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中国での半導体生産の本格的始動、TSMCの300mm Fab、湖北省、・・

中国経済の伸びの鈍化で世界の半導体市場も低迷傾向が見られる現時点であるが、その中国で半導体生産を新たに立ち上げる動きがいくつかあらわれてきている。最も注目されるのは、台湾のファウンドリー世界最大手、TSMCの中国における同社初の300-mm fab計画について南京の政府との合意に達していることである。2018年後半に16-nmプロセスを立ち上げる予定となっており、最先端のバランスの舵取りに注目である。他に、湖北省武漢でのメモリ製品R&Dプロジェクト、米Micronと台湾PTIの西安の合弁fabなど、それぞれの段階、意味合いはあるが、今後の展開に注目するところである。

≪それぞれの思惑≫

中国経済の減速インパクトが改めて表わされている。

◇アジアの成長率、2016年5.7%に減速、15年ぶり低水準−中国変調で (3月30日付け 日経 電子版)
→アジア開発銀行(ADB)が30日、2016年のアジア地域の国内総生産(GDP)伸び率が5.7%にとどまる見通しと発表、2015年実績よりも0.2ポイント低下し、15年ぶりの低水準となる旨。欧米や日本など先進国の景気回復が遅れているほか、中国経済の変調が影響を及ぼすための旨。外需頼みの成長には限界もあり、アジア各国は内需振興や生産性向上などの経済改革を迫られそうな旨。

中国の国家計画に盛り込んで取り組む半導体戦略をまとめると、次のように表わされる。

◇China's semiconductor strategy (3月30日付け ELECTROIQ)
→中国は世界最大そして最も急成長の市場になっており、世界半導体出荷の40%が中国向け、2019年には約42%に高まる見込みの旨。中国の国務院(State Council)が“National Semiconductor Industry Development Guidelines”および“Made in China 2025”をそれぞれ2014年6月および2015年5月に発行しており、両方の政策ともに、半導体メモリ、設計、ファウンドリー、OSATS、および装置&材料に投資、現地IC業界の発展に向けてすでに大きく主導している旨。

中でもM&A戦略を推進するTsinghua Unigroupについて、韓国での受け取りである。

◇Korean chipmakers face Chinese threat-Tsinghua Unigroup takes on Samsung Electronics, SK hynix in memory chip sector (3月27日付け The Korea Herald)
→Tsinghua UnigroupがBloombergに対して語るところ、向こう数年で半導体事業伸長に向けてなんと$30 billionを投資する旨。これはSamsungの今年見通されている投資spending、$11.5 billionをはるかに上回る旨。

このような中、動き始めている中国での半導体生産であるが、まずは、米Micronと台湾PTIの西安の合弁fabの量産開始である。ここではMicron向けDRAM組立の量産となっている。

◇PTI, Micron China plant enters volume production-DRAM assembly JV plant starts volume production (3月26日付け The Taipei Times (Taiwan))

◇Micron, PTI JV fab starts operations (3月28日付け DIGITIMES)
→Micron Technology(米国)とPowertech Technology(PTI)(台湾)が、Xian(西安), Chinaにある両社合弁fabの完了を発表、量産に入っている旨。該拠点の建設は2015年末に完成、そこでPTIがMicron向け量産を開始の旨。

次に、最も注目のTSMCの中国で最初の300-mmウェーハfabであり、南京政府と以下の通り計画の合意に達している。

◇TSMC Signs Agreement for Its First 300mm Fab in China (3月28日付け EE Times)
→TSMCが本日、中国での同社最初の300-mmウェーハfabに向けた計画を最終的に固めるためにNanjing(南京)の自治政府との合意に調印の旨。TSMCは昨年12月に該$3 billion fab投資計画を発表している旨。12-インチウェーハfabおよび設計サービスセンターを運営するTSMCの完全子会社、TSMC (Nanjing) Co. Ltd.はPukou Economic Development Zoneに立地、とpressステートメントで述べている旨。12-インチウェーハ20,000枚/月のcapacityを計画している該拠点では、2018年後半に該Nanjing fabでTSMCの16-nmプロセスを立ち上げる予定の旨。

続く業界各紙の表わし方となっている。

◇TSMC and Nanjing sign 12-inch fab investment agreement (3月28日付け ELECTROIQ)

◇Taiwan's TSMC signs deal to build $3 billion wafer plant in China-TSMC sets deal for 12-inch wafer fab in Nanjing (3月28日付け Reuters)

◇TSMC and Nanjing sign 12-inch fab investment agreement (3月28日付け DIGITIMES)

