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最先端技術&新分野最前線での軋轢:特許侵害、機密盗用、情報管理

9月の協議再開が探られている米中、我が国への反発が引き続く日韓、と依然政治的に先が見通せない中、韓国への日本からのフッ化水素の輸出も許可されて半導体供給網の維持は一息安心材料となっている。一方ここにきて、最先端技術および新分野最前線での軋轢がいくつか表面化してきている。
GlobalFoundriesが、TSMCおよびその顧客のいくつかを相手取って、半導体製造関連特許侵害で提訴がまず1つ。機密盗用で、自動運転技術について元グーグル幹部の起訴、そしてHuaweiの新たな技術窃盗疑惑が取り沙汰されている。さらに、Appleの「Siri」はじめ巨大ITメーカーの情報管理の問題、そして個人データ利用の規制を問う空気が強まりを見せてきている。

≪技術でも摩擦の高まり≫

半導体ファウンドリーのGlobalFoundriesが、圧倒的最大手のTSMCおよびその顧客を相手取って以下の通り特許侵害訴訟を起こしている。今や微細化最先端を引っ張るTSMCに対して、元IBMの半導体製造部門と一体になっているGlobalFoundriesであるだけに、今後の推移に注目とともに以下にも論評が見られている。

◇GlobalFoundries Files 25 Lawsuits Against TSMC and its Customers (8月26日付け EE Times)
→GlobalFoundries(GF)が、TSMCが用いている同社半導体デバイス&製造技術について16件の特許侵害があるとして、主要20社を相手取って米国およびドイツで訴訟25件を起こしている旨。該提訴では、GFは業界を席巻している半導体メーカー、TSMCが該侵害された技術で生産している半導体の米国およびドイツでの輸入を防ぐ命令を求めている旨。

◇Lawsuit Over Computer Chips Invokes Trade War With China (8月26日付け The New York Times)

◇GlobalFoundries sues its largest competitor for patent infringement (8月26日付け Albany Business Review)

◇GlobalFoundries sues largest competitor for patent infringement, also targeting Apple, Nvidia and Cisco (8月26日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→GlobalFoundries(Santa Clara)が、同社特許侵害で最大の競争相手、TSMCを提訴の旨。New Yorkで該係争の技術でcomputer用半導体を作っているGlobalFoundriesが米国およびドイツで複数の提訴、TSMCが用いている半導体製造技術がGlobalFoundriesの特許16件を侵害としている旨。

◇GlobalFoundries sues TSMC, wants U.S. import ban on some products-GlobalFoundries targets TSMC, foundry's clients with lawsuits (8月27日付け Reuters)
→GlobalFoundriesが、TSMCおよびTSMCの顧客のいくつかを相手取って、米国への関連製品の輸入を禁ずるよう、米国およびドイツで特許侵害の提訴の旨。Apple, MediaTek, NvidiaおよびQualcommなどが、TSMCのclientsとして挙げられている旨。

◇GLOBALFOUNDRIES Files Patent Infringement Lawsuits Against TSMC In the U.S. and Germany (8月27日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇Global Foundries/TSMC Wrangle Seen Dragging Industry Down (8月27日付け EE Times)
→GlobalFoundries(GF)が昨日TSMCと始めた言い争いは、見通せる今後の間の半導体業界の伸びと利益性を妨げるもう1つの要因になりそうな旨。
「大きなインパクトは、顧客の欧州および米国への輸入品を止める差し止め命令をGFが得るかどうかだ。」と、VLSI ResearchのCEO、Dan Hutcheson氏。「これだけで2020年の該業界の回復が妨げられる」旨。

◇米GF、TSMC提訴、半導体特許侵害、輸出差し止め要求 (8月28日付け 日経)
→半導体受託生産世界3位の米グローバル・ファウンドリーズ(GF)は26日、同業最大手の台湾積体電路製造(TSMC)を特許侵害で提訴したと発表、米アップル製品などを対象に、TSMC製品を搭載する機器の米国などへの輸出の差し止めを求めている旨。トランプ米政権の保護主義に同調し、競合のTSMCを揺さぶる狙いとの見方がある旨。TSMCは27日、「全く根拠のない訴訟で、失望している」との声明を出した旨。

◇GlobalFoundries Files Multiple Lawsuits Against TSMC (8月30日付け EE Times India)

