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「iPhone X」発表に呼応する、7/10-nmプロセス対応の打ち上げ

米国・アップルよりスマートフォン「iPhone」の新モデルが、予定通り9月12日に発表され、過去最高を塗り替えて最高潮の半導体市場・業界においても早速の反応が相次いでいる。「iPhone X(テン)」はじめ3機種、新たな時代に向けた顔認証、など様々な報道ですでに示されている通りである。これに呼応するように、その次の世代に向けた7/10-nmプロセス対応のアップデート・プレゼンが、SamsungおよびTSMCから行われ、来年前半での先端度および量産化リリースのしのぎを削る熱い競争に一層の拍車がかかっている。

≪市場最高潮の中の連弾花火≫

「iPhone」の新モデルはじめアップルの新製品発表会の直前での見方が、以下の通りまとめられている。

◇アップル発表会、新iPhone、AR時代到来告げるか (9月12日付け 日経 電子版)
→アップルは米東部時間12日13時(日本時間13日2時)、米カリフォルニア州クパチーノにある新社屋スティーブ・ジョブズ・シアターで新製品発表会を開く旨。主力のスマートフォン「iPhone」の新モデルを発表する見通し。販売開始から10周年にあたる記念モデルの特徴は何か。以下の注目点:
 *iPhoneは3機種投入か …現行の4.7インチ画面「7」と5.5インチの大画面モデル「7プラス」のアップグレード版2種。最大の注目は新型のiPhone。
 *新モデル、注目は本格的なAR(拡張現実)機能
 *新iPhone、市場は2桁の増収率回復を期待
 *需要喚起、消費者の「気づき」カギ

10周年記念iPhoneはどんなものか、大きな注目を浴びる中での発表会が行われ、やはりその「iPhone X(テン)」を中心とした業界各紙の取り上げが以下の通りである。顔認証はじめいろいろな切り口&パラメータ分析である。

◇iPhone X Packs Upgrades at a Price (9月12日付け EE Times)
→Appleが、処理電力、ディスプレイ技術更新およびワイヤレス給電など新しいcapabilitiesを盛り込んだ3つの新しいiPhonesを打ち上げ、店頭小売価格$999からの新しいflagship、10周年記念iPhoneなどの旨。該新flagship iPhone, iPhone X(10と読む)、並びにiPhone 8およびiPhone 8 Plusは、Appleの新しいcustom A11 Bionic半導体を搭載、先行のA10 Fusionより性能および効率を大きく改善、artificial intelligence(AI)をサポートするneuralエンジンを統合、Apple初の社内設計GPUでもある旨。該A11 Bionicは、64-ビット, 43億個トランジスタのCPUであり、6つのコアを搭載、2つの高性能コアはA10 Fusionのそれより25%高速、4つの高効率コアはA10 Fusionより70%効率が高い旨。iPhone Xでの認証用顔認識サポートに用いられるneuralエンジンは600 billion operations per second(BOPS)が可能の旨。

◇Apple packed an AI chip into the iPhone X-The main use for the AI chip that Apple talked about on Tuesday is quickly performing face recognition.-The launch follows Apple's introduction of the Core ML artificial intelligence library.-Apple's iPhone X's AI chip allows for facial ID (9月12日付け CNBC)
→Appleの新iPhone Xには、artificial intelligence(AI) workloadsを扱うよう設計された専門の半導体があり、該A11 bionic neuralエンジンは、顔を認識してロックを解いたり機器上でのものの購入を行うなど、600 billion operations each secondを取り扱うよう設計されている旨。

◇iPhone X Use Which Sensors For Face ID?-...and where does ST fit in? (9月13日付け EE Times)
→Appleが、touch-ベース指紋IDをiPhone Xではまったく取り除いてFace IDに今後を懸けている旨。新しいUIを導入、Appleは"スマートフォンのユーザ体験全体を新しく取り替えて"いる、とYole Developpementのimaging & センサ、activity leader、Pierre Cambou氏。ユーザはFace IDをもって新iPhoneとの“eye contact”だけでロックがあけられる旨。該iPhone Xはまた、emojis(絵文字)をanimated emojis, Animojiに変えられる旨。センサが50以上の異なる顔の筋肉の動きを捉えて解析、ユーザがemoji charactersのパンダ、鶏あるいはunicornなどの表情を変えられる旨。端的には、iPhone Xで運用されている多くのセンサは主にfacial ID用であるが、AnimojiそしてAugmented Reality(AR)など他のアプリも可能にしている旨。

◇iPhone X Packs Upgrades-at a Price-Apple's new flagship smartphone offers facial recognition authentication, wireless charging, optimizations for augmented reality and more... but costs $999 and up. (9月13日付け EE Times India)