◇台湾積体電路製造、半導体工場建設に30億ドル(アジアフラッシュ) (3月31日付け 日経)
→台湾積体電路製造(TSMC)が、30億ドル(約3380億円)を投じスマートフォンなどに使う半導体の製造工場を中国江蘇省の南京市に建設することで同市政府と合意したと発表の旨。

この工場は中国の顧客向けではない、とTSMCの総帥、Morris Chang氏の本件取り組みの分析が表わされている。

◇TSMC's New $3 Billion Plant in China Isn't for Chinese Clients (3月29日付け IndustryWeek)
→MITおよびStanford PhDの卒業生で、半導体業界が耳を傾ける自分の言葉を選ぶことで知られるTSMCのChairman、Morris Chang氏。世界最大のファウンドリー創設者として、Chang氏はこの台湾の会社にintellectual property(IP)保護および科学技術のsecrecyにはparanoia(偏執狂)のような米国をしみ込ませている旨。そこで、TSMCが今週、IP漏洩および企業秘密の手ぬるい施行で悪名高い国、中国の自治政府との投資契約に調印となると、Chang氏がこの決定を軽率に行うはずがない旨。2018年末までにオープン予定の同社南京(Nanjing)拠点にて、TSMCは最先端生産技術の1つを用いて半導体を作る旨。16-nmの製造scaleにあるその技術は、同社がAppleのiPhonesおよびiPads向け半導体を作るのに今日用いているのと同じである旨。衆目の認めるように、TSMCの輝く新しい$3 billionで使われるまでには該技術はもはや先端ではなく、だからこそライバルたちが秘密を盗もうとしてうまくいく国での設立を決めている旨。

続いて、こんどは中国国内の取り組みと思われる湖北省武漢でのメモリ製品のR&Dプロジェクトである。

◇China launches $24 billion IC base project-China breaks ground on $24B IC base (China Daily (3月30日付け Beijing)/Xinhuanet)
→中国が、湖北省(Hubei province)にIC基地を構築する5年$24 billionプロジェクトを打ち上げ、省都、武漢(Wuhan)で建設開始、メモリ製品のR&Dに重点化する旨。4年で300,000 chips/月の生産capacity見通し、2030年に1 million chips/月立ち上げを見込む旨。湖北省は、IC業界サポートに向けて50 billion yuan($7.7 billion)の特別投資ファンドを設けている旨。

上の記事には以下の内容が続いており、取り組みの意味合いが表わされている。

…IC業界は中国にとって戦略的新興途上分野であり、巨額の投資がつぎ込まれようとしている。2014年に中国の内閣、国務院(State Council)はIC業界の展開についてガイドラインを発行、ICメーカーを刺激鼓舞して中国のIC業界が国際的リーダーに追いついていくペースを前倒しを図っている。138 billion yuanの国家IC投資ファンドが構築されている。
中国はintegrated circuits(ICs)輸入に非常に大きく依存している。2014年の輸入は$218 billionに上り、そのうち約25%をメモリ製品が占めている。
このプロジェクトをもって中国のメモリ製品capacityは、5年から15年で韓国などの国々のそれに追いつくか上回る、と武漢(Wuhan)のHuazhong University of Science and Technology、半導体工学教授、Zou Xuecheng氏は言う。…

他にも重慶でのパワー半導体に向けた合弁が次の通り合意されており、中国での半導体生産の新たな波動の様相を呈している。

◇Alpha and Omega Semiconductor announces joint venture agreement in China (3月31日付け ELECTROIQ)
→広範囲のパワー半導体およびパワーICsの設計、開発およびグローバル供給を行なうAlpha and Omega Semiconductor Limited(AOS)(Sunnyvale, CA)が、Municipality of Chongqing, China(中国重慶市当局)がもつ2つの戦略的投資ファンドとの最終合意を発表、重慶市のLiangjiang New Areaで新しい最先端パワー半導体実装/テストおよびウェーハfab拠点に向けた以前に発表の合弁を設立する旨。該合弁の当初の資本が$330 million、AOSが51%、重慶ファンドが49%の旨。


≪市場実態PickUp≫

【台湾・鴻海のシャープ買収】

DRAMあるいは半導体部門が米国半導体メーカーに買収された例はあるが、我が国電機大手の1社全体が買収された台湾・鴻海のシャープ買収は、やはり時代の大きな変化、うねりというものを改めて感じるところである。内外の業界各紙の表し方である。

