AIの目まぐるしい景観激動;安全性懸念 米中各々連携/M&A
1週間目を離すとまったく様変わり、とAI(人工知能)の景観模様の激しい動き&変化のあらわし方を目にしたことがあるが、半導体業界の視点でも然り、世界販売高、メモリの不足&価格高騰など、いつまでどこまでと休まらない感じ方が引き続いている。OpenAIおよびAnthropicからAIの「暴走」事例が示されて、安全性の懸念が提起され、トランプ大統領がAI関連企業のトップを集めて協議が行われている。今後の推移&展開に一層目が離せないところである。米国の最先端維持および中国の自立化の推進に向けてそれぞれに、企業間連携あるいはM&A(合併や買収)の動きが見られている。AIの景観を眺めながらのこれらの今後の展開に注目する状況が続いていく。
≪安全性&健全性第一≫
AIの安全性懸念を巡る慌ただしい動きが見られた今週であるが、キーワード分類して基本時間順に以下示している。
[Nvidia]
◇Nvidia releases AI safety software it says could have stopped Hugging Face hack―Nvidia rolls out AI safety tools to prevent rogue attacks (9月28日付け Reuters)
→Nvidiaは、AI coding hubを$13 billionで買収する前に発生したHugging Faceハッキングのような事件を防ぐために設計された、一連のAIセキュリティツールを展開した。Arm HoldingsおよびIntelと共同開発されたこれらのツールには、ハードウェア機能を活用してAIエージェントを安全に封じ込めるOpenShellと、OpenShellと連携してコンテナからの脱出を試みる不正エージェントを停止させるSentryが含まれる。
◇Nvidia Debuts System Meant to Stop AI Agents From Going Awry (9月28日付け Bloomberg)
→Nvidia社は、OpenAIのAIモデルによるHugging Faceへの最近の大規模な情報漏洩を防ぐことができたであろうとする、新たな二重構造の人工知能セキュリティシステムを発表した。
◇Nvidia unveils security platform to stop AI agents from going rogue (9月29日付け The Associated Press)
→NVIDIAは月曜28日、人工知能エージェントの暴走を防ぐための新たなセキュリティプラットフォームを発表した。同社は、このプラットフォームが過去の侵害を防げたであろう「境界」を設定すると述べている。
この「Open Agent Safety Platform」の発表は、大手AI企業が自社のモデルが組織から逸脱し、他の組織に侵入した事例を相次いで明らかにしたことを受けてのものだ。
◇Nvidia debuts system designed to control AI agents (9月29日付け Taipei Times)
→*セキュリティ:NvidiaのCEO、ジェンセン・フアン氏は、AIが人間の制御を離れるリスクを繰り返し軽視し、安全性の懸念は技術的な課題であると述べている。
*Nvidiaは、OpenAIのAIモデルによるHugging Faceへの最近の大規模な情報漏洩事件を防ぐことができたであろう、新たな二重構造のAIセキュリティシステムを発表した。
◇NVIDIAが「AI暴走」監視ソフト 日立やトレンドマイクロ100社採用 (9月29日付け 日経 電子版 04:49)
→米エヌビディアは28日、自律的に動き業務を代行する「AIエージェント」を管理・監視するソフトウエアを提供すると発表した。賛同する企業100社超が技術を採用し、AIが暴走してデータを漏洩するといったリスクの高まりに備える。
[OpenAIおよびAnthropic]
◇Anthropic and OpenAI sound the alarm on AI safety - and seek to shape how it’s controlled (9月28日付け The Associated Press)
→AIへの懸念が広がる世界に対し、テクノロジー業界の巨大企業が「自社の高度なシステムが人類を脅かす恐れがある」と警告を発する中、ある疑問が浮上した。彼らには一体、どのような利益があるのだろうか。
その答えは、米国の中間選挙を控えて政治的な狙いを果たそうとする企業の動きや、不安定な株式市場での待望の新規上場(IPO)を通じて、有力AI企業やその投資家が得られる巨額の利益にあるのかもしれない。
AnthropicやOpenAIのCEOらは最近、米国の最先端AIモデルはあまりに強力で危険なため、公開前に規制や第三者による検証が必要だと主張した。彼らは、エッセイやSNSへの投稿、国連での演説などを通じて、危機的なシナリオを提示するという異例の足並みの揃った動きを見せている。
◇アンソロピックIPO書類「強力なAI、人類存亡のリスク」 ロイター報道 (9月29日付け 日経 電子版 11:46)
→AI開発の米アンソロピックがIPOに向けた目論見書に、強力なAIは人類の存亡に関わるリスクをもたらす恐れがあると記載する方針であることが28日わかった。ロイター通信が報じた。
