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8月の世界半導体販売高、さらに最高更新、一方、続く政治絡みの波紋

新型コロナウイルスによる累計感染者数は土曜9日午前時点、世界全体で2億3709万人に達し、1週間前から約294万人増と17万人の減り幅である。我が国では、"第6波"の懸念に向け引き続きの備え&警戒が呼びかけられている。米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、この8月について$47.2 billionと最高をまたまた更新、前月比3.3%増、前年同月比29.7%増である。これで、前月比は6ヶ月連続のプラス、前年比は今年に入ってからの8ヶ月連続二ケタ%増、といまだ著しい増勢を示している。先行き後退懸念が取り沙汰される中、一方では、半導体の不足&各国内製造強化からくる政治絡みの動きの波紋が引き続いている。

≪8月の世界半導体販売高≫

今回の米国・SIAからの発表が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇8月のグローバル半導体販売高が、前年同月比29.7%増、前月比3.3%増 …10月4日付け SIA/Latest News

Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、2021年8月の世界半導体販売高が$47.2 billionで、前年同月、2020年8月の$36.4 billionを29.7%、そして前月、2021年7月の$45.7 billionを3.3%上回ると発表した。月次販売高の数字はWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。SIAは、売上げで米国半導体業界の98%およびnon-U.S.半導体会社の約3分の2を代表している。

「グローバル半導体販売高は8月も依然力強く、すべての地域市場および主要製品カテゴリーにわたって前年比で増加している。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏は言う。「半導体出荷はここ数ヶ月最高総計記録に達しており、該業界は引き続く高い需要への対応で生産を立ち上げている。」

8月販売高は地域別には、前年同月比で、Europe(33.5%), China(30.8%), the Americas(30.6%), Asia Pacific/All Other(28.2%), およびJapan(23.8%)と増加、前月比では、the Americas(4.9%), China(3.4%), Japan(3.3%), Asia Pacific/All Other(2.6%), およびEurope(1.5%)と増加した。

2021年8月地域別販売高増減

Americas
前年同月比  30.6%/
前月比  4.9%
Europe
33.5%/
1.5%
Japan
23.8%/
3.3%
China
30.8%/
3.4%
Asia Pacific/All Other
28.2%/
2.6%

     【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Aug 2020
Jul 2021
Aug 2021
前年同月比
前月比
========
Americas
7.89
9.82
10.30
30.6
4.9
Europe
2.93
3.86
3.92
33.5
1.5
Japan
3.03
3.63
3.75
23.8
3.3
China
12.59
15.92
16.46
30.8
3.4
Asia Pacific/All Other
9.94
12.43
12.75
28.2
2.6
$36.38 B
$45.66 B
$47.18 B
29.7 %
3.3 %

--------------------------------------
市場地域
3- 5月平均
6- 8月平均
change
Americas
8.96
10.30
14.9
Europe
3.83
3.92
2.4
Japan
3.45
3.75
8.8
China
15.61
16.46
5.5
Asia Pacific/All Other
12.13
12.75
5.1
$43.97 B
$47.18 B
7.3 %

--------------------------------------

※8月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2021/10/August-2021-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の取り上げから。

◇Global semiconductor sales increase 29.7% year-to-year, 3.3% month-to-month in August (10月5日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇August semi sales up 29.7% y-o-y-SIA: August chip sales hit $47.2B, growing 29.7% on year -August semiconductor sales of $47.2 billion were up 29.7% y-o-y, says the SIA, and 3.3% more than the July 2021 total of $45.7 billion. (10月8日付け Electronics Weekly (UK))