◇Foxconn, Sharp Make a Deal. What Next? (3月30日付け EE Times/Blog)
→Foxconnによるシャープを買収する断続的な試みが、ついに3月30日終わりに至った旨。Foxconnがシャープの3分の2のstakeに約$3.5 billion支払うことで、両社合意の旨。1ヶ月に及ぶ交渉を経て、Foxconnは当初の提示額から約$900 million減らしている旨。

◇Foxconn gains Sharp's LCD technology and manufacturing capacity (3月30日付け EDN)

◇シャープ、鴻海傘下での再建決定、出資1000億円減 (3月30日付け 日経 電子版)
→シャープは30日、臨時取締役会を開き、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による買収案について、約1000億円の出資額減額などの条件見直しを受け入れ、同社の傘下に入ることを決めた旨。シャープは2月25日に鴻海の傘下に入ることを決めたが、ただ鴻海は将来の負債となる恐れのある偶発債務を問題視、出資の減額などを要求していた旨。シャープは深刻な経営危機の中、鴻海の下で再建を目指す旨。

◇Foxconn, Sharp merge for LCD tech, mfg (3月31日付け EE Times India)

この買収で利するところとして、台湾のIC設計メーカーが挙げられている。

◇Taiwan IC design houses could benefit from Foxconn-Sharp takeover-Sources: Foxconn-Sharp combo may be good for IC design firms (3月31日付け DIGITIMES)
→業界筋発。Foxconn Electronics(Hon Hai Precision Industry)がシャープを買収する取引に達し、台湾のIC design housesには一層のビジネスopportunitiesがもたらされる可能性の旨。Fitipower Integrated TechnologyおよびSocle TechnologyなどFoxconnが出資しているIC design houses、並びにGlobal Mixed-mode Technology(GMT), Novatek MicroelectronicsおよびRichtek TechnologyなどInnoluxのサプライヤが、Foxconnのシャープ買収から恩恵を受けると特定されている旨。
Foxconnはこれまで台湾の半導体design houses数社に出資している旨。

【APEC 2016】

アジア太平洋経済協力閣僚会議と同じ表記になるが、ここでのAPECはパワー半導体関係のApplied Power Electronics conference(3月20-24日:Long Beach, California)である。今回の場での該分野の革新的なアプローチ、そして製品/アーキテクチャーが、以下の通り表わされている。

◇1-GHz IsoVu Leads Tektronix Probe Performance/Usability Charge at APEC-Tektronix demos IsoVu measurement probe running at 1 GHz (3月25日付け Electronic Design)
→TektronixがAPEC 2016 conference(3月20-24日:Long Beach, California)にて、1-gigahertz IsoVu galvanically isolated測定プローブを、また新しい高バンド幅TriModeプローブ、P7700ラインも披露の旨。

◇APEC 2016: Top 10 Must-Have Innovations for Power Designers (3月28日付け EE Times)
→先週のIEEE 2016 Applied Power Electronics conference(APEC)(3月20-24日:Long Beach, California)にて、革新的な製品、アーキテクチャーなど注目トップ10:
 Vicor…業界最善の48VDC to 1VDC以下
 GLF Integrated Power
 Navitas SemiconductorのGaN Power Element
 Efficient Power Corp.(EPC)
 Power IntegrationsのInnoSwitchシリーズ
 InfineonのIntegrated Power Stage搭載Multiphase Power System
 SemitrexのTRONIUMTMソリューション
 ST Microelectronics/WitricityのSiC Electric Vehicle(EV)標準準拠
 Wireless給電ソリューション
 EatonのXLR Supercapacitorモジュール
 Bob Mammano氏…Power Management業界のicon

◇GaN Gets Somber Reception at APEC 2016-Highlights from APEC 2016-Companies talk GaN at APEC 2016 (3月29日付け EE Times)
→Gallium Nitride(GaN)トランジスタ運用が、今年のApplied Power Electronics Conference(APEC)(3月20-24日:Long Beach Calif.)では驚くほど控え目に述べられていた旨。該イベントは、startup、Navitas SemiconductorのGaN FETsに向けたaluminum on GaN driver ICsの発表などGaNトランジスタ開発を特徴としている旨。Transphormは650-voltトランジスタでのON抵抗削減に焦点を当て、Texas Instruments(TI)は600V GaN製造プロセスにおける進展を披露の旨。

【Persistent Memory】

昨年11月に米Hewlett Packard(HP)社が分社化を行って、その1つ、サーバ、ストレージなどのエンタープライズ向け事業を行なっているHewlett Packard Enterprise(HPE)であるが、このほどDRAMとNANDフラッシュの長所を合わせた新型サーバメモリを以下の通り披露している。