新たな時代&需要に向けた「iPhone X」について、論評そして実際に手にしてみての感想など、刻々と続いている。

◇iPhone 10周年で大刷新、11万円台、高級路線鮮明−最上位機種「iPhoneX」、ホームボタン廃止、顔認証、無線給電、AR機能も (9月13日付け 日経 電子版 05:04)
→米アップルは12日、米カリフォルニア州クパチーノの新本社で新製品発表会を開き、スマートフォン最上位機種「iPhoneX」の投入を発表した旨。
初代iPhone投入から10周年がたち、スマホ市場は成熟し始め価格は下落傾向にあるが、アップルは既存機種の刷新とは別に、デザインを大幅に変えた10万円以上の最上位モデルを追加。IT業界の高級ブランドとして、あえて単価引き上げに動いた旨。ただ、iPhoneXは量産立ち上げが難航しており、発売は11月3日となり、10月27日から予約できる旨。

◇ファンの冒険心くすぐる「iPhoneX」:現地ルポ−最大の武器は「絵文字+顔認証」 (9月13日付け 日経 電子版 07:48)
→「iPhone」の新たな最上位モデル「iPhoneX(テン)」を現地で早速使ってみての記事。以下、抜き出し:
 *さすがアップルという印象だったのが顔認証の絵文字への応用。カメラの前で顔の表情を変えるとそれが絵文字のキャラクターに直接反映され、それをそのまま記録してメッセージに添えて送れる。口の細かな動きに対する反応は抜群で楽しい。
 *結論としてはiPhoneXはスマホに使い慣れ、既存モデルに飽きた新しいもの好き向け製品だろう。同時に発表した既存モデルの更新版の「iPhone8」も質感はいい。カメラ機能や処理速度も向上している。ただ、現行モデルからの変化に乏しく退屈な印象を受けた。

◇スマホ10年、買い替え照準、アップル「iPhoneX」 (9月13日付け 日経 電子版 20:49)
→米アップルが12日、11万円台からとなるスマートフォン「iPhone」の最上位機種「X(テン)」を発表、スマホは誕生から10年が経過、はやくも市場成熟化が懸念されるなか、アップルは改めて機能アップに力を注ぎ、高級路線を貫く旨。
「ウィンドウズ95」発売が起爆剤だったパソコン市場はその後、16年でピークを迎えた旨。アップルが初めてスマホを世に送り出したのが2007年。
牽引役だった中国が今年初めて減少に転じる見通しであるなど、スマホ市場も確実に転機を迎えている旨。
IT業界がスマホの次に来る巨大な情報端末市場として見ているのは自動車。アップルはこのほど一時は計画を縮小していた自動運転向けシステムの開発を再び本格化している旨。

一層の分析、評論が引き続き以下の通りである。

◇新型iPhone、22日に発売―液晶主体、陰る日本企業、搭載部品、韓台勢が台頭 (9月14日付け 日経)
→米アップルは新機能を詰め込んだ「iPhone X(テン)」で、基幹部品であるディスプレイを液晶から有機ELに切り替えた旨。iPhoneに有機ELを採用するのは初めてで、韓国サムスン電子が独占的に供給する旨。2017年モデルは1機種のみだが、2018年には2機種に有機ELを採用する見通しで、液晶一辺倒だった日本勢の出荷量は減る可能性が高い旨。
 【表】iPhoneの主な部品メーカー
  半導体の製造受託  TSMC
  メモリ系半導体   サムスン電子、SKハイニックス、東芝
  ディスプレイ関連  サムスン電子、LGディスプレイ、
             ジャパンディスプレイ、シャープ
  その他電子部品   村田製作所(受動部品、通信 モジュール)、
            TDK(受動部品、電池)、
             ソニー(イメージセンサ)、
             アルプス電気(カメラ用部品)など

◇iPhone X発表、アップル、通信に新機軸、ウオッチ、複数端末で回線共有、TV、配信映画、画質4Kに (9月14日付け 日経産業)
→無線充電では、電磁誘導方式で「Qi(チー)」と呼ばれる規格を採用。

◇MicroLED Pits Big Apple vs. Tiny LED Chips-Does microLED even exist? Why do we care? (9月15日付け EE Times)
→今週披露されたAppleのiPhone XはiPhoneとして初めてOLEDディスプレイを採用、競合のSamsungおよびLGのOLEDスマホ市場化から後れた旨。AppleがOLEDのすべての利点を盛り込んで、あるいはmicroLEDのようなもっといいものを自前のディスプレイ技術として開発するとすればどうか?
MicroLEDディスプレイは、個々のpixel要素を形成するmicroscopic LEDsアレイから成る旨。