新分野最前線で機密盗用の事例があらわれている。シリコンバレーで名を馳せた元グーグル幹部が、自動運転技術を盗んだとして米国連邦検察から起訴されている。GoogleからUberに持ち込んだとのこと、これも今後の成り行きに注目である。

◇Former star Google and Uber engineer charged with theft of trade secrets (8月27日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→self-driving carsについてシリコンバレーで主要なtechnologistsの1人、Anthony Levandowski氏が火曜27日、Googleからの33件の盗用および通商秘密の盗用の試みで連邦prosecutorsにより告発された旨。米国Attorney's Office of the Northern District of Californiaからの該起訴は、Google,そのself-driving carスピンオフ、WaymoおよびライバルのUberを自動運転車を巡るhigh-stakes競争に巻き込む法廷闘争の新たな章を開いている旨。

◇Anthony Levandowski is in Trouble, Again (8月28日付け EE Times)
→(本記事筆者が当時編集者であった)Test & Measurement Worldが2005年3月号で、読者が2004 Test Engineer of the Yearとして自動運転車エンジニア、Anthony Levandowski氏を選んだと発表している旨。以降Levandowski氏はより名声を高めていっている旨。The New York Timesは8月27日付けで、Googleから通商秘密の盗用およびその試み33件で告発されたと報じている旨。

◇元グーグル幹部を起訴、自動運転技術盗んだ罪で米検察 (8月28日付け 日経 電子版 07:33)
→米連邦検察は27日、米グーグルから自動運転に関する機密情報を盗んだ罪で同社元幹部の男を起訴、男はグーグルを辞めた後、盗んだ技術を米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズに持ち込んだとみられている旨。自動運転技術の開発競争の激しさを象徴する事件として注目を集めていた旨。起訴されたのはアンソニー・レバンドウスキー(Anthony Levandowski)被告。米カリフォルニア州北部地区連邦検察の起訴状によると、同被告には企業秘密の窃盗や窃盗未遂など計33件の疑いがもたれている旨。

もう1つ、これは疑惑浮上で捜査中とのこと。米中貿易摩擦で焦点となっているHuaweiについてであり、今後に注目するところである。

◇ファーウェイ、スマホ技術窃取か=米検察が捜査−WSJ紙 (8月30日付け JIJI.COM 08:36)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は29日、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)がスマートフォンのカメラなどに関する技術的な情報を複数の企業や個人から窃取していた新たな疑惑が浮上し、米検察当局が調べていると報じた旨。

◇ファーウェイに新たな技術窃盗疑惑、米検察捜査と報道 (8月30日付け 日経 電子版 09:04)
→中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が企業から技術を盗もうとしたとして、米検察当局が捜査を開始したことが29日分かった旨。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が報じた旨。複数の企業や個人からの技術窃盗のほか、競合企業からの人材引き抜きについても調査している旨。

情報の扱い、管理が、特に米国を代表するIT企業、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)について厳しく問われる事態が続いている。Appleが「Siri」の会話の保存について、今後はやめるとともにユーザに謝罪を行っている。

◇Apple apologises for listening to Siri conversations (8月28日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

◇「Siri」との会話、保存しません−アップル、ユーザーに謝罪 (8月29日付け ブルームバーグ)
→米Appleは音声アシスタント機能「Siri」を取り巻くプライバシー問題について謝罪し、録音されたSiriとの会話の保存をやめるなど、一連の対応策を明らかにした旨。

◇米Apple、Siriの個人情報管理強化、会話例収集で (8月29日付け 日経 電子版 05:20)
→米Appleは28日、スマートフォンなどで使う音声アシスタント機能「Siri」のプライバシー管理を強化すると発表、同社は音声認識の精度を高めるため一部の会話サンプルを人間による分析に回していたが、誤作動によって利用者が意図しない内容が含まれるケースが発覚し、個人情報保護に問題があるとの批判を受けていた旨。

議会での証言も行われたFacebookであるが、以下の対応の現状があらわされている

◇Facebook given deadline to share data for research (8月28日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→social mediaプラットフォームが選挙に如何に影響を与えるかを調べているFacebookで働くグループが、同社がfake newsおよびプライバシーを巡る懸念を処理するobligationsの高まりに直面、研究者たちが約束したデータを出せていない旨。

◇Facebook tightens rules on verifying political advertisers (8月29日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Facebookが水曜28日、同社サイトにどの団体&人々が政治的広告を行うか検証する方法を強化しており、socialネットワークが、2020年米国大統領選挙に備えて、オンライン逆情報の広がりを減らすよう取り組んでいる旨。