◇Flash Rides HPE’s Memory Bus-NVDIMM-N first in a new memory family-HPE touts "persistent memory" for servers (3月29日付け EE Times)
→Hewlett Packard Enterprise(HPE)が、新型サーバメモリ、persistent memoryを披露、DRAMの速度性能およびNANDフラッシュの持続性を合わせ持ち、標準メモリslotモジュール上にmicrocontroller(MCU)およびintegrated電池を搭載の旨。当初のnonvolatile DIMMは、8GBのDRAMおよび8GBのNANDフラッシュを使用、今後は異なる容量で出していく旨。

◇HPE Intros 'Persistent Memory,' Combining DRAM Speed With NAND Flash Persistence (3月29日付け CRN.com (U.S.))

◇Hewlett Packard Enterprise Explores ‘Persistent Memory’ for Chips -Trying to combine two kinds of memory chips to increase speed for companies swamped with data (3月29日付け The Wall Street Journal)

【IBMのTrueNorth neurocomputer】

人間の脳の働きをモデル化、IBMが、スーパーコンピュータ半導体、TrueNorth neurocomputerを開発して、米国Lawrence Livermore National Laboratory(LLNL)に納入している。該分野のこのところの話題、進展に暇なく、引き続き注目である。

◇IBM delivers a piece of its brain-inspired supercomputer to Livermore national lab (3月29日付け VentureBeat)
→IBMが、連邦政府のトップ研究機関の1つ、Lawrence Livermore National Laboratoryにbrain-inspiredスーパーコンピュータの基礎を届けようとしており、16個の半導体、TrueNorthを搭載したサーバrackの中の1枚の小さな“blade”であり、人間の脳が機能するやり方に因んでモデル化されている旨。

◇NeuroComputer to Shepherd Nukes-IBM brain-like chips now working for LLNL (3月31日付け EE Times)
→IBMの頭脳のようなスーパーコンピュータ半導体、TrueNorth neurocomputerが、共同開発していたLawrence Livermore National Laboratory(LLNL)に納入、サイバーセキュリティおよび米国核兵器の地位を確固にする新しい方法を探る旨。

【株式買い増し】

またまた、実装&テスト業界を引っ張るともに台湾のASEによるSPILへの買収入札の件であるが、以下の通りASEは戦略の見直しを迫られる状況となっている。

◇台湾半導体、買収巡り攻防、最大手ASE、2位SPILへのTOB、2回目失敗、当局も慎重 (3月29日付け 日経産業)
→半導体の封止・検査で台湾最大手、日月光半導体製造(ASE)が狙う同業2位の買収計画が難航している旨。敵対的TOB(株式公開買い付け)によるSPILの完全子会社化を目指しているものの、SPILが頑強に抵抗。台湾当局も寡占化などを考慮して判断を保留している旨。ASEは戦略の見直しを迫られる可能性もある旨。

そこでということで、SPIL株式の公開市場買い操作を連日重ねて、3月29日火曜時点でSPILにおけるASEのstakeが約33%に高まっている。

◇ASE raises its stake in Siliconware to over 30% (3月26日付け Focus Taiwan News)
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE,日月光)社が金曜25日、Siliconware Precision Industries Co.(SPIL)の154 million株をNT$8.21 billion($251 million)で買収、SPILにおけるASEのstakeを30.44%に高めた旨。

◇ASE stake in SPIL exceeds 30% (3月28日付け DIGITIMES)
→Advanced Semiconductor Engineering(ASE)が月曜28日、公開市場買い操作でSiliconware Precision Industries(SPIL)株式30,458,004株をNT$53.15($1.63)/株、総額約NT$1.62 billionで得て、SPILにおけるASEのstakeを31.42%に高めた旨。

◇ASE raises stake in Siliconware to almost 33% (3月30日付け Focus Taiwan News)
→Taiwan Stock Exchange向けfilingにて、Advanced Semiconductor Engineering(ASE)社が火曜29日、NT$1.31 billion($40.06 million)かけてライバル、Siliconware Precision Industries Co.(SPIL)の株式を購入、SPILにおけるASEのstakeが月曜28日の31.42%から32.99%に高まった旨。