遡って、2016年後半から2年あまり史上最高を更新し続ける勢いの熱い活況が続いた半導体業界であるが、2021年が現下の活況を維持してこれまで最高の2018年の年間販売高の更新となるかどうか、以下の販売高の推移の見方を続けていくことにする。先行き不安定性が漂う中、増勢基調を保てるかどうか、引き続き注目している。2021年の1月から3月は$40 billion台平均を維持して、2018年を上回る出だしであり、第二四半期の始めの4月も増勢を維持、そして5月は$43.61 billionと一段の飛躍、6月は$44.53 billionとさらに上げ、そして7月の$45.44 billion、今回8月の$47.18 billionと、一段の引き続く最高更新となっている。このまま増勢が続けば、2018年の年間販売高最高の更新となっていく。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
(月初SIA発表)
2016年 7月 
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月 
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月 
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月 
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月 
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月 
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
2017年 1月 
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月 
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月 
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月 
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月 
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月 
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月 
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月 
$34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月 
$35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月 
$37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月 
$37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月 
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
2018年 1月 
$37.59 B
22.7 %
-1.0 %
2018年 2月 
$36.75 B
21.0 %
-2.2 %
2018年 3月 
$37.02 B
20.0 %
0.7 %
2018年 4月 
$37.59 B
20.2 %
1.4 %
2018年 5月 
$38.72 B
21.0 %
3.0 %
2018年 6月 
$39.31 B
20.5 %
1.5 %
2018年 7月 
$39.49 B
17.4 %
0.4 %
2018年 8月 
$40.16 B
14.9 %
1.7 %
2018年 9月 
$40.91 B
13.8 %
2.0 %
2018年10月 
$41.81 B
12.7 %
1.0 %
2018年11月 
$41.37 B
9.8 %
-1.1 %
2018年12月 
$38.22 B
0.6 %
-7.0 %
$468.94 B
 
→史上最高
 
2019年 1月 
$35.47 B
-5.7 %
-7.2 %
2019年 2月 
$32.86 B
-10.6 %
-7.3 %
2019年 3月 
$32.28 B
-13.0 %
-1.8 %
2019年 4月 
$32.13 B
-14.6 %
-0.4 %
2019年 5月 
$33.06 B
-14.6 %
1.9 %
2019年 6月 
$32.72 B
-16.8 %
-0.9 %
2019年 7月 
$33.37 B
-15.5 %
1.7 %
2019年 8月 
$34.20 B
-15.9 %
2.5 %
2019年 9月 
$35.57 B
-14.6 %
3.4 %
2019年10月 
$36.59 B
-13.1 %
2.9 %
2019年11月 
$36.65 B
-10.8 %
-0.3 %
2019年12月 
$36.10 B
-5.5 %
-1.7 %
$411.10 B
 
2020年 1月 
$35.39 B
-0.3 %
-2.2 %
2020年 2月 
$34.50 B
5.0 %
-2.4 %
2020年 3月 
$34.85 B
6.9 %
0.9 %
2020年 4月 
$34.43 B
6.1 %
-1.2 %
2020年 5月 
$34.97 B
5.8 %
1.5 %
2020年 6月 
$34.53 B
5.1 %
-0.3 %
2020年 7月 
$35.20 B
4.9 %
2.1 %
2020年 8月 
$36.23 B
4.9 %
3.6 %
2020年 9月 
$37.86 B
5.8 %
4.5 %
2020年10月 
$39.03 B
6.0 %
3.1 %
2020年11月 
$39.41 B
7.0 %
1.1 %
2020年12月 
$39.16 B
8.3 %
-2.0 %
$435.56 B
 
2021年 1月 
$40.01 B
13.2 %
1.0 %
2021年 2月 
$39.59 B
14.7 %
-1.0 %
2021年 3月 
$41.05 B
17.8 %
3.7 %
2021年 4月 
$41.85 B
21.7 %
1.9 %
2021年 5月 
$43.61 B
26.2 %
4.1 %
2021年 6月 
$44.53 B
29.2 %
2.1 %
2021年 7月 
$45.44 B
29.0 %
2.1 %
2021年 8月 
$47.18 B
29.7 %
3.3 %
$343.26 B
 
→1-8月累計

半導体販売高に絡む現下の市場の動きを、以下見ていく。半導体の不足による先行き懸念材料の関連を、まず取り出している。

◇Report: Chip shortage will have a bigger impact on smartphones for the rest of this year-Chip supply shortages to weigh more heavily on smartphone makers in Q4 (10月1日付け 9to5Google)
→半導体などelectronicコンポーネントの不足が、いくつかの業界に影響を与えてきているが、スマートフォンは唯一影響が少なくなっている旨。不幸にも、事態が少し悪化する可能性とする新たな報道。

