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12ヶ月連続前年比増、10ヶ月連続$30 billion超、続く増勢基調

米国Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、この7月について$33.6 billionと前月比3.1%増、前年同月比24.0%増となり、引き続き増加する勢いを高めている。これで前年同月比の増加が昨年8月から1年、12ヶ月連続となり、月次販売高の連続$30 billion越えが10ヶ月を数えることになる。SIA毎月発表時点ベースで本年1-7月の販売高累計が$221.42 billion、前年同期($184.22 billion)比20.2%増とな り、このペースで推移すれば単純計算で年間販売高$407.36 billionと2013年にやっとのこと$300 billionの壁を突破した経緯があるが、こんどは4年でクリアとなる。先がなかなか読めないだけに、一層目が離せないところである。

≪7月の世界半導体販売高≫

米SIAからの発表内容が、以下の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
〇7月のグローバル半導体販売高が、前年比24%増−前月比では3%増;Americas市場が引っ張って、前年比36%増、前月比5%増 …9月5日付け SIA/NEWS

半導体製造、設計および研究の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2017年7月の世界半導体販売高が$33.6 billionに達し、前年同期、2016年7月の$27.1 billionに対して24.0%増、前月、2017年6月の$32.6 billionに対して3.1%増、と発表した。主要地域市場すべてで、7月は前年比および前月比ともに増加し、Americas市場が前年比36.1%増、前月比5.4%増で伸びを引っ張っている。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。

「7月の世界半導体販売高が12ヶ月連続の前年同月比増加となり、グローバル半導体市場の印象的、持続的な成長を映し出している。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「7月の販売高はどの主要地域市場およびどの半導体製品カテゴリーも増加、グローバル市場の最近の著しい増大の広さ、大きさのほどを示しており、2017年の我が業界はさらに販売高総計の最高を更新する軌道にある。」

地域別の前年7月比での販売高は、Americas(+36.1%), China(+24.1%), Asia Pacific/All Other(+20.5%), Europe(+18.9%), およびJapan(+16.7%)とすべて大きく増加している。前月比では、Americas(+5.4%), Asia Pacific/All Other(+2.8%), China(+2.7%), Japan(+2.1%), およびEurope(+1.2%) とすべての地域にわたって増加している。

                        【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Jul 2016
Jun 2017
Jul 2017
前年同月比
前月比
========
Americas
5.10
6.59
6.94
36.1
5.4
Europe
2.69
3.16
3.20
18.9
1.2
Japan
2.60
2.98
3.04
16.7
2.1
China
8.61
10.41
10.69
24.1
2.7
Asia Pacific/All Other
8.11
9.50
9.77
20.5
2.8
$27.13 B
$32.64 B
$33.65 B
24.0 %
3.1 %

--------------------------------------
市場地域
2- 4月平均
5- 7月平均
change
Americas
6.08
6.94
14.2
Europe
2.99
3.20
7.3
Japan
2.88
3.04
5.7
China
10.13
10.69
5.6
Asia Pacific/All Other
9.21
9.77
6.0
$31.29 B
$33.65 B
7.5 %

--------------------------------------

※7月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/July%202017%20GSR%20table%20and%20graph%20for%20press%20release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

これを受けた業界各紙の反応、取り上げ方である。前年同月比の一層の増加、そして12ヶ月連続の勢いが強調されている。

◇Semiconductor Sales Rise for 12th Straight Month (9月6日付け EE Times)

◇Global semicon sales up by a quarter in July to US$33.6b-Global chip sales hit $33.6B in July, up 24% on year (9月6日付け The Star Online (Malaysia))

◇Global semiconductor sales increase 24% in July, says SIA (9月7日付け DIGITIMES)

◇Global semiconductor sales increase 24% year-to-year in July (9月8日付け ELECTROIQ)

