セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト
セミコンポータル

春節の週での注目:米日蘭対中輸出規制対応、各社人員削減、ChatGPT

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜27日夕方時点、世界全体で6億6985万人に達し、7日前から約160万人増と、前週比53万人減である。我が国では新型コロナの扱いを季節性インフルエンザと同じ「5類」への引き下げが大型連休明け5月8日に政府決定されている。旧正月、中国の春節の週で、半導体関連のアジア圏発の動きがひととき見えなくなる中、注目した3点である。米国の対中国半導体輸出規制への対応をめぐって、我が国およびオランダの米国政府とのやりとり模様である。急激な市況後退を受けて、半導体およびIT大手各社の人員削減の関連の動きが相次いでいる。非営利団体「OpenAI」が開発したチャット型AI、ChatGPTにも注目させられている。

≪旧正月の一方での動きから≫

我が国およびオランダの米国による対中国半導体輸出規制への対応如何の動きが、以下の通り続いている。

◇日本とオランダ、米主導の対中半導体規制に近く参加へ−関係者‐日本とオランダの首脳、バイデン大統領と今月それぞれ会談‐日本とオランダの対中規制、米国ほど踏み込まない見通し (1月20日付け ブルームバーグ 日本語版)
→半導体製造装置の主要サプライヤーを抱える日本とオランダは、バイデン米政権が主導する対中半導体輸出規制に近く加わる見通し。
事情に詳しい関係者によると、日本とオランダは1月末にも輸出規制で米国に同調し、最終決定する可能性がある旨。両国の首脳はバイデン大統領とホワイトハウスで今月それぞれ会談し、計画を協議していた旨。

オランダ側での動きである。

◇Dutch government told to limit ASML exports to China (1月22日付け Taipei Times)
→オランダの国防省は、2020年に政府に対し、半導体装置サプライヤーであるASML Holding NVが最新の機械を中国に輸出することを許可しないよう勧告した、とオランダの新聞、Het Financieele Dagbladが金曜20日に報じた旨。

中国側に立った報道記事である。

◇The Chip War: In a major blow to China, Netherlands and Japan decide to side with US over chip sanctions (1月23日付け First Post)
→中国にとって非常に落胆、オランダと日本は、米国が中国の半導体メーカーに課した制裁を順守することを決定した旨。これは事実上、中国が最新の半導体を製造できなくなり、次世代半導体を開発することもできないことを意味する旨。

◇Dutch lithography gear giant ASML expects steady China sales in 2023 despite US pressure on export curbs (1月26日付け South China Morning Post) 
→*ASMLは依然として旧い深紫外(DUV)リソグラフィー マシンを中国に送っているが、これらは現在、米国とオランダの交渉の焦点である旨。
 *同社CEOのPeter Wennink氏は、米国の規制の最初の影響は、少し洗練されていない半導体を作るにもかかわらず、中国の半導体メーカーに生産能力への投資を促したことであると述べている旨。

米日蘭3ヵ国の協議がいままさに行われている。結果はまだ明らかにされていない。

◇Biden Nears Win as Japan, Dutch Back China Chip Controls‐Japan, the Netherlands support US export controls for China (1月26日付け Bloomberg)
→*東京、ハーグは中国への高度な機械の販売を制限
 *交渉はワシントンで金曜27日にも終了する

◇日米蘭が対中半導体規制で高官協議;米政府が公表 (1月28日付け 日経 電子版 07:02)
→米政府は27日、先端半導体の対中輸出規制を巡り、日本とオランダを含む3カ国の政府高官がワシントンで協議したと公表、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が記者会見で明かし「サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が数日間にわたり議論している」と述べた旨。協議の結果は示さなかった旨。