アンソロピックは日本の目論見書にあたる「S-1」を近く公開するとみられている。ロイターは公表前の資料を基に報じた。
◇OpenAI cancels release of newest model (9月30日付け Taipei Times)
→*安全性の懸念:AI Security Institute(AI安全研究所)の報告によると、GPT-6は以前のモデルと比べて著しく高い頻度で、自律的にサイバー攻撃を実行した。
*OpenAIは月曜28日、同社の最新AIモデル「Astra 6.1」について、社内テストの結果、安全基準を満たしていないことが判明したため、リリースを見送ると明らかにした。
◇OpenAI、最上位モデルは公開中止 アルトマン氏「性能より安全性」 (9月30日付け 日経 電子版 05:57)
→米オープンAIは29日、年次開発者イベントを開き、利用者の意図をくんで自律的に動くAIなどの新機能を発表した。AIを制御しきれない暴走問題が注目される中、「安全基準を満たさなかった」として最上位のAIモデルの公開は見送った。
◇Anthropic warns government attitudes may hurt customer ties, IPO prospectus shows―Anthropic warns of government impact in IPO filing (10月2日付け Reuters)
→AnthropicのIPO目論見書は、同社に対する政府の姿勢や行動がもたらすリスクを強調し、否定的な認識や規制措置が、政府との直接的な取引にとどまらず、事業に深刻な影響を与える可能性があると警告している。同社は、連邦政府機関によるAIモデルの使用を禁止する大統領令や、国防総省がAnthropicをサプライチェーンリスクと認定したことなど、最近の米国政府による介入を例に挙げている。また、将来的な規制や政府による不利な決定が、評判や財務に重大な損害をもたらす可能性についても指摘している。
◇OpenAIの「暴走」問題、影響100件超の可能性 カリフォルニア州も調査 (10月3日付け 日経 電子版 05:53)
→米オープンAIはAIが外部サイトに不正アクセスなどをした「暴走」問題で、100以上の企業や団体に影響した可能性を明らかにした。米西部カリフォルニア州も同社の法的責任について調査を広げている。
[米国政府]
◇トランプ氏、アンソロピックのアモデイCEOと会食へ 初の面会 (9月28日付け 日経 電子版 05:54)
→トランプ米大統領が米AI新興アンソロピックのダリオ・アモデイCEOと27日に会食を予定していることがわかった。
AIの安全性や開発のあり方などを話し合うとみられる。
アモデイ氏側の関係者が日本経済新聞の取材に認めた。米ニュースサイトのアクシオスによると、トランプ氏が米ホワイトハウスでの夕食にアモデイ氏を招待した。
◇Trump says he and tech leaders signed AI agreement that is ‘morally binding’ (9月29日付け CNBC)
→*ドナルド・トランプ大統領とMike Johnson(マイク・ジョンソン)下院議長が主催するAIに関する昼食会に、テクノロジー業界のリーダーたちがホワイトハウスに集まった。
*出席した業界幹部には、AnthropicのDario AmodeiCEO、Nvidiaのジェンスン・フアン氏およびTeslaのイーロン・マスク氏などが名を連ねている。
*テクノロジー業界のリーダーやAI研究者らは、安全面への懸念が高まる中、開発のペースを落とすよう求めてきた。
◇Trump warms to Jay Clayton as AI czar―Trump considers Clayton for AI czar position (9月29日付け Axios)
→*トランプ大統領は火曜29日、Axiosに対し、ジェイ・クレイトン氏が「AI担当責任者(AIツァー)」として適任であると語った。
*AI革命の最前線に迫り、私たちの生活を塗り替える技術や規制に関するスクープと洞察をお届けする。
◇Trump says top tech firms have signed accord to ‘self-police’ AI development (9月30日付け The Associated Press)
→ドナルド・トランプ大統領は火曜29日、自身と多数のAI企業幹部が、AI技術に対する国民の不安を解消することを目的としたホワイトハウスでの会合で、内部および外部の検証を含む自主的な協定に署名したと述べた。
「私は、彼らが非常に優れた自主規制を行っていると感じている。そして、彼らは自主規制の必要性を理解している」と、トランプ大統領はホワイトハウス西棟の外で行われた急遽開かれた記者会見で記者団に語った。
◇トランプ氏、アンソロピックなどAI企業20社と自主規制で合意 (9月30日付け 日経 電子版 07:21)
→トランプ米大統領は29日、主要AI関連企業のトップをホワイトハウスに招き、昼食会を開いた。AI政策のあり方を巡り意見交換したうえで、経営者らとAIの開発企業の責任に関する合意文書に署名した。
◇FTC is investigating OpenAI and Anthropic over possible risks to consumers (10月1日付け The Associated Press)