我が国でも、IT巨人の個人データ利用を規制する指針案が公表されている。

◇公取委、IT巨人の個人データ利用を規制、指針案 (8月29日付け 日経 電子版 15:05)
→公正取引委員会は29日、プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業を独占禁止法で規制するための指針案を公表した旨。情報量や交渉力で強い立場にある巨大ITが個人のデータを吸い上げる行為を独禁法違反の恐れがあると明記。個人の利益を損なわないよう監視を強める旨。
米グーグルやアマゾン・ドット・コムなどに代表されるプラットフォーマーはビッグデータや人工知能(AI)を使ったサービスを手がけ、利用者の便利な生活に欠かせない存在となった旨。ただ利便性の対価として不当に個人情報を吸い上げる懸念もあり、各国で規制の動きが広がっている旨。

Appleの創業者の1人、Steve Wozniak氏も、IT巨人の限界からくる解体の必然性の一声を発している。

◇Apple co-founder joins calls to break up Big Tech - including Apple itself (8月28日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Big Tech解体の呼びかけのコーラスにもう1つ発言が加わり、今度はAppleのco-founder、Steve Wozniak氏。"Bloomberg Technology"でのTaylor Riggs氏との火曜27日のインタビューで、Wozniak氏は、大手ハイテクは独占乱用になりがち、Appleはすでに解体されるべき、と述べた旨。


≪市場実態PickUp≫

【米中摩擦関連】

9月1日からの新たな追加関税を控えて切羽詰まった状況の中、米中協議再開に向けた動きが以下の通りである。

◇China says wants 'calm' resolution to U.S. trade war (8月25日付け Reuters)

◇Trump Says China Badly Wants Deal, U.S. Open to Calm Negotiation-Trump threatens higher tariffs; China urges calm approach (8月26日付け Bloomberg)
→中国の米国製品に対する制裁関税発表に反応、Donald Trump大統領が、中国製品$250 billionに対する現在の関税を10月1日に25%から30%に、そして中国輸出品$300 millionに対する関税を9月1日から10%から15%に、それぞれ高める旨。中国のVice Premier(国務院副総理)、Liu He(劉鶴)氏は、落ち着いた交渉を通して該貿易係争の打開を図っていく旨。

◇Trump says China sincerely wants a trade deal: 'I'm not sure they have a choice'-Trump at G7: US justified in raising China tariffs (8月26日付け CNBC)

◇Trump stands firm on China trade war as talks poised to resume, says critics ‘don’t have the guts’ (8月26日付け Fox News)

◇米中貿易協議再開へ、トランプ氏「中国が合意望む」 (8月26日付け 日経 電子版 17:11)
→トランプ米大統領は26日、中国との貿易協議を再開する方針を表明、同日の主要7カ国首脳会議(G7サミット)後の記者会見で「中国は米国との合意を強く望んでいる」と述べ、貿易協議の進展に期待を示した旨。米国の制裁関税で中国経済が悪化していると指摘したうえで「中国は300万人超の雇用を失うことはできない」と強調、中国側に譲歩を呼びかけた旨。ムニューシン米財務長官と劉鶴・中国副首相が25日までに断続的に電話会談を繰り返したことも明らかにした旨。米中は23日、互いに制裁措置を拡大して、両国製品に課す関税率をそれぞれ引き上げると表明したばかり。

◇Beijing Says China, U.S. Still in Touch on Trade Dispute, September Talks-China, US discussing next step in trade negotiations-Official says Chinese hope to prioritize discussions about removing latest tariffs unveiled by President Trump last week (8月29日付け The Wall Street Journal)
→中国・商務省のspokesman発。米国と中国は貿易問題について依然"実効的なcommunication"を持って、9月に予定の交渉を進めるかどうか努力を尽くしている旨。中国当局は、Donald Trump大統領が発表した関税最新roundを防ぐことを目指して議論に優先順位をつけたいとしている旨。ある中国製品についての米国関税新roundは、9月1日に発効予定の旨。