◇新車販売、9月32%減、半導体不足など響く (10月4日付け 日刊工業)
→部品不足に伴う自動車の減産が、国内の新車販売に深刻な影響を与えている旨。日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた9月の新車販売台数は、前年同月比32.2%減の31万8371台。減少幅は8月の同2.1%減、7月の同4.8%減と比べ大幅に広がった旨。コロナ禍から回復基調にあった国内販売は、半導体不足や東南アジアでの新型コロナウイルス感染再拡大の影響で急降下した旨。

◇米マイクロン――販売減見通しで低迷、メモリの需要減響く(InvestmentRadar) (10月5日付け 日経)
→米半導体大手、マイクロン・テクノロジーの株価が低迷している旨。9月28日に発表した2021年9〜11月期の売上高の見通しが、市場予想を1割程度下回ったことが嫌気された旨。半導体不足の影響で、主力のメモリ需要が減少している旨。

◇車8社、世界生産8月17%減、部品調達滞り減少幅拡大へ (10月7日付け 日経産業)
→トヨタ自動車など国内乗用車メーカー8社がまとめた8月の世界生産は前年同月比17%減の153万4千台と大幅な落ち込みとなった旨。東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大が各社の部品調達に影響を及ぼし、国内外で完成車工場の稼働停止が相次いだ旨。生産の落ち込みを最小限にとどめてきたトヨタも8月は16%減で9〜10月にも大幅な生産調整を予定する旨。今後も減少幅が広がりそう。
前年同月を下回るのは2カ月連続だが、7月の2%減からマイナス幅が拡大した旨。

◇任天堂、新型Switch発売、半導体不足で品薄続く懸念も (10月8日付け 日経 電子版 11:20)
→任天堂は8日、主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の新型機を発売した旨。家電量販店の多くは抽選販売方式を取ったため行列はできなかったが、ゲームファンを中心に引き合いが強い状況。半導体不足を背景にしばらくは品薄状態が続きそう。

現状の世界の半導体製造を支える台湾に対する中国の威嚇&牽制の動きである。

◇Taiwan Says Peace Crucial to Chip Supply as China Pressure Grows-Taiwan's chip supply threatened by weekend warplane exercises from China (10月4日付け Bloomberg)
→*中国戦闘機が台湾近くで記録的な数の侵入
 *TSMCの非常に重要な役割が、混乱の可能性の懸念を焚きつけ

TSMCのトップが、ある筋の半導体の貯め込みがグローバルな半導体の不足につながっている、との見方をあらわしている。

◇TSMC chair says companies are hoarding chips-TSMC chairman: Some companies are hoarding to skirt chip shortage -'There are people definitely accumulating chips who-knows-where in the supply chain': Mark Liu (10月5日付け Taiwan News)
→TSMCのchairman、Mark Liu(劉音)氏が、TIMEとの最近のインタビューにおいて半導体の貯め込みと表するものを嘆いている旨。米中貿易戦争による供給混乱を警戒する会社が当初半導体を貯蔵したと指摘、この後グローバルな不足になった、としている旨。「supply chainの中で誰にも分らないところに明確に蓄積している人々がいる。」

前回本欄で示した米国政府が半導体など関連各社に求めた期限付き情報提供の要求が、各国それぞれの波紋を呼んでいる。

◇US demand for chip supply data from TSMC, Samsung, Apple, others sparks debate about true intentions in China -US request for customer data may be aimed at China firms (10月6日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)米国商務省が、半導体会社からの顧客についての敏感なデータを求めている一方、Apple, BMW, DaimlerおよびMicrosoftからも該情報を要求の旨。韓国のTrade Minister、Yeo Han-koo氏は、Biden政権の通商official、Katherine Tai氏に対して該要求についての懸念を共有、Samsung Electronicsなどが、アメリカ当局から書式を受けた半導体サプライヤの旨。
 2)*中国の業界観測筋が、半導体の不足と闘うWashingtonの最新の動きは中国の会社を不利に置き、制裁を狙う可能性と恐れている旨。
  *米国商務省が、TSMC, Intel, Samsung, Apple, Microsoft, DaimlerおよびBMWなどハイテク大手および自動車メーカーからsupply chainデータを求めている旨。