中国勢が伸ばしている現下のスマートフォン市場であるが、アップルも巻き返しが求められる以下のデータとなっている。

◇Huawei Tops Apple in Smartphones, Analyst Says (9月9日付け EE Times)
→市場リサーチのCounterpoint(香港)、9月5日付けレポート。中国最大のスマートフォンメーカー、Huaweiが、主に本国市場でのconsumer需要の力強さに立ってこの6月および7月の間の世界販売高でAppleを初めて上回って、新たなNO.2になっている旨。中国は世界最大のスマートフォン市場であり、世界19億のユーザの約3分の1を占める旨。

アップルの新製品発表に時を揃えるように、半導体最先端プロセス対応のアップデート・プレゼンが行われており、まずSamsungより以下の通りである。

◇Samsung Strengthens Advanced Foundry Portfolio With New 11nm LPP and 7nm LPP With EUV Technology -Samsung also confirms development of 7nm LPP with EUV is on schedule (9月10日付け Businesswire)

◇Samsung adds 11nm process to foundry portfolio-The latest process is in-between the 10-nanometre and 14-nanometre that the South Korean tech giant is currently offering.-Samsung offers an 11nm process for foundry (9月11日付け ZDNet)
→Samsung Electronicsが、ファウンドリー顧客向けに低電力11-nm FinFETプロセスを開発、2018年前半にリリースする計画の旨。該11LPPプロセスにより、性能が15%改善、面積が10%減少する一方、電力消費は同社14-nmプロセスと同じである旨。

◇Samsung expands chip foundry portfolio with new tech (9月11日付け Yonhap News Agency (South Korea))

◇Samsung Says EUV on Schedule for 2018 (9月12日付け EE Times)
→韓国・Samsung Electronics Co. Ltd.(Seoul)が、extreme ultraviolet(EUV) lithographyを来年の後半に7-nm Low Power Plus(LPP)プロセスで初期生産に引き続き入れていく予定を確認の旨。同社はまた、FinFET技術を活用する11-nm LPPプロセスの同社プロセス技術offeringsへの追加を発表、同社14-nm LPPプロセスに比べて最大15%の性能向上および最大10%の半導体面積削減の一方、電力消費は同じである旨。

◇Samsung intros 11nm LPP process; 7nm LPP with EUV on schedule (9月12日付け DIGITIMES)

◇サムスン、11-nm半導体を来年上期に量産 (9月12日付け 日経)
→韓国サムスン電子は11日、スマートフォンなどの頭脳の役割を果たす半導体について、回路線幅11-nmの新製品の量産を2018年上半期に始めると発表、現行の同14-nm品に比べて、面積が最大1割小さくなる旨。米アップルなどの高級スマホを巡り、サムスンと台湾の同業の間で受注競争が激化しそうな旨。

そして、TSMCからも対応、競う形で次の通りである。

◇TSMC Updates its Silicon Menu-First 7-nm chips, EUV migration described (9月14日付け EE Times)
→TSMCがannualイベント(SANTA CLARA, Calif.)にて、7-nmおよびextreme ultraviolet(EUV) lithographyの進捗を報告、fully depleted silicon-on-insulator(FD-SOI)と競合するplanarプロセスを支持&強化、また、重要市場分野に向けた実装およびプラットフォームの取り組みを更新の旨。30周年を迎えた同社は、今年10以上の7-nm半導体tape outを行い、来年量産開始予定の旨。その半導体の中には、最大4 GHz動作のquad ARM A72 coreプロセッサ(たぶんHuaweiのKironモバイルプロセッサ)、CCIX開発プラットフォームおよび名前が公表されていないARMサーバプロセッサがある旨。

7-nm FinFETプロセス技術について、TSMC、ARMなど連携が発表され、高速化、高性能化に向けたキーワード、Cache Coherent Interconnect for Accelerators(CCIX)が目を引くところである。

◇TMSC, ARM, Xilinx, Cadence Partner on 7-nm Process (9月11日付け EE Times)
→Xilinx, ARM, Cadence, およびTSMCが、データセンター応用の高速化を約束、来年に向けた7-nm FinFETプロセス技術におけるテスト半導体を構築する連携を発表、該半導体はCache Coherent Interconnect for Accelerators(CCIX)のシリコンの初めての披露となり、off-chip FPGA acceleratorsとともにcoherent fabricにより働くmulti-core高性能ARM CPUsを可能にする旨。

◇Xilinx, ARM, Cadence and TSMC to build CCIX Chip-Companies coalesce around CCIX test chip (9月11日付け Electronics Weekly (UK))

◇Xilinx, ARM, Cadence and TSMC collaborating on CCIX test chip (9月12日付け DIGITIMES)