≪グローバル雑学王−404≫

世界経済が減速、警戒感が強まっているグローバル市場の現況ではあるが、2020年の世界経済はどうなっているだろうか、

『大変化 経済学が教える2020年の日本と世界』
 (竹中 平蔵 著:PHP新書 1023) …2016年1月5日 第一版第一刷

より2回に分けて見ていく。これが最終章であり、前半の今回はアメリカおよびヨーロッパについて2020年の姿を見通している。アメリカはイノベーションの風土から強さを維持する一方、拡大する格差問題が影を落とし、ヨーロッパすなわちEUについては、単に経済だけでは片づけられずさまざまな要素を内包している性格から割れることはないという見方となっている。


第6章 世界経済、変化する者だけが生き残る =前半=

≪2020年、世界経済のパワーバランスは≫

・2020年以降も、アメリカ経済は相変わらず強さを維持
 →ただし格差はいよいよ拡大、年々アメリカ社会に深刻な影
・EUは紆余曲折を経ながらも、枠組みを堅持
・中国はすっかり「中進国の罠」にはまり、停滞から抜け出せない
 →注目すべきは2017年、政権中枢の人選如何に
・2020年においても好調なのがインド経済
 →GDPで2030年までに日本を追い越す可能性も
 →中国にはない民主主義と英語が強味
・ASEAN諸国も2015年末に「ASEAN経済共同体(AEC)」発足
 →相互に連携を強めて大きく成長

1 アメリカ経済は強さを維持する

■イノベーションを生むのは自由な空気
・アメリカのファンダメンタル(基礎的)な部分はきわめて強い
 →イノベーションの力とコーポレート・ガバナンス
・大統領とは、議会に対する「お目付け役」の立場
 →アメリカ大統領は予算作成の権限も持っていない
・アメリカ人にとっては州こそが国家、その上に君臨する連邦政府はできるだけ小さいほうがいい
 →イノベーションを起こしやすい空気

■企業経営をガラス張りに
・コーポレート・ガバナンスもアメリカの強み
 →経営をガラス張りにすることで、株主からの信頼を回復
・日本企業は、この点についてまだまだ遅れている
 →2014年の会社法改正でも、社外取締役の義務化は経済界の反対で見送りに

■1990年代に出現した二つの「フロンティア」
・もう1つ、アメリカの強さは「フロンティア」に
 …「フロンティア」は、開発すればその当人のものになる場所、という意味
・アメリカが1990年代半ばから復活、これには2つの理由
 →1)東西冷戦構造の終焉
   →軍事費を削り、その資金を別の用途に
  2)2つのフロンティアが登場
   →インターネットに代表されるディジタル技術のフロンティア
   →グローバリゼーションというマーケットのフロンティア
    …旧共産圏が一気にマーケットに加わった
     →ここで大いに発揮されたのが、アメリカらしいアントレプレナーシップ(起業家精神)
     →どこにでも押しかける、まさに「フロンティア・スピリッツ」

■アメリカの「格差」問題が2020年に影を落とす
・イノベーションの時代は、必然的に格差が拡大
 →21世紀のアメリカが解決しなくてはいけない重要なポイント
 →自由と責任を重んじるアメリカの強さでもあり、社会の分断に拍車をかけている面も
・格差の少ない日本のようなシステム
 →日本の企業は、当面の利益を最大化するだけではなく、社会全体の利益に資することも求められる傾向
 →ただし、日本の企業は軒並み利益率が非常に低い
・それぞれにメリット・デメリット

2 それでもヨーロッパは割れない

■ギリシャがEUから見放されない理由
・ここ数年、世界経済でもっとも注目を集めている国の1つ、ギリシャ
・ユーロという共通通貨の導入は、固定相場への移行を意味
 →為替レートが固定されれば、ギリシャのような問題が起きるのは当たり前
 →当初から今回のような問題は織り込み済み
・「これはもはや経済の問題ではない」(複数のヨーロッパの経済学者)
 →ヨーロッパは長い歴史の中で、近隣諸国と戦争の繰り返し
 →その反省から、一つ屋根の下で家族のようになろうという社会的・政治的要請
・経済だけでは語れない、さまざまな要素を内包しているのがヨーロッパという社会

■民主主義の「暴走」がEUの舵を狂わせる?
・共通通貨のために為替の調整機能をもたないという問題は残ったまま
 →見えない解決の糸口
・民主主義は多数決が原則
 →冷静で理性的な意見より、一時の感情的な意見が選択される可能性も
 →あとは、ドイツ国民、ギリシャ国民の選択しだい
・しばしば「怠け者」のレッテルを貼られるギリシャ
 →ある程度緊縮財政の成果も出している
 →日本は決してギリシャのことを笑えない

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