最新の動きとして、日本政府が本規制導入に向けた調整に入る、と伝えられている。

◇先端半導体の対中輸出規制へ;政府が導入調整、日米協調 (1月28日付け 日経 電子版 19:00)
→政府は先端半導体の対中輸出規制を導入する調整に入る旨。バイデン米政権は2022年10月にスーパーコンピューターや人工知能(AI)向け半導体の先端技術、製造装置を中国向けに開発・輸出する条件を厳しくする規制を導入し、日本やオランダにも同調を求めていた旨。先端半導体は軍事品の性能を左右する旨。安全保障の観点から製品や技術の流出を防ぐ旨。中国が反発する可能性がある旨。

次に、急激な市況後退を受けて相次いでいる、半導体およびIT大手各社の人員削減の関連の動きである。

後に示すように、直近四半期業績が大きく悪化したインテルについて、以下の通りである。

◇UPDATE 2-Intel Chairman Omar Ishrak steps down‐Intel names new chairman, continues to cut costs (1月23日付け The Register (UK))
→インテルの会長、Omar Ishrak氏が月曜23日に辞任し、2009年からインテルの取締役を務めてきた取締役のFrank Yeary氏が後任となった旨。同社は、コストを削減するための取り組みとして、最近、544 人のレイオフを発表し、イスラエルの研究施設を閉鎖する計画を立て、そしてオレゴン州で計画しているファブのためのより安価な代替場所を探す意向を示している旨。

◇It's not Google's 12,000, but Intel plans to prune California headcount by 544‐$20b investment in Ohio semiconductor fabs is all go, though (1月23日付け The Register)
→Intelは、レイオフが予定されているという昨年の警告を受けて、カリフォルニア州で500人以上の人員を削減する予定の旨。

アップルは大幅な人員削減を回避している例となっている。

◇Here's why Apple hasn't joined in the Big Tech job cutting (1月23日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→アップルのTim Cook最高経営責任者(CEO)は、他のハイテク大手ほど従業員を増やしておらず、これまでのところ大幅な人員削減を回避している旨。iPhoneとMacのコンピューター メーカーである同社の最後の大規模なレイオフは、1997年に共同創業者のSteve Jobsがクパチーノの会社に戻り、4,100人の従業員を解雇したときであった旨。

IT大手のアマゾン、IBM、そして半導体製造装置のLam Researchなど、削減の動きが続いている。

◇Amazon is cutting another 157 workers in Sunnyvale and 104 in San Francisco (1月23日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Amazonが以前の予測よりも広いレイオフを警告してから数週間後、州の雇用関係者に詳細を説明した旨。

◇Lam Research is cutting 1,300 jobs amid the chip industry downturn (1月25日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Fremontに本拠を置くLam Researchが水曜25日、世界中で約1,300人の労働者を解雇すると発表、全世界の従業員の約7%に相当し、広範囲の従業員に影響を与えると述べた旨。

◇Corporate Layoffs Spread Beyond High-Growth Tech Giants‐Layoffs extend beyond high-growth tech sector ‐Dow, IBM and SAP say they will lay off thousands of workers as belt-tightening becomes the new business priority (1月26日付け The Wall Street Journal)
→DowおよびIBM は何千人もの労働者を解雇する計画を立てており、これは経済の不確実性が高成長テクノロジー以外の分野でコスト削減を推進していることを示しています旨。該人員削減は、歴史的にタイトな労働市場が採用と定着の問題を引き起こした後、何ヶ月も人員削減をためらってきた幹部の間の感情の変化を示す可能性がある旨。

◇米IBM、3900人削減へ;AIなど成長分野に注力 (1月27日付け 日経)
→米IBMは25日、従業員の1.5%にあたる約3900人の人員を削減する方針を明らかにした旨。人員削減はシステム運用などを手がける部門の新会社「キンドリル(Kyndryl)」の分社化やヘルスケア部門「ワトソン・ヘルス」の一部売却後に残る従業員が対象で、関連費用として$300 million(約390億円)を計上する旨。

