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コロナ逆風下、市場優位&新たな開拓に向けたM&Aの動き活発化

新型コロナウイルスによる累計感染者数は金曜17日昼前時点、世界全体で1367万人を超え、ブラジルやチリ、ペルーなど中南米そしてインドでの感染拡大が続いている。コロナ禍での各地鈍い経済再開、注目の中国の4-6月GDPも前年同期比3.2%増と弱含みである。半導体関連で、コロナに加えて米中摩擦が覆う中、市場での優位および新たな業容開拓を狙ったM&A(合併と買収)の動きが活発化してきている。M&Aの嵐が吹きまくった2015年〜2016年の状況再来なるかの感じ方がある。Analog DevicesがMaxim Integratedを$21 billionと近年のトップ3に入る規模の買収、Texas Instruments(TI)に次ぐアナログICs第2位を固める動きはじめ、いくつかに注目している。

≪覆われた環境下での市場固め≫

コロナ禍、第2波懸念に引き続きいっそう覆われる世界の概況について、以下日々の動きからの抽出であり、発信日で示している。中国の4-6月GDPに注視するところである。

□7月11日(土)

米国企業の業績も、4-6月四半期について厳しい見通しである。

◇米企業、純利益半減も、4〜6月市場予想、年後半の回復期待、感染再拡大がリスク (日経)
→米企業の2020年4〜6月期決算が来週から本格化する旨。市場では純利益は前年同期比で半減近くとの予想が多い旨。航空や自動車で赤字が目立つ一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)を追い風にIT企業などは健闘している旨。アナリストは経済再開を前提に年後半の収益回復を見込んでいるが、感染再拡大がリスクとなっている旨。

□7月12日(日)

中国のGDP発表を控えての見方である。

◇16日、中国、4〜6月のGDP発表―2期ぶりプラス成長か (NewsForecast)
→中国は16日、4〜6月の国内総生産(GDP)を発表する旨。前年同期と比べた実質成長率は2四半期ぶりにプラスに転換しそうな旨。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えこみ、先進国に先駆けて成長軌道に戻りつつあるが、肝心の雇用の回復は遅れている旨。

□7月13日(月)

シリコンバレーでの経済再開、紆余曲折の状況がうかがえている。

◇Newsom closes indoor restaurant dining, wineries, bars and theaters statewide as California Covid-19 cases spike (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→California州知事、Gavin Newsom氏が、58のCalifornia countiesすべてでindoor restaurant dining, wineriesおよび映画劇場のすべてにoperations中止を指令の旨。

◇Coronavirus roundup: Hair cuts, gym appointments, tattoo services all begin again in Santa Clara County (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→理髪店およびヘアサロンなどが7月13日にSanta Clara Countyで、Covid-19防止対策に従う限りで営業再開可能の旨。

□7月14日(火)

◇Coronavirus roundup: What's open, what's closed in Silicon Valley? (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

◇Apple pushes retail employees to work from home, and adds home Covid tests into the mix (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Appleが、全面オフィス再開は少なくともアメリカのオフィスについて年末以降となりそうな旨。

◇Fed officials warn on 'thick fog' ahead for U.S. economy as recovery concerns deepen-Fed officials warn of slow economic recovery (Reuters)
→Federal Reserve(FRB)の多くのofficialsが、coronavirus pandemicからの米国経済の回復が依然考えられていたより鈍くなるとしている旨。
coronavirus感染の再起から労働市場の改善が続かない可能性、と何人かが言っている旨。

◇米カリフォルニア州、再び営業制限、1カ月前に逆戻り (日経 電子版 07:55)
→新型コロナウイルスの感染が再拡大している米カリフォルニア州のニューサム知事は13日、州全域でバーの営業を禁止すると発表、レストランについても屋内営業を禁じる旨。同州は段階的に経済活動を再開してきたが、行動制限は約1カ月前の状態に逆戻りすることになる旨。

経済回復そしてワクチン開発の期待に水を差すコロナ感染拡大、狭間でもみ合う米国株式市場の展開が以下見られている。

◇NYダウ続伸10ドル高、一時563ドル高もコロナ再拡大嫌気 (日経 電子版 06:02)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸、前週末比10ドル50セント高の2万6085ドル80セントで終えた旨。新型コロナウイルスのワクチン開発が進展しているとの期待から買いが優勢だった旨。上げ幅は一時563ドルに達したが、午後に入るとハイテク株を中心に利益確定売りが出て、急速に伸び悩んで終えた旨。

□7月15日(水)

◇米、留学生ビザの制限を取り下げ、内外の批判で一転 (日経 電子版 05:27)
→トランプ米政権は14日、留学生へのビザ(査証)発行を制限するとした6日の決定を撤回する方針を決めた旨。新型コロナウイルス対応で授業をすべてオンラインで行う場合はビザを発給しない内容で、100万人を超す米国内の留学生の一部は、早期に帰国を迫られる可能性があった旨。

◇NYダウ続伸556ドル高、景気敏感株に買い (日経 電子版 06:05)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸、前日比556ドル79セント(2.1%)高の2万6642ドル59セントで終えた旨。決算発表シーズンの本格化を前に、これまで相場上昇を牽引してきた主力ハイテク株が短期的な利益確定売りに押された旨。一方、相対的に出遅れていた資本財や石油など景気敏感株に買いが広がった旨。

□7月16日(木)

