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Cypress、クルマ仕様NORフラッシュをプラットフォーム化

Cypress Semiconductorは、自動車エレクトロニクスへのNORフラッシュをメモリ単体からマイコンも集積したメモリシステムへとソリューション指向を強めている。自動車用途では何と言っても信頼性と安全性は「絶対」だからである。いわばチップに信頼性と安全性を組み込み、万が一事故が起きてもフェイル-セーフシステムを確立する。

図1 Cypressメモリ製品部門担当コーポレートEVPのSam Geha氏


「商品名『Semper NORフラッシュメモリ』は、車載向けのNORフラッシュを展開していく上での一つのプラットフォームである」と同社メモリ製品部門担当コーポレートEVPのSam Geha氏(図1)は述べる。この商品のメモリ容量としては512Mビットと1Gビット品からまず市場へ出していく。

クルマ仕様でのNORフラッシュの最大のメリットは、不揮発性であることからコードやデータの保存と同時に即時の立ち上がりができることである。さらにクルマ仕様ということでISO26262機能安全仕様のASIL-B及びASIL-Dに準拠していることは言うまでもない。故障モードの潜在的原因の早期診断機能もある。セキュリティには立ち上がりのSafeBoot機能を備え、CRC(巡回冗長検査:Cyclic Redundancy Check)によって改ざんされていないかどうかを確認する機能もある。セキュアな部屋を設けたセクター保護、フェイル・セーフ機能を持つセーフリセット回路など機能安全回路を充実させた(図2)。品質レベルはppbであり、ゼロディフェクトだ、とGeha氏は語る。


Semper NORフラッシュの診断機能 / 戦時的なエラーの早期検出により円滑なシステムリカバリを実現

図2 充実させた診断機能 出典:Cypress Semiconductor


フラッシュメモリ特有のウエアレベリング(同じセルを何度も書き換えていると寿命が来て使えなくなることを避けるために、書き換えるセルをできるだけ均等にする機能)も持ち、さらにメモリセルアレイをコンフィギュアラブルに分割できるEnduraFlex機能もある。これはメモリアレイを複数のパーティションに分割し、パーティションごとに高耐久性や長期保存に最適化する。

基本アーキテクチャは図3に示すように、NORフラッシュメモリセルアレイに加え、armのCortex-M0マイコンで機能安全やセキュリティ機能を制御する。インタフェースはシリアルインタフェースを4個並列にしたクアッドSPIと8個並列のオクタルSPI、HyperBusインタフェースも持つ。外部端子を減らすため、特にクルマでは配線本数の削減は必須だ。このためシリアルインタフェースで配線本数(ピン数)を減らしている。


Semper NORフラッシュ ファミリーのアーキテクチャ

図3 基本回路をプラットフォーム化 ユーザーの要求によって使わない回路も出てくる 出典:Cypress Semiconductor


このNORフラッシュがプラットフォームだというのは、この回路ブロックをモジュール方式にしているからだ。ユーザーの仕様に応じて使わない回路も搭載しておくことでコストダウンを図っている。例えば、クアッドSPIだけで十分とユーザーにはオクタルSPIは使わずにそのままにしておく。チップ面積は無駄になるように見えるが、回路設計の手間や時間を考えるとこの方がコストは下がる。TATの短縮にもなる。高速性が欲しいユーザーにはHyperBus仕様で読み出せばクワッドSPIが102MB/sのところ、400MB/sに高速化できる。

45nmプロセスで、セル部分は生来2ビット/セル構成であるMirrorBit技術を使っている。メモリ容量は、512Mビットから1Gビットのチップを設計しており、2Gビット、4Gビットにはスタック構成で用意する。

512Mビット品を主要顧客向けにサンプル出荷しており、規格準拠品のサンプル出荷は2018年第4四半期を予定している。24ボールBGAと16品SOIC、8端子のWSONパッケージでの量産開始は2019年第1四半期を予定している。

(2018/06/12)

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