現下の状況がまとめて示されている。

◇米テックに地殻変動、2022年の解雇13倍;新興勢に好機‐チャートは語る (1月29日付け 日経 電子版 02:00)
→・米国テック企業で急増する解雇、2022年は11万人規模に
 ・8割がすぐ再就職。新興企業には人材獲得のチャンス
 ・散らばるIT人材が新たなイノベーションの芽になる
米国でテック人材の流動化が始まった。大手が雪崩を打つように削減計画を公表し、2022年の解雇人数は前年の13倍に膨れ上がった。それでも全体を見渡すと人材需要は強く、環境スタートアップなどが採用に動く。・・・・・

最後に、マイクロソフトの投資の動きから注目させられた文章・画像の「生成AI」の米国スタートアップ、Open AIによる「ChatGPT」である。

マイクロソフトの直近業績で、クラウドが減速、IT投資の見直しが図られる、という以下の内容である。

◇Microsoft's forecast suggests gloomy tech environment will continue (1月24日付け CNBC)
→*Microsoftは、顧客がクラウドで実行されている既存のアプリケーションの費用を節約しようとするため、次の四半期にAzureの成長が鈍化すると見ている旨。
 *同社の財務責任者は、12月に発生した新規ビジネスの減速は、Microsoftの商用ビジネス全体で続くと述べた旨。

◇Microsoft CEO doesn't think cloud slowdown will last forever (1月25日付け FierceElectronics)
→マイクロソフトは、想像力を働かせても、悲惨な状況にあるわけではない旨。同社は、売上げが前年比2%増加して$52.7 billionになり、純利益は前年比12%減少したものの、それでもなんと$16.4 billionに達したと報告している旨。しかし、クラウド売上げの伸びは再び鈍化しており、支出の落ち込みがいつまで続くかについて疑問が生じている旨。同社CEOのSatya Nadella氏によると、その答えはおそらくもう少し先になるだろうが、永遠ではないことは確かの旨。同氏は、クラウド ワークロードの次のバッチでは、AIが主要なコンポーネントとして機能するようになると述べている旨。

◇Microsoftクラウド減速;企業、IT投資も「見直し」 (1月25日付け 日経 電子版 14:13)
→米マイクロソフトの成長を支えてきたクラウドコンピューティング事業の減速が目立ってきた旨。2022年10〜12月期は同事業で2割強の増収を保ったものの、年末ごろから需要が弱含んでいる旨。景気後退の懸念が強まるなかで企業は支出の見直しを進めており、底堅いとみられたIT投資にも影響が及んできた旨。

転機を図る動きの1つとの理解であるが、マイクロソフトがOpen AIへの追加投資を以下の通り行っている。米国名門大学に合格するレベルの文章作成が行える能力を有するAIとのこと。ネット辞書によれば、「自然言語生成モデルと呼ばれるAIで、強化学習によって会話のコツを学習しているため流暢な会話ができることが特徴」とあり、賞賛と批判が渦巻く現時点の模様、今後に注目するところである。

◇Microsoft、ChatGPTのオープンAIに投資;数十億ドル (1月24日付け 日経 電子版 05:05)
→米マイクロソフトは23日、チャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」を手がける米新興、オープンAIに今後数年で数十億ドルを投資すると発表、スーパーコンピューターを整備し、開発成果をクラウドサービスなどに取り入れる旨。景気減速に伴って従業員を1万人減らす一方で、戦略分野である人工知能(AI)への投資を強化する旨。

◇AIの主戦場、文書・画像生成に;マイクロソフトが再投資 (1月24日付け 日経 電子版 17:44)
→文章や画像を自動生成する次世代技術が、人工知能(AI)の主戦場になってきた旨。米マイクロソフトは23日、文章・画像の「生成AI」で最先端を走る米新興、オープンAIに数十億ドルを追加投資すると発表、AIが生む高度な文章や画像は仕事を効率化し、マーケティングやコンテンツ作成などの手法を一変させる可能性がある旨。