→FTCは水曜30日、OpenAIやAnthropicなどのAI企業に対し、その技術が消費者に及ぼしうる危険性をめぐって調査を開始したと発表した。
ここ数カ月の間に、これらAI大手やその他のハイテク企業は、自社のAIエージェントが人間の指示の枠を超えて行動し、インターネット上に進出したり、外部のウェブサイトをハッキングしたりした事例を明らかにしている。
◇AI自主規制、拘束力弱く 米テック6社、政権と合意 減速論に温度差 (10月1日付け 日経)
→アンソロピックやオープンAIなど米国の主要AI6社が29日、トランプ米大統領とAI開発の安全確保の取り組みで合意した。
外部検証などを約束したが法的義務は負わず、安全確保の実効性は見えていない。
同日にホワイトハウスでAI関連の約20社の幹部が集まり、AI政策の在り方を議論した。このうち先端AI開発に関わる主要6社がリスク抑制への対策を約束した。
◇米政府、OpenAIとアンソロピックを調査 AI暴走で安全性に懸念 (10月1日付け 日経 電子版 05:27)
→米紙ニューヨーク・ポストは9月30日、米連邦取引委員会(FTC)がAIの安全性を巡り、米オープンAIや米アンソロピックを調査していると報じた。AIによる不正アクセスなど「暴走問題」への対応とみられる。ニューヨーク・ポストなどによると、調査対象には両社以外のAI企業も含まれる。開発中のAIを制御する社内体制や利用者への説明について問題がないかを調べる。
[Bill Gates氏]
◇Bill Gates joins calls for AI safeguards, legislation (9月29日付け Taipei Times)
→マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は、日曜27日に放送されたインタビューの中で、AIには自主規制以上の安全対策が必要だと述べ、米議会での法制化を訴えた。
ゲイツ氏は、NBCの番組「Meet the Press」の収録インタビューで、「法執行機関と政治家が、どのような安全対策と監視が必要かについて議論に参加する必要がある。そして、それは必須事項でなければならない」と語った。
米中各々の連携/M&Aについて、これも項目分けで示していく。
[AMDのWorld Labs買収]
◇AMD Acquires World Labs For $8.2 Billion In What Is Essentially A Talent Grab For Building A Competitor To NVIDIA’s Cosmos AI Model―AMD buys World Labs in $8.2B deal to bolster AI tools (9月28日付け Wccftech)
→1)AMD、Fei-Fei Li博士率いるワールドラボを株式交換方式で買収へ。NVIDIAのCosmosワールドファンデーションモデルに対抗するための人材と技術獲得を目的とした戦略的な買収となる。
2)アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、AI研究企業であるワールドラボを$8.2 billionの株式交換方式で買収することに合意した。この買収は、NVIDIAのCosmosに対抗するため、AMDのAI能力を強化することを目的としている。今回の買収は、AMDが最近合意したTaalas買収に続くものであり、AIハードウェアおよびソフトウェア開発への戦略的な転換を反映している。
◇AMD buys World Labs for $8.2bn (9月29日付け Electronics Weekly (UK))
→AMDは、AIのパイオニアであるFei-Fei博士が率いるAIモデル開発・研究機関であるワールドラボを買収する。
この買収により、AMDは新たなモデルやアプリケーションのニーズに対応したAIハードウェア、ソフトウェアおよびシステムの開発能力を強化することになる。
◇AMD、「AIゴッドマザー」の米新興1.3兆円買収 フィジカルAI開発 (9月29日付け 日経 電子版 07:00)
→米半導体大手AMDは28日、AI開発の米新興ワールドラボを約82億ドル(約1兆2900億円)で買収すると発表した。
ワールドラボはAI研究の第一人者で「AIのゴッドマザー」とも呼ばれる米スタンフォード大のフェイ・フェイ・リー教授が率いる。3D空間を生成する「世界モデル」と呼ぶAIを開発する。
◇AMD buys firm founded by researcher Li Feifei (9月30日付け Taipei Times)
→米AMDは月曜28日、AI分野の第一人者であり、「AIのゴッドマザー」とも称されるフェイフェイ・リー氏が設立したAI企業、World Labsを買収したと発表した。
買収額は約$8.2 billionで、スタンフォード大学のコンピュータ科学教授である李氏は、今後AMDのチーフ・サイエンティストに就任する予定だ。
[DeepSeekとHuawei連携]
◇DeepSeek Unveils Huawei AI Chip Tools That May Replace Nvidia’s―DeepSeek, Huawei collaborate on Ascend chip tools (9月30日付け Bloomberg)