株価、人民元など、摩擦インパクトが続いている。

◇Trump's aggressive, mixed signals on China whiplash Wall Street-US firms reliant on China feel pain from trade turmoil (8月26日付け Reuters)
→Donald Trump大統領の積極的だが時に矛盾した中国との取引のアプローチ、中国とのビジネス遂行に依存する米国の会社の株価が下がり始めている旨。米中貿易摩擦により最も影響を受ける各社株価が、8月のS&P 500(Standard & Poor's 500 Stock Index:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数)の出来が落ち始めている旨。

◇人民元11年半ぶり安値、アジア株軒並み安 (8月26日付け 日経 電子版 11:13)
→26日の上海外国為替市場で中国人民元相場が1ドル=7.1元台に下落し、約11年半ぶりの安値をつけた旨。中国人民銀行(中央銀行)は取引の基準となる「基準値」を小幅高で設定したものの、米中対立の激化懸念から元売り圧力が強まった旨。アジア株式相場も軒並み下落して取引が始まった旨。
香港のハンセン指数が一時3%下落したほか、上海や韓国、シンガポール株の下落率は1%前後に達した旨。

◇Dozens of technology companies have warned the Trump administration that more China tariffs would make electronics more expensive (8月28日付け Business Insider)
→IT製品に対する追加関税は、AI, Cloud, ビッグデータ, およびanalyticsなど米国が中国などの国々に対し明らかな優位性を維持している技術において特に、新技術への投資をも弱めるもの、とSemiconductor Industry Association(SIA)のDevi Keller氏。

◇Retailers howl as U.S. trade agency locks in 15% tariffs on September 1 (8月29日付け Reuters)

◇中国、資金流出を警戒、急激な元安回避へ新規制 (8月29日付け 日経 電子版 23:00)
→中国政府が海外への資金流出を抑制する新規制を導入、資金流出が加速した場合、海外送金や外貨売却が多い銀行の評価を引き下げる新ルールを適用する旨。不動産会社には借り換え目的以外の外債発行を禁じた旨。米中貿易戦争が長期化するなか、人民元相場で11年ぶりとなる1ドル=7元を突破し、当局は当面この水準を容認しているが、元安に歯止めがかからない状況は回避したい考え。

Huawei関連の停滞している動きが以下の通りである。上記のような技術窃取の疑惑が浮上しては、さらなる停滞が避けられないところである。

◇After blacklisting, U.S. receives 130-plus license requests to sell to Huawei: sources-Sources: 130-plus license requests filed for sales to Huawei (8月27日付け Reuters)

◇Is it Time to Put Huawei in the Rear-View Mirror? (8月27日付け EE Times India)
→米国半導体業界は中国市場が常にそこにあると考えているように思われるが、Huaweiは米国に次第に見切りをつけてきており、中国のほかがついていく可能性の旨。

◇米商務省、ファーウェイとの取引許可申請130件超=関係筋 (8月28日付け ロイター)
→中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との取引を求める企業から130件を超える申請が米商務省に提出されたことが、関係筋3人の話で分かった旨。だが、トランプ政権はファーウェイへの販売許可をまだ1件も付与していない旨。トランプ大領領が中国との貿易摩擦で一貫性のないメッセージを発する中、ファーウェイとの取引を巡る速やかな決定への期待も薄れつつある旨。

そして、9月1日を迎えている。

◇対中関税、1930年代並みに、米「第4弾」1日発動 (9月1日付け 日経 電子版 02:00)
→トランプ米政権は1日、中国製品に対する制裁関税「第4弾」を発動する旨。2018年夏から段階的に対象を広げてきた制裁関税は家電や衣料品など消費財に本格的に踏み込む旨。中国も同日、即座に報復する旨。二大貿易大国が互いに課す関税率は平均20%を超し、戦前の保護主義の時代に匹敵する貿易障壁が両国間に築かれる旨。2018年7月から始まった米中の貿易戦争は一段と危険な段階に入る旨。
米ピーターソン国際経済研究所によると、米国の対中国に限った平均関税率は貿易戦争が始まるまで約3%だったが、対立激化で段階的に上昇し、1日からは21%超となる旨。米国が保護主義へ向かった1930年ごろの関税率も全輸入品平均で約20%だった旨。

【日韓摩擦関連】

日韓両政府の応酬が続いて、米国からはなんとか関係改善をと求める声が出されている。

◇政府、韓国を輸出管理の優遇から除外、政令を施行 (8月28日付け 日経 電子版 00:03)
→政府は28日、軍事転用の恐れが低いとされる製品を自由に輸出できる「グループA(旧ホワイト国)」の対象国から、韓国を除く政令を施行した旨。
韓国への輸出は、経済産業省が疑わしいとみれば審査を求められるようになる旨。韓国は日本の措置に強く反発し、日韓の軍事情報協定を破棄すると決めた旨。政令の施行で、日韓の対立は一段と出口が見えにくくなる旨。

