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A-SSCC 2017、クルマ・中国・IoT・AI・セキュリティに焦点

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第13回となるA-SSCC(IEEE Asian Solid-State Circuits Conference)が韓国のソウルで11月6~8日間開催される。このほど詳細が決まった。今年のテーマは「人間と機械をつなぐシリコンシステム」。基調講演は、クルマ、中国のIC産業、モノづくりのロボット・IoT・AI、賢いスマホ用ICなど。それぞれLG、清華大、ファナック、MediaTekが講演する。

図1 A-SSCC 2017の会場となる韓国ソウルのGrand Hilton Seoulホテル

図1 A-SSCC 2017の会場となる韓国ソウルのGrand Hilton Seoulホテル


ISSCC(国際半導体回路会議)のアジア版として2005年にスタートしたA-SSCCは、若手IC研究者の登竜門であるが、アジアだけではなく欧米からも参加するようになってきた。アジアの開催地でもある台湾、日本、韓国、中国、シンガポールの各参加者よりも、その他地域の採択論文が多く集まっており、国際学会になってきた。

ISSCCやIEDM、VLSI Symposiumなど半導体ICの国際学会での基調講演のテーマはその時々の技術や産業のトレンドを表している。半導体IC技術は、ITサービスを実現するうえで欠かせない技術インフラであるから、ITのトレンドに沿って半導体IC技術は進展し続ける。基調講演のテーマは、今後の重要な市場となるクルマ、そしてIC産業の台風の目となる中国、スマートな(賢い)モノづくりに欠かせないロボットとIoT、AI、そしてスマートなモバイルデバイスである。

この中でクラウドへのシフトが盛んになることに対応するデータセンター向け高性能コンピューティング(HPC)に欠かせないメモリシステムは、パネルディスカッションのテーマになった。DRAMとストレージNANDフラッシュをつなぐSCM(ストレージクラスメモリ)、高速DRAM容量を増やすHBM(High Bandwidth Memory)技術、Xpoint Memoryなどこれからのメモリシステムを議論する。

プロセッサ部門では、ディープラーニングに使われるCNN(畳込みニューラルネットワーク)やRNN(回帰型ニューラルネットワーク)などのアルゴリズムの計算に特化したニューロチップがMichigan大や韓国の大学院大学KAISTなどから登場する。

また、IoTやコネクテッドカーではマストになるセキュリティに関しては、パッケージの組み立てバラつきを反映したPUF(Physical Unclonable Function)回路を神戸大学が発表、また暗号キーを作成するのに必要な乱数発生器をシンガポールのIME(Institute of Microelectronics A*STAR)が試作、25fJ/bitという低消費電力を示す。またIoT向けの0.048mm2の暗号回路コアをMichigan大、California大が発表する。

その他、IoTやコネクテッドカーに欠かせない無線通信向けの回路に関する発表や、低消費電力のてんかん発作を予知する脳波計など医療・バイオの発表も多い。

(2017/10/12)

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