→DeepSeek AIは、NVIDIAへの依存低減を目指し、Huawei Technologiesの「Ascend」チップに最適化されたプログラミングツールの開発で同社と提携した。DeepSeekはAscendプラットフォーム向けのプログラミング・インフラをオープンソース化しており、両社は「Ascend 950」チップ128基をベースとしたスーパーノード・ソリューションの開発も共同で進めている。
◇DeepSeek partners with Huawei to develop chip programming tools, reducing reliance on Nvidia (9月30日付け Reuters)
→*DeepSeek、HuaweiのAscendプラットフォーム向けプログラミング・インフラをオープンソース化
*HuaweiとDeepSeek、128基のAscend 950チップを搭載したスーパーノード・ソリューションを共同開発
*DeepSeek、プロジェクトにおけるプログラミング言語「TileLang」の役割を強調
中国のAI企業、DeepSeekは水曜30日、Huaweiの「Ascend」チップに最適化されたプログラミングツールを開発するため、同社と提携したと発表した。これは、Nvidiaのエコシステムに代わる選択肢を模索する中国のハイテク企業間で、連携が深まっていることを示す最新の動きである。
DeepSeekは公式WeChatアカウントへの投稿で、計算および通信ライブラリを含む、HuaweiのAscendプラットフォーム向けプログラミング・インフラをオープンソース化すると明らかにした。
◇ディープシーク、AI開発ソフト開放 ファーウェイと協業 (10月1日付け 日経)
→中国のAI新興、DeepSeekは9月30日、中国の通信機器大手、華為技術と組み同社製半導体を使ったAIモデル開発の基盤ソフトの外部提供を始めた。米エヌビディアの対抗軸をつくる。
[OpenAIとSynopsys連携]
◇OpenAI and Synopsys Announce GPT-Synopsys: Frontier Intelligence to Revolutionize Chip Design (9月30日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→シノプシスとOpenAIは本日、戦略的パートナーシップの締結を発表した。この提携は、OpenAIの高度なAI技術と、シノプシスの業界をリードするEDA(電子設計自動化)ツールおよびエージェント型AI技術を融合させ、半導体設計に革命をもたらすことを目指すものである。両社は、半導体設計のワークフローにおいてシノプシスのEDAツールを活用するよう最適化された専用モデル「GPT-Synopsys」を共同開発するため、包括的な複数年契約を締結した。本契約には、収益分配の取り決めや、世界中の顧客へGPT-Synopsysを提供するための市場展開における連携も含まれている。
[BroadcomのAnthropic支援]
◇Broadcom to lend Anthropic up to $42 billion to lease its chips, filing says―Broadcom to provide $42B to Anthropic for chip leasing (10月1日付け Reuters)
→Broadcomは、Anthropicのインフラ投資、具体的には5年間にわたるTensor Processing Unit(TPU)のコンピューティング能力のリースを支援するため、同社に最大$42 billionの資金を提供することに合意した。
この巨額の融資は、Anthropicの技術開発においてBroadcomを重要なプレーヤーとして位置づけるとともに、両社間の相互的な資金的関与を浮き彫りにするものである。
◇Broadcom To Lend Anthropic Up To $42 Billion To Finance AI Infrastructure (10月1日付け Pulse 2.0)
→ロイターが確認したAnthropicのIPO関連書類によると、同社はAI事業における大規模なインフラ拡張を支援するため、Broadcomから最大$42 billionの資金提供を受けることで合意した。この資金は、Anthropicが今後5年間でTPUの計算リソースをリースするためにコミットした総額$125.2 billionの約3分の1を賄う可能性がある。
このような動きを受けて、論評および対応が以下の通り見られている。
◇What does it mean to win the AI race? (9月30日付け Asia Times)
→*米国が最も強力なAIの構築を目指している一方で、中国はその技術のユビキタス化を目指しているため、明確な勝者はいないだろう。
*ドナルド・トランプ氏と習近平氏が先週ワシントンで会談した際、両国を分断する問題の一つに人工知能があった。その数日前、スコット・ベッセント財務長官は、両国はインシデントラインを含む正式なAI対話を確立することに合意したが、その手順はまだ策定されていないと述べた。
◇Will America Spend 9% of Its GDP on AI? The Industry Is Counting on It―Will AI really account for 9% of US GDP? (10月2日付け The Wall Street Journal)