恒例としている昨年からの月次販売高の推移が、次の通りとなる。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
2016年 1月
$26.88 B
-5.8 %
-2.7 %
2016年 2月
$26.02 B
-6.2 %
-3.2 %
2016年 3月
$26.09 B
-5.8 %
0.3 %
2016年 4月
$25.84 B
-6.2 %
-1.0 %
2016年 5月
$25.95 B
-7.7 %
0.4 %
2016年 6月
$26.36 B
-5.8 %
1.1 %
2016年 7月
$27.08 B
-2.8 %
2.6 %
$184.22 B
2016年 8月
$28.03 B
0.5 %
3.5 %
2016年 9月
$29.43 B
3.6 %
4.2 %
2016年10月
$30.45 B
5.1 %
3.4 %
2016年11月
$31.03 B
7.4 %
2.0 %
2016年12月
$31.01 B
12.3 %
0.0 %
 
 
 
2017年 1月
$30.63 B
13.9 %
-1.2 %
2017年 2月
$30.39 B
16.5 %
-0.8 %
2017年 3月
$30.88 B
18.1 %
1.6 %
2017年 4月
$31.30 B
20.9 %
1.3 %
2017年 5月
$31.93 B
22.6 %
1.9 %
2017年 6月
$32.64 B
23.7 %
2.0 %
2017年 7月
$33.65 B
24.0 %
3.1 %
$221.42 B

この7月までの販売高累計を示しているが、本年は$221.42 billionとなり、昨年同期の$184.22 billionと比べると20.2%増になる。このペースで進めば、単純計算で本年の販売高が$407.36 billionと$400 billionの大台越えが早くも見えてくるが、いろいろな切り口で敏感な市場特性の動きにさらに注目していく必要がある。

振り返ると、$300 billionの壁はやっとのこと2013年に突破できた経緯があり、その後は次の通り推移している。モバイル機器の伸びの減速、グローバルな業界M&A、などそれぞれの年の動きを思い起こすところがある。

 2013年 $305.6 billion
 2014年 $335.8 billion …最高更新
 2015年 $335.2 billion
 2016年 $338.9 billion …最高更新

現下の市場を見ると、パソコン用DRAM価格の上昇が依然続いている。

◇パソコン用DRAMが値上がり、スマホシフトで品薄 (9月5日付け 日経 電子版)
→パソコン用DRAMの大口価格の上昇が続いている旨。スマートフォンに用いるモバイル用DRAMにメーカーが生産をシフト。一方、データセンターのサーバ向け需要が拡大し、品不足に拍車がかかっている旨。指標品であるDDR3の4ギガビット品の8月の大口価格は、前の月と比べ6%高い3.3ドル前後と約2年ぶりの高値水準の旨。

パソコン用DRAM価格は昨年前半は低下して、モジュールの年間販売高も次の通り落ち込む結果となっているが、現在の市場の勢いを引っ張るメモリの価格には注目し過ぎというものはないところがある受け取りがある。

◇Global DRAM module sales fall 12% in 2016, says DRAMeXchange-DRAMeXchange: DRAM module sales dropped in 2016 (9月7日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。2016年の世界DRAMモジュール販売高が、12%減の約$6.9 billion、この落ち込みは、2016年上半期でのPC DRAM価格低下およびdo-it-yourself(DIY)市場の縮小による旨。


≪市場実態PickUp≫

【東芝メモリ入札関係】

3つのコンソーシアム陣営との交渉継続が8月末の取締役会で確認されたが、米ウエスタンデジタル(WD)陣営より経営関与を弱める譲歩案が出され、取締役会で協議されたものの以下の通り持ち越しとなっている。その当日1日の時間経過で追わざるを得ない展開である。

