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摩擦下の第二四半期半導体販売高、前年比14.5%減、前四半期比0.3%増

米中貿易戦争にこんどは通貨安競争の危険な応酬が加わる一方、韓国向け輸出が一部許可されたが安定輸出は見通せず反発が依然収まらない日韓摩擦と、ともに予断を許さない展開が続く中、米国・Semiconductor Industry Association(SIA)より6月そして4-6月第二四半期の世界半導体販売高が発表されている。昨年末からの販売高急減そして$32〜$33 Billion台の月次販売高が続くこれまで&現時点である。第二四半期販売高は前年同期比14.5%と落ち込む一方、前四半期比0.3%増と落ち着いて見えるが、なにより世界の政治・経済の動きからくる市場の推移、激変に一層ついていかざるを得ない当面の環境を受け止めている。

≪4-6月四半期、6月の世界半導体販売高≫

米国SIAからの今回の発表、以下の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇上半期グローバル半導体販売高が2018年比14.5%減−すべての地域にわたって販売高が前年比減;2019年第二四半期販売高は第一四半期比僅かに増 …8月5日付け SIA/Latest News

Semiconductor Industry Association(SIA)が本日、2019年第二四半期の世界半導体販売高が$98.2 billionに達し、前四半期比0.3%と小幅な増加、しかし昨年第二四半期を16.8%下回った。2019年6月のグローバル販売高は$32.7 billion、前月の$33.0 billionに対して0.9%、そして2018年6月の$39.3 billionを16.8%それぞれ下回っている。2019年上半期の累計では、2018年でのそれを14.5%下回った。月次販売高はWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。SIAは、半導体製造、設計および研究における米国のleadershipを代表している。

「2019年のmidpointにて、グローバル半導体市場は依然販売高減少の期間にあり。6月までの今年の売上げは昨年のmid-year総計に約15%後れをとっている。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏は言う。「販売高は前年比で、すべての主要地域市場および半導体製品カテゴリーについて低下している。1つの希望の光として、2019年第二四半期の販売高が第一四半期のそれを辛うじて上回っている。」

6月販売高の地域別では、前月比でJapanが2.6%増となった以外はすべてマイナス、以下の通りである。

Americas
前年同月比 -29.5%/
前月比 -0.7%
Europe
-10.9%/
-2.6%
Japan
-12.8%/
2.6%
China
-13.9%/
-1.5%
Asia Pacific/All Other
-13.7%/
-0.7%

                       【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Jun 2018
May 2019
Jun 2019
前年同月比
前月比
========
Americas
8.34
5.93
5.89
-29.5
-0.7
Europe
3.67
3.35
3.27
-10.9
-2.6
Japan
3.39
2.88
2.96
-12.8
2.6
China
13.59
11.88
11.70
-13.9
-1.5
Asia Pacific/All Other
10.32
8.97
8.90
-13.7
-0.7
$39.31 B
$33.01 B
$32.72 B
-16.8 %
-0.9 %

--------------------------------------

市場地域
1- 3月平均
4- 6月平均
change
Americas
6.05
5.89
-2.7
Europe
3.43
3.27
-4.7
Japan
2.85
2.96
3.7
China
11.03
11.70
6.1
Asia Pacific/All Other
9.26
8.90
-3.8
$32.62 B
$32.72 B
0.3 %

--------------------------------------


※6月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2019/08/June-2019-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の反応、取り上げである。貿易摩擦からくる下方低迷基調が漂っている。

◇Global Semiconductor Sales Showing Continued Strain in 2019 (8月5日付け 24/7 Wall St)

◇Global semicon sales fell 16.8% y-o-y in 2Q2019 to US$98.2b, says SIA (8月6日付け The Edge Markets)

◇Mid-Year Global Semiconductor Sales Down 14.5 Compared to 2018 (8月6日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)

◇Global semiconductor sales drop 14.5% in 1H19, says SIA-SIA: Chip sales decline 14.5% in first half of 2019 (8月6日付け DIGITIMES)
→Semiconductor Industry Association(SIA)発。microchipsの第二四半期販売高が$98.2 billionの一方、6月販売高が$32.7 billion、ともに2018年同期を下回った旨。今年前半について、世界半導体販売高は前年同期比14.5%減。

◇Global Semiconductor Sales Continues Downward Trend As Trade Dispute Escalates (8月7日付け Business Times)

◇Chip market weakness lingers in second quarter (8月8日付け EE News)

2016年後半から2年あまり史上最高を更新し続ける勢いの熱い活況が続いた半導体業界であるが、これまで通りの販売高の推移の見方を続けると以下の通りとなる。昨年11月から販売高が前月比マイナスとなって以降、12月、今年に入って急激に落ち込む経緯があらわれているが、2月以降は$32 billion〜$33 billion台に押しとどまっている。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
(月初SIA発表)
 
2016年 7月 
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
2016年 8月 
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月 
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月 
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月 
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月 
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
$334.2 B
 
