済む。従来だと不良品を別に分け、人手で運んでいたため30分程度かかっていた。


図3 少量多品種向けアドバンテストのテストハンドラM4871/4872

図3 少量多品種向けアドバンテストのテストハンドラM4871/4872


アドバンテストはさまざまなIoTデバイスやモジュールを測定するためのテストプラットフォームT2000 AiRを発表している。従来のT2000テストプラットフォームよりも小型で冷却装置を従来の液冷から空冷に変え、最大512ピンまでの少量多品種のSiP(システムインパッケージ)やモジュールのRF特性(BluetoothやZigBeeなど)を測定できるようにしている。DUTを載せる計測モジュールは従来50cm角程度あった大きさの基板ボードをわずか手帳サイズでしかも4チャンネル分に仕上げた。加えて、同社のテストハンドラとの接続性にも配慮しており、省スペース化を図った。


図4 ミクストシグナルICやモジュール向けのテスタWave Scale MXボード

図4 ミクストシグナルICやモジュール向けのテスタWave Scale MXボード


IoTには無線回路は欠かせない。RFIC向けのテストモジュール「Wave Scale RF」とミクストシグナルICやモジュール向けの「Wave Scale MX」もアドバンテストは発表した(図4)。特に、「Wave Scale RF」は、無線通信の主な規格であるLTE、LTE-A、LTE-A Pro、LTE-M、Wi-Fi、GPS、ZigBee、BluetoothなどのICやモジュールのRF特性を測定するためのモジュール。測定モジュール基板1枚当たり4つのサブシステムが独立して信号を印加し測定するため、4つの規格を独立に同時に測定できる。しかも各サブシステムは送信と受信も測定でき、しかもRF周波数帯域は200MHzと350MHzと広帯域でキャリアアグリゲーションにも対応する。

(2016/12/28)

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