◇WD、経営関与弱める譲歩案、東芝半導体の買収で (9月6日付け 日経 電子版 02:00)
→東芝の半導体メモリ子会社「東芝メモリ」の売却交渉で、米ウエスタンデジタル(WD)陣営が経営関与を弱める譲歩案を示したことが5日わかった旨。買収当初にWDは資金拠出を見送り、独占禁止法の審査を通りやすくする狙いがある旨。最終交渉の争点となっていた将来のWDの議決権を巡っては、なお協議を続けており、東芝はWD陣営との早期の最終契約締結を目指す旨。WD陣営の新たな買収提案は、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と産業革新機構、日本政策投資銀行の3社が中心となって特別目的会社(SPC)を設置。国内の大手銀行が融資の形で資金を拠出して総額約2兆円で東芝メモリを買収する旨。WDが買収時に1500億円を拠出する案は撤回する旨。買収時点で競合のWDが資金を出さないことで独禁法審査を通りやすくする狙い。ただWDは将来の議決権獲得を諦めていないもようで、各国の独禁法当局が未来の出資構成についてどう判断するかは見通しにくい旨。東芝とWDは生産設備の保有分に応じて半導体ウエハーを分け合う契約を結んでおり、2009年以降は東芝が6割弱、WDが4割強の比率で受け取ってきた旨。WDは東芝と共同投資してきた四日市工場(三重県四日市市)の生産設備の買い戻しを求めている旨。

◇東芝が取締役会、WDの新提案協議−半導体売却へ詰めの交渉 (9月6日付け 日経 電子版 12:43)
→東芝は6日午前に取締役会を開き、半導体メモリ子会社「東芝メモリ」の売却先について協議、協業先の米ウエスタンデジタル(WD)陣営への売却に向けて協議を続けたが結論は持ち越された旨。WDは買収当初の資金拠出を見送る考えを東芝に伝えており、同陣営の新たな買収提案を中心に協議した模様。東芝は早期売却に向けた詰めの交渉を続ける旨。

◇東芝に半導体売却 早期妥結迫る、銀行団・経産省焦り (9月6日付け 日経 電子版 20:17)
→東芝は6日、社内外の取締役を集めた経営会議を開き、半導体メモリ子会社「東芝メモリ」の売却先について協議。協業先の米ウエスタンデジタル(WD)が示した新たな提案を軸に検討したが結論は持ち越した旨。東芝がめざす年度内の売却に期限が迫るなか、資金繰りを支える銀行団と経済産業省は早期妥結へ焦りを強めている旨。

◇Toshiba board reaches no verdict on new Western Digital chip proposal: sources-Report: WD won't seek Toshiba chip unit for better JV terms (9月6日付け Reuters)
→東芝の取締役会がWestern Digital(WD)による新たな提案について結論は持ち越し、来週再び開会する旨。

WD陣営はAppleに資金拠出を依頼する一方、東芝は岩手でのメモリ新工場の計画打ち上げを行い、展開の複雑度が高まっている。

◇Western Digital asks Apple to join bid for Toshiba chip unit-Report: WD wants Apple in its Toshiba chip unit bid group (9月6日付け The Japan Times/Kyodo News)

◇東芝半導体でWD陣営、アップルに資金拠出打診−WD陣営の修正案で (9月8日付け 日経 電子版 02:00)
→東芝の半導体メモリ事業の買収に向けて有力候補の米ウエスタンデジタル(WD)陣営が提示した修正案の骨格が7日明らかになった旨。WDが買収時に予定していた約1500億円の拠出を見送る代わりに、米アップルなどに資金拠出を求めて穴埋めする旨。最大級の顧客を取り込み事業を安定成長させる狙いもある旨。対抗馬の「日米韓連合」と鴻海精密工業に続き、WD陣営もアップルに秋波を送る構図となった旨。

◇東芝が半導体新工場、岩手に建設準備、WD参画も協議 (9月7日付け 日経)
→東芝は6日、半導体メモリの新工場を岩手県北上市に建設する準備を始めると発表、東芝子会社の北上工場を拡張する形、データ容量を増やせる次世代型の3次元メモリの生産能力を引き上げる考えの旨。ただ東芝は同事業の売却手続き中で、買い手企業の判断によっては新工場計画が実現するか不透明な面もある旨。東芝の6日の発表では「(WD子会社の)サンディスク社の参画を別途協議する」との文言を加えたほか、具体的な建設計画や投資金額などの明言を避けた旨。協業先のWDに一定の配慮をしたもようの旨。

◇Toshiba Plans Next Memory Fab (9月8日付け EE Times)