◇Coronavirus roundup: New testing guidelines for California | Facebook debunks Covid myths (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→新しいCaliforniaのCovid-19 testingガイドラインは、だれが検査されるべきで、そのうちだれが前線に出るべきか、を言っている旨。

◇NYダウ4日続伸、227ドル高、ワクチン開発への期待で (日経 電子版 05:29)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸、前日比227ドル51セント(0.9%)高の2万6870ドル10セントと6月10日以来ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた旨。新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が強まり、コロナが業績の逆風となる銘柄を中心に買いが優勢となった旨。

注目の中国の4〜6月GDPが発表されている。プラスには戻したものの弱含みの状況があらわされている。

◇中国、プラス成長に転換、4〜6月GDP3.2%増 (日経 電子版 11:00)
→中国国家統計局が16日発表した2020年4〜6月の国内総生産(GDP)は物価の変動を除いた実質で前年同期比3.2%増えた旨。生産や投資が回復し、2四半期ぶりにプラス成長に転換した旨。新型コロナウイルスを抑えこみ、先進国に先駆けてプラス成長に戻った旨。

◇China's economy rebounds after steep slump, weak demand, U.S. tensions raise risks-China's GDP rose 3.2% in Q2 (Reuters)
→中国経済が、今年始めでの深い落ち込みの後、第二四半期では伸びを戻したが、国内消費の予想されない弱含みが、coronavirus危機の衝撃を経てさらなる政策支援の必要を強調している旨。

□7月17日(金)

◇中国経済、雇用なき復活、4〜6月3.2%成長、生産・投資、政府主導、弱い消費や洪水、不安が要因 (日経)
→中国経済が先進国より早く新型コロナウイルスの打撃から立ち直ってきた旨。16日発表の4〜6月の国内総生産(GDP)の実質成長率は前年同期比3.2%と2四半期ぶりにプラスに転換した旨。回復は雇用に波及せず消費も弱いままで、下期は洪水など不安要因もある旨。

◇NYダウ5日ぶり反落、135ドル安、雇用回復の鈍化懸念 (日経 電子版 05:40)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比135ドル39セント(0.5%)安の2万6734ドル71セントで終えた旨。米雇用の回復鈍化を示唆する経済指標を手掛かりとした売りが優勢だった旨。米中対立が激化するとの懸念も投資家心理を冷やした旨。

◇Coronavirus roundup: Bay Area hospitalizations hit record | Wineries toast new rules | Health official warns of 'long haul' (SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→South Bayのワイナリーは今週、戸外で座ってのtastingsが行える新しい規則を喜んだが、Bay AreaのCovid-19入院が新記録となり、Santa Clara Countyの保健当局が先々"長い道のり"を警告の旨。

□7月18日(土)

◇NYダウ続落、62ドル安、米消費減速を懸念 (日経 電子版 05:34)
→17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比62ドル76セント(0.2%)安の2万6671ドル95セントで終えた旨。米消費者の景況感指数が低下し、米景気回復の勢いが鈍るとの懸念から売りが優勢だった旨。
一方、来週以降の決算発表の本格化を控え、積極的に売り込む動きは限られたことから方向感に乏しい展開だった旨。

コロナ禍に米中摩擦、世界経済に大きく被さる中で、市場での優位および新たな業容開拓を狙ったM&A(合併と買収)の動きがここにきて活発に見られてきている。

Analog DevicesがMaxim Integratedを$21 billionで買収、Texas Instruments(TI)に次ぐアナログICs第2位を固める動きは、以下の通りいろいろな切り口から注目、取り上げられている。

◇Analog Devices to Buy Maxim Integrated for Over $20 Billion -All-stock deal would create a combined company valued at around $68 billion-Analog Devices will buy Maxim for $20B+ (7月12日付け The Wall Street Journal)
→Analog Devicesが、$20 billionを上回る株式交換でMaxim Integrated Productsの買収に合意、regulatory承認前提に今から1年で完了見込みの取引の旨。該買収が完了すると、Maximの株主は一緒になった会社の株式の約31%を所有の旨。

伏線のあった今回の動きがうかがえている。

◇Maxim Gives ADI ‘Tailwinds’ for Future M&A Deals (7月13日付け EE Times)
→Analog Devices Inc.(ADI)のpresident and CEO、Vincent Roche氏は5月、同社には追い風があると投資家に語った旨。同氏は、本日発表されたMaxim Integrated買収提案となって実を結ぶ出来事に微妙に触れているのかもしれないが、直ちに該取引をADIの後に置いてさらに先を見るのは悪くはない旨。

◇Analog Devices, Maxim, Said to Be on the Verge of a $20B Deal (7月13日付け EE Times)

◇Analog Devices to scoop up Maxim Integrated in $21B chip deal (7月13日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Santa ClaraにおいてoperationsがあるAnalog Devices(Massachusetts)が、Maxim Integrated(San Jose)に約22%のpremium支払いの旨。

◇Chipmaker Analog Devices to buy rival Maxim for about $21 billion-Analog Devices to acquire rival Maxim in $21B deal (7月13日付け Reuters)
→半導体メーカー、Analog Devices社が月曜13日、ライバルのMaxim Integrated Products社を約$21 billionで買収、今年米国最大の取引、車載および5G半導体における市場シェアを高める狙いの旨。

◇Analog Devices Announces Combination with Maxim Integrated, Strengthening Analog Semiconductor Leadership (7月13日付け Business Wire)