◇文章・画像生成AI、米名門大合格レベル;将来市場14兆円‐Microsoftが巨額投資 (1月25日付け 日経 電子版 12:37)
→文章や画像を自動生成する次世代技術が、人工知能(AI)の主戦場になってきた旨。米マイクロソフトは23日、文章・画像の「生成AI」で最先端を走る米新興オープンAIに数十億ドルを追加投資すると発表した旨。AIが生む高度な文章や画像は仕事を効率化し、マーケティングやコンテンツ作成などの手法を一変させる可能性がある旨。

◇One AI pro reacts to ChatGPT: “remarkable achievement; might be devastating” (1月26日付け FierceElectronics)
→ChatGPTの最新バージョンは、Wharton MBAファイナルに合格し、大学の管理者と数人の政治家を震え上がらせながら、何千もの悪い詩を引き出した旨。AIの専門家は、何が起こっているのかについて、一般の人々の理解を深めることを求めている旨。
Fierce Electronicsは、11月下旬にOpen AIから最新バージョンが登場して以来、幅広い賞賛と批判を引き起こしてきたChatGPTについてAI業界のベテラン専門家にコメントを求めた旨。


コロナ対応の完全には収まりきらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□1月23日(月)

ドイツとフランスの提携強化から、米欧のウクライナ支援結束の流れが進んだ今週である。

◇独仏、共同軍事演習を実施 エネルギー分野でも提携強化 (日経 電子版 09:51)
→ドイツ、フランス両政府は22日にパリで合同の閣僚会議を開き、安全保障や気候変動、エネルギーなど幅広い分野での連携強化で合意した旨。インド太平洋やルーマニア、リトアニアで両国軍の共同演習を実施するほか、スペインからフランスまで水素を運ぶパイプライン計画をドイツまで延長する方針で一致した旨。

□1月24日(火)

減速懸念のやや後退、そして堅調なGDPデータから、上げ基調となった今週の米国株式市場である。

◇NYダウ続伸、254ドル高;利上げ停止が近いとの期待で (日経 電子版 06:23)
→23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比254ドル07セント(0.8%)高の3万3629ドル56セントで終えた旨。米連邦準備理事会(FRB)が近く利上げ停止を検討するとの観測が強まり、株買いを誘った旨。昨年売られたハイテク株などに見直し買いが入り、相場を押し上げた旨。

米国議会、こんどの共和党の下院議長も、台湾訪問の検討である。

◇マッカーシー米下院議長、今春にも台湾訪問検討;米報道 (日経 電子版 08:40)
→野党・共和党のマッカーシー下院議長が今春にも台湾を訪問する計画を検討していることがわかった旨。米ネットメディア、パンチボウルニュースが23日報じた旨。2022年8月に当時下院議長だった与党・民主党のペロシ氏も訪台しており、超党派で台湾を支持する姿勢を示す狙いがある旨。

□1月25日(水)

◇NYダウ続伸、104ドル高;米景気の減速懸念後退で (日経 電子版 06:24)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比104ドル40セント(0.3%)高の3万3733ドル96セントで終えた旨。米景気の減速懸念の後退を受けた買いが続いた旨。ただ、ハイテク大手の決算発表を前に利益を確定する目的の売りも出て、相場の上値は重かった旨。

□1月26日(木)

◇NYダウ小幅続伸、9ドル高;売り先行後に押し目買い (日経 電子版 06:24)
→25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に4日続伸し、前日比9ドル88セント(0.02%)高の3万3743ドル84セントで終えた旨。前日夕にマイクロソフトが発表した決算が嫌気され、ハイテク株の一部に売りが出た旨。
一方で、売り一巡後は主力銘柄の一部に押し目買いが入り、指数を押し上げた旨。

◇欧米、ウクライナへの戦車供与140両に;ロシアは猛反発 (日経 電子版 20:07)
→米国とドイツが25日、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナへの戦車の供与を決めた旨。欧米による主力戦車の供与数は140両を超える見通しで、膠着する戦局の打開につながると期待される旨。ロシア側は戦車供与に猛反発しており、ウクライナ軍の強化とロシア軍の攻勢のどちらが先か、時間との戦いも焦点になる旨。

□1月27日(金)