◇CCIX - What And Why?-Examining the specification's key benefits for high-performance applications. (9月14日付け Semiconductor Engineering)
→今日のI/O interconnectsに纏わる2つの大きな問題点:
 *高速ストレージおよびnetworking応用が、現状有効な技術で得られるよりさらにバンド幅を必要としている
 *co-processing/acceleration機能が、heterogeneous multi-processorシステムにおけるメモリアクセス高速化にcache coherencyを必要としている
このような要求が、新スペック、Cache Coherent Interconnect for Accelerators(CCIX)の展開を引っ張っている旨。

7/10-nmプロセス対応について、EUV lithography装置の展開見込みがあらわされている。

◇Chip Execs More Bullish on EUV-Surveys take temperature on litho, masks (9月11日付け EE Times)
→この夏にわたって行われたeBeam Initiativeの調査発。75の半導体指導層について、75%がextreme ultraviolet(EUV) lithographyは2021年前にhigh volume製造に採用されると予想、EUVは決して受け入れられないと見るのは僅か1%、昨年の6%そして2014年の大きな35%から低下の旨。疑念なく、EUVは向こう数年で7-nm+プロセスから採用される、と業界veteranで該Initiativeのspokesman、Aki Fujimura氏。

◇eBeam Initiative surveys report increased optimism for EUV and new photomask trends (9月11日付け ELECTROIQ)

◇ASML EUV equipment production to double in 2018 (9月13日付け DIGITIMES)
→ASMLが、同社extreme ultraviolet(EUV) lithographyシステムの年間生産台数を次の通り披露。
  現状   2018年   2019年
  12台    24台    40台
半導体業界は2019年にEUV技術時代に入ると見ている旨。ASMLのEUV装置顧客としては、Globalfoundries, Intel, Samsung, SK HynixおよびTSMCである旨。


≪市場実態PickUp≫

【東芝メモリ入札関係】

3つのコンソーシアム陣営との交渉継続が8月末の東芝の取締役会で確認され、入札額の踏み上げに向けて攻防がみられる一方、東芝の岩手新工場の計画が打ち上げられている。

◇Bain, SK Hynix group ups bid for Toshiba chip unit to $22 billion: sources-Group reportedly offers $22.3B for Toshiba's chip business (9月9日付け Reuters)
→本件事情通発。米国のBain Capitalおよび韓国のHynixが引っ張る投資家グループが、東芝の半導体製造operationへの入札額を$22.3 billionに高めている旨。

◇日米韓連合、東芝半導体買収後も資金、WD対抗で追加案 (9月9日付け 日経 電子版)
→東芝の半導体メモリ子会社「東芝メモリ」の売却交渉で買い手側の攻防が激しくなっている旨。米投資ファンドのベインキャピタルが主導する日米韓連合は買収後の資金支援を東芝側にアピール。資金力のある米アップルを引き入れて優位に立とうとする各陣営の動きも活発になってきた旨。

◇SK Hynix, Hon Hai camps add to offers for Toshiba chip unit-Dueling bids for Toshiba chip unit before board meeting (9月12日付け The Japan News by The Yomiuri Shimbun/Jiji Press)
→東芝メモリに向けて競合する入札が、水曜13日の東芝取締役会を前に$22 billion以上になる可能性の旨。Bain CapitalおよびSK Hynixなどの陣営は、Foxconn Technology Groupとして知られるHon Hai Precision Industryが率いるライバルのコンソーシアムより高値をつける期待の旨。

◇Toshiba to break ground for new memory fab in 2018 (9月11日付け DIGITIMES)

米ウエスタンデジタル(WD)を軸とする「新日米連合」への売却で固めるという記事が、12日朝刊では見られている。

◇東芝、メモリは「新日米」に−13日決定・20日正式契約 (9月12日付け 日刊工業)
→東芝は半導体子会社「東芝メモリ」を、米ウエスタンデジタル(WD)を軸とする「新日米連合」に売却する方針を固めた旨。13日に決定し、20日の取締役会後に正式契約を結ぶ計画。売却額は約2兆円。東芝は2018年3月期末までに売却手続きを完了し、上場廃止につながる2期連続の債務超過を回避する考え。東芝メモリ売却をテコにした経営再建を前進させる旨。新日米連合は、東芝の提携相手であるWDのほか、政府系ファンドの産業革新機構や日本政策投資銀行、複数の日本企業で構成し、普通株や優先株で資金を拠出。東芝も出資する方針。東芝の主要取引行も融資で参加し、東芝メモリを買収する旨。

ところが、WDとの話し合いが難航、米投資ファンドのベインキャピタルが主体の「日米韓連合」の提案に傾いて覚書を交わすという、米国そして日本での以下の報道の経過となっている。

◇Exclusive: Toshiba favors Bain group for chip sale; Western Digital talks stall - sources (9月12日付け Reuters)

◇Toshiba Hopes to Finalize Chip Unit Sale to Bain-led Group (9月13日付け EE Times)

◇Toshiba Says It Favors Bain Group's Bid for Microchip Business-Bain issues letter of intent in Toshiba's memory chip sale (9月13日付け The New York Times)