2017年 1月 
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月 
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月 
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月 
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月 
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月 
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月 
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
2017年 8月 
$34.96 B
23.9 %
4.0 %
2017年 9月 
$35.95 B
22.2 %
2.8 %
2017年10月 
$37.09 B
21.9 %
3.2 %
2017年11月 
$37.69 B
21.5 %
1.6 %
2017年12月 
$37.99 B
22.5 %
0.8 %
$405.1 B
 
2018年 1月 
$37.59 B
22.7 %
-1.0 %
2018年 2月 
$36.75 B
21.0 %
-2.2 %
2018年 3月 
$37.02 B
20.0 %
0.7 %
2018年 4月 
$37.59 B
20.2 %
1.4 %
2018年 5月 
$38.72 B
21.0 %
3.0 %
2018年 6月 
$39.31 B
20.5 %
1.5 %
2018年 7月 
$39.49 B
17.4 %
0.4 %
2018年 8月 
$40.16 B
14.9 %
1.7 %
2018年 9月 
$40.91 B
13.8 %
2.0 %
2018年10月 
$41.81 B
12.7 %
1.0 %
2018年11月 
$41.37 B
9.8 %
-1.1 %
2018年12月 
$38.22 B
0.6 %
-7.0 %
$468.94 B
 
2019年 1月 
$35.47 B
-5.7 %
-7.2 %
2019年 2月 
$32.86 B
-10.6 %
-7.3 %
2019年 3月 
$32.28 B
-13.0 %
-1.8 %
2019年 4月 
$32.13 B
-14.6 %
-0.4 %
2019年 5月 
$33.06 B
-14.6 %
1.9 %
2019年 6月 
$32.72 B
-16.8 %
-0.9 %


第二四半期の販売高について、ベンダー別で首位のIntelをSamsungがしっかりついている状況があらわされている。

◇Samsung starts mass production of high-performance SSD, high-density DRAM-IHS Markit: Samsung closely trails Intel in Q2 chip sales (8月9日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→IHS Markit発。Intelの第二四半期半導体販売高が$15.5 billion、microchip売上げ首位を維持する一方、あるメモリ半導体の売上げが増加、Samsung Electronicsが該四半期$13 billionでしっかりついている旨。Samsungは、同社高密度RDIMM1およびLRDIMM2 DRAMs、およびAdvanced Micro Devices(AMD)製の新しいEPYC 7002サーバプロセッサとともに用いられる第4世代PM1733 PCIe solid-state drive(SSD)の商用生産を開始、としている旨。

◇Samsung narrows Intel global chip market lead in 2Q19, says IHS (8月9日付け DIGITIMES)

さて、目が離せない米中および日韓の摩擦関連の動きについて、まず米中の基本時間順のトレースである。

米国の貿易パートナーのトップが、いまやメキシコに移っている状況である。

◇Top U.S. trading partner is no longer China, thanks to tariff war-Mexico replaces China as top US trading partner (8月4日付け MarketWatch/The Wall Street Journal)
→Donald Trump大統領が関税をさらにも増やす動き、WashingtonとBeijingの間の孤立が、米国のトップ貿易パートナーとしての中国の位置づけを失わせて加速していく移行の旨。金曜2日にリリースされたデータでは、今年上半期の米国のトップ貿易パートナーはメキシコ、次いでカナダ。中国からの輸入は12%、中国への米国輸出は19%、それぞれ落ち込み、WashingtonおよびBeijingが課す報復の関税などの障壁が損失をもたらしている旨。

来る9月1日と発動を間近に控える追加制裁関税「第4弾」への対応である。

◇対中関税第4弾、日本企業も身構え、生産移管急ピッチ (8月4日付け 日経 電子版 19:16)
→米国が1日、中国製品のほぼすべてに追加関税を課す第4弾の制裁を9月1日に発動すると表明、対象品目はスマートフォンやゲーム機、衣料品など広範囲に及び、中国に生産拠点を持つ日本企業への影響も避けられない旨。
各社は警戒を強めており、生産移管などの動きが急ピッチで進みそう。追加関税が企業の投資意欲などを冷やし、世界景気の減速感を一段と強めかねないと懸念する声も上がる旨。

ハイテク株価の急下落である。

◇Apple, Silicon Valley stocks fall sharply in Wall Street sell-off as U.S.-China trade war intensifies (8月5日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→急速にエスカレートする米中貿易摩擦の渦中、シリコンバレーの最大手ハイテク株が月曜5日急下落、Wall Streetの2019年最悪の日となった旨。

後に示す米中通貨安競争であるが、金融市場において加わる対立激化の構図である。

◇米、中国を為替操作国に指定、圧力を強化 (8月6日付け 日経 電子版 07:12)
→米財務省は5日、貿易で有利になるよう意図的に通貨を切り下げているとして中国を「為替操作国」に指定したと発表した旨。通貨・人民元の対ドル相場が1ドル=7元台に下落し、トランプ大統領が為替操作だと批判を強めていた旨。貿易問題が行き詰まるなか、圧力を強める新たな交渉カードを切った形。中国の反発は必至で、米中対立の激化は避けられない旨。