ロシア、中国および北朝鮮を巡る情勢から、我が国有事への備えの検討が、防衛費増額の動きとともに進んでいる。

◇シェルター整備に財政支援検討へ;政府・与党、有事に備え (日経 電子版 02:00)
→・ミサイルに備えるシェルター、政府・与党が普及策検討
 ・公共施設、商業ビルなどを想定。設置費や維持費を補助
 ・有事の避難施設、海外で整備先行。人口上回る収容力も
政府・与党はミサイル攻撃から人命を守るシェルターの普及を促す旨。設置する企業への財政支援などを2024年度にも打ち出す案を検討する旨。ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を受けて有事への備えを急ぐ旨。

◇NYダウ続伸205ドル高;テスラ買いがハイテク全般に波及 (日経 電子版 06:22)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比205ドル57セント(0.6%)高の3万3949ドル41セントで終えた旨。朝方発表の2022年10〜12月期の米実質国内総生産(GDP)が市場予想を上回り、米景気の減速懸念が和らいだ旨。25日夕に決算を発表した電気自動車(EV)のテスラが大幅に上昇し、ハイテク株全般に買いが及んだ旨。

□1月28日(土)

◇NYダウ続伸、28ドル高;インフレ鈍化が支えも上値重く (日経 電子版 06:55)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に6日続伸し、前日比28ドル67セント(0.1%)高の3万3978ドル08セントで終えた旨。インフレが落ち着く方向にあるなか、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が株買いを誘った旨。決算発表の内容が好感された一部銘柄が買われたこともダウ平均を支えた旨。


≪市場実態PickUp≫

【各社業績発表から】

市況悪化を受ける中の各社直近四半期業績発表が行われ、まずは、Texas Instruments(TI)である。

◇TI revenue drops on weak demand except automotive (1月24日付け FierceElectronics)
→Texas Instrumentsは、第四四半期の売上げが$4.67 billion、純利益が$1.96 billionで、売上げが前年同期比3%減少したことを報告した旨。この結果は、"自動車を除くすべての最終市場における需要の低迷を反映している"と同社CEOのRich Templeton氏が声明で述べた旨。

◇Texas Instruments signals expanding pain for chipmakers with somber forecast‐Texas Instruments predicts lower revenue in Q1 (1月24日付け Reuters)
→Texas Instruments(TI)は、第四四半期のインダストリアル売上げが10%減少し、通信機器およびエンタープライズ システム ビジネスが20%減少したため、第一四半期の見通しを引き下げた旨。TIは、"季節的な減少よりも弱い"と予想しており、需要が鈍化するにつれて、第一四半期の売上げは$4.17 billionから$4.53 billionになると予測している旨。

米中対立の狭間に立つオランダのASMLは、好調な内容であるが、その分、米国の対中規制へのスタンスに難しさがあるところである。

◇Semiconductor giant ASML sees 2023 sales surge; says China revenue to be steady despite U.S. chip restrictions‐ASML, despite US chip restrictions, expects 25% revenue bump in 2023 (1月25日付け CNBC)
→*オランダの半導体装置メーカー、ASMLは、2023年の売上げが25%増加すると予測している旨。
 *ASMLのCEO、Wennink氏は、2022年の売上高の約15%を中国が占めており、米国の半導体輸出規制にもかかわらず、今年は"同様の"量になるだろうと述べている旨。
 *2022年第四四半期のASMLの純売上高は29%以上増加し、6.4 billion euros($7 billion)になった旨。
 *通年の純売上高は21.1 billionユーロで、前年比で13%以上増加した旨。

◇ASML forecast beats estimates on robust demand (1月26日付け Taipei Times)
→ASML Holding NVが昨日、輸出規制が成長を脅かしているにもかかわらず、高度な半導体製造機に対する強い需要により、予想を上回る第一四半期の売上高を予測した旨。
ヨーロッパ最大の半導体機器メーカーである同社は昨日、今四半期の売上高を6.1 billionユーロから6.5 billionユーロ($6.6 billion to $7.1 billion)と予測し、アナリストの平均予測である6.07 billionユーロを上回った旨。