◇Group Including Apple, Dell Moves to Buy Toshiba’s Chip Business-Bid from consortium led by Bain values the business at about $19 billion (9月13日付け The Wall Street Journal)

◇Toshiba signs MoU to sell memory business to Bain Capital-led consortium (9月13日付け DIGITIMES)

◇東芝社長「日米韓連合、軸に」、半導体売却交渉、銀行団に説明、WDともなお協議 (9月13日付け 日経)
→東芝が13日に開く取締役会で、半導体メモリ事業の売却について米投資ファンドのベインキャピタルが主体の「日米韓連合」の提案を本格的に精査する見通しとなった旨。有力な売却先候補だった米ウエスタンデジタル(WD)との協議が平行線をたどっているため日米韓連合との交渉を加速させる旨。ただWDとの協議も続ける方向で、最終決着までになお曲折も予想される旨。東芝の綱川智社長は12日午後、主力取引行の幹部と会談。メモリ子会社「東芝メモリ」の売却を巡るWDとの協議が難航していると説明し、状況が変わらなければ「日米韓連合を軸に交渉を進める」との考えを伝えた旨。

◇東芝、日米韓連合と覚書締結を発表、半導体売却で (9月13日付け 日経 電子版 14:41)
→東芝は13日午後、半導体メモリ事業の売却を巡り、米投資ファンドのベインキャピタルが率いる「日米韓連合」と集中協議を進めるため覚書を結んだと正式発表した旨。東芝は発表文で「ベインキャピタル社より新たな提案があった。この新提案に基づいて9月下旬までの株式譲渡契約締結を目指して協議を加速していく」と述べた旨。一方で、覚書には法的拘束力はなく「同連合を排他的な交渉先とする定めはない」とも説明した旨。

◇東芝、半導体売却先決められず、日米韓連合と協議覚書 (9月13日付け 日経 電子版 20:52)
→東芝は13日、半導体メモリ事業を巡る取締役会を開いたが、売却先を決められなかった旨。8月中旬から米ウエスタンデジタル(WD)の陣営への売却決定を目指してきたが協議が難航。6月下旬に優先交渉先として選んだ日米韓連合に再び交渉の軸足を移すと発表した旨。だが訴訟リスクは残り、東芝はWDとも協議を継続、交渉の先行きは依然、不透明の旨。

当然ながらの銀行団の反応がみられており、先行きが固まって見えない展開が続いている。

◇東芝半導体、いらだつ銀行団「レッドライン」通告 (9月15日付け 日経 電子版 00:30)
→東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却先選びが混迷を深め、資金繰りを支える銀行団がいらだちを募らせている旨。今期中に債務超過を解消できなければ、銀行団は崩れかねず、その期限となる「9月末」を迎え、売却先の決定を迫る「レッドライン」(譲れない一線)を通告した旨。東芝の生命線ともいえる「融資枠」を継続すべきか議論が起きているための旨。

◇東芝メモリ売却、「新日米韓」と本格交渉、残るWD訴訟リスク (9月15日付け 日刊工業)
→東芝が半導体子会社「東芝メモリ」の売却で、米ファンドのベインキャピタルが主導する「新日米韓連合」と本格交渉に入ったが、道のりは平たんではない旨。課題は、東芝の提携先の米ウエスタンデジタル(WD)による訴訟。ベインの提案は訴訟リスクを低減する仕掛けを盛り込んだが、リスクをゼロにするのは難しい旨。同連合に参加する政府系ファンド・産業革新機構など日本勢が訴訟問題を許容しなければ、最終契約はおぼつかない旨。

【SEMICON Taiwan】

半導体市場最高潮のもと、第22回annual SEMICON Taiwan trade show(2017年9月13-15日:台北のNangang Exhibition Center)が開催され、以下の概要&注目点である。

◇More than 45,000 expected at SEMICON Taiwan 2017 (9月12日付け ELECTROIQ)
→electronics製造supply chainに向けたpremier tradeshow & イベント、SEMICON Taiwan 2017(9月13-15日:台北のNangang Exhibition Center)について。1,800超のブース、700の出展社。今回、International Test Conference(ITC)が初めて同時開催、アジアでのITC開催も初めての旨。

◇SEMICON Taiwan 2017: Focus on IoT, AI, smart applications (9月13日付け DIGITIMES)
→第22回annual SEMICON Taiwan trade show(2017年9月13-15日:台北)が開幕、今年のテーマは、IoT, AI, smart製造, smart輸送およびsmart medtechに重点化の旨。一連のフォーラムでは主要問題探求に向けて、TSMC, UMC, Powerchip, Nvidia, MicronおよびAmkorからの講演、次世代electronics業界の流れおよび戦略についての洞察を共有する旨。