◇米中対立、日本悩ます、日銀は円高圧力を懸念 −長期金利マイナス0.215%容認 (8月6日付け 日経 電子版 22:04)
→米中対立に伴う金融市場の動揺が政府・日銀を悩ませている旨。6日には円相場が一時1ドル=105円台半ばまで上昇した旨。長期金利は約3年ぶりに一時マイナス0.215%まで低下し、日銀の誘導範囲の下限であるマイナス0.2%を割り込んだ旨。

中国から、米国農産品購入の一時停止が発表されている。

◇中国、米農産品の購入を一時停止、政府発表 (8月6日付け 日経 電子版 02:33)
→中国商務省は6日未明、米国からの農産品の購入を一時停止すると発表、トランプ米大統領が対中制裁関税「第4弾」の発動を表明したことへの制裁措置としている旨。トランプ米政権の反発は必至で、米中貿易交渉はますます対立が深まりそうな旨。

そもそも米国の関税に纏わる実態データがあらわされている。

◇U.S. Collected $63 Billion in Tariffs Through June -Tariffs generated $63B for the US in the past year-Treasury's haul accelerated last year after Trump administration imposed new tariffs in retaliation for what it said were unfair business practices (8月7日付け The Wall Street Journal)
→米国財務省発。6月30日締め12ヶ月で、米国は約$63 billionの関税を集めた旨。このデータはまた、米国政府が毎年$72 billion相当の関税を集めることができ、Donald Trump大統領の政権が9月に無税の輸入品$300 billionに10%の関税を定めれば$100 billionにも達する、と示している旨。

◇Trump's tariffs cost US businesses $3.4 billion in June, tde advocacy group says-Report tallies the cost of US tariffs (8月7日付け CNBC)
→Tariffs Hurt the Heartland coalitionからのデータ。Trump政権の課す関税は、輸入が31%落ちているにも拘らず、米国ビジネスに6月で前年同月より$2.4 billion多いコストがかかっている旨。

Huaweiへ米国メーカーが販売するライセンス手続きが停滞している一方、むしろ一層の輸出規制が強まっていく以下の流れである。

◇White House to Move Forward With Ban on U.S. Government Business With Huawei -Ban on federal contracts for Huawei moves forward-Office of Management and Budget to issue interim rule ensuring U.S. agencies aren't doing business with Huawei or several other Chinese companies (8月7日付け The Wall Street Journal)
→Trump政権が、Huawei Technologies, ZTEなど中国数社との米国政府のビジネス遂行が起こらないようにする方向に大きな1ステップ、米国機関およびcontractorsが如何にビジネスを避けるべきか、暫定規則を発行の旨。8月13日に発効する該規則は、国家セキュリティ対策懸念を引用の旨。

◇U.S. government contractors get first look at Huawei ban (8月7日付け Reuters)

◇対中ハイテク輸出規制拡大、米国防権限法、13日適用 (8月8日付け 日経 電子版 22:00)
→トランプ米政権が中国ハイテク企業の締め出しを強化する旨。2018年8月に成立した国防権限法に基づき、華為技術(ファーウェイ)など中国企業5社の製品を政府機関が調達するのを13日から禁じる旨。民間企業向けの対中輸出規制も人工知能(AI)やロボットなど対象を大幅に拡大する方針。
調達禁止の対象となるのは通信機器のファーウェイと中興通訊(ZTE)、監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、特定用無線の海能達通信(ハイテラ)。政府のネットワークに組み込んだ製品が、中国政府のスパイ活動に悪用されるのを防ぐ狙い。

◇U.S. holds off on Huawei licences as China halts crop-buying-Report: US puts the brakes on Huawei sales licenses (8月8日付け BNN Bloomberg (Canada))
→本件事情通引用、Bloomberg発。中国がアメリカ産品の購入完全中止を呼びかけ、White HouseはHuawei Technologiesへの製品販売を求める米国メーカーへのlicenses発行手続きを中断の旨。Wilbur Ross商務長官は最近、該licensesに向けて要求が50件と披露。Micron TechnologyおよびXilinxなどが政府からのlicensesを求めている一方、Broadcom, IntelおよびQualcommのCEOsはDonald Trump大統領に該販売禁止措置についての救済を働きかけている旨。

ついに、Trump大統領からは米中協議の見送りおよびHuaweiとの取引なしとのほのめかしが出されるに至っている。

◇トランプ氏、米中協議見送り示唆、ファーウェイと取引せず (8月10日付け 日経 電子版 00:50)
→トランプ米大統領は9日、「中国と合意する準備ができていない」とし、9月上旬に開く予定の貿易協議を中止する可能性を示唆した旨。中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)を巡っては「米国は取引しない」と述べ、中国と貿易問題で合意するまで制裁を続ける考えを示した旨。米中対立が長期化する可能性が高まっている旨。