韓国側の懸念表明である。

◇Trade minister voices concerns over chip info disclosure (10月6日付け The Korea Herald (Seoul))

台湾では、敏感な情報は出さないとのスタンスが続いている。

◇Taiwan stands by TSMC if US government requests sensitive data-Taiwan to back TSMC if US pushes for sensitive data-TSMC will adhere to standard business practices, protect shareholders and interests of clients (10月6日付け Taiwan News)
→業界筋発。TSMCは、5nm capacityの拡大継続とともに7-nanometerおよび28nm featuresでつくられるmicrochipsの生産capacityの実質的な拡張を行っている旨。一方、米国政府がTSMCからの敏感なデータを求めてくれば、台湾政府は該世界最大のシリコンファウンドリーを守っていく旨。

◇Taiwan's TSMC, after U.S. request, says it won't leak sensitive info (10月7日付け Reuters)

また、台湾では、政党間の応酬である。

◇KMT accuses government of not protecting TSMC (10月7日付け Taipei Times)
→国民党(Chinese Nationalist Party[KMT])幹部会が昨日、TSMCに秘密情報の提供を求める米国に屈服とTsai Ing-wen(蔡英文)総統を非難の旨。

我が国では、熊本での半導体新工場の1件が以下の進展である。

◇Sony to join TSMC on new $7bn chip plant in Japan-Report: Sony may invest in TSMC's $7B wafer fab in Japan -Toyota group parts maker Denso considers signing up (10月8日付け Nikkei Asian Review (Japan))

◇TSMC・ソニー、熊本に半導体新工場、デンソーも参画 (10月9日付け 日経 電子版 05:13)
→世界最大の半導体生産受託会社である台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループが、半導体の新工場を熊本県に共同建設する計画の大枠を固めた旨。総投資額は8000億円規模で、日本政府が最大で半分を補助する見通し。TSMCの先端微細技術を使い、自動車や産業用ロボットに欠かせない演算用半導体の生産を2024年までに始める旨。半導体は米中対立で供給網が混乱し、経済安全保障上の重要性が増している旨。工場新設により、日本は先端技術と安定した生産能力を確保する旨。

それぞれの動き&今後の対応に引き続き目が離せないところである。


コロナ対応のなかなか収まらない状況推移に対して、直面する事態への警戒感を伴った舵取りが各国それぞれに引き続き行われている世界の概況について、以下日々の政治経済の動きからの抽出であり、発信日で示している。

□10月4日(月)

米中の貿易交渉はじめ接触が、以下始められている。

◇米、中国と貿易交渉再開へ、制裁関税の適用除外を復活 (日経 電子版 18:04)
→バイデン米政権は中国との貿易交渉を再開する旨。米通商代表部(USTR)のタイ代表が数日内に中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相と電話で協議し、トランプ前政権と結んだ「第1段階の合意」を順守するよう要請する旨。産業界の負担軽減に向け、制裁関税の適用を一部除外する制度を復活させる旨。

□10月5日(火)

債務上限問題の推移などを受け、はじめと終わりに下げ、中3日上げた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ反落、323ドル安、主力ハイテク株が総崩れ (日経 電子版 07:02)
→4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比323ドル54セント(0.9%)安の3万4002ドル92セントで終えた旨。朝方に米長期金利が上昇する場面があり、PER(株価収益率)が高く、金利上昇時に売られやすい主力ハイテク株が下げを主導した旨。中国不動産大手、中国恒大集団を巡る不透明感や米連邦政府の債務上限問題もくすぶり、投資家のリスク回避姿勢が強まった旨。

□10月6日(水)

◇NYダウ反発、311ドル高、主力ハイテク株が上昇 (日経 電子版 05:51)
→5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比311ドル75セント(0.9%)高の3万4314ドル67セントで終えた旨。前日の下げを受けた自律反発狙いの買いが主力ハイテク株に入った旨。9月の米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数が市場予想より好調だったことが分かると、米景気の底堅さを意識した買いが強まった旨。