目に止まった講演&展示が次の通りである。

◇Chip Consolidation Nearly Over, Analyst Says-McKinsey exec: Chip industry consolidation is ending (9月14日付け EE Times)
→第22回annual SEMICON Taiwan trade show(2017年9月13-15日:台北)のgrand開幕基調セッションにて、management consultancy、McKinseyのsenior partner、Bill Wiseman氏。mergers and acquisitions(M&As)に約3年とhundreds of billions of dollarsのお金、グローバル半導体業界の統合はだいたい終わっている旨。

◇AI Reshaping Fab Operations (9月15日付け EE Times)
→第22回annual SEMICON Taiwan trade show(2017年9月13-15日:台北)にて、Micron Technologyのウェーハfabs、vice president、Buddy Nicoson氏。半導体メーカーはfab operationsを高めるためにartificial intelligence(AI)を採用してきており、うまくいき始めている動きの旨。

◇SEMICON Taiwan 2017: Brewer Science showcasing innovative materials for EUV and 3D IC manufacturing (9月14日付け DIGITIMES)
→Brewer Science(Rolla, MO)が、第22回annual SEMICON Taiwan trade show(2017年9月13-15日:台北)にて、fan-out実装および3D IC製造プロセス, および先端lithography技術向けの革新的な材料を披露している旨。

【現下の最高潮ぶり】

現時点の半導体市場の最高潮の度合いが、IHS Markitにより以下の通りあらわされている。

◇Semiconductor Industry Records Best Second Quarter in Three Years, IHS Markit Says (9月11日付け IHS Markit)
→2017年第二四半期の半導体メーカー・トップ5(金額 USM$):

メーカー
1Q17
2Q17
QoQ伸長
シェア
Intel
14,009
14,469
3.3%
14.3%
Samsung Electronics
12,799
14,388
12.4%
14.2%
SK Hynix
5,507
5,884
6.8%
5.8%
Micron Technology
4,711
5,352
13.6%
5.3%
Broadcom Limited
4,021
4,186
4.1%
4.1%
トップ5計
41,047
44,279
7.9%
43.7%
半導体全体
95,574
101,426
6.1%
100%

                    [Source: IHS Markit]

◇Semiconductor industry records best second quarter in 3 years, IHS says (9月12日付け DIGITIMES)
→IHS Markit発。僅かに鈍化した第一四半期にも拘らず、2017年第二四半期の半導体業界はほぼ最高の伸びを達成、前四半期比6.1%増。売上げが2017年第一四半期の$95.6 billionから第二四半期は$101.4 billionとなり、2014年以来第二四半期で見られる最高の伸びの旨。メモリ半導体市場が第二四半期に10.7%増の新記録、$30.2 billionで引っ張っている旨。

◇Semiconductor industry records best second quarter in three years (9月14日付け ELECTROIQ)

メモリの高値が引っ張っている状況がうかがえるが、DRAM市場における価格の跳ね上がりが端的にあらわされている。

◇The adversarial relationship of the DRAM user and producer continues (9月12日付け ELECTROIQ)
→主要IC製品分野のうち、歴史的に最も変化に富んだDRAM市場。ここ1年だけでDRAMのaverage selling price(ASP)は倍以上に上がっており、IC Insightsは、DRAMの2017年ビット当たり価格が40%以上跳ね上がり、史上最大の年間増と予測している旨。DRAMの買い手とサプライヤについて、1年前と今とでまったく反対の経済的状況、立場の旨。

SEMIのfab装置関連統計でも、大幅な記録破りのデータが見えている。

◇Fab Tool Sales Again Set Quarterly Record (9月12日付け EE Times)
→SEMI trade association(San Jose, Calif.)発。第二四半期の半導体製造装置の世界billingsが史上最高となって、第一四半期に記録された最高を破り、該業界は史上最善の年となる軌道に依然乗っている旨。第二四半期の装置billings総計が$14.1 billionで、第一四半期に記録された今までの最高、$13.08 billionを$1 billion以上、すなわち8%上回っている旨。
この第二四半期装置billingsは、前年同期比35%増。

◇Fab equipment spending breaking industry records (9月12日付け ELECTROIQ)
→SEMIが2017年9月5日に発行したWorld Fab Forecastレポート最新版。2017年のfab equipment spending(新設および改装)が37%増の見込み、年間spending新記録となる約$55 billionに達する旨。2018年はさらに5%増の約$58 billionと見ている旨。今までの最高は2011年の約$40 billionであった旨。

NANDフラッシュ市場の先行きの見方も増勢が強まっている。

◇NAND flash market to top US$65 billion in 2020, says report-Forecast: NAND flash market to hit $65B in 2020 (9月12日付け DIGITIMES)
→ChinaFlashMarket.comの予測。NANDフラッシュメモリデバイスの世界市場が、今年の$40 billionに対して2020年には$65 billionを越えると見ている旨。すべてのメモリ半導体の販売高が、2017年の$95 billionから3年で$120 billionに増大すると予測の旨。