次に、日韓については双方の応酬が依然続く一方、日本側から半導体材料3品目について韓国向け輸出を一部許可する方向に向かっている。連日韓国での不買運動を映すテレビ画面であるが、それぞれの立場を押し通す次元の錯綜を感じざるを得ないところである。

◇With Seoul's new export restrictions, Japan looks to Taiwan for semiconductor supply-Report says South Korea's retaliatory measures to have 'no major impact' on Japanese industry (8月5日付け Taiwan News)

◇Korea chip industry braces for new hit from Japan-Japan makes things harder for the Korean chip industry (8月5日付け Electronics Weekly (UK))
→日本が、同国から材料および製品を輸入する承認国の"White List"から韓国を外し、韓国半導体業界への日本の輸出にさらに制限を置く動きの旨。
反応してソウルは日本の顧客向けmicrochipsの輸出制限を素早く置き、台湾の半導体サプライヤを探すよう強いている旨。

◇韓国、100品目で脱日本依存目標に、支援に6800億円−優遇除外受け対策、半導体材料など年内にも (8月5日付け 日経 電子版 13:31)
→韓国政府は5日、主要な部品・素材の国産化へ向け研究開発投資に7年間で7兆8000億ウォン(約6800億円)をあてると発表、日本政府が輸出優遇国から韓国を除外したことへの対応策で100品目を戦略品目に指定した旨。このうち日本が輸出管理を厳格化した半導体材料3品目を含む20品目は1年以内に「脱日本依存」を達成する旨。ただ、部品・素材開発は長期の研究期間が必要で実現するかは不透明。

◇Japan to Resume Export of Semiconductor Materials to South Korea- Nikkei (8月7日付け U.S. News & World Report)

◇Japan approves first chip material exports to Korea since trade row-Japan allows photoresist shipment to South Korea (8月8日付け Pulse by Maeil Business Newspaper (South Korea))
→東京(日本政府)が日本のフォトレジスト・ベンダーに対し、韓国への出荷を認可、該製品の軍事使用はないと決定づけての旨。半導体製造で代表的に用いられるフォトレジストは、1ヶ月前に輸出規制に置かれた3つの半導体製造材料の1つの旨。

◇対韓輸出、一部許可も安定輸出は見通せず (8月8日付け 日経 電子版 23:00)
→韓国向け輸出管理の厳格化を巡り、政府が個別審査を求めていた半導体材料など3品目の一部を許可した旨。経済産業省は正当な手続きを経れば輸出を許可すると強調、ただ手続きは煩雑な面があり、一部品目は中国や台湾向け輸出より厳しい旨。今月末には厳格化の「第2弾」も予定され、企業が安定的に輸出できるか不透明さが残る旨。森田化学工業(大阪市)が中国でフッ化水素の生産を年内に始めるなど、素材各社は対策を急ぐ旨。

◇韓国向け輸出を一部許可へ、政府、半導体材料3品目 (8月8日付け 日経 電子版 01:30)
→政府は輸出管理を厳格化した韓国向けの半導体材料3品目について、近く一部の輸出を許可する方向で最終調整に入った旨。経済産業省が個別審査した結果、兵器転用の恐れがないと判断した旨。手続きに問題がなければ輸出できることを国内外に示す旨。ただ韓国の貿易管理体制の弱さが解消されたわけではないとしており、対象品目の輸出が円滑に進むかは不透明。


≪市場実態PickUp≫

【米中通貨安競争】

米国の制裁関税「第4弾」発動を間近に、中国が11年ぶりの人民元下落を容認、対して米国は、中国を為替操作国に正式に指定して摩擦の一層のエスカレートを引き起こしている。世界が身構える推移が以下の通りである。

◇U.S. designates China a currency manipulator, escalating trade war-US formally accuses China of manipulating its currency (8月5日付け Reuters)
→中国人民銀行が通貨、元の7-to-the-dollar leveを下回る低下を10年以上ぶりに容認、米国が、中国を為替操作国に正式に指定して、貿易戦争がエスカレートの旨。このニュースから米ドルが低下、金が6年ぶり高値に。

◇Lashing back, China lets yuan drop, halts US farm purchases-China allows yuan to fall below key threshold (8月5日付け The Associated Press)
→中国の通貨が1ドル7元の象徴的閾値を越えて弱まり、米国との緊張が高まっていく展開の旨。月曜5日の取引では1ドル約7.02元に人民元(renminbi)が低下の旨。

◇China Says Yuan Breaks 7 on Tariff Threats, Vows Stability (8月5日付け BNN Bloomberg (Canada))

◇人民元、1ドル=7元台、11年ぶり安値−米制裁関税で、元安容認にかじ (8月5日付け 日経 電子版 10:45)
→中国の通貨・人民元が5日、1ドル=7元台に下落した旨。中国本土での取引を含めると2008年5月以来、11年ぶりの安値になる旨。トランプ米大統領は1日、中国からの輸入品ほぼ全てに制裁関税を広げる「第4弾」を9月に発動すると表明、米中関係の悪化が中国経済の一段の減速や資本流出につながりかねないとの懸念が広がった旨。