◇米中高官、6日にスイスで会談、衝突回避へ協議 (日経 電子版 08:19)
→米ホワイトハウスは5日、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が6日にスイスのチューリヒで中国外交担当トップの楊潔?(ヤン・ジエチー)共産党政治局員と会談すると明らかにした旨。米中の衝突回避に向けて協議へ臨む旨。
中国外務省も6日、楊氏とサリバン氏が会談すると発表した旨。

□10月7日(木)

◇NYダウ続伸102ドル高、債務上限問題の懸念和らぐ (日経 電子版 06:08)
→6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比102ドル32セント(0.3%)高の3万4416ドル99セントで終えた旨。野党の共和党上院が連邦政府の債務上限の一時停止を提案したと伝わり、投資家心理が改善した旨。このところ市場の懸念材料だった原油高が一服し、インフレ加速への警戒感が薄れたことも株式相場を支えた旨。

◇米中首脳、年内にオンライン協議へ、原則合意 (日経 電子版 09:12)
→バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が年内にオンライン形式で協議することが6日、分かった旨。米政府高官が中国と原則合意したと明らかにした旨。米中の衝突回避に向けて首脳レベルでも対話を進める旨。

中国の7-9月四半期の経済成長が、次の通り減速の予想である。

◇中国7〜9月成長、5%に減速予想、恒大・電力不足響く−現地エコノミスト調査 (日経 電子版 16:00)
→日本経済新聞社と日経QUICKニュースがまとめた中国エコノミスト調査によると、中国の2021年7〜9月期の国内総生産(GDP)伸び率の予測平均値は5%だった旨。厳格な新型コロナウイルス対策や不動産大手、中国恒大集団の経営問題に電力不足が重なり、4〜6月期の7.9%と比べて減速が鮮明になる旨。

□10月8日(金)

◇米中、緊張下で接点探る、台湾・人権は双方譲れず (日経 電子版 05:11)
→対立を深めてきた米中両国が接点を探ろうとしている旨。バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が年内にオンライン形式で協議することで合意した旨。台湾や人権問題などお互いに譲れない分野で緊張を残しつつ、半歩歩み寄った旨。

◇NYダウ続伸、337ドル高、債務上限問題への懸念後退 (日経 電子版 06:26)
→7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比337ドル95セント(1.0%)高の3万4754ドル94セントで終えた旨。米与野党が連邦政府の債務上限問題の先送りで合意したのを受け、当面はデフォルト(債務不履行)が回避できるとの見方から投資家心理が改善した旨。景気敏感株からハイテク株まで幅広い銘柄に買いが優勢となった旨。

□10月9日(土)

◇NYダウ小反落、雇用回復の伸び鈍化を嫌気 (日経 電子版 06:12)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに小反落し、前日比8ドル69セント安の3万4746ドル25セントで終えた旨。9月の米雇用統計で雇用者数の増加幅が市場予想を下回り、労働市場の回復が鈍化しているとの見方から売りが出た旨。一方、失業率は市場予想以上に改善した旨。米経済の先行きや米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡る見方が交錯し、総じて方向感に乏しい相場展開だった旨。


≪市場実態PickUp≫

【インテル関連】

まずは、技術面の動き。Intel 4プロセス(7-nm & 同社初のEUV)に成る第2世代neuromorphic computing半導体などである。

◇Intel Unveils Second-Generation Neuromorphic Chip (10月5日付け EE Times)
→Intelが、Intel 4プロセス技術(かつての7-nm。同社初のEUV[極端紫外線]を利用したプロセス)でつくられる最初の半導体、第2世代neuromorphic computing半導体, Loihi 2を披露の旨。同社はまた、neuromorphic computingに向けたLava open sourceソフトウェアの枠組みも発表の旨。

◇Intel's Neuromorphic Chip Gets A Major Upgrade -Loihi 2 packs 1 million neurons in a chip half the size of its predecessor (10月5日付け IEEE Spectrum)