【中国市場関連】

中国のPCB業界capacityが急激に拡大して、台湾の関連装置メーカーに利するところとなっている。

◇China PCB capacity expansion sharply benefits Taiwan equipment makers (9月13日付け DIGITIMES)
→業界筋発。米国のflexible PCBメーカー、Multi-Fineline Electronix(MFLX)を2016年7月に$610 millionで買収してちょうど1年、中国のSuzhou Dongshan Precision Manufacturingが、受注増加遂行に向けてCNY3 billion($459.7 million) flexible PCB生産capacity拡張プロジェクトを進めており、こんどはMachvisionおよびE&R Engineeringなど台湾の半導体装置メーカーが利益を得ている旨。

中国の国家半導体投資ファンド、Big Fundが、センサおよびIoTに続いて、国内メモリ業界の結束を図るsub-allianceを打ち上げている。

◇China to enhance local memory industry development-CHICA to launch sub-alliance to develop local memory industry (9月13日付け DIGITIMES)
→Big Fundとして知られる中国のNational Semiconductor Industry Investment Fundが2017年始めに設立したChina high-end IC Alliance(CHICA)が、中国国内のメモリ業界の展開を推進&強化するためのもう1つのsub-alliance追加を図っている旨。Yangtze River Storage TechnologyはすでにCHICAのパートナーであり、該グループは、Fujian Jin Hua Integrated CircuitおよびHefei Rui-Li Integrated Circuitをこのallianceに加えたいとしている旨。CHICAは2017年4月、中国国内のセンサおよびIoT業界の展開推進を狙った最初のsub-allianceを披露、これにはすでにSMICおよびTsinghua UnigroupなどICメーカーおよび大学、研究機関などの27のパートナーがいる旨。

TSMCが、来年の南京拠点での16-nm半導体生産への備えを進めている。

◇TSMC to make advanced chips in China next year-TSMC readies 16-nanometer chip production for 2018 (9月13日付け The Taipei Times (Taiwan))
→TSMCが2018年に、同社Nanjing(南京), China拠点にて先端16-nm半導体を生産、該活動に$3 billionを割り当て、更新設計サービスセンターの建設などの旨。

【UPDATE:Trump大統領インパクト −1】

前回取り上げた中国中央政府につながるCanyon Bridge Capital PartnersによるLattice Semiconductor社(Portland, Ore.)の$1.3 billion買収案件であるが、Trump大統領はこの買収を阻止する命令を以下の通り下している。
国家安全に絡む技術流出が懸念されている。

◇Trump Blocks China-Backed Lattice Bid-Sale of chipmaker to China-backed group halted by Trump (9月14日付け Bloomberg)
→Donald Trump大統領が、中国が支援する投資家グループによるprogrammableロジック半導体を作る米国半導体メーカー、Lattice Semiconductorの買収を禁じた旨。White Houseは該取引により引き起こされる国家安全懸念として、"この取引を支持する中国政府の役割、米国政府に対する半導体supply chain integrityの重み、および米国政府によるLattice製品の使用"などを挙げている旨。

◇Trump Blocks Takeover of Lattice Semi (9月14日付け EE Times)

◇Trump stops China from buying into U.S. chip industry, but what's ext? (9月14日付け MarketWatch)

◇米、中国系による半導体買収阻止、軍事技術流出を懸念 −オバマ前政権の方針引き継ぎ (9月14日付け 日経 電子版)
→トランプ米大統領は13日、中国系投資ファンドによる米半導体メーカー、ラティス・セミコンダクターの買収を阻止する命令を出した旨。軍事・安全保障の技術流出につながる懸念があるため。米国はオバマ前政権時代から中国への半導体技術の流出を阻止してきたが、トランプ政権もこの方針を引き継いだ旨。米ホワイトハウスと米財務省の発表によれば、トランプ氏は対米外国投資委員会(CFIUS)による勧告に基づいて、買収阻止を決めた旨。


≪グローバル雑学王−480≫

世界を圧倒的に引っ張る存在からトランプ政権による様々な摩擦、波紋が見られている米国、そして経済成長が飽和加減のなか自分なりに世界をまとめる動きが活発な中国。この2大大国の間の主に経済的な凌ぎ合いの実態を分析している書、

『「米中経済戦争」の内実を読み解く』
 (津上 俊哉 著:PHP新書 1105) …2017年7月28日 第1版第1刷

を、これから読み進めていく。著者は、通商産業省(当時)で北東アジア課長など歴任した現代中国研究家。「中国は『経済核爆弾』を使えない」などの見通しをもとに米中両国の今後を読み解くとともに、「今の中国経済は、1990年代の日本と似た状況にある」「中央財政赤字も急増しているという衝撃」など中国経済の明晰な分析が施されている、と紹介されている。現下の北朝鮮問題を巡る関係の内容も記されている。