◇米中通貨安競争、身構える世界、危険な応酬一段と (8月6日付け 日経 電子版 23:26)
→トランプ米政権が5日、中国を25年ぶりに「為替操作国」に指定した旨。
貿易、ハイテク覇権と続く米中の歯止めなき応酬は、ついに為替問題にまで発展した旨。トランプ大統領は人民元安を封じ込め、制裁関税の拡大で短期決戦を挑む旨。米利下げでもドル相場は約17年ぶりの高値圏にあり、米政権内には通貨売り介入論まで浮上する旨。米中の通貨安競争は、世界経済そのものを危うくしかねない旨。

◇新興国中銀、緩和のジレンマ、インドなどが利下げ (8月7日付け 日経 電子版 22:00)
→新興国を中心とした世界の中央銀行が金融緩和のジレンマに直面している旨。7月末の米利下げ後に通貨安が加速し、資本流出を招くリスクが高まる旨。それでも7日はインドが4会合連続で利下げし、ニュージーランドやタイも政策金利を引き下げた旨。米中貿易戦争の長期化で各国は景気下支えを優先したいのが本音。だが新興国は通貨安で緩和余地が限られており、米欧の利下げ路線に追随できなくなる可能性がある旨。

◇人民元、基準値11年ぶり7元台、当局が元安容認の見方 (8月8日付け 日経 電子版 10:46)
→中国人民銀行(中央銀行)は8日朝、人民元取引の目安となる基準値を1ドル=7.0039元に設定、基準値が7元台となるのは2008年5月以来、約11年ぶり。人民銀が相場形勢に大きな影響力を持つ基準値を7元台としたことで、中国当局が緩やかな元安を容認しているとの見方が強まりそうな旨。

◇人民元、基準値7.0136元、7営業日続けて元安方向 (8月9日付け 日経 電子版 10:47)
→中国人民銀行(中央銀行)は9日朝、人民元取引の目安となる基準値を1ドル=7.0136元に設定、前日に比べ0.0097元の元安・ドル高。基準値としては7営業日続けて元安となり、2008年4月以来の元安水準を更新した旨。
7元台の基準値設定は2日連続となる旨。

【Flash Memory Summit関連】

第14回annual Flash Memory Summit(2019年8月6-8日:SANTA CLARA)に合わせて、フラッシュメモリ関連の各社の取り組みが一斉にあらわされている感じ方である。

まずは、東芝メモリの「XL-FLASH」および「XFMEXPRESS」関連である。

◇Toshiba Memory Introduces XL-FLASH Storage Class Memory Solution (8月5日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→東芝メモリの米国子会社、Toshiba Memory America社(TMA)が、新しいStorage Class Memory(SCM:あるいはpersistentメモリ)、XL-FLASH(TM)を打ち上げ、1-bit-per-cell SLCとともに同社の革新的なBiCS FLASH(TM) 3Dフラッシュメモリ技術に基づいて、XL-FLASHはデータセンターおよびenterpriseストレージに低latencyおよび高性能をもたらす旨。サンプル出荷が9月に開始、量産は2020年に始まる予定の旨。

◇XL-FLASH storage class memory solution-Toshiba unveils XL-FLASH tech as storage-class memory -Toshiba Memory Europe has launched a new Storage Class Memory(SCM) solution: XL-FLASH. (8月6日付け New Electronics)

◇東芝メモリ、128ギガの次世代メモリ開発 (8月7日付け 日刊工業)
→東芝メモリは6日、次世代メモリと呼ばれるストレージ・クラス・メモリ(SCM)の新製品「XL-FLASH」を開発したと発表、9月から一部顧客向けに128ギガビットチップ品のサンプル出荷を始める旨。2020年の量産開始を予定。データセンターや高速SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)での採用を目指す旨。

◇Toshiba Offers Tiny Alternative to Soldered-Down SSDs-Toshiba unveils XFMEXPRESS form factor, BLDC(ブラシレス) motor chip (8月7日付け PC Magazine)
→新しいXFMEXPRESS外形は、soldered-down BGA SSDs代替の一方、容易にremovalおよびupgradesが行える旨。

◇Toshiba Memory's XFMEXPRESS Technology Awarded ‘Best of Show’ at Flash Memory Summit 2019 (8月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Toshiba Memory Corporationの米国子会社、Toshiba Memory America(TMA)社発。removable PCIe attached, NVM memory devices用の同社XFMEXPRESS技術が、Flash Memory Summit(2019年8月6-8日:SANTA CLARA)の‘Best of Show’ awardを受賞の旨。小型寸法, 速度およびserviceabilityの強力な結合を特徴とし、XFMEXPRESS技術は次世代モバイルおよびembedded応用を高めるために開発された旨。

