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50周年を迎える国際固体素子材料コンファレンス

半導体の学会として日本で出発、発展してきた国際固体素子材料コンファレンス(SSDM: International Conference on Solid State Devices and Materials)が今年50周年を迎える。現在の半導体産業が隆盛を迎えた背景には、さまざまなエンジニアや研究者の努力がある。今回は9月9日から13日まで東京大学本郷校舎(図1)で開催する。通常の講演やショートコースに加え、特別シンポジウムやインダストリセッションのイベントもある。

図1 50周年を迎えるSSDMの会場、東京大学

図1 50周年を迎えるSSDMの会場、東京大学


半導体は、スマートフォンやパソコン、インターネット、ワイヤレス通信、GPSなど世の中を大きく変えた。トランジスタが発明されて60年たつが、実際に現在のデジタルトランスフォーメーションを可能にするまで半導体産業を押し上げた原動力は、何と言ってもマイクロプロセッサとメモリの発明であった。プロセッサとメモリの組み合わせは、ハードウエアを共通にしてソフトウエアを変えるだけで自分の欲しい機能を付けられるマシンを実現する。現在のコンピュータシステムだけではなく民生品や玩具でさえ、組み込みシステムという名前によって安く提供できるようになった。

Intelは人間の頭脳を示すインテリジェンスから、その社名を付けたといわれている。マイクロプロセッサとメモリは、インテリジェンスを表現するデバイスの一つでもある。その企業が誕生して今年で50周年を迎える。SSDMもちょうど50周年になる。

半導体産業にとってちょうど半世紀になる今年、SSDMは特別な企画を立てている。9月10日の午後から、半導体シリコンMOSトランジスタの開発に尽力した東京大学名誉教授の菅野卓雄氏、半導体レーザーの開発を進めた東京工業大学の名誉教授の末松安晴氏がSSDMと半導体開発の足跡を紹介し、さらにIntelの会長を務めムーアの法則で有名なGordon E. Moore氏と、IBMフェローで微細化の指針となるスケーリング理論を唱えたRobert H. Dennard氏のビデオメッセージもある。

このセッションは過去を振り返るだけではない。塗布・ベークだけで有機フィルムのペロブスカイト構造ができ、しかも効率がシリコン結晶並みに高い太陽電池を開発した桐蔭横浜大学教授の宮坂力氏、超電導や原子像撮影、全酸化物FETなど材料に注目したドイツMax-Planck研究所のJochen Mannhart氏、1M量子ビットが可能な光量子コンピュータ開発に取り組んでいる東京大学教授の古澤明氏は、未来のデバイスや材料を語る。

講演会の基調講演(プレナリセッション)では、材料を数学的に解析する東北大学教授の小谷元子氏、コンピューティングデバイスとしてのCMOSを超える未来を語るIntelのIan Young氏、そして、有機エレクトロニクスで材料とデバイス開発に注力するStanford大学教授のZhenan Bao氏が登場する。

ショートコースは従来、新人教育的なチュートリアルな内容であったが、今回はエンジニアが参考になるようなレベルの内容に掘り下げた。例えば、IBM ResearchのJames H Stathis氏は、信頼性科学(Reliability Science)と名付けて、ゲート絶縁膜の経時破壊やホットキャリヤによるダメージなどMOSトランジスタの信頼性問題を議論し、IRDS(International Roadmap for Devices and System)チェアマンのPaolo Gargini氏による「次なるロードマップ」と題した講演や、東京エレクトロンの関口章久氏の「プロセス技術と製造のサイエンス」、Samsung Electronicsの前田氏などの講演がある。

また、日本の半導体産業を支えた、元日立製作所の浅井彰二郎氏や、元一橋大学教授で半導体産業を研究してきた中馬宏之氏、元産業技術総合研究所でMOSトランジスタの開発期に活躍した林豊氏、元東芝の半導体部門を指揮した香山晋氏、元日経エレクトロニクス編集長の西村吉雄氏らによるインダストリセッションもある。このパネルディスカッションでは9日に半導体産業の過去、現在、未来に向けた議論を行う。

(2018/08/07)

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