≪はじめに≫

・(著者は、)2017年1月上旬から3月末まで、勉強のために米国ワシントンDCに短期滞在
 →1月20日にトランプ大統領が就任、反対する数十万人の市街デモ行進を目の当たりにするところから始まったワシントン生活
・当地に身を置くと見えてくること
 →「全米が大統領のトンデモ言動に怒り、非難の声を挙げている」訳ではない
・ワシントンは20年前に訪れたときより格段におしゃれな街に
 →一方、TVが映し出すラストベルト地帯の光景はまったく別物
  →日本の「失われた20年」とも似て、地域が寂れ、人々の暮らし向きも
   一向に良くならない別の米国

〇中国と米国
・2008年のリーマン・ショックの後、世界中が「米国の時代は終わった」「次は中国だ」と感じたいっとき
 →それから8年、米国はいつの間にか「世界でいちばん経済の調子が良い国」に
  →中国はバブルが崩壊した現実に向き合えないまま、公共事業で成長をかさ上げする状態に
・米国社会に深い亀裂が走っているのを目の当たりに
 →米国という国、その社会、政体が、市場経済に立脚した開放的な経済政策や多様性を重んじるリベラルな価値観を、これ以上支えきれなくなっている現実を示しているのではないか
 →中国の高成長が持続可能に思えないのと同様、世界のリーダーとしての米国の地位もまた持続可能性がなくなりつつあるのではないか

〇「やはり次は中国の時代」か?
・たしかに、中国の国際的影響力は今後も増大
 →この変化は一本調子ではないし、その先にはさらなる変化
・米国が抜けた後のリーダー席に中国が座るには、控え目に言っても山ほど課題
 →国際社会が共有してきた価値観や理念をどこまで共有するのか?
・根本において自由で平等な立場に立つ多数の市場参加者が競争することで成り立つ仕組みの市場経済
 →いまの中国の国有企業政策は、その真逆
・全体として、ハイエラーキカルな(=タテ型の)感覚が滲み出ている中国の言動
 →世界の秩序と理念を「中国が頂点に君臨するタテ型」に改造していく可能性はないと言わざるを得ない
  →中国経済の半分は「根腐れ」を起こしているような状態

〇本書の構成
・9つの章立て
 →最初の5つの章が、政治・外交、トランプ当選の衝撃が米中双方に及ぼした影響といった視点
 →続く3つの章が、中国経済分析・解説
 →第9章が、戦略的な日中関係のために

〇短期の崩壊は考えられないが、長期の見通しは悲観的――中国経済論評の要約
・本書が前提とする中国経済の将来像
(1)2スピード・エコノミー――「どこもお先真っ暗」ではない
*いまの中国経済は2つの異なる経済が同居、明暗まだらの状況
 →新しいビジネスモデルを使った私営企業中心の「ニューエコノミー」が急速に成長
  …新しいIT技術、シェアリングエコノミーなど
 →国有企業が中心の「オールドエコノミー」が投資バブルの生んだ過剰な設備や負債を抱えて著しい苦境に
  …重厚長大・原料素材といった領域
(2)投資バブルの始末を先送りして過剰債務化
*償還されない借金を重ね、国有セクターを中心に負債がどんどん積み上がる「過剰債務」のリスクが深刻化
(3)日本と同じで急な崩壊はないが、未来が犠牲になる
*中国も公共財政に負担を集中させる余地はまだあり、現に20年前の日本に似た状況になりつつある
 →「6.5%以上」の成長を目指すような従来の政策を続ければ、どんどん中国の未来が犠牲に
(4)元安・資本流出――中国経済だけでなく世界経済の問題
*中国人が経済先行きを悲観し始めたせいで起きている、人民元安と「資本流出」
 →昨年来の元安・資本流出は、資本規制を再強化したことで小康状態に
 →問題の背景には国内の過剰貯蓄の存在
  →中国から海外への資金還流も検討すべき時期
(5)長期的には少子高齢化で成長停滞が不可避
 →労働人口比率減少による成長停滞が避けられない運命に
・中国の経済実力と国際的影響力の今後の見通し
 →経済:成長はいましばらく続くが、不良債権の増大など質の劣化の進行が速く、総合的な経済実力はピークアウトが近い
 →国際的影響力:経済力に対して遅効的、現状が大幅な過少評価なため、今後も影響力の増大は続く
・我々は、中国の国際的影響力が今後も増大し続ける心の準備をしなければならないと同時に、「数十年先にはまた様子が変わる」という視点も持つべき

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