STMicroelectronicsも、堅調な内容である。車載、産業用の比率が高い反映かと思われる。

◇STMicro tops forecasts on autos and industrial demand‐ST reports net revenue gains, reaching $4.42B in Q4 (1月26日付け Reuters)
→ヨーロッパの半導体メーカー、STMicroelectronicsが木曜26日、第四四半期の売上高と利益が予想を上回り、これは、自動車および産業の顧客からの強い需要が厳しい経済状況に対処するのに役立ったためである旨。

そして、上記の人員削減にて触れたインテルの業績の大幅な悪化について、業界各紙の取り上げが以下の通りである。安定化を図る今後の取り組み&推移に注目するところである。

◇Intel posted a $664M Q4 loss as sales fell 32% (1月26日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Intelは、厳しい時期が続く可能性が高いことを示し、予想よりも深刻な損失とともに、今四半期のさらに大幅な売上げの減少を予測している旨。

◇Intel revenues nosedive to $14B in 4Q (1月26日付け FierceElectronics)
→Intelは木曜26日、第四四半期の売上げが$14 billionで、前年同期比32%の大幅な減少を報告、CEOの Pat Gelsinger氏は、2023年に向けた短期的な継続的な課題について説明した旨。該売上げは、アナリストの予測を下回り、クライアント コンピューティング、データ センターおよびAIの主要なカテゴリで減少した旨。一部のレイオフはすでに確認されており、さらに多くのレイオフが予定されている旨。

◇Intel's horrible quarter revealed an inventory glut and underused factories (1月26日付け CNBC)
→*Intelの12月の収益は、四半期と通年の両方で、同社の売上、利益、粗利益、および見通しの大幅な減少を示した旨。
 *要するに、Intelは2022 年に困難な年を迎え、2023年も同様に困難になりつつある旨。

◇Intel misses analyst targets as it struggles with a slowdown (1月26日付け VentureBeat)

◇Intel says it will take back share from AMD, but some are skeptical‐Analysis: Intel stumbles, opens door for AMD (1月27日付け Reuters)
→Intelは、第四四半期に期待どおりの業績を上げなかったことを認めており、より速い速度で成長しているAdvanced Micro Devices(AMD)や他のmicrochip企業に、同社から市場シェアを奪う機会を与えている旨。「私たちはつまずきましたよね?シェアを失い、勢いを失いました。今年は安定していくと思います。」と、CEOのPat Gelsinger氏が電話会議で投資家に対し。

◇Intel now plans to cut 378 jobs Santa Clara, nearly double its previous tally. And more cuts are likely coming. (1月27日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Intelは今月初め、サンタクララでの人員削減を90人から201人に増やした旨。現在は再びそれらをを増やしており、この春からさらに人員削減を計画していると述べている旨。


【CHIPS Act関連】

米国のCHIPS and Science Actについて、評論記事2点、ハイテクR&D投資の重み、そして半導体workforce分析である。

◇The time is now for Biden and Congress to follow through on CHIPS, science, and clean energy‐Opinion: Time to end underinvestment in high-tech R&D (1月20日付け The Hill)
→イリノイ州民主党のSean Casten下院議員と技術幹部のThomas Costabile氏が、昨年夏に制定されたCHIPS and Science Actが、ハイテク研究開発への過少投資に終止符を打つことへの期待を表明するために書いている記事。
該著者は、「人工知能(AI)、エレクトロニクスおよびクリーン エネルギーなどの分野では、中国はすでに世界のリーダーとして米国を追い越し始めており、これは、世界のテクノロジー超大国になるための長年の戦略的努力の結果である。」と、ハイテクへの投資を促進することが重要であると主張している旨。