次の契約期限として9月13日という運びがあらわされている。

◇東芝メモリ売却、「新日米連合」で最終調整-「13日」重い締め切り (9月8日付け 日刊工業)
→東芝は半導体子会社「東芝メモリ」の売却について、経営への関与を弱める提案をした米ウエスタンデジタル(WD)が軸となる「新日米連合」を最有力候補とし最終調整を進め、13日までの契約を目指す旨。課題として残るのは、WDの将来の議決権取得、提携関係の再構築という2点の旨。

Foxconn陣営も、Apple, SoftBankなど取り込んで巻き返しを図っている。

◇Apple-Backed Billionaire Makes Case to Buy Toshiba Chip Unit-Apple, SoftBank back Foxconn bid for Toshiba chip unit (9月8日付け Bloomberg)
→Foxconn Technology Groupが、東芝の半導体事業に向けて$19.5 billionを提示、equity stakesがFoxconn, Apple, SoftBank Group, Kingston TechnologyおよびSharpの間で分けられる旨。Foxconnの提案は、東芝にメモリ半導体部門における10% stakeを残す旨。

【Trump大統領インパクト -1】

中国中央政府につながるCanyon Bridge Capital PartnersによるLattice Semiconductor社(Portland, Ore.)の$1.3 billion買収案件について、審査するCommittee on Foreign Investment in the United States(CFIUS)はこれを却下する流れとなっているが、LatticeおよびCanyon Bridge Partnersは大統領権限による覆しを期待する動きとなっている。

◇Lattice Weighs Seeking Trump's Intervention on China Deal-Sources: Lattice, fund may appeal to Trump for deal (8月29日付け Bloomberg)
→Lattice Semiconductorおよび中国政府が支援するprivate equity firm、Canyon Bridge Capital Partnersが、Latticeの$1.3 billion買収についてCommittee on Foreign Investment in the US(CFIUS)の却下の後にDonald Trump大統領が認めるよう期待している旨。大統領はCFIUSの決定を覆す権限がある旨。

◇China-backed fund to decide whether to take deal to Trump: sources (8月29日付け Reuters)

◇Trump to Weigh Security Risk of Chinese Bid for Chipmaker-Trump gets the last word on Lattice buyout (9月1日付け Bloomberg)

◇Trump to decide on China-backed buyout of U.S. chipmaker (9月1日付け Reuters)

◇With Acquisition in Doubt, Lattice Appeals to Trump (9月5日付け EE Times)
→長々しい見直しを経て、Committee on Foreign Investment in the United States(CFIUS)がLattice Semiconductor社(Portland, Ore.)に対し、Donald Trump大統領が中国中央政府につながるprivate equity firmによるLatticeの$1.3 billion買収提案を阻止するよう奨める、と通告の旨。Lattice並びに買い手のCanyon Bridge Partnersは、引き続きTrump大統領およびCFIUSを該取引が進められるよう引き込みたいとしている旨。

Canyon Bridge Partnersは、英国のImagination Technologies買収にも動いているが、米国の法制審査は避けたいとする状況がみられている。

◇Canyon Bridge Is Said to Ready Imagination Bid Minus U.S. Unit-Report: Canyon Bridge to bid for Imagination, less its US unit (9月7日付け Bloomberg)
→本件事情通発。中国中央政府が支援するprivate equity firm、Canyon Bridge Capital Partnersが、英国のImagination Technologies Group Plc買収提示を行おうとしており、米国の法制精査を避けたいとしてその米国事業は除いている旨。

【Trump大統領インパクト -2】

トランプ政権によるDACA(Deferred Action for Childhood Arrival:幼少時に親と米国に不法入国した若者の在留を認める制度)廃止の方針発表が、大きな反発を呼び起こしている。ハイテク業界からはアップルはじめ一斉に広がる反応となっている。ある世論調査(SmartBrief社)では、このような若者は滞在する価値があるとして52%がDACA廃止に反対している(賛成は26%)。

◇Trump administration announces end of immigration protection program for ‘dreamers’-Trump ends protections for young immigrants (9月5日付け The Washington Post)

◇Trump administration ends DACA, with 6-month delay (9月5日付け Fox News)

◇'We Cannot Admit Everyone.' Read a Transcript of Jeff Sessions' Remarks on Ending the DACA Program (9月5日付け TIME magazine/transcript)
→米国・Jeff Sessions司法長官発表。