◇Gold: Intel builds a brain in silicon (10月5日付け FierceElectronics)
→Intelの新しいLoihi 2 neuromorphicリサーチ半導体からは、同社先行品より高速な処理が得られ、routing, schedulingおよびオーディオ/ビデオ処理などcompute workloadsに向けた有望性がある旨。

◇Intel Shares DDR5-4800 RAM Details for Alder Lake CPUs-Intel tests DDR5-4800 RAM for next-gen Alder Lake -New info on the initial DDR5 offerings (10月5日付け Tom's Hardware)
→Intelが、Advanced Validation Labsを用いて、第12世代Alder Lakeに向けたbaseline標準、DDR5-4800 RAMをテストの旨。

次に、同社CEO、Pat Gelsinger氏について。英国での工場建設は検討しないとのスタンスである。

◇Intel not considering UK chip factory after Brexit-Intel CEO: Brexit takes building a wafer fab in UK off the table (10月6日付け BBC)
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏がBBCに対し、同社はBrexitのために英国での工場建設はもはや検討しない旨。

Nvidiaへの対抗の臨み方があらわされている。

◇Pat Gelsinger: Intel Will Be ‘More Ecosystem-Friendly’ Than Nvidia-Intel to focus on graphics, networking, challenging Nvidia (10月7日付け CRN (US))
→IntelのCEO、Pat Gelsinger氏が、グラフィックスコンポーネントにおいてNvidiaに対抗したいとする一方、同社のネットワーク半導体事業にさらに大きく注目している旨。「データセンターにおいて懸念が増しているアーキテクチャーの混乱は、ArmのものではなくAIのもの。」と、本インタビューにてGelsinger氏。

【Samsung関連】

オンライン開催の「Samsung Foundry Forum(SFF) 2021」にて、今後の対応ロードマップはじめ以下の通りである。

◇Samsung Foundry touts new U.S. fab, chips on 3nm in ‘22 and 2nm in ‘25 (10月6日付け FierceElectronics)
→アナリスト&記者向けの新しいSamsung Foundryのスライドプレゼンには、2022年始めの3-nmプロセスおよび2025年の2-nmプロセスに向けた半導体生産予定とともに、"米国の新しいfab"は素早い言及であった旨。

◇Samsung Elec gallops ahead in next-gen nanometer and transistor technology-Samsung advances to 3nm GAA tech for chipsets (10月7日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→Samsung Electronicsが、2022年上半期の間に3-nanometer gate-all-around(GAA)トランジスタ技術搭載のチップセットの製造を始める計画の旨。Samsung Foundryは、該GAA技術の取り入れでTSMCに先行の旨。

◇Samsung unveils tech road map for foundry biz (10月7日付け Yonhap News Agency)
→"Adding one more dimension"というテーマでonline開催されたSamsung Foundry Forum 2021にて、Samsungが、今後の技術nodes, operationsおよびサービスについての計画を披露の旨。

◇サムスン、3nmプロセスチップを2022年前半に生産開始へ (10月7日付け CNET Japan)
→サムスンは、速度と効率をさらに高めた初の3nmプロセスのチップの製造を2022年前半に開始する計画。10月6日にオンラインで開幕した「Samsung Foundry Forum 2021」で明らかにした旨。さらに2nmプロセスノードが開発の初期段階にあり、2025年には量産に入る予定の旨。

CPUとデバイス間、およびCPUとメモリ間のインターコネクト規格、「Compute Express Link(CXL)」へのソフトウェア対応である。

◇Samsung Adds Software to CXL Portfolio (10月7日付け EE Times)
→Samsungが、該protocolの採用促進およびecosystem拡大に向けて設計されたソフトウェアtoolsをもって、同社初のCompute Express Link(CXL) offeringを実行に移している旨。

ベトナム工場での基板capacityの追加である。

◇Samsung reportedly to build additional ABF substrate capacity-Sources: Samsung will add capacity for ABF substrates (10月8日付け DIGITIMES)
→Samsung Electro-Mechanics(SEMCO)が、ベトナムの工場でABF(味の素ビルドアップフィルム)-ベースflip chip ball grid array(FCBGA)基板に向けた新しい生産ラインを据えつける計画、約KRW1 trillion($837.5 billion)の投資。