SamsungおよびSK Hynixの100層V-NANDの取り組みが以下の通りである。 

◇Samsung produces SSD with 100-layer V-NAND-Samsung debuts 100-layer V-NAND flash memory for SSDs-Samsung continues to stay ahead of the pack by beginning production of the industry's first 100-layer V-NAND aimed at enterprise SSDs. (8月6日付け ZDNet)
→Samsung Electronicsが、enterprise-class PCs向けsolid-state drives(SSDs)で用いられるV-NANDフラッシュメモリデバイスの量産を開始の旨。
グローバルPCsメーカーが、該256-gigabit, 3-bit V-NANDフラッシュメモリを用いる旨。

◇Flash Stacks Sloooowly Rise-Samsung, SK Hynix cross 100-layer milestone-Toshiba joins race to low-latency NAND-On new accelerators, software and China (8月7日付け EE Times)
→第14回annual Flash Memory Summit(2019年8月6-8日:SANTA CLARA)にて、NANDベンダーおよびパートナーが有利な立場を得ようと画策の旨。
SamsungおよびSK Hynixは今年100層を上回る3D半導体を出荷とする一方、東芝メモリはDRAM市場に食い込む期待のlow latency NANDをお披露目の旨。該発表などが溢れる聴衆を引きつけた今年のイベントの数少ないハイライトであり、SamsungあるいはMicronからの基調講演ではない旨。
SK HynixおよびWestern Digitalがともに、ストレージ拡大に向けた次の梃子としてソフトウェアを推進、展示フロアはPCIe Gen 4 solid-state drives(SSDs)および多彩なストレージacceleratorsが寛大に散在の旨。

◇Flash Stacks on the Rise-Samsung and SK Hynix announced 100+ layer 3D NAND and Toshiba discussed a low latency part at the Flash Memory Summit. (8月8日付け EE Times India)

MRAMのEverspin Technologies社が受賞で登場である。

◇Everspin Honored with Best of Show Award for Most Innovative Flash Memory Technology at Flash Memory Summit 2019 (8月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→Magnetoresistive RAM(MRAM)の開発&製造のEverspin Technologies社が、Flash Memory Summit(2019年8月6-8日:SANTA CLARA)の昨晩のawards ceremonyにて、最も革新的なフラッシュメモリ技術についてBest of Show Awardを受賞の旨。世界初、1 Gb Spin-transfer Torque MRAMの貢献を認めての旨。

【インテル関連】

インテルの10-nm半導体は登場が遅れることでよけいに注目というところがあるが、最初のプロセッサについての分かれるさまざまな評価があらわされている。

◇Intel 10nm Chip Gets Mixed Reviews (8月4日付け EE Times)
→Intelのずいぶん遅れた10-nm nodeでつくられた最初のプロセッサの当初の批評がさまざま、少数が統合グラフィックスを称賛、しかしCPU改善はせいぜい控え目としている旨。コード名、Ice Lake, pack Wi-Fi 6およびThunderbolt 3のnotebook ICファミリー11メンバーは、最大64個のGPU executionエンジンとともに現状の半導体の数の2倍を上回ってサポートの旨。今日の14-nm品の約35Wに対して、9-28Wでの動作の旨。

◇Mixed Reviews for Intel's 10nm Chip-Reviewers praised the improved graphics but noted lackluster CPU gains on Ice Lake, Intel's first mainstream 10nm chip. (8月7日付け EE Times India)

インテルと中国・Lenovo GroupのAIを加速する連携である。

◇New Lenovo And Intel Partnership To Accelerate AI, High-Performance Computing Innovation-Lenovo teams with Intel for AI, HPC tech-‘Our extended collaboration with Lenovo combines the best of both companies’ innovations to drive our customers’ progress forward even faster,’ says Intel’s data center leader, Navin Shenoy. (8月5日付け CRN (US))
→Lenovo GroupとIntelが、artificial intelligence(AI)および高性能computing技術の取り入れで協働、LenovoのTruScaleインフラを利用する旨。Intelは、Intel oneAPI programming framework, Intel Optane DC persistentメモリおよびAI-optimized Xeon Scalableプロセッサを供給する旨。

次世代"Cooper Lake" Xeon Scalableプロセッサが、次の通りあらわされている。

◇Intel Xeon Cooper Lake To Bring 56-Core CPUs To The Masses (8月6日付け CRN (US))

◇Next-generation Intel Xeon Scalable processors support up to 56 processor cores-Intel debuts Xeon Scalable processors with up to 56 cores (8月7日付け DIGITIMES)
→Intelの次世代"Cooper Lake" Xeon Scalableプロセッサは、最大56個のコアをサポート、artificial intelligence(AI)および高性能computing応用に向けた処理能力が得られる旨。該新半導体は来年の上半期の間に出荷され、10-nmプロセスで作られる今後の"Ice Lake"サーバプロセッサとコンパチとなる旨。

【AMD関連】

インテルに長年対抗してきているAdvanced Micro Devices(AMD)であるが、まずは同社CEO、Lisa Su氏の噂話の打ち消しから。

◇AMD CEO Lisa Su Denies Report That She's Leaving For IBM-Lisa Su says she is staying at AMD (8月6日付け CRN (US))
→Advanced Micro Devices(AMD)のCEO、Lisa Su氏がIBMに移ろうとしているというWccftech news websiteによる報道が、同氏により明確に打ち消された旨。「はっきり言っておくが、この噂には真実はない。AMDを愛しているし、最善はまだこれから!」とtweet反応で同氏。