M&Aの嵐が吹きまくった2015年〜2016年以降のトップ3に入る買収規模である。

◇Maxim Deal Cements ADI at No 2 in Analog -Proposed acquisition of Maxim Integrated by Analog Devices will strengthen ADI's analog IC market share (7月14日付け EE Times)
→Analog DevicesによるMaxim Integratedの$21 billion買収は、近年のmega-semiconductor company買収でトップ3に入り、他の2つは次の通り:
 AvagoによるBroadcomの$37 billion買収
 SoftBankによるArmの$32 billion買収
Analog Devicesは、該買収でTexas Instruments(TI)に次ぐアナログICs第2位の位置づけが強化される旨。

◇What's behind the $21B Maxim-Analog merger (7月14日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Maxim Integrated Products社が、ライバルのAnalog Devices社と合併する進みにあり、アナリストの1人が半導体業界でさらなる統合が見られる兆しとする動きの旨。

◇Analog Devices Announces Combination with Maxim Integrated, Strengthening Analog Semiconductor Leadership (7月14日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇ADI Acquires Maxim to Strengthen Leadership in Analog Semiconductor (7月14日付け EE Times India)
→半導体メーカー、Analog Devices, Inc.(ADI)が、Maxim Integrated Products社の買収に合意、合わせたenterpriseは$68 billion超の規模の旨。この取引で、アナログ半導体リーダーとしてのADIが強化される旨。

◇米半導体ADI、同業マキシムを2.2兆円で買収 (7月14日付け 日経 電子版 05:39)
→米半導体大手、アナログ・デバイセズ(ADI)は13日、同業の米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツを買収すると発表、株式交換による買収額は209億ドル(約2兆2千億円)で、自動車や通信分野の事業基盤を広げる旨。2020年のM&A(合併・買収)としては最大規模となる旨。

◇ADI-Maxim Deal: Distribution Channel Shake Up? (7月15日付け EE Times India)
→過去が前触れであれば、Analog DevicesによるMaxim Integrated Products社の$20 billion買収は、同社electronics distributionチャンネルにおいて大改造を促す旨。ADIがLinear Technologyを2017年に買収した時、同社はグローバルvolume distributionネットワークを1つのdistributor、Arrow Electronics社のもとに統合、該業界第2のプレイヤー、Avnet社をやめている旨。

ソフトバンクグループが英国・Armを買収したのが2016年で、上記の通り近年の大型M&Aトップ3の1つであるが、そのArmが本業の半導体設計事業に回帰する動きが以下の通りである。並行して、Armの売却が取沙汰されている。

◇SoftBank hires Goldman Sachs to explore sale options for chip designer Arm after getting inbound interest, sources say-Report: Arm IPO or sale pondered by SoftBank (7月13日付け CNBC)
→本件事情通発。SoftBank Groupが、2016年に$32 billionで買収したArm Holdingsのinitial public offering(IPO)あるいは即売を求めていくかどうか熟考の旨。Goldman Sachsがどんな行動をとるべきかSoftBankに忠告の旨。

◇SoftBank Explores Sale or IPO for Chip Designer Arm Holdings -Japanese conglomerate bought British tech company four years ago for $32 billion (7月13日付け The Wall Street Journal)

◇Softbank Said to Have a Buyout Offer for Arm (7月14日付け EE Times)
→Softbankが、Arm Holdingsについてinitial public offering(IPO)を行う可能性を考えていると言われるが、SoftbankからArmを本当に買収したいとする少なくとも1社がある旨。

◇半導体アーム、IoT分離し本業回帰、SBG上場視野 (7月15日付け 日経 電子版 17:30)
→半導体大手の英アームホールディングスが本業の半導体設計事業に回帰する旨。2016年に同社をソフトバンクグループ(SBG)が買収。主力のスマートフォン向けからサーバー向けなどへ領域を広げる一方、協業で強化を狙った「IoT」事業は伸びず、今秋に切り離す旨。SBGはアームの上場などを視野に入れるが、米中摩擦が経営の火種になっている旨。

現下のM&Aの動きとしてほかに、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、STMicroelectronics、そしてSiemensについて、以下の通りである。

◇Hewlett Packard Enterprise to buy Santa Clara networking startup for $925M (7月13日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Hewlett Packard Enterprise(HPE:San Jose)が、16年になるSanta Claraのnetworking会社、Silver Peak Systemsに2018年の最後のfunding roundの後で価値づけられた約2倍を支払いの旨。

◇ST Buys Two Companies to Add UWB and Cellular IoT to MCUs (7月16日付け EE Times)
→STMicroelectronicsが本日、次の2件の別々の買収取引を発表の旨。
 ・ultra-wideband(UWB)技術specialist、BeSpoon
 ・cellular Internet of things(IoT) connectivity開発のRiot Microワイヤレスconnectivity capabilities強化の狙いの旨。

◇STMicroelectronics Makes Acquisitions to Further Strengthen the Wireless Connectivity Capabilities of STM32 Microcontrollers (7月16日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇ST makes acquisitions to strengthen wireless connectivity capabilities-ST makes 2 purchases for cellular IoT, UWB (7月17日付け New Electronics)
→STMicroelectronicsの合意2件調印、Ultra Wide Band specialist、BeSpoonの買収およびRiot Microのcellular IoT connectivity assets買収。

◇Buying Avatar, Siemens Revives Legendary Place & Route Tool-Siemens will buy Avatar (7月16日付け EE Times)
→Siemensが、半導体設計用place-and-routeソフトウェアを開発するAvatar Integrated Systems(Santa Clara, CA)の買収に合意の旨。該toolには法的issuesの歴史がある一方、世界のtopシリコンファウンドリーが用いている旨。

