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スマートファブリック、スマートテキスタイルを狙った欧州PASTA計画がスタート

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欧州のFP7(第7次フレームワーク計画)として、大面積のテキスタイルに半導体チップを埋め込む応用を狙ったPASTA(Integrating Platform for Advanced Smart Textile Applications)計画がIMECを中心にスタートした。欧州ではスマートテキスタイルとか、スマートファブリックとかチップを繊維に埋め込む「賢い衣服」の研究が進んでいる。

スマートファブリックの概念

図1 スマートファブリックの概念


欧州は、プリンタブルエレクトロニクス、プリンテッドエレクトロニクス、プラスチックエレクトロニクスなど有機エレクトロニクスの研究が活発に行われており、日本での単なるディスプレイや太陽電池などの応用にとどまらず、衣服や包装用紙などにも半導体チップを埋め込もうという研究が盛んだ。2010年1月に終わった4年間のSTELLA(Stretchable Electronics for Large Area applications)計画はFP6として大面積エレクトロニクスを進めてきた。今回のPASTA計画はその延長ともいえるプロジェクトとなる。

大面積エレクトロニクスは、スポーツやレジャーなどのウエアにチップを埋め込むスマートテキスタイルや、安全性やモニタリングするためのテキスタイル、さらには健康管理をモニタリングするためのテキスタイルなどへの応用が考えられている。PASTA計画は半導体の実装技術やプリント配線技術と、テキスタイル技術を組み合わせることで、スマートテキスタイルを実現するためのプロジェクトである。実装技術と配線技術に新しいコンセプトを導入することでシームレスで心地よく、しかも強いICチップを埋め込んだテキスタイルを実現しようとしている。

このプロジェクトでは、MEMSを使ってベアチップを編み糸に組み込むというような新しいコンセプトを開発したり、機械的なカールをベースにして新しい配線技術を開発したり、固いシリコンチップと弾性のある織物との間の応力を緩和するためのインターポーザを開発したりする。さらに機能評価や信頼性評価試験も行う。繊維に埋め込むエレクトロニクス部品としては小さなLEDから複雑なマルチチップモジュールにまで及ぶ。エレクトロニクスのシステム設計としてはさらに、消費電力の配分や、システムのパーティショニング(何をチップ化するか、何をハードで何をソフトで行うかなどの切り分け)といった観点からも織物の中にセンサーやアクチュエータまでも分散配置するといったソリューションまで見つける。

応用としては、単に設計して作るだけではなく、洗濯できるかどうか、フォトニクスデバイスも集積することで光り具合についても調べる。またベッドのシーツやパッドのようなリネンにも埋め込み、湿度センサーでベッドの状態をモニターするという応用も想定している。さらに非破壊検査のモニターとして使うために織物にインサイチュ・モニタリングするためのセンサーを織り込み建造物や工業製品の残りの寿命を評価する応用にも使う。

このPASTA計画は4年間のプロジェクトであり、ベルギーの研究開発機関であるIMECがリーダーとなってこのプロジェクトを管理する。参加するパートナーには、フランスの原子力庁CEA、フランスのスポーツソシエ社、ドイツのフラウンホッファIZM、スイスのマイクロエレクトロニクス研究所であるCSEMなど8団体。今回の計画に投入される資金に関しては明らかにされていないが、前回のSTELLA計画では4年間で総額1316万ユーロを投じた。

(2010/11/04)

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