◇ハイテク企業が一斉反発、米の強制送還猶予撤廃 (9月6日付け 日経 電子版)
→トランプ政権が5日にDACAの廃止方針を発表したことを受け、米ハイテク企業の経営者らは一斉に反発の声をあげた旨。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は従業員向けに宛てた電子メールで「アップルで働く250人を含めた80万人もの米国人が母国と呼べる唯一の国を追われる事態に憂慮している」とコメント。「ドリーマー(幼いころに親と一緒に不法入国した若者)を保護する法的措置を講ずるよう議会に呼びかけていく」と述べた旨。

◇米、強制送還の猶予打ち切りへ、不法移民政策を転換 (9月6日付け 日経 電子版)
→トランプ米政権は5日、幼少時に親と米国に不法入国した若者の在留を認める制度(DACA:Deferred Action for Childhood Arrival:オバマ前政権が2012年に導入)を撤廃すると発表、来年3月までは効力を認め、米議会に対応策の決定を促す旨。制度を利用するのは約80万人とされ、議会が同様の法律を成立させなければ、大量の強制送還者が出る恐れがある旨。

◇米16州・地域、トランプ政権を提訴、若者の在留許可撤廃に反発 (9月7日付け 日経 電子版)
→トランプ米政権が幼少期に親と不法入国した若者の在留を認める制度(DACA)の撤廃を発表したことを受け、全米16州・地域の司法長官は6日、政権に撤回を求める訴訟を共同で起こした旨。訴状は、トランプ氏の決定が主にメキシコにルーツを持つ若者への差別にあたり、憲法違反だと指摘。米国の経済成長を阻む可能性にも言及した旨。

【さらに政府関連】

台湾では、首相にあたる行政院長が辞任する事態がみられて、台湾政府が最近打ち上げているartificial intelligence(AI), internet of things(IoT)などへの取り組みへの懸念があらわされている。

◇台湾の行政院長が辞任、支持率低迷で、後任は台南市長か−蔡政権、てこ入れ狙う (9月4日付け 日経 電子版)
→台湾の民主進歩党(民進党)、蔡英文政権で政策実行を担う林全・行政院長(首相)が4日までに辞表を提出、蔡氏が受理した旨。蔡政権は労働規制改革などで混乱が相次ぎ支持率が低迷。内閣を一新し、政権浮揚を狙う旨。
後任には頼清徳・台南市長(蔡氏に比べ台湾独立志向が強い旨)が就くとの見方が強い旨。

◇Commentary: Cabinet reshuffle casts uncertainty over Taiwan AI, IoT development-Taiwan Cabinet to resign; AI program in doubt (9月5日付け DIGITIMES)
→台湾・行政院長(Cabinet of Premier)、林全(Lin Chuan)氏が辞任、artificial intelligence(AI), internet of things(IoT)など次世代技術開発への台湾政府のcommitmentに疑念を引き起こしている旨。台南市長、頼清徳氏(Tainan Mayor、William Lai)を、新しい首相として蔡英文総統(President、Tsai Ing-wen)が任命の旨。

欧州では、QualcommによるNXP Semiconductorsの$38 billion買収提案への法制調査が進められているが、ここにきて2度目の待ったがかかっている。

◇EU Regulators Again Halt Qualcomm-NXP Investigation (9月6日付け EE Times)
→European Union(EU)のregulatorsが、QualcommによるNXP Semiconductorsの$38 billion買収提案への調査で2度目の待ったをかけており、水曜6日のReutersニュースサービスによると、QualcommおよびNXPが該買収提案についての重要情報をregulatorsに供給できず、それを受け取り次第調査が再開される旨。

◇EU regulators halt review of Qualcomm-NXP deal for second time-EU's review of Qualcomm-NXP deal is paused again (9月6日付け Reuters)

【HuaweiのAI強化SoC】

最近活発な動きが見られる中国・Huaweiより、スマートフォンでのAI活用に対応したSoC、Kirin 970が発表され、Apple, Samsungに対抗できると気炎が見られるとともに、IFA 2017(9月1-6日:Berlin)にて披露が行われている。