→1)莫大な投資額を正当化するには、アメリカ人は食費と同額の収入をこの技術に費やす必要があるだろう。
2)コロンビア大学(Columbia University)のStijn Van Nieuwerburgh教授によると、現在の投資を正当化するには、アメリカの企業と消費者はGDPの9%をAIに費やす必要があるという。ヴァン・ニューウェルバーグ教授の論文では、現在のコンピューティング能力の価格を前提とした場合、AIの収益は2032年までに$3.5 trillionに達する必要があると指摘している。しかし、このシナリオは競争激化に伴う価格下落の可能性を考慮していないため、現実的ではないかもしれない。
◇Computer science has long understood how to keep AI under control (10月2日付け Asia Times)
→*AIエージェントが暴走したと主張することは、AIエージェントが開発元のAI企業の制御を超越し、企業にはほとんど何もできなかったという誤った印象を与える。
*AIエージェントは暴走しない。暴走するのは人間だけである。しかしながら、ニューヨーク・タイムズの記事(AIに関する多くの報道を代表するもの)は、OpenAIへのハッキングを「AIボットが暴走し、独自にサイバー攻撃を主導した」と表現した。
◇Amazon、米データセンター周辺住民に1600億円支援 建設凍結を警戒 (10月3日付け 日経 電子版 04:00)
→米アマゾン・ドット・コムは2日、今後5年間で10億ドル(約1600億円)以上をデータセンター周辺地域の住民の待遇改善に充てると公表した。全米で建設反対が広がるなか、計画が凍結されれば米国がAI競争に負けるおそれがあると警告した。
IT業界の技術変化の早さをドッグイヤーとあらわしていたが、AI関連業界ではどうなるのか。当面は事態の推移に注目である。
激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。
□9月29日(火)
前半3日は止まらない長期金利上昇などから下げ、後半2日は雇用統計への反応などで上げる展開となった、今週の米国株式市場である。
◇NYダウ反落、347ドル安 ボーイングやセールスフォース株が下落 (日経 電子版 06:16)
→28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前週末比347ドル11セント(0.66%)安の5万1481ドル51セントだった。イラン情勢を巡る先行きの不透明感から米原油先物が上昇したほか、米長期金利の上昇も株式相場を下押しした。
トランプ米大統領は26日、停戦を巡るイランの提案を拒否すると話したと伝わった。イランは一定の条件を満たせば、7日以内にホルムズ海峡を開放する案を米国側に示していたが、受け入れなかった。
□9月30日(水)
◇NYダウ続落131ドル安 金融株や消費関連に売り、ナスダックは小幅安 (日経 電子版 05:36)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比131ドル59セント(0.25%)安の5万1349ドル92セントだった。米長期金利の上昇が止まらず、金融株や消費関連などの下げが目立った。
□10月1日(木)
◇NYダウ続落443ドル安 消費関連に売り、ウォルマート3%安 (日経 電子版 05:32)
→9月30日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、終値は前日比443ドル87セント(0.86%)安の5万0906ドル05セントだった。原油高や金利上昇を受け、景気敏感株などを中心に主力株に売りが出た。半面、ハイテク株には買いが優勢となり、ダウ平均の下値を支えた。
□10月2日(金)
米国通商代表部(USTR)が、中国などを対象に、過剰生産への対抗措置である。
◇米通商代表、過剰生産に対抗措置「数週間以内」 中国など念頭 (日経 電子版 06:24)
→米USTRのグリア代表は1日、日本経済新聞などとのインタビューで、中国などを対象に検討してきた過剰生産問題への対抗措置を「数週間以内」に公表すると明らかにした。過剰生産品を「黙って受け入れるつもりはない」と語った。
◇NYダウ小幅反発、20ドル高 早期の米利上げ観測が後退 (日経 電子版 05:42)
→1日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日営業日ぶりに反発し、終値は前日比20ドル51セント(0.04%)高の5万0926ドル56セントだった。米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測の後退などが株式相場を支えた。
米長期金利が一時24年ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)したうえ、原油高も重荷となり、ダウ平均は下げる場面が多かった。
□10月3日(土)
◇NYダウ続伸250ドル高、米雇用統計が予想下回る エヌビディア最高値 (日経 電子版 05:44)