本業の目玉として、現在市場で最高速のx86-アーキテクチャー半導体と謳うEPYC 2 "Rome"プロセッサが打ち上げられている。TSMCの7-nmプロセスで作られ、新規大物顧客の獲得はじめインテルを打ち負かすアピールが続いている。

◇AMD lands Google, Twitter as customers with newest server chip-Google, Twitter commit to using AMD's EPYC 2 server chips (8月7日付け Reuters)
→Advanced Micro Devices(AMD)発。GoogleおよびTwitterが、データセンター用optionsとしてAMDの第2世代EPYCサーバmicrochipsを提示の旨。AMDのCEO、Lisa Su氏は、EPYC 2 "Rome"プロセッサが現在市場で最高速のx86-アーキテクチャー半導体であるとしている旨。

◇AMD CEO: Epyc 2 chips are the world's fastest x86 processors (8月7日付け VentureBeat)

◇AMD targets Intel's enterprise customers in its bid for chip dominance (8月8日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Advanced Micro Devices(AMD)社が水曜7日、同社第2世代サーバ半導体を打ち上げ、GoogleおよびTwitterを新たな顧客と謳っている旨。

◇AMD Says New Server Chip Is Faster Than Intel's Pricier Offering (8月8日付け Bloomberg)
→Advanced Micro Devices(AMD)社が、同社の新しいサーバプロセッサをライバル、Intel社からのずっと高価なpartsより性能が上回ると販促、該製品の新規顧客としてGoogleを獲得している旨。AMDのEpyc半導体は、64個の処理コアをもち、新しい製造技法、7-nanometerで作られる旨。

◇Microsoft, Google Gravitate to AMD's Rome (8月9日付け EE Times India)
→GoogleおよびMicrosoftが、Intelの儲かるサーバ市場に対抗するAMDの最新x86プロセッサ、Romeを使用する旨。AMDは、本日打ち上げた同社第2世代、Epycをもって、不確かなサーバ市場にも拘らずIntelからより多くのsocketsを取り戻す様相の旨。該半導体の7-nm TSMCプロセスで作られたupgraded Zen x86 coresとさらなるPCIeおよびDRAM channelsを合わせて、Intelの最新Xeonより低コストでより高い性能およびI/Oが得られる旨。

【BroadcomのM&A】

Qualcommまで飲み込もうとしたBroadcomの飽くなきM&A戦略の矛先という感じ方であるが、こんどはセキュリティのSymantecに向けられている。会社全体の買収は不調に終わって、取り出したenterpriseセキュリティ事業を$10.7 billionでという内容である。同社CEO、Hock Tan氏の取り組みように注目している。

◇Broadcom in advanced talks to buy Symantec's enterprise business: sources-Broadcom, Symantec reportedly in talks over enterprise unit (8月7日付け Reuters)
→全社買収の試みが先月不調に終わって、Broadcomが、Symantecのenterprise事業を買収しようとしている旨。$10 billionの取引の可能性の旨。

◇Broadcom Nears Deal to Buy Symantec's Enterprise Business -Potential deal could value Symantec division at around $10 billion, according to a person familiar with the matter (8月7日付け The Wall Street Journal)

◇Broadcom in talks to acquire Symantec's enterprise unit (8月8日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

◇Broadcom to buy Symantec's enterprise unit for $10.7 billion in software push-Broadcom to acquire Symantec unit in $10.7B deal (8月8日付け Reuters)
→Broadcomが、ソフトウェア事業強化に向けてSymantecのenterprise部門を$10.7 billionで買収。「M&AはBroadcomの成長戦略で中心的な役割、この取引は次への論理的ステップとなる。」と、買収を通して同社の株式時価総額を約$108 billionに急拡大した同社CEO、Hock Tan氏。

◇Broadcom's $10.7B purchase of Symantec's enterprise security business a 'great outcome,' analyst says (8月8日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Broadcomが、Symantecのenterpriseセキュリティ事業を$10.7 billion in cashで買収、1人のアナリストが"a great outcome for Symantec"と表わす取引。


≪グローバル雑学王−579≫

元陸上自衛隊陸将の筆者の目で、米中経済戦争を軍事的視点で読み解いている書、

『軍事的視点で読み解く 米中経済戦争』
 (福山 隆 著:ワニブックス「PLUS」新書) …2019年3月25日 初版発行

も、今回で読み納めである。今年3月に発行された本書であるが、米中摩擦は追加制裁関税「第4弾」発動予定が打ち上げられ、一向に両国の応酬が収まる気配はなく、むしろ激化の一途を辿る現時点となっている。我が日本は「米中激突」という国難にいかに対処すべきか、最後の章で著者の見解が展開されている。所詮我が国は地政学的には"ひ弱な山桜"、日米同盟を基軸として中国の影響力が強まる東アジアの中で如何に巧妙に新しい立ち位置にシフトするか、今のうちに考究すべきとしている。日韓摩擦が加わる現時点、一層の必要性、重みを感じている。半導体業界の進展、動きを追い続ける中、ますます目が離せない世界の政治・経済の動きである。