◇Huawei Armed With New AI-Enhanced Chipset for Battle With iPhone-Kirin 970 chip will power Chinese giant's Mate 10 smartphone, which is set to launch next month -China's Huawei introduces AI in premier smartphone (9月2日付け The Wall Street Journal)
→中国・Huawei Technologiesが、最新スマートフォン用の新しいチップセットにartificial intelligence(AI)を搭載、同社Mate 10スマートフォンに向けてのAIは、AppleおよびSamsungの競合品に比べてエネルギを節減して処理を高速化する一方、即時画像認識も可能にする旨。

◇Huawei unveils faster phone chip it says can beat Apple, Samsung (9月2日付け Reuters)

◇IFA 2017: Huawei unveils Kirin 970 (9月4日付け DIGITIMES)
→Huawei Consumer Business Grouphasが、IFA 2017(9月1-6日:Berlin)にて、cloudのパワーをnative AI処理の速度および反応性と結ぶつけるスマートフォンでのAI活用に対応したSoC、Kirin 970を披露、8-core CPUおよび新世代12-core GPUを搭載、10-nm先端プロセスを用い5.5 billion個のトランジスタを1cm2の面積に収めている旨。「スマートフォンの今後を見て、我々は刺激的な新時代の真際にいる」と、Huawei Consumer Business GroupのCEO、Richard Yu氏。

余分であるが、IFA 2017については韓国から中国製品の率直な評価があらわされている。

◇韓経:<IFA2017>「妙に見慣れた」中国製品 (9月4日付け 韓国経済新聞/中央日報日本語版)
→中国家電メーカーのハイセンスが、ドイツのベルリンで開かれた国際電子見本市「IFA2017」(9月1-6日)で新しい洗濯機「トリプルウォッシャー」を公開した旨。ドラム洗濯機の上に小さな縦型洗濯槽を2つ並べて載せたスタイル。2015年にLGエレクトロニクスが出したツインウォッシュはドラム洗濯機下段に洗濯槽を置いた構造の旨。IFAに参加した中国家電メーカーのブースのあちこちで「妙に見慣れた」製品を見ることができた旨。サムスン電子、LGエレクトロニクスなど韓国家電メーカーが作った製品に機能を追加したものなどだった旨。


≪グローバル雑学王−479≫

ここのところの世界の激動を受けて、「世界の新潮流」、「世界激変」がタイトルにある書を読み進めた後、

『世界経済の「大激転」――混迷の時代をどう生き抜くか』
 (浜 矩子 著:PHPビジネス新書 378) …2017年6月1日 第1版第1刷発行

に至っているが、今回で読み納めとなる。著者の言う「激転妖怪」の本質の見極め方が表わされ、多様性を受け入れる包容力はじめ目指すべき要諦の問いかけで締められている。それぞれの書の見方に触れて、日々の情勢変化をしっかり捉えるスタンスが一層必要に感じてきている。


第4章−2 激転妖怪たちをどう撃退するか ――不可能を可能にするために

3 激転妖怪の見極めポイント

●激転妖怪の頭の中では、国家のために国民がいる
・5つの激転妖怪の見極めポイント
 (1)激転妖怪たちが目指すところは、逆転である
 (2)激転妖怪たちは、内外均衡無視主義者である
 (3)激転妖怪たちは、必ず略奪者と化す
 (4)激転妖怪たちは、ニセ預言者である
 (5)激転妖怪たちは、究極の僕富論信奉者である
・(1)について、なぜ、逆転なのか
 →激転妖怪的発想の中では、国家のために国民がいる
  →認識が転倒している。正しくは、国民のために国家がある
 →激転妖怪たちは、「危険な自由主義思想」の拡散を阻止しようとする。
 「共謀罪」などの概念
  →多様性は敵。国家として一丸となる体制を狙う

●「我が国ファースト」と叫んでも、国民のことは考えていない
・(1)の逆転狙いの国家主義者であるということと、(2)の内外均衡無視主義者だということは、表裏一体の関係に
 →「我が国ファースト」というスローガンは、国内的な活気と雇用を最優先しているように聞こえる
  →本当にそうか
  →ひた走る保護主義と排外への道