◇日韓、対話欠き袋小路、優遇除外で韓国はWTO提訴へ (8月28日付け 日経 電子版 23:00)
→政府は28日、軍事転用の恐れが低いとされる製品を自由に輸出できる「グループA(旧ホワイト国)」の対象国から、韓国を除く政令を施行した旨。7月に実施した半導体向け材料に続く輸出管理の厳格化となる旨。韓国は同日、世界貿易機関(WTO)に提訴する方針を改めて示した旨。対話の欠如が不信感を深める構図で、対立の出口が見えない旨。

◇米国防長官「日韓に大変失望」、関係改善求める (8月29日付け 日経 電子版 05:08)
→エスパー(Mark Thomas Esper)米国防長官は28日の記者会見で、日本と韓国が歴史や貿易問題で対立し、安全保障協力にも悪影響が及びかねないことについて「双方がこのような事態を続けていることにこれまでも現在も大変失望している」と語った旨。北朝鮮や中国といった共通の脅威への対処で日米韓の協力が必要との見方を示し、「(日韓が)問題を早期に解決し(協力へ)前進することを望む」と強調した旨。

半導体材料については、韓国向けの高純度フッ化水素の輸出が許可されて、産業界ではほっと一息の状況となっている、以下関連の動きである。

◇フッ化水素、韓国向け輸出8割減、7月 (8月29日付け 日経 電子版 11:13)
→財務省が29日に公表した品目別の貿易統計によると、半導体製造に使うフッ化水素の韓国向け輸出量は7月に479トンとなり、前年同月比82.4%減少した旨。日本政府が7月4日からフッ化水素を含む3品目の韓国向けの輸出管理を強化したことが響いたとみられる旨。

◇日本がフッ化水素の韓国向け輸出を許可、韓国報道 (8月30日付け 日経 電子版 00:20)
→韓国メディアは29日、日本政府が7月から輸出管理を強化した韓国向けの半導体材料3品目のうち、半導体の洗浄に使う「フッ化水素」の輸出を許可したと報じた旨。規制強化後、初めてとなる旨。高純度のフッ化水素は半導体製造に欠かせず、日本メーカーが8〜9割の世界シェアを握る旨。半導体を主力とする韓国のサムスン電子などに打撃となるほか、日本企業にとっても輸出が滞ることで、業績への影響が懸念されていた旨。

◇Japan's curbs on high-tech materials exports to South Korea could backfire (8月30日付け Reuters)

◇Japan approves second material for Samsung export: Report-Japan has approved the export of hydrogen fluoride to Samsung Electronics, the second material to be allowed since it imposed trade restrictions in South Korea in their diplomatic spat. (8月30日付け ZDNet)

◇Japan OKs 1st shipment of hydrogen fluoride to S. Korea since export curbs (8月30日付け The Korea Herald (Seoul)/Yonhap News Agency)

◇日韓、半導体供給網は維持、フッ化水素も輸出許可 (8月30日付け 日経 電子版 23:00)
→日本政府が韓国向けの高純度フッ化水素の輸出を許可した旨。日本が韓国向けの輸出管理を厳格化した7月以降、日韓の半導体供給網への影響が懸念されていたが、許可されたのは2品目となる旨。輸出許可で韓国の工場稼働停止など最悪の事態は回避でき、産業界には安堵感が広がる旨。ただ、韓国側は日本が軍事転用の恐れが低いとされる製品を自由に輸出できる「グループA(旧ホワイト国)」の対象国から韓国を除外したことへの警戒は緩めていない旨。

【5G関連】

MediaTekの5G市場への積極的な取り組みである。

◇MediaTek to step up R&D investment, bet on 5G as more Chinese firms make their own chips-MediaTek will spend more on R&D, aim for 5G phones (8月26日付け Tech in Asia (Singapore))
→MediaTekのpresident、Joe Chen氏。同社はresearch and development(R&D)予算を高める一方、5G半導体の市場シェアの競争に備えている旨。
「スマートフォンbrandsが革新を図って自前の半導体を開発し始めているこの流れに直面、MediaTekは、このフェーズが反転しても先行して最善の技術を提示する必要がある。」と同氏。