→2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前日比250ドル40セント(0.49%)高の5万1176ドル96セントだった。同日発表の9月の米雇用統計が早期利上げ観測を強める内容ではなく、主力株に買いが入った。米原油先物相場の下落も株式相場の支えとなった。
2日朝の9月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比2万9000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(8万4000人増)を下回った。失業率は4.2%と市場予想(4.1%)より高かった。賃金の伸び率も市場予想に届かなかった。
半導体株や超大型テック株の買いも目立った。ダウ平均の構成銘柄では、エヌビディアが5月に付けた最高値を更新した。アルファベットとアマゾン・ドット・コムも上昇した。
≪市場実態PickUp≫
【メモリー関連業績】
AI需要による半導体販売高の異次元の伸びとこのところ繰り返しているが、米国・マイクロンそして台湾・ナンヤについて、関連記事が以下の通りである。
◇メモリー消耗戦、生き抜いた台湾南亜科技 AI特需で粗利率TSMC超え―サーチライト (9月28日付け 日経 電子版 05:00)
→半導体メモリーの台湾南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)の業績が急拡大している。AI向けにメモリー需給が逼迫する中で、南亜の成熟品にも供給不足が波及する。消耗戦を生き残った同社に強烈な追い風が吹く。短期記憶を担うメモリーであるDRAM専業の南亜の8月売上高は、前年同月から6.6倍の446億台湾ドル(約2230億円)と10カ月連続で過去最高を更新した。
◇Micron has $54bn revenue quarter―Micron reports record $54.23B in quarterly revenue (10月1日付け Electronics Weekly (UK))
→マイクロン・テクノロジーは、同社第4四半期の売上高が前年同期の$11.32 billionから大幅に増加し、$54.23 billionという過去最高を記録したと発表した。純利益は$37.7 billionに達している。
Sanjay Mehrotra CEOは2027年度にはさらに業績が拡大すると見込む一方、需要が供給を上回り価格が上昇する状況が続くため、少なくとも2028年まではRAM(ランダムアクセスメモリ)の不足が解消されない可能性が高いと警告している。
◇RAM supply set to worsen, says Micron, as CEO celebrates ‘much higher’ prices―Posts huge leaps in revenue, profit, and margin, with more to come (10月1日付け The Register (UK))
→メモリメーカーのMicronは、RAM(メモリ)の供給不足が2028年、あるいはそれ以降も続くと警告した。
同社の2026年度決算説明会において、CEO兼会長のSanjay Mehrotra氏は、来年生産予定のメモリの大半はすでに販売済みであることを投資家に改めて伝え、顧客は今年支払った価格よりも「はるかに高い価格」を支払うことになると述べた。
◇Micron beats on earnings and issues strong guidance as data center revenue jumps 11-fold (10月1日付け CNBC)
→*マイクロンは、市場予想を上回る第4四半期決算を発表した。
*同社は、AIに不可欠な広帯域メモリ(HBM)を製造する唯一の米国企業である。
*同社の株価は過去1年間で500%以上上昇している。
◇Micron forecasts tighter memory supply through 2028, lifting Korea chip outlook―Micron's long-term deals and HBM shift signal sustained chip tightness and brighter prospects for Samsung and SK hynix (10月1日付け ChosunBiz (South Korea))
→マイクロン・テクノロジーは、AI需要に起因するメモリチップの不足が、2028年には今年と比べてさらに深刻化するとの見通しを示した。この予測は、来年がメモリ価格や利益のピークになるのではないかという市場の懸念を明確に否定するものである。マイクロンは、メモリチップ需要の好況が長期化する根拠として、「顧客による事前の供給量確保」や「生産能力拡大の限界」を挙げた。
◇マイクロン売上高4.5倍、9〜11月 メモリー市場AI特需の熱狂冷めず (10月1日付け 日経 電子版 06:50)
→米メモリー半導体大手のマイクロン・テクノロジーは9月30日、2026年9〜11月期の売上高が前年同期比4.5倍の615億ドル(約9兆7000億円)前後になりそうだと発表した。米巨大テックの空前のAI投資を受けたメモリー市場の特需が続く。
株価は時間外取引で一時、同日終値と比べて2%高となったが、その後下落するなど乱高下した。
◇Micron Taiwan accelerating expansion (10月2日付け Taipei Times)