●妖怪たちの略奪性
・(3)の略奪性
 →トラ鬼の引きこもり型と、妖怪アホノミクスの拡張主義型
 →いずれも略奪的になる
・引きこもり型→二国間相互主義に固執。略奪目的を達成するためには好都合なやり方
 拡張主義型 →支配力を及ばせたい領域の拡大

●ニセ預言者は人々が喜ぶことしかいわない
・(4)について、ニセ預言者と真の預言者はどこが違うか
 →2つの本源的な違い
  …第一:ニセ預言者はウソをつく
  …第二:ニセ預言者は人々が喜ぶことしかいわない
・真の預言者は、本当のことをいうのが仕事。警告を発するのが仕事
 →彼らがいうことは、人々にとって耳が痛い

●激転妖怪の僕富論的本質
・(5)の激転妖怪たちは、究極の僕富論信奉者だという点。その論法
 →僕富論の論者たちにとっては、僕の富さえ増えればいい。僕の富が減らないようにするため、僕の富を守るためなら、誰に対して何をしてもいい
 →君富論で行くということは、君の富さえ増えればいいと考える。君の富を守るためになら僕は何でもする。これは実に難しい
・(1)から(4)の激転妖怪ポイントは、全てこの僕富論ポイントに根差していると考えられる

4 二つの「真」が出会う場所を目指して

●君富論は存外に現実的だ
・激転妖怪たちは僕富論亡者
 →我々は、如何に難しかろうと君富論の領域にしっかり陣取らなければならない
・どうすれば、それができるのか
 →2つ言えること
  …第一:グローバル時代において、君富論は存外に現実的
  …第二:いかなる時代においても理想は理想
・グローバル時代は、パックス誰でもない時代
 →お互いに面倒を見合うしかない
 →みんなで真剣に方策を考えなければいけない

●リーマンショック直後の時期、各国首脳は君富論モードに
・「合成の誤謬」…一人一人にとっていいことを合成しても、全体にとっていいことをもたらすことができるとは限らない
 →個々の「部分」にとって、買いだめは最適化をもたらす。が、誰もがやり出すと、全体としてみれば物資不足という著しく最適でない結果に
・2008年のリーマンショック直後の時期、G20の緊急会合に集まった国々の首脳たち
 →合成の誤謬の脅威をひしひしと実感
 →危機意識の共有度が高い印象が残った

●「全体最適」ではなく「全員最適」
・全体的にhappyなのと、全員がhappyなのとは違う
 →グローバル経済さえどんどん成長していれば、その陰で格差と貧困が広がってもいいという論理に陥る
 →全体最適だけでよしとしていてはいけない。理想は全員最適だ

●理想無き者に現実は変えられない
・理想形に到達することは、確かに大変
 →可能にする気概がなければ、敗北主義の泥沼に飲み込まれていくばかり
 →理想は、常に考えていると、思わぬ時にぐっと近づける可能性
 →理想を示すのが、真の預言者たちの仕事

●「ポピュリズム」という言葉の本来の意味
・「ポピュリズム」は、人民主義、人本主義、人民本位、こんなところがその本来の意味に近いだろう
 →筆者もまだこれから探求する必要が大いに
・我々はニセポピュリズムを排して真のポピュリズムを蘇らせることによって、純度の高い君富論の世界に踏み込むことができるのではないか
 →真のポピュリズムと真の君富論が出会う場所。そこが、我々が目指すべきところ

≪おわりに≫

・もはや、右翼も左翼もない。あるのは、ニセ預言者と真の預言者の対立のみ。ニセポピュリズムと真のポピュリズムの対立のみ。君富論対僕富論の対立のみ。
 →勝者は目に見える
 →真の預言者で真のポピュリストで真の君富論に立脚する人々には、包摂力がある。多様性を抱きとめることができる。人の声に耳を傾けることができる。人のために泣くことができる。人に向かって手を差し伸べることができる。誰にでも。どんな人にでも

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