中国スマホ市場への5Gの波及である。

◇More 5G Smartphones Enter the Chinese Market (8月28日付け EE Times India)
→5G機器の主要brandsが続々挙がって、中国スマートフォン市場の形を変えている旨。

5G市場展開の見方、心構えがあらわされている。

◇On The Cusp Of 5G-5G tech is getting ready for its moment (8月29日付け Semiconductor Engineering)
→standards-compliant商用5G cellular通信が手近であり、Ericssonは、モバイル5G加入者が今年末までの10 millionの見通しから2024年末までには1.8 billionに達すると予測の旨。

◇Is 5G the Enabler for a 'Connected World'? (8月29日付け EE Times India)
→5Gは真のconnected worldを作り出す有望性があるが、我々はそっと進まなければならない旨。ドミノがうまく収まって、5Gサービスが世界中で使用可能になってきており、Keysightは変化させる時代と信じるものにおいて"位置づけを明確にする"機会と捉えている旨。

Advantestの5G関連テスト需要への対応である。

◇Advantest positive about testing demand for 5G SoC, memory-Advantest sees testing demand rising for 5G SoCs, memories (8月29日付け DIGITIMES)
→automated test equipment(ATE)の世界トップサプライヤ、Advantestには、5G system-on-a-chip(SoC)デバイスのテスト需要の増加が見えており、来年始めにはメモリ半導体テスト需要の回復を期待している旨。同社は、基地局、モバイル機器、次世代自動車およびsmart citiesなど5G応用への対応で製品ラインを格上げしている、とAdvantest Taiwanのchairman and CEO、CH Wu氏。

【「Wi-Fi 6」】

次世代の「Wi-Fi(無線LAN)」の技術「802.11ax」を導入した製品とネットワークに使われるブランド、「Wi-Fi 6」技術をサポートする半導体シリーズを、Qualcommが以下の通り披露している。
(注) 技術対応、次の通り:
   Wi-Fi 6: 802.11ax
   Wi-Fi 5: 802.11ac
   Wi-Fi 4: 802.11n

◇Qualcomm targets Wi-Fi market in push to expand beyond phones-Qualcomm sees new Wi-Fi 6 chips pairing with 5G (8月27日付け Reuters)
→Qualcommが、新しいWi-Fi 6技術をサポートする半導体シリーズを披露、向こう数年にわたってconnected機器から来るデータの押し合い圧し合いを扱うためにcarriersが採用する必要がある旨。同社は、Wi-Fiおよび5Gの両方を用いるphonesなどの機器に向けてcarriersのネットワークスがconnectionsを手渡せることにより、Wi-Fi 6が5G技術とより密接に働くと見ている旨。

◇Qualcomm Says Carriers Need to Get Serious About Wi-Fi (8月27日付け BNN Bloomberg (Canada))

◇Qualcomm fetes Wi-Fi 6, demonstrates support for new features (8月27日付け FierceWireless)
→Qualcomm Technologiesが火曜27日、San FranciscoでWi-Fi 6 Dayを主催、同社第2世代Wi-Fi 6 networking offeringsを発表、Wi-Fi 6はモバイル、computeおよび自動車など複数の製品分野が見えている勢いを謳っている旨。

【新たなDRAM fab】

Micron Technologyの台湾・台中でのDRAM fab拠点建設計画を、台湾政府が承認している。

◇Micron gets green light for NT$66 billion investment in Taiwan plant-Taiwan okays Micron's $2B investment in new fab-Micron Technology gets approval to invest NT$66 billion in new plant in central Taiwan (8月28日付け Taiwan News)
→台湾・Ministry of Economic AffairsのInvestment Commissionが、Micron Technologyによる約$2.1 billionかかる見込みのDRAM fab拠点建設計画を承認の旨。該新A3工場は台中(Taichung)のCentral Taiwan Science Parkにて建設され、将来新しいA5 DRAM fabが続くという現地メディア報道がある旨。