◇Siemens Acquires Avatar, Expands EDA Footprint with Innovative Place and Route Technology (7月17日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)


≪市場実態PickUp≫

【Huawei関連】

米国のHuaweiに対する規制圧力が英国はじめ波及する中、Huaweiの売上げはこの上半期13%伸ばしている。

◇U.K. ban looms over Huawei as revenue growth lags amid U.S. pressure-Huawei faces international suspicion (7月13日付け Reuters)
→米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドおよび日本からの動きに伴って、欧州の複数の国々が政府5GネットワークスにおけるHuawei Technologies装置について制限を実行あるいは検討している旨。しかしながら、ここ6ヶ月のHuaweiの売上げは13%伸びている旨。

◇Huawei books $1B growth in H1 profit despite US-led backlash (7月13日付け Light Reading)

そんな中、英国政府がHuaweiの5G装置排除を鮮明化している。

◇Huawei Ban Could Slow UK 5G Rollout-The ban on Huawei equipment in the UK is also likely to cost operators there billions of pounds, and delay the introduction of 5G services. (7月14日付け EE Times)
→英国政府が、モバイルネットワークoperatorsに対しすでに取り付けてあるHuawei供給のいかなる5G装置も取り除くよう強制、大きなUターン、operatorsの従う期限は2027年の旨。本日の発表はまた、5G運用に向けた新しいHuawei kitは今年末まで購入できないとし、現状のネットワークの敏感な重要部分でのHuawei装置禁止はそのままと確認の旨。

◇英、2027年までにファーウェイ製品完全排除 (7月15日付け 日経 電子版 07:16)
→英政府は14日、次世代通信規格「5G」から中国の通信機器最大手華為技術(ファーウェイ)を2027年までに排除することを決めた旨。周辺機器に限り部分的に容認してきたが、方針転換した旨。英中関係は香港国家安全維持法を巡り緊迫しつつある旨。蜜月だったビジネス関係も変化が必至。

これに対する中国の反応そして今後への見方である。

◇China vows 'necessary' measures in response to UK's Huawei ban-China promises response to Huawei 5G ban in the UK (7月16日付け Reuters)
→中国・Commerce Ministry、木曜16日発。中国は、英国のHuawei Technologies Co Ltdに対する"差別的"禁止に必要な処置をとり、中国の英国における投資信認をひどく損なう旨。

◇Huawei Ban May Delay 5G Rollout in the UK-The ban on Huawei equipment in the UK is also likely to cost operators there billions of pounds, and delay the introduction of 5G services... (7月16日付け EE Times India)

◇UK ban on Huawei opens door for competitors, although consumer may pick up tab-Ericsson, Nokia may benefit from Huawei's 5G ban in UK (7月16日付け Reuters)
→英国の次世代テレコムネットワークスから中国・Huawei Technologiesを排除する決定は、テレコム装置のグローバルリーダー、Huaweiには最新の打撃であり、該業界におけるより広い変化の基礎を築く可能性の旨。

Huaweiはじめ排除が必要とする中国の5社に対する米国政府の8月からの取引禁止の法律が、以下の通り施行させていく。日本企業へも影響を与える内容である。

◇米政府、中国5社製品使う企業の取引排除、8月から (7月17日付け 日経 電子版 05:26)
→米政府は8月、華為技術(ファーウェイ)など中国企業5社の製品を使う企業が米政府と取引することを禁じる法律を施行する旨。対象の日本企業は800社を超え、該当する中国製品の排除が必要となる旨。米中対立の激化で、世界のハイテク市場の分断が加速する旨。中国製品への依存を強めていた日本企業の調達戦略も修正を迫られる旨。
7月14日付の官報で「国防権限法」を8月13日から実施するための暫定規則を掲載した旨。対象5社は通信機器のファーウェイと中興通訊(ZTE)、監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、無線通信機大手の海能達通信(ハイテラ)。

英国政府からは、5Gについての協力要請が日本政府に寄せられているもようである。

◇英、5Gで日本に協力要請、ファーウェイ排除受け (7月18日付け 日経 電子版 18:22)
→英国政府が日本政府に対し、次世代通信規格「5G」の通信網づくりで協力を求めたことが分かった旨。英国は中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)を排除する方針を決めた旨。NECや富士通がファーウェイに代わる調達先となる可能性に言及し、両社の技術やコストの競争力を高める支援を要望した旨。

【TSMC関連】

TSMCが4〜6月四半期業績を発表、最高益を更新、本年の売上げを20%増と強気の読みとともに、設備投資を上方修正するとしている。Huawei Technologiesへの出荷中止で中国リスクが予想される一方、先行する最先端半導体に期待をかけている。

◇TSMC Raises Capital Expenditure Plan on Improved Outlook (7月16日付け EE Times)

◇Apple Chipmaker TSMC Raises Outlook in Sign of Tech's Resilience (7月16日付け Bloomberg)

◇Taiwan's TSMC the world’s top chipmaker by market cap-TSMC's market cap leads the world among chipmakers-Share price of TSMC soared to historical high of NT$370 this week (7月16日付け Taiwan News)
→TSMCの株式時価総額が先週、$306.3 billionに達し、Samsung ElectronicsおよびNvidiaを上回って世界で最も価値を有するmicrochip companyとしている旨。TSMCはまた、Huawei Technologiesへの出荷中止に備えて、capacity拡大&更新に今年$17 billion充てる計画を発表、2020年売上げを20%高めていく旨。

