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製造装置、半導体は受注額、FPDは販売額で減速傾向に

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SEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した、8月の日本製半導体製造装置とFPD製造装置のB/Bレシオは、それぞれ0.74、1.57であった。半導体は2ヵ月前に警告(参考資料1)を出したように、要注意から警戒に変わっている。FPDは1.0を大きく超えているが、要注意である。

図1 日本製半導体製造装置の売上額、受注額の推移 出典:SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の売上額、受注額の推移 出典:SEAJ


半導体は、販売額がほぼ横ばいであるが、受注額は大きく減少している。この減少傾向は6月から現れていた。5月まで受注額は右肩上がりだったが、6月から減少に転じ、以降7月、8月と下降線をたどってきた。

販売額は、6月にがくんと落ちたが、7月、8月はほぼ横ばいだった。この結果B/Bレシオは減少し始めた。これは、3月にTSMCの28nmプロセスの生産能力不足によってクアルコムがアプリケーションプロセッサを出荷できず、製造装置を増強し始めたが、5月になってそれが一服した、と読める。だから、6月以降販売額が低下した。8月のTSMCの28nmプロセスの歩留まりが80%に達したとのレポートもある(参考資料2)。

半導体とは違いFPD製造装置は、7月までは問題なく回復基調でやってきたが、8月のB/Bレシオ1.57は喜ぶような数字ではない。というのは、受注額が頭打ちになり、販売額が急激に落ちたからである。販売額が落ちればB/Bレシオは上がる。


図2 日本製FPD製造装置の売上額、受注額の推移 出典:SEAJ

図2 日本製FPD製造装置の売上額、受注額の推移 出典:SEAJ


今年になって販売額は6月まではほぼ横ばい。しかし受注額は4月を底に5、6、7月と右肩上がりで増えてきた。8月になって頭打ちの傾向が図2から見える。販売額は、7月、8月と低下が加速した。これらの数字は全て3ヵ月間の移動平均である。7月の受注額は5月〜7月の3ヵ月の平均値だ。7月単月ではずっと多いはず。8月が横ばいということは8月単月の金額はこれよりも多いが、7月よりも落ちていることに他ならない。だから1.57というB/Bレシオの数字に惑わされると、先を読み違える危険がある。

参考資料
1. 半導体製造装置のB/Bレシオは0.95へと高まるが、受注・販売額とも低下傾向 (2012/07/20)
2. TSMC 28nm process yields break 80%, says report (12/08/21)

(2012/09/24)

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