中国においては、Tsinghua Unigroupが重慶市に12-インチDRAM製造fabを建設する運びである。

◇Tsinghua Unigroup to set up DRAM operations HQ in Chongqing-Sources: Tsinghua Unigroup to build DRAM fab in Chongqing (8月29日付け DIGITIMES)
→業界筋発。中国国有のTsinghua Unigroupが、重慶市(Chongqing)政府との契約をまとめて、DRAM operations headquarters、R&Dおよび製造拠点を建設する旨。該契約のもとTsinghua Unigroupは、重慶市のLiangjiang New Areaに12-インチDRAM製造fabを設立、2019年末までに建設開始、公式生産を2021年に予定の旨。中国の他のメモリ半導体工場で関連プロセス技術を開発、trial生産を行ってから、重慶市工場に成熟した技術を移転していく旨。

【技術ロードマップ】

今となっては懐かしい国際半導体技術ロードマップ(International Technology Roadmap for Semiconductors:ITRS)であるが、IEEEに移されてInternational Roadmap for Devices and Systems(IRDS)としてあらわされている。このほどその更新が行われている。

◇IEEE updates IRDS-The IRDS gets an update from IEEE-The IEEE has announced the release of the updated IEEE International Roadmap for Devices and Systems(IRDS). (8月27日付け Electronics Weekly (UK))
→IEEEが、International Roadmap for Devices and Systems(IRDS)を更新、車載electronics, 通信ネットワークス, computing, internet of things(IoT)およびモバイル通信についてのrequirementsが入っている旨。該ロードマップは、cryogenic(極低温) electronicsおよび量子情報処理も取り入れている旨。


≪グローバル雑学王−582≫

AIが進化を続けて人間の知能を超え、人間の生活に大きな変化が起こる「シンギュラリティ」。我々が今までやってきていることが奪い去られる危機感を最近よく目にするが、いや、そこまでAIは万能じゃない、という視点で、

『イラストで読むAI入門』
 (森川 幸人 著:ちくまプリマ―新書 322) …2019年3月10日 初版第一刷発行

より2回に分けて見ていく前半である。人間の脳細胞は1000億個あるといわれるのに対し、大規模なディープラーニングのコンピュータは数100万個の現状とのこと。膨大な知識、論文など身についているものの、AIは、人間の無意識部分を感知できない、閃きがない、ニュアンスの理解など言葉の壁、といった現時点の限界が示されていく。


第二章 AIは万能じゃない!? …分の1…

□「特化型AI」と「汎用型AI」
・AIには大きく分けて、「特化型AI」と「汎用型AI」
 →「特化型AI」…機能を限定したAI
 →「汎用型AI」…人間のように多種多様な作業をする知能を持つAI
・AIは今はまだ特化型のものしかできていない
 →ある分野では高い能力があっても、それ以外のことはできない
 →だから当然、特化型のAIではダメなのではないか、という議論が出てくる
 →日本人は特に鉄腕アトムのイメージがあるので、その意識は強いと思う
・AIが汎用的な全方位の知能を持つのは難しいと考える学者も少なくはない

□人間の無意識部分をAIは感知できない
・全能アーキテクチャーを目指して頑張っていても、現状ではまだまだ
 →原因の1つが「フレーム問題」
  …1969年、哲学者のジョン・マッカーシー(John McCarthy)が提唱
  …半世紀経った今も、まだ解決できていない深刻な問題
・人間は無意識のうちに、実際に起こりそうなことと、まず起こらないだろうことに境界線を引いている
 →AIにはその線引きができない
・人によって線を引く位置は違う
 →基準がないものはAIに教えることができない
・記憶力がよいAIはどうするか
 →想定する範囲が広すぎて、何も決定できずに終わってしまう
・「時限爆弾のジレンマ」
 …あらゆることを考えて何もできないでいるうちに、時間が来て時限爆弾が爆発してしまう
 →AIではそのようなことが実際に起こってしまう
・AIが今では、人間に追いつくことは相当難しいと考えられるように
 →私たちの脳は、考えなくてよいことを無意識に間引けてしまう
・AIが追いつくかと思うと、人間のすごさがもっと見えてきて、また引き離されてしまう
 →今、AI学者はそんな蜃気楼を追いかけるような状況の中に