第八章 日本は「米中激突」という国難にいかに対処すべきか

〓地政学で見る日本―――"ひ弱な山桜"
・日本は島国であるゆえに、外敵にとっては周辺の海洋がバッファーゾーンとなり、近世までは極めて安全な国
 →しかし、高性能の艦船、航空機、ミサイルなどの出現により、海洋が持つバッファーゾーンとしての効用は失われた
・日本の地理的な位置は、米中ロにとって、アジア・太平洋の覇権を争う上で"天王山"の価値を有する
・日本は、国土の広さ、資源、人口などの制約から、米中ロ(冷戦期はソ連)3国に軍事や外交で対抗することは不可能
 →日本は安全保障のために、米中ロいずれかの国と同盟を結ぶというのが常識的な外交・防衛政策
・米中ロの戦略的な組み合わせは、白紙的に考えれば以下の5つのケース
 →ケース1:米中ロ・総対立
 →ケース2:米中ロ・総友好
 →ケース3:米中・友好、ロ・孤立…米中接近(1972年)から冷戦崩壊後(2004年頃)まで
 →ケース4:中ロ・友好、米・孤立…米中接近(1972年)以前の冷戦期と冷戦崩壊(2004年頃)から今日まで
 →ケース5:米ロ・友好、中・孤立…トランプ政権が模索か?
・現在は、「ケース4:中ロ・友好、米・孤立」の状態
 →日本の外交は、地政学上受動的にならざるを得ず、その時々の米中ロの組み合わせの中で"生き残り"を図らなければならないという宿命
・距離的に見れば、日本は米国よりも中国の方が圧倒的に近い
 →戦略的に見れば、さまざまな意味
・筆者が考えた米中パワーバランスの変遷(冷戦時代と現在)のイメージ
 →近年、中国が台頭、アメリカが凋落傾向にあり、均衡点は東方に移動しつつある
 →トランプ政権が軍事力を再強化すれば、パワーバランスの均衡点は再び西方に押し戻すことができるかも
 →米中パワーバランスの観点から、米中経済戦争の帰趨が日本外交に極めて大きな影響を及ぼすのは当然
・我々日本人は、アメリカ、中国、ロシアという巨峰の谷間に咲く"ひ弱な山桜"にたとえられる地政学上の宿命を背負っている
 →強かに生き残る覚悟を持ち、柔軟な思考による現実的な外交・軍事政策を駆使することが必要

〓日本は米中覇権争いの狭間でどう動くべきか
・日本は米中覇権争いの中ではメインプレーヤー(主役)ではなくサブプレーヤー(脇役)にすぎない
 →しかし、日本の地政学的な位置と国力は米中の覇権争いに大きな影響を与え得る
 →日本の地政学や国力を生かして米中と一定の駆け引きをすることはできる
 →日本の総合的な戦略や国益という観点から「是々非々」で対処すべき
・一方の中国、日本を自陣営に引き込むために、最近では軟化の兆し
 →日本は、中国の足元を見つつ「今取れるものは取る」という強かさが必要
 →歴史問題や、尖閣諸島問題などでは、中国に対して大いに譲歩を勝ち取るべき
・米中新冷戦は、長引く可能性が高い
 →日本は、総力を挙げて米中のパワーバランスの変化について情報の収集・分析に努めるべき
・現状のように米国優位の中では、日米同盟に基づき最大限米国をアシストすべき
 →日本にとってパックス・アメリカーナに勝る世界はない
 →日米同盟を基軸とする日本が、中国の影響力が強まる東アジアの中で如何に巧妙に新しい立ち位置にシフトするか、今のうちから考究しておくべき
・日本として、絶対に避けるべきは米中の軍事対決
 →主戦場は北東アジア、なかでも日本周辺となるだろう
 →日米同盟のために、日本だけが夥しい流血の惨事に巻き込まれる必要はない
・米中戦争を抑止する観点からは、日米同盟を限りなく強化、さらに充実させる必要
 →日米同盟は我が国の安全から見れば、「諸刃の剣」であることを深く認識する必要
・日本国民は、生き残るために、冷静かつ賢明であるべき
 →挙国一致で「生き残り」を論ずるべき

≪あとがき≫

・本書を「私が自力だけで書いた」という気持ちは全くない
 →ある強い力による導きがあったことを実感
 →見えてきたのは、「世界は未曽有の不安定化、そして大変革期にさしかかっており、特に日本を取り巻く東アジア情勢には、一歩間違えれば、空恐ろしいほどの悲劇が発生する可能性がある」という現実
・人類の力を超えた、見えざる存在の計らいにより、人類・日本に悲劇が襲わないことをひたすら心から願うばかり

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