◇TSMC plans to halt chip supplies to Huawei in 2 months-Chip titan says 5G demand will fuel growth despite US export ban and pandemic (7月16日付け Nikkei Asian Review (Japan))
→TSMCが木曜16日、米国の輸出規制遵守に向けてkey顧客、Huawei Technologiesからの新規受注処理の停止を確認、しかし、5Gスマートフォン, インフラおよびhigh-performance computing(HPC)応用向けの力強い需要から今年20%を上回る売上げの伸びが依然得られるとしている旨。

◇TSMC、米中摩擦でも破竹の勢い、4〜6月最高益、通期20%増収予想、ファーウェイ分穴埋め (7月17日付け 日経)
→半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が16日発表した2020年4〜6月期の決算は、純利益が過去最高を更新、高機能スマートフォン向けなどが伸びた旨。通期の売上高見通しも上方修正し、前期比20%増収とした旨。米中摩擦のなかでも強さを見せつけたが、中国のスマホメーカーとの関係がリスクとして残る旨。
4〜6月期の純利益は1208億台湾ドル(約4400億円)と前年同期に比べ81%増えた旨。新型コロナウイルスの感染拡大や米中貿易摩擦が過熱した一方、次世代通信規格「5G」対応スマホや、テレワークの拡大で需要が伸びているサーバなどに使う先端半導体の出荷が膨らんだ旨。

【SMICおよび中国関連】

中国最大の半導体ファウンドリー、Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC)が、上海のハイテク企業向け市場「科創板」に株式を上場、約7600億円の資金調達見込みとなっている。

◇SMIC: Advanced Process Technologies and Gov't Funding-SMIC starts making 14nm chips, plans $7B stock sale (7月13日付け EE Times)
→Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC)が、14-nm半導体の生産を開始、finFETsをつくれる比較的小さなクラブの仲間入りの旨。同社は、事業への投資継続に向けて$7 billionを越える成果が得られる株式提示をするばかりにある旨。しかし、Trump政権がSMICの最新製造装置のいくつかへのアクセスに立ちはだかって、SMICは結局のところsystem-on-chips(SoCs)の大手開発者に必要な最先端プロセス技術を提示し続けられるのか?

◇SMIC、7600億円を調達、上海ハイテク市場に上場 (7月17日付け 日経)
→中国半導体受託生産の中芯国際集成電路製造(SMIC)が16日、上海のハイテク企業向け市場「科創板」に株式を上場、調達額は最終的に500億元(約7600億円)に上る見込み。初値は公募価格の3.5倍と、半導体国産化をテーマに過熱する中国株相場を象徴する値動きになった旨。

◇Shares of China's biggest chipmaker SMIC surge nearly 202% in Shanghai debut (7月16日付け CNBC)
→中国最大の半導体メーカー、SMICが、上海での取引初日で株価が245%急伸の旨。

◇SMIC: Advanced Process Technologies and Gov't Funding (Part 2) (7月17日付け EE Times)
→SMICが、14-nm半導体の生産開始、finFET clubの仲間入り、そして$7Bを上回る資金調達が得られる株式offeringをするばかりの旨。

半導体国産化をテーマに過熱する中国株式相場の中、中国国家支援の最大投資ファンド、‘Big Fund’が、投資先の株を売却する動きである。

◇China's state chip fund to cut stakes in two more tech companies-China's "Big Fund" sells shares in Sanan Opto, NAURA (7月13日付け Reuters)
→中国最大の国家支援半導体ファンド、China Integrated Circuit Industry Investment Fund(‘Big Fund’とも)が、上場ハイテク2社におけるholdingsを減らす計画、中国の株式市場における炎熱の強気市場に伴ってくる決定の旨。Sanan Optoelectronics Co Ltdでは、‘Big Fund’がownershipをone percentage point減らして9.29%にして、7月8日から7月10日の間に44.793 million株を売却の旨。

【メモリ半導体関連】

DDR5 SDRAM技術の最終仕様がJEDECよりリリースされ、Micron Technologyの該技術推進の取り組みがあらわされている。

◇DDR5 Memory Specification Released: Setting the Stage for DDR5-6400 And Beyond-JEDEC releases final DDR5 memory specification (7月14日付け AnandTech)
→JEDEC Solid State Technology Associationが火曜14日、DDR5 SDRAM技術の最終仕様をリリース、該DDR5スペックは、最大64 gigabitsの容量密度、DDR4に対し4倍の増加などの改善があるメモリ半導体を可能にする旨。

◇Micron Drives DDR5 Adoption With Technology Enablement Program (7月15日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Micron Technology社が、包括的enablementプログラムを発表、技術resources、製品およびecosystemパートナーへの早いアクセスが得られる旨。JEDEC DDR5標準の批准とともに、MicronのDDR5 RDIMMサンプルの1月発表に立脚、次世代data-centric応用に業界を一歩近づける旨。
DDR5 Technology Enablement ProgramでMicronに加わるのは、Cadence, Montage, Rambus, RenesasおよびSynopsysなどの旨。

◇Micron announces enablement program for DDR5-Micron launches DDR5 standard enablement program (7月16日付け DIGITIMES)
→Micron Technologyが、技術resources, 製品およびecosystemパートナーへの早いアクセスが得られるenablementプログラムを発表、DDR5を用いる次世代computingプラットフォームの設計、開発およびqualificationにおける助けとなる旨。