サムスン電子の7〜9月四半期業績は、メモリ半導体が押し上げて過去最高の売上高となっている。

◇サムスン営業益28%増、7〜9月、半導体好調で (10月8日付け 日経 電子版 09:12)
→韓国サムスン電子が8日発表した2021年7〜9月期の連結業績。売上高が前年同期比9%増の73兆ウォンで、四半期ベースの過去最高を更新、営業利益が同28%増の15兆8000億ウォン(約1兆4800億円)で、四半期ベース3年ぶりの高水準。主力の半導体メモリの収益改善が大きく、有機ELパネルの好調も寄与した旨。

【TSMC関連】

TSMCが、本年の売上げ目標に適合する勢いの現時点としており、AppleからのiPhone 13搭載半導体の受注増加などがあり、生産対応もcapacityを拡大していく、と以下の内容である。

◇TSMC on track to meet revenue goal this year-Sources: TSMC on sound footing, despite chip order snags (10月4日付け DIGITIMES)
→業界筋発。AppleおよびMediaTekからの5-nanometerおよび7nm半導体発注縮小にも拘らず、TSMCが、今年の売上げ目標に適合する歩調にある旨。より明るい話題では、AppleがiPhone 13に向けたTSMCウェーハstarts購入を増やすと言われており、MediaTekは新年に5Gスマートフォンsystem-on-a-chip(SoC)に向けてTSMCからウェーハstarts購入していく旨。

◇Apple increases iPhone 13 chip orders from Taiwan's TSMC-Apple continues chip orders with TSMC -iPhone 13 deliveries have been delayed due to supply chain constraints in Vietnam (10月5日付け Taiwan News)
→Appleが、新しいiPhone 13モデルで用いられるA15 Bionic半導体に向けてTSMCへの発注を増やしている旨。該Apple半導体は、TSMCの5nm技術を行使の旨。

◇TSMC to expand 7nm and 28nm fab capacities (10月6日付け DIGITIMES)

【GlobalFoundriesのIPO申請】

世界的な半導体の不足の渦中で、GlobalFoundriesが、IPO申請に踏み切っている。インテルによる買収の噂が少し前に見られた経緯がある。

◇Abu Dhabi-controlled GlobalFoundries files for U.S. IPO amid worldwide chip shortage-GloFlo moves ahead with US IPO (10月4日付け CNBC)
→GlobalFoundriesが米国でIPO申請、最大$25 billionの評価額提案の旨。世界第3位のファウンドリー半導体メーカーの同社は、米国に3つの工場およびシンガポールおよびドイツに各々1つの工場がある旨。

◇GlobalFoundries Files For IPO In The U.S. Amid Global Chip Shortage (10月4日付け Forbes)

【巨大IT追及】

巨大ITの経営姿勢、そして独占禁止を問う告発が、以下の通り引き続いている。米国、そして中国でも圧倒的な市場支配に対するメスが立て続けに見られる状況がある。

◇Facebook内部告発者「安全より利益優先」、米公聴会 (10月6日付け 日経 電子版 08:16)
→米フェイスブックが児童保護などに関する自社に不都合な調査結果を隠していたとされる問題を巡り、米メディアなどに内部資料を提供してきた同社元社員、フランシス・ホーゲン(Frances Haugen)氏が5日、米議会公聴会で証言した旨。フェイスブックは子供の安全より利益を優先してきたと批判した上で、「これまでの規制の枠組みでは不十分だ」と議会に対応を求めた旨。

◇EXCLUSIVE Apple to face EU antitrust charge over NFC chip - sources -Sources: EU may charge Apple over NFC chip tech (10月6日付け Reuters)
→European Union(EU)が、near-field communications(NFC)半導体技術を巡る制限についてAppleを相手取ったantitrust告発持ち込みを検討している旨。EUのantitrust chief、Margrethe Vestager氏が、該NFC microchipが可能にするApple Payシステムの条件を調査している旨。

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