2025年世界半導体企業売上トップ50社のYoY成長率ランキング:CXMTがトップ
カナダに本拠を置く半導体市場調査会社のTechInsights のMcClean Report部門(旧IC Insights)から2025年世界半導体企業売上高トップ50社の対前年比成長率ランキングというあまりなじみのないランキングを入手したので紹介しよう。
成長率ランキングについて述べる前に、その元になるデータである2025年の売上高自体のランキングについてまずは見ておこう。このランキングは暦年売上高に基づいており、ICとOSD(光半導体、センサ/アクチュエータ、ディスクリート半導体)の両方のデバイスが含まれている(注1)。企業の会計年度が暦年と一致しない場合は、1月から12月までの売上高に基づいて調整を行っている。50社の地域・国別内訳は、米国に本社を置く18社、台湾に拠点を置く9社、日本に本社を置く8社、欧州の6社、中国の6社、韓国の2社、イスラエルに本拠を置く1社である。50社には、ファウンドリや未上場企業を含んでいる(注2)。
2025年の半導体売上高上位50社リストには、中国の紫光集団傘下の大手ファブレスであるUnisoc(売上高40位)と米国のDiodes(売上高50位)が復帰した。一方、韓国のファブレスであるLX Semiconと米国のディスクリート半導体メーカーのVishayが上位50社リストから外れた。
売上高上位50社の市場シェアのイメージを図1に示す。シェアを面積の大きさで示している。2025年世界半導体企業売上高トップ50社の合計売上高は、前年比28%増となったとTechInsightsは報告している。特にGPUと高帯域幅メモリ(HBM)を製造する企業が、主要な成長ドライバとなった模様である。
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図1 2025年売上高上位50社の市場シェアのイメージ:上位25社までは社名を表示し、以降50位まで25社の傍系売上高をOthersと表示 出典:TechInsights
TSMCとNanyaの2025年売上高成長率が最高
50社の対前年比(YoY)成長率ランキングを表1に示す。この表には、肝心の成長率が表記されておらず、表の右側の2025年売上高を2024年売上高で割って求めるしかない。なお、Total Semiというのは、ICだけでなく非ICも含めたすべての半導体という意味である。
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表1 2025年売上額50社ランキング(単位:百万ドル)
成長率が最も高かったのは、国内メモリ需要とAIインフラの拡大を背景に売上高ランキングを34位から21位に上昇したCXMTと、10ランク上昇して39位となった台湾のDRAMメーカーであるNanya Technologyである。中国最大の新興DRAMメーカーであるCXMTの2025年の成長率は150%、つまり2.5倍の成長を遂げた(参考資料1)。次いでNanyaの成長率は2倍。3位は、中国最大のNANDフラッシュメーカーであるYMTCで1.7倍。4位は、世界最大の半導体メーカーにのし上がった米NVIDIAで、1.65倍、5位は、米国のメモリメーカーMicron Technologyで、1.6倍。
成長率ランキング38位の米GlobalFoundriesまでが、前年比プラス成長した。このうち27社が2桁%の成長を遂げた。業績不振から抜け出せない39位の米Intel以下11社がマイナス成長だった。なお、41位のSkyworksの成長率はかろうじてマイナスではないのでTechInsights の誤記であり、正しくは39位である。
ワースト成長率はonsemiとSTMicro
最もマイナス成長したのは米onsemi でマイナス15%、次いでスイスに本社を置き仏伊に工場を持つSTMicroelectronicsでマイナス11%、米Microchip マイナス8%,、三菱電機 マイナス6%、蘭NXP Semiconductors マイナス2%と続く。TehInsightsは、「売上高の減少は、自動車およびシンプルな組み込み IC 市場向けの IDM に集中している。このカテゴリのほとんどの企業は、市場の逆風が続いていることを反映して、マイナス成長か、せいぜい一桁の成長しか見られなかった。ただし、Texas Instruments (TI) は例外で、13%の成長で車載グループをリードした」と分析している。
売上額も、成長率もソニーが日本最高
2025年世界半導体企業売上高/成長率ランキングに含まれる日本企業8社の順位を整理して表2に示す。今年に入り、AI向けNANDフラッシュメモリ価格が急騰したため、2026年のランキングではキオクシアの売上高、成長率ともに日本トップになる見込みである。2026年には、世界中の半導体メモリメーカーの売上高、成長率がともにさらに大きく伸びることが予想される。特に、中CXMTとYMTCの更なる躍進が予想される(参考資料1)。
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表2 2025年世界半導体企業売上高/成長率ランキングに含まれる日本企業8社の順位 出典:TechInsightsデータを基に筆者作成
(注1) 世界半導体市場統計(WSTS)の定義では、Total Semiconductor =IC+OSD(Optics, Sensor/actuator ,Discrete semiconductor)となっている。
(注2) 他社のランキングでは、売上高の2重計上をさけるため、TSMCなどのファウンドリを含まない場合が多い。決算結果が公式に発表されぬという理由で、非上場企業も含まない場合が多い。ファウンドリや中国新興非上場企業の規模の大きさを明示するため、本表にはファウンドリと非上場企業が含まれる。
参考資料
1. 服部毅「上場果たしたDRAMメーカーCXMTが躍進、NANDメーカーYMTCも上場へ」、 セミコンポータル、(2026/09/17)
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