現下のメモリ半導体市況、および下落基調のDRAM価格が、以下の通りである。

◇Memory Markets Poised for Major Changes as COVID-19 Weighs on Demand (7月14日付け EE Times India)
→Yole Developpement(Yole)の記事。COVID-19 outbreakの前は、2020年はDRAMおよびNAND市場にとって力強い回復が見込まれていた旨。該pandemicを取り巻く状況は依然非常に流動的であるけれども、いかなる回復にも逆風となるのは確かの旨。

◇半導体メモリ減速感、DRAM、6ヵ月ぶり下落、6月大口価格、在宅勤務需要伸び一服 (7月14日付け 日経)
→半導体メモリの市況に減速感が出始めた旨。代表品種のDRAMは大口需要家向け取引価格が6カ月ぶりに下落。新型コロナウイルスの影響でスマートフォン向けの低迷が続くところに、底堅かったパソコンやサーバ向けも在宅勤務需要の伸びに一服感がみられる旨。数カ月の下落基調を予想する声も目立つ旨。
データの一時保存に使うDRAMでは、指標となるパソコン用DDR4型の8ギガビット品の6月の大口契約価格が1個3.1ドル前後と前月比で約7%下がった旨。4ギガビット品も約5%安の2.2ドル前後となった旨。ともに下落は6カ月ぶり。

【5】巨大IT関連

米国の「GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)」に対する中国の「BATH(Baidu・Alibaba・Tencent・Huawei)」という巨大IT関連の現下の動きから。

インド出身のインド系アメリカ人実業家でGoogleの最高経営責任者、Sundar Pichai氏が、インドへの1兆円投資を発表している。

◇Google plans to invest $10bn in India (7月13日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Silicon Valley各社が世界で最も急速に伸びているインターネット市場の1つ、インドにおける位置づけに向けて押し合いへし合い、Googleが、向こう数年でインフラおよびequity投資などインドに$10bnを投資する計画の旨。

◇Googleがインドに1兆円投資、ネット環境整備 (7月14日付け 日経 電子版 05:34)
→米グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は13日、インドのモディ首相とオンラインで会談し、今後5〜7年で同国に約100億ドル(約1兆円)を投資すると表明、新設するファンドを通じて現地企業への投資やインターネット関連のインフラ整備に充てるとしている旨。米国外への投資としては異例の規模となる旨。

中国からは、AlibabaとTencent、ネット2強が、「新常態」に向けた合わせて10兆円投資を決めている。

◇中国ネット2強、10兆円投資、コロナ対応、クラウド強化、「新常態」で生き残り競争 (7月14日付け 日経産業)
→中国ネット2強が新型コロナウイルスと共に生きる「新常態」の消費社会を見据え、動き始めた旨。アリババ集団はテレワークなどで需要の高まるクラウド事業で約3兆円の投資を決めた旨。テンセントもクラウドなどのITインフラ整備に約7兆5千億円を投じる旨。他の産業と同様にネット企業もコロナで打撃を受けたが、新常態での生き残りに向けた競争が始まる旨。

中国勢の「スーパーアプリ」でアップルに対抗する現状である。

◇中国発スーパーアプリ、アジア先行、アップル対抗へ (7月19日付け 日経 電子版 02:00)
→米アップルとグーグルがプラットフォーマーとして支配力を持つスマートフォンビジネスを中国発の「スーパーアプリ」が揺さぶっている旨。アップルやグーグルなどを介さずにさまざまなサービスを利用できるのが特徴。通常アプリの手数料収入減になりかねないことから、アップルなどが警戒感を強めている旨。
他社に先駆けて2017年からサービスを始めたのが騰訊控股(テンセント)。
2019年末時点でSNSの「ウィーチャット」に組み込まれた登録ミニアプリが約230万と、アップルがストアで扱う数とほぼ同程度にのぼった旨。通販首位のアリババ集団も約200万、検索大手の百度(バイドゥ)は約40万のミニアプリを抱える旨。3社の単純合算で利用者は18億人に達する旨。


≪グローバル雑学王−628≫

完成度はともかく、さまざまな新手のキャッシュレスサービスが溢れる中国の百花繚乱の実態に、

『ルポ デジタルチャイナ体験記』
 (西谷 格 著:PHPビジネス新書 413) …2020年3月11日 第1版第1刷発行

より触れていく。「国民全員がスマートフォンを持っていて、いつでもどこでも、キャッシュレス決済ができる」という中国での大前提なればこそである。以下のサービス内容があらわされている。
 (1) 路上に設置された「冷蔵ロッカー」
 (2) 宅配便の受け渡しができる「スマートロッカー」
 (3) 信用スコアを運用した「レンタル傘」
 (4) 日本にも進出した「モバイルバッテリーシェア」
 (5) 人気レストランで並ばずに食事ができる「スマホ予約システム」
 (6) スマホで予約、チャットで往診「オンライン医療アプリ」
 (7) ドリンクもスマホで購入「高速鉄道オンライン」
 (8) 見た目は冷蔵庫の「キャッシュレス自動販売機」
新しいサービスをどんどん受け入れて、古いものは淘汰されるべきという思想が社会に満ちている中国の為せる業の印象である。