◇With high-tech manufacturing plants promising good jobs in Ohio, workforce developers race to get ready‐A look at Ohio's road map to a semiconductor workforce (1月24日付け Brookings Institution)
→CHIPS and Science Actと該法制化が半導体生産の早期立ち上げに向けて出資する製造工場は、適切な労働力がなければ意味がないかもしれない旨。
オハイオ州の半導体労働力の構築に関するブルッキングス研究所の調査によると、多くの仕事は高度な学位を必要とするが、製造業の仕事の60%は学士号を必要とせず、高校卒業資格を必要としないものもある旨。これらの仕事の多くは、年間中央値で$48,000を支払い、キャリア パスを提供する旨。

欧州でのChips Actは、台湾との提携に注目している。

◇European Chips Act eyes partnership with Taiwan (1月26日付け Taipei Times)
→欧州議会の産業、研究およびエネルギーに関する委員会は、火曜24日に提案されたEuropean Chips Actを可決し、台湾はサプライチェーンの回復力を達成するためのターゲットパートナーの1つとしてリストされた旨。


【AI関連】

Open AIのChatGPTに上記の通り注目したが、AIに関する取り上げが以下の通り活発に見られている。

AIのセキュリティについて、半導体レベルで組み込む必要性である。

◇AI Must Be Secured at the Silicon Level‐AI opens up a new level of data security ‐Hardware-enabled security is essential to maintaining the integrity of valuable AI workloads. (1月23日付け EE Times)
→1)セキュリティをアプリケーションに組み込むという考えは、ソフトウェアの世界では新しいものではなく、メモリなどの半導体テクノロジのセキュリティ機能もそうではない旨。しかし、特に人工知能(AI)ワークロードにおけるデータの価値は、ハードウェア対応のセキュリティがより注目されていることを意味する旨。
 2)人工知能(AI)のセキュリティを半導体レベルで組み込む必要があり、このデータを保護するための製品が開発されている旨。これには、CrossbarやIntrinsic IDなどの企業によって製造された改良された物理的な複製不可能なファンクション キーが含まれる旨。「AIと機械学習(ML)は、DRAMセキュリティに大きな変革をもたらす方法で実際にインパクトを与えようとしている。」と、Intrinsic IDパートナーであるRambusのセキュリティ事業部門、director of anti-counterfeiting products and technologies、Scott Best氏。

Nvidia関連の内容から、以下の通りである。CEOのJensen Huang氏が、安全なAIに向けた法制化を求めている。

◇Sweden to upgrade Berzelius supercomputer with Nvidia AI system‐Nvidia AI systems to power supercomputer in Sweden (1月24日付け Reuters)
→Nvidiaの人工知能(AI)技術が、スウェーデンのBerzeliusスーパーコンピューターのアップグレードの一部として使用される予定。この取り組みにより、世界中で利用可能な最速のスーパーコンピューターの1つが実現する、とNvidiaは主張している旨。

◇Nvidia chief urges laws, standards for safe AI (1月25日付け FierceElectronics)
→NVIDIAのCEO、Jensen Huang氏が、火曜24日にストックホルムで開催されたスーパーコンピューター イベントでのコメントの中で、安全なAIシステムを構築するための新しい法律と技術基準を求めた旨。同氏は、業界標準と法律が安全なAIの構築に役立つと考えている旨。同氏は、ChatGPTがWharton MBAの最終試験に合格するためにどのように使用されたかなど、ChatGPTを巡る懸念の1週間で該イベントにてコメントした旨。

◇Nvidia CEO Jensen Huang: AI is creating tools that will need regulation (1月25日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→企業各社が人工知能(AI)を使用して強力な新しいツールの革新を図るにつれて、政府と社会は課題に直面している、とNvidiaのCEO、Jensen Huang氏。

AIの今年のトレンドがあらわされている。

◇Where Will AI Take Us This Year? (1月25日付け EE Times)
→今年のイノベーションを推進し、業界が直面している主要な課題のいくつかに対処するのに役立つと期待される、人工知能(AI)の4つのトレンド:
 =各社は異種コンポーネントの統合を簡素化する
 =AI設計ツールの採用はさらに10倍に拡大
 =ジェネレーティブAIはアプリケーション開発をスピードアップする
 =AIはネットゼロの追求に役立つ