□AIには閃きがない
・ほかにAIには「直感」や「大局観」を持つのが難しいという指摘
 →羽生善治さんの言葉:「頭の中に光っている将棋盤があり、それを見に行くと、その手がある」
・一般的な将棋AI
 →打ちうる手、それぞれの評価点を計算して、もっとも評価点の高い手を選ぶ方法が一般的
・プロになればなるほど、全体の流れや、ぼんやりとした全体のかたちから見ていく「大局観」を持てるようになるといわれる
 →人間自身がどのようにして大局観を持つのかまだわかっていない
 →AIが大局観を持つことはできない
・閃きや直感というもの
 →その人の常識のフィルターが抑え込んでいる無意識の結論が出てくるのではないか、という説
・ケクレ(Friedrich August Kekule von Stradonitz)という化学者が「ウロボロス(uroboros)の蛇」の夢を見たことから、ベンゼン環の構造を発見したというエピソード
 →ベンゼン環の発見により、その後の化学は飛躍的に発展
・人間の神秘的な部分はモデルにしにくく、今はせいぜいAIのプログラムの各所に乱数を加えるくらいのことしかできない
 →「うっかり」「なんとなく」というのもAIにはできないこと
 →その辺りのことが常識の壁をブレイクスルーする1つの力になっているのではないかと個人的には思っている
・第一章で示した人間の脳をモデルにしたAI
 →人間の神経細胞「ニューロン」はお互いに結合していて、バケツリレー式に電気信号を送っていく
 →1つのニューロンはたくさんのニューロンとつながっており、それらから電気信号を受け取る
 →信号を合算した量が閾値を超えると、そのニューロンは興奮して、つながっている先のニューロンに電気信号を送る
・本来なら閾値を超えないはずの量の興奮でも、閾値を超えてしまうケース
 →人間の閃きというのはそのようなところから起こるのではないか、と考える研究者も
・人間の脳細胞は1000億個あるといわれる
 →対し、大規模なディープラーニングのコンピュータは数100万個
 →まだまだ人間とはレベルが違う
 →量子コンピュータが実用化されるようになれば夢物語ではなくなるかも

□会話はとても難しい
・AIが人間と会話するときに問題となることとして、「時間的な概念が持て
 ない」ということも
 →「そうそう、さっきの話だけど……」などと言われた途端に、AIにはもうわからなくなってしまう
・AIは生真面目にすべてを記憶(記録)
 →数年、十数年分、あるいは何十年分のすべての会話の中から、「さっきの話」との関連性を探すことに
 →「さっき」ではなく「15分前くらい」と指定しなくてはならない
・AIモデルでも過去を参照して学習するモデルが出始めているが、まだ十分な能力ではない
 →人間のように絶妙なフィルタリングは、そう簡単には実現しない

□AIにも言葉の壁が
・AIが日常生活に入ってくるようになれば、人間と自然な会話ができることが求められる
 →AIにとってそれは大変難しいこと
・今は多くのゲームが海外での発売も前提
 →ゲーム内での会話を生成したら販売先の国に合わせてローカライズ
 →AIによって言葉を生成するとすると、言語ごとにほぼ一から作り直しに
・特に日本は島国、これまで他国の言葉の影響をあまり受けなかったためか、日本語はとても不規則な言語に
 →例:「ここではきものをぬいでください」
  …「ここでは、着物を脱いでください」
   or 「ここで、履物を脱いでください」
 →例:「せいじかのおしょくじけん」
  …「政治家の汚職事件」
   or 「政治家のお食事券」
 →日本語には句読点しかなく、ひらがなかカタカナだけで書かれた場合、単語の区切りが非常にわかりにくい
 →膨大な一般常識のバックボーンを持たないと漢字変換すらできない
・「ボールペン持ってますか?」という質問の意味
 「パソコンを落としておいてください」
 →意味的な飛躍や語の省略も、AIには理解が難しい
 →加えて、日本語では同音異義語の多さなど、さまざまなことを考慮に入れなくてはならず、AIが学習したり認識したりするのがとても難しい言語
・なにしろ人間がある程度の年齢まで生きてきたら、経験から蓄積される知識は膨大な量に
 →今のところAIにそういった全知識を教えられるデータベースはない
・「京都」と聞いて「修学旅行」「自分探し」などイメージ
 →直接は関係ないけれどもよく紐付けて使われる言葉や概念(オントロジー:ontology)まで関連付けることは、AIはまだ苦手
・自然言語処理系AIをローカライズするときの言語の壁の高さ
 →それぞれの国でバックグラウンドに持っている知識も文化も違えば、ある言葉のオントロジーも異なる
 →そこまで入れなければ自然な日常会話ができるAIはつくれない
・グーグルは2018年、インターネット上で遊ぶ「Semantris」という言葉の連想ゲームをリリース
 →自動的にオントロジーのデータベースづくりを進めていこうという意図があるのかも

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