第4章 百花繚乱!最新キャッシュレスサービス

◆全国民キャッシュレスがもたらす最大の利点
・中国での大前提:「国民全員がスマートフォンを持っていて、いつでもどこでも、キャッシュレス決済ができる」
 →古いものは淘汰されるべきという思想が社会に満ちている
・キャッシュレス決済が普及すれば、時間や空間に縛られることなくモノやお金のやりとりができ、社会の仕組みを根本的に変える可能性
 →現金ベースの世界では想像もできなかったような新しい商品やサービスが生み出される、これこそが最大の利点
・完璧を目指さず"7割の完成度"でどんどん市場に実戦投入し、トライ&エラーを繰り返すのが中国流

■〈サービス(1)〉路上に設置された「冷蔵ロッカー」
・中国の住宅街は団地スタイルが大半、柵で囲まれた団地のエリア内は「小区(シャオチュ)」
 →出入り口には、警備員が常駐、町内会のような安心感
・「小区」の入り口に日本では見慣れないロッカーのようなものが設置
 →銀色のロッカーの上部には「食行生鮮(シーハンシェンシェン)」というサービス名
 →冷蔵ロッカーを使ったネットスーパー
・サイトに並ぶサービスの特徴
 →「汚い市場とも混雑したスーパーともサヨナラしよう」
  「厳選した産地から直送」
  「残留農薬の検査結果は、スマホで確認可能」など

□仕事帰りに魚や牛乳を取り出す
・「食行生鮮」のサービス
 →上海周辺の3都市(上海・蘇州・無錫)で3281の冷蔵ロッカーを設置、281万戸の家庭をユーザに
 →商品の価格は一般的なスーパーと同じくらい
 →前日の深夜24時までに注文すると、翌日の16時以降に到着するスケジュール
 →トラックを使ってまとめて各ロッカーに配送
  →配送料は29元(464円)以上購入すると無料に
 →ロッカーの開閉は、スマホに通知されたパスワードか、事前に配布されたカードキー
・日本にも該サービスは根づくかも
 →タワーマンションのような大規模な集合住宅
 →コンビニ

■〈サービス(2)〉宅配便の受け渡しができる「スマートロッカー」
・スマホと連動したロッカー、「スマートロッカー」
 →宅配便の集荷も扱っているのがポイント
 →代表的なサービス、「HIVE BOX(豊巣[フェンチャオ])」
・大画面の液晶モニター
 →「受け取る」「発送する」「預ける」の3つの機能を選択
 →「夜でも発送できます」、高い利便性
・日本の場合はコンビニやマンションなどで荷物の受け取りや発送が可能
 →スマートロッカーの普及の余地は少ないかも

■〈サービス(3)〉信用スコアを運用した「レンタル傘」
・傘をレンタルできるサービス、「摩傘(モオサン)」
 →マシンに貼られていたQRコードを読み込み、アプリをダウンロード
 →アリペイのアカウントで登録すると、すぐに使える状態に
 →デポジットは39元(624円)で、アリペイを通じて支払う
  →信用スコアサービス、「京東小白(ジンドンヤオバイ)」のポイントが60点以上だと、デポジット不要
・中国では、国を挙げて「社会信用スコア」なるものの構築を進めている
 →その人の"信用度"を数値で表現したもの
・最も有名な信用スコアは「ゴマ信用(芝麻信用[ジーマーシンヨン]:セサミクレジット)」
 →「京東小白」もサービスを展開
・画面上の「解錠」ボタンをクリック、QRコードが表示
 →マシンに設置のリーダーで読み取ると、ロッカーのカギが解錠され、傘を取り出せる状態に
 →料金は1日(24時間)2元(32円)、7日間連続で使うと自動的にデポジット没収、購入と見なされる

□失敗を糧にサービスをアップデート
・上海滞在中、突然の雨に見舞われ、好機到来とばかりに「摩傘」を使ってみた
 →あっけないほどに簡単に傘が開き、状態もとくに問題なし
 →返却時は、空いているスペースに傘を引っ掛けるだけ
・性善説に頼ることなく、「借りたものを返さない人がいる」という前提に立った上で、ビジネスとして成立させた

□日本のレンタル傘サービスにはない「対応」
・傘の利用頻度やユーザの移動距離といった"ビッグデータ"が、収益を生むとのこと
 →「雨の日に傘を忘れる人」には何かしらの共通点が見い出せるかも
・日本でも同様のサービス、「アイカサ」が2018年から
 →1日(24時間)70円、1ヶ月の上限金額は420円
・中国のシェアビジネスは"性悪説"を前提に設計されているからこそ、使い勝手が良いともいえる

■〈サービス(4)〉日本にも進出した「モバイルバッテリーシェア」
・上海では街中のあちこちに「モバイルバッテリー」がシェアできるスポットが設置
 →最大手と見られるのが、「怪獣充電(グァイショウチョンディエン:Energy Monster)」
・アリペイまたはウィーチャット(微信[ウェイシン])を立ち上げて、カメラでQRコードを読むと、そのまま怪獣充電のサービス画面へと移動
 →「アプリ内アプリ」あるいは「ミニアプリ」、中国語では「小程序(シャオチェンシュ)」
・日本では「チャージスポット」という名称で同一のサービスが拡大
 →デジタルサービスの分野では、日本人の気づかないうちに、どんどん中国資本が入ってきている

■〈サービス(5)〉人気レストランで並ばずに食事ができる「スマホ予約システム」
・長いときは1時間以上待つことになる人気のレストランや飲食店
 →この問題を解消するアプリ、「美味不用等(メイウェイブーヨンダン)」
  →「不用等」…「待つ必要がない」を意味
  →スマホで番号札を取得、番号が呼ばれるまでに店の前にいれば、待たずに入れる
・「人気店」の一覧を開くと、現時点で並んでいる人数が、リアルタイムで表示される
 →画面内には、「番号を取得する:2元(32円)」、予約するのにお金
 →支払いを終えると、「待ち番号:B89」と表示、「待ち時間30分以上」とある
 →並んでいる組数(待ち卓数)と予想待ち時間はアプリを見ればわかる
 →組数の減り具合を見ながら、ほどよいタイミングで店に向かうことに