→*好調なビジネス:マイクロン社は、2027年と2028年にはメモリ供給の制約がさらに深刻化し、顧客が長期供給契約を締結するようになると述べた。
*マイクロン・メモリ・台湾は昨日、AI主導の需要拡大を受け、メモリチップの生産能力増強を加速させていると発表した。同社の台湾における累積投資額は、6月末時点で1兆6000億台湾ドル($50.2 billion)に達した。
【TSMC関連】
米国での製造拠点について現在のアリゾナ州にテキサス州ダラスを検討、そして、製造ノード別売上げで3-nmがトップになろうとしている、と以下の通りである。
◇[News] TSMC Reportedly Eyes Texas Expansion That Could Top US$265B; VIS-NXP Mulls Second Singapore Fab (9月29日付け TrendForce)
→TSMCは、アリゾナ州以外でも米国での大規模な事業拡大を検討していると報じられている。経済日報によると、同社は最先端のウェハー工場を最大6棟含む第2の製造拠点の設置を計画しており、テキサス州ダラスが候補地として浮上している。新工場ではより微細な製造プロセス(ノード)が採用される可能性が高いため、総投資額はアリゾナ州の拠点に投じられる$265 billionを上回る可能性がある。
◇TSMC’s 3-nm Ramp Looks Different in Historical Context (9月30日付け EE Times)
→TSMCの3nmプロセスは、重要な節目を迎えようとしている。2026年第2四半期時点で、同プロセスのウェハー売上高に占める割合は30%に達し、33%を占める5nmプロセスに肉薄した。業界の最新レポートによると、年後半には3nmプロセスがTSMCのプロセスファミリーの中で最大の収益源となる可能性がある。
しかし、現在の規模だけでは、そこに至るまでの立ち上げ速度までは分からない。そこで、立ち上げのペースを比較するために、TSMCの四半期開示資料を用い、10nm、7nm、5nm、および3nmの各ノードについて、個別の項目として計上され始めてから最初の6四半期におけるウェハー売上高シェアの推移を追跡した。暦上の日付ではなく、各ノードの経過期間(立ち上げからの期間)を基準に並べることで、立ち上げの推移を直接比較できるようにした。
◇TSMC evaluates potential Texas investment, sources say (9月30日付け Reuters)
◇TSMC looking to build six fabs in Texas―TSMC eyes major fab investment in Texas (9月30日付け Electronics Weekly (UK))
→1)TSMCはテキサス州への投資を検討していると報じられており、その規模はアリゾナ州で計画されている$265 billionの投資を上回る可能性がある。
2)TSMCは、テキサス州に6つの製造工場を建設する大規模な投資を検討しており、その規模はアリゾナ州での$265 billion規模のプロジェクトを上回る可能性がある。同州は、安価なエネルギー、低い税率および「テキサス半導体イノベーション基金」といった利点を備えているほか、工学分野でトップクラスの大学も擁している。
【Intel関連】
ファウンドリー事業確立に注力、TSMCをパートナーと呼ぶCEOのLip-Bu Tan氏、そして次世代Nova Lakeプロセッサについて、以下の通りである。
◇Intel CEO Lip-Bu Tan Calls TSMC a Partner Not a Rival, Even as He Rebuilds the Foundry―Intel CEO sees TSMC as partner, not competitor (9月28日付け Wccftech)
→*インテルCEO、リップ・ブー・タン氏、解雇の際には敬意を払うべきだと主張
*インテルCEOのリップ・ブー・タン氏は、同社が独立したファウンドリ事業の確立に注力する一方で、TSMCをライバルではなく対等な企業と位置づけている。タン氏は、Global Semiconductor Alliance創設者のJodi Sheldon氏が司会を務めるポッドキャスト番組「A Bit Personal」のインタビューで、業界における競争に対する自身の姿勢について語った。また、インテルCEO就任後の多忙なスケジュールや、ベンチャーキャピタル経営時代に培った人員削減へのアプローチについても言及した。
◇Intel's next-gen Nova Lake platforms pass compliance at USB and PCIe standards bodies as launch looms - PCI-SIG and USB-IF give their stamp of approval―Setting the stage for next-generation platform.―Intel's Nova Lake platforms pass USB, PCIe compliance (9月29日付け Tom's Hardware)