AI倫理に対応する動き、今後に注目である。

◇EU, U.S. Making Moves to Address Ethics in AI (1月26日付け EE Times)
→EUのArtificial Intelligence Act(AIA)は、世界初のAIの水平的規制となる旨。


【SK HynixのDRAM新製品】

韓国・SK hynixが、最大転送速度9.6Gbpsを達成、世界最速と訴えるモバイル用DRAM「LPDDR5T」(Low Power Double Data Rate 5 Turbo)のサンプル出荷を開始している。

◇SK hynix debuts 'world's fastest mobile DRAM', predicts it will move to power AI/ML and AR/VR‐Something to keep manufacturers happy while they wait for the joy of LPDDR6 (1月25日付け The Register (UK))
→韓国のメモリ メーカー、SK hynixは本日、世界最速と同社が主張するモバイルDRAMのサンプルを提供したことを発表し、最終的にはより多くのアプリケーションで使用されるとの確信を表明した旨。

◇SK hynix develops world’s fastest DRAM for mobile devices‐SK Hynix gets revs up the speed in new mobile DRAM chip (1月25日付け The Korea Herald (Seoul))
→SK Hynixが、モバイル機器向けの世界最速のDRAMであると主張するLow Power Data Rate 5 Turboを発表した旨。該LPDDR5Tは、10ナノメートルプロセスで毎秒9.6 ギガビットのデータ レートで、11月にリリースされた世代よりも13%高速である旨。


【市場の見方関連】

ファウンドリー業界、今後の厳しい見通しである。

◇As wafer demand dries up, foundry revenues head for a cliff, we all celebrate‐Some potential good news for those unhappy with pandemic-era lead times, prices (1月20日付け The Register)
→Trendforce発。2022年に28%急増した後、ファウンドリーの売上げは今後12か月間で急激に減少する見込み、これは、ウエハー需要の減速、在庫消費の低迷、および地政学的な対立によって半導体設計者が中国から追い出されるため。

車載に軸足が移るIDMsも、ファウンドリーに影響との見方である。

◇Foundry fabs may see automotive clients cut back on orders‐Sources: Auto and consumer IC sales may cool off (1月26日付け DIGITIMES)
→コンサルティング会社のAlixPartnersは、Infineon Technologies、NXP Semiconductors、Renesas ElectronicsおよびSTMicroelectronicsが昨年、民生用アプリケーションの需要が落ち込み、これらの統合デバイス メーカー(IDMs)が自動車部品に軸足を移したことを指摘している旨。2023年には、自動車メーカーは自動車用microchipsの供給が逼迫するとは見ておらず、ファウンドリーは自動車アプリケーションの注文が減速していると感じている、と業界筋は言う旨。

半導体の生産になかなかつながらない中国の状況である。

◇「ファブレス」に偏る中国半導体;自給拡大につながらず(ASIATECH) (1月25日付け 日経)
→半導体の自給率向上を目指す中国の政策手段のひとつに豊富な資金がある旨。官民のファンドが半導体スタートアップに投融資し、新興企業向けの株式市場で上場させる筋書きだ。ただ、2022年半ばまでの約8年で800件超の投融資があったものの、自給拡大につながらない案件が過半を占める事態となっている旨。

Omdiaによる当面の市場成長の見方である。

◇Memory chips to see highest growth among semiconductors: report‐Omdia: Memories on pace for annual growth of 6.9%; other chips, 5.9% (1月26日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→市場調査会社、Omdia、木曜26日発。2021年から2026年までの半導体市場全体の年間平均成長率は5.8%に達すると予想される旨。メモリ半導体は6.9%成長すると予測されており、これは全体の平均よりも高く、システム半導体で予想される5.9%よりもさらに高い旨。

月別アーカイブ

Copyright(C)2001-2024 Semiconductor Portal Inc., All Rights Reserved.