□鳴りやまないアプリの通知音
・番号の減り具合は思ったより遅かったが、そろそろのあたりからアプリの通知が頻繁に届くように
 →番号が減るスピードが急激に速まりだした
  →夜のピークタイムを過ぎて、客が続々と帰り始めたのだろう
 →早めに行って、店の近くで時間を潰すのが賢明かも
・アプリの通知音さえ気にならなければ、最高のサービス

□「ノーショウ」を防ぐ画期的なシステム
・このサービスのポイントは、番号取得に2元とはいえ、保証金として料金を徴収できる点(店舗によって金額は異なる)
 →無料で予約を受け付けると、「ノーショウ(無断キャンセル)」となりがち
 →適切な対価を支払うことで、全体の質が向上する好例
・が、じつは取材からしばらく経つと、このアプリは保証金不要となった
 →ノーショウを複数回繰り返すと、アカウントを利用停止にするシステムを採用
 →不誠実な行動を取ると、ダイレクトに損失となって我が身に返ってくる

■〈サービス(6)〉スマホで予約、チャットで往診「オンライン医療アプリ」
・莫大な人口に対して医者の数が明らかに足りていない中国
 →こうした課題を解決する医療アプリ、「微医(ウェイイー)」
・医師ごとにスケジュールの空き状況が一目
 →スマホ上で予約が取れ、50元(800円)
・日本の病院で何より辛いのが、番号を呼ばれるまでモニター画面の前に居続けないといけないこと

□6人の医師にチャットで育児相談
・「微医」ではネットを通して、医師との「オンライン診療」も
 →「チャット診察」か「電話診察」のいずれか選択
 →          大病院      中規模病院
  電話診察    29元(464円)   19元(304円)
  チャット診察  19元(304円)    9元(144円)
 →症状についてどう書いたらいいか、アプリ内に説明あり
・乳幼児の育児に特化したサービスも、「小?瓶之家(シャオナイピンジージアー)(=哺乳瓶の家)」
 →6人の医師がいつでもチャットで養育相談に
 →30日間で49元(784円)
 →回答をくれる主要な医師は女性で、子育て経験も

□日本ではハードルの高い「オンライン医療」
・厚生労働省は2018年3月、オンライン医療についてのガイドラインを策定
 →「初診は、原則として直接の対面による診療を行うこと」などの遵守項目
・中国のオンライン医療の現状は、日本の厚労省が発表したガイドラインに違反しているケースが大量にあるに違いない
 →それでもアプリの画面からは「新しいテクノロジーを積極的に使い、より良い社会をつくっていく」という強い意志
・2020年の春節シーズンに世界を震撼させた新型肺炎(武漢肺炎)
 →武漢市政府がオンライン医療の窓口をいち早く設置

■〈サービス(7)〉ドリンクもスマホで購入「高速鉄道オンライン」
・杭州から上海へと向かう新幹線(高速鉄道)の車中、座席の肘掛けにQRコードを発見
 →スマホのカメラで読み取ると、「高速鉄道オンライン」という電車内のネットワークに接続
 →なかなかの充実ぶり。自分が座っている座席の位置も表示
・「オンライン注文」をクリック、無名メーカーのミネラルウォーター2元(32円)を発見
 →クリックすると支払い画面に移動、「合計金額15元以下は配達料2元」
 →商品と同額の配達料
 →アリペイで支払いを済ませると、「配達中」の文字
 →その後、10分ほど、女性スタッフが前方から、無言でミネラルウォーターのボトルを突き出してきた
 →昔ながらの中国らしい愛想のなさだが、合理的
・乗客にとっても売り手にとっても、スマホを使った車内販売は明らかに利便性が高い

■〈サービス(8)〉見た目は冷蔵庫の「キャッシュレス自動販売機」
・無人レストランの店内、「アリババホテル」の廊下、上海の地下鉄構内、頻繁に目撃したのが、「冷蔵庫型キャッシュレス自動販売機」
 →スマホでカギを開けて欲しい商品を取り出してドアを閉めると、自動的に決済されるという新種の自動販売サービス、「天天果園(ティエンティエングオユエン)」
・QRコードを読み取るとアカウント情報の提供を求められ、許可ボタンを押すとカチャリと音がして冷蔵庫のカギが開いた
 →商品を取り出し、ドアを閉めたら、すぐにスマホに「5元(80円)支払い」と通知
 →商品のボトルの底に幾何学模様の透明な丸いシール
 →冷蔵庫の庫内にはセンサが設置されているよう、ICタグが取り出されてドアが閉まると、自動的に購入と見なされるらしい

【体験後記】
・感じるのは、中国人の新しいものへの"受容力の高さ"
 →現在進行形で社会が大きく変化しているため、新しいサービスへの抵抗感が薄いのだろう
・日本社会のサービスは非常に洗練されているが、一方では、未熟なサービスを世の中に出しづらい環境なのかも
・中国のさまざまなサービスがすべて「QRコード」を入り口としている点も、印象的
 →QRコードはもともと日本企業の発明品、その潜在能力を最大限に生かしているのは、中国人の方かも

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