→Intelの次世代「Nova Lake」プラットフォームが、USB Implementers Forum(USB-IF)およびPCI-SIGによる適合性試験に合格し、発売に向けた準備が整った。Core Ultra 400シリーズ「Nova Lake」プロセッサと900シリーズ・チップセットがUSB-IFおよびPCI-SIGの「Integrators List(適合製品リスト)」に追加され、相互運用性が実証されている。Nova Lakeプロセッサの正式な発売は、2027年第1四半期に予定されている。
【Nvidia関連】
同社最大規模の自社株買い、そして量子コンピューティング・プラットフォームおよびガラス基板の取り組みについて、以下の通りである。
◇NVIDIA、過去最大の24兆円自社株買い 株価は一時4%上昇 (9月29日付け 日経 電子版 06:08)
→米エヌビディアは28日、総額1500億ドル(約24兆円)の自社株買いを発表した。同社として最大規模になる。旺盛なAI投資で画像処理半導体(GPU)販売が急拡大するなか、潤沢な手元資金を活用する。
取締役会で自社株買いを追加承認した。既に発表している分を含め、2028年1月期までの自社株買いの総額は2350億ドル(約37兆円)に達する。
◇Nvidia Quantum Middleware Jumpstarts Quantum Fault Tolerance―Nvidia's CUDA-Q Logical boosts quantum fault tolerance (9月30日付け All About Circuits)
→1)Nvidiaの量子コンピューティング・プラットフォーム「CUDA-Q」に新たな機能が追加され、論理量子ビットの誤り訂正と抽象化が実現した。これにより、信頼性の高い量子アプリケーションの開発が大幅に加速する。
2)Nvidiaは、オープンソースの量子コンピューティング・プラットフォーム「CUDA-Q」向けに、論理オーケストレーション層である「CUDA-Q Logical」を導入した。この機能は、物理ハードウェア層を抽象化することで耐故障性(フォールトトレランス)を組み込み、論理量子ビットの開発を迅速化する。フェルミ国立加速器研究所では、このソフトウェアを活用することで、5ヶ月を要する予定だったプロジェクトを3週間で完了させた。
◇[News] NVIDIA Reportedly Explores Glass Substrates, 2028 Adoption Possible as Taiwan Suppliers Step Up (9月30日付け TrendForce)
→AIチップの大型化・複雑化が進む中、先端パッケージングの次なる有力な選択肢としてガラス基板が浮上している。『工商時報』の報道によると、NVIDIAが次世代AIチップのパッケージングにこの技術を採用することを検討しており、台湾のディスプレイパネルおよびガラス加工のサプライチェーンに注目が集まっている。ただし業界関係者は、大規模な商用化に向けては、製造歩留まりや顧客による認定取得が依然として重要な課題であると指摘している。
【GlobalFoundries関連】
無線周波数(RF)半導体および光モジュールへの対応、そしてグローバルな拠点展開、と取り組みの現状である。
◇GlobalFoundries accelerating global capacity expansion, official says (9月25日付け Taipei Times)
→グローバルファウンドリーズ社は昨日、AIブームに伴うRFチップをはじめとする各種チップの爆発的な需要増に対応するため、グローバルな生産能力の最適化と拡張を加速させる計画だと発表した。
グローバルファウンドリーズ・アジア太平洋地域責任者のVincent Feng氏は新竹市での記者会見で、シンガポールが同社の生産能力拡張において重要な役割を担うとともに、各製造拠点における生産ラインの最適化も進めると述べた。
◇GlobalFoundries sees 'strong' demand for Chinese optical modules amid data centre boom (9月27日付け South China Morning Post)
→*米国の半導体受託製造企業であるグローバルファウンドリーズは、中国の光モジュールメーカー向けサービスというニッチ市場を開拓し、中国市場でのプレゼンスを強化している。
*米国の半導体受託製造企業であるグローバルファウンドリーズは、データセンター建設ブームを背景に中国製光モジュールへの旺盛な需要を見込んでおり、中国国内顧客へのサービス向上を目指し、中国での事業拡大を進めている。
◇GlobalFoundries went to Penang for semiconductor talent. Its engineers there now support every fab the company operates (10月1日付け TechWire Asia)
→*ペナンにあるグローバルファウンドリーズの拠点は、シンガポール、ドイツおよび米国にある同社のすべてのウェハー工場を支援している。
*GFによると、シンガポールでは十分な数のエンジニアを確保できなかった一方、マレーシアのエンジニアは地元を離れることを望まなかったという。
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