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激しさを増すグローバルな攻防…中国が作る壁、モバイル市場

グローバル市場に向けて圧倒的な覇権を構築する動きが、自国の半導体業界強化を国家5ヶ年計画に打ち出して邁進を図る中国、そしてもう1つ、Qualcomm、Samsung、そしてMediaTekなど奪い合い、置き換えと組んずほぐれつの様相を呈するモバイル用半導体市場に見られている。$400 billionの次の大台規模が数年先に見えているという見方が出てきている世界半導体業界であり、No.1シェアを目指して国・地域の間、そして各製品分野でのグローバルな攻防が一層激しさの度合いを高めている。

≪覇権の構築、奪い合い≫

自国の半導体業界強化を図る中国、まずは、自らのコンピュータおよびネットワークスの安全を確保、そして機密が守れる安全な仕立てのスマートフォンに備える動きである。

◇China Looks to Prop Up Domestic Chip Makers-Cybersecurity Concerns Give New Impetus to Country's Effort to Cut Reliance on Foreign Components-China looks to chips for better cybersecurity (1月27日付け The Wall Street Journal)
→中国の自国半導体業界を強化するinitiativeは、ハイテクで経済的開発を推進する活動以上のものがあり、主には海外の国々による政府監視から同国のコンピュータおよびネットワークスの安全確保を支援するやり方である旨。International Business StrategiesのHandel Jones氏の見積もりによると、中国は2014年には必要とした半導体の8.6%を生産、2010年では4.5%であった旨。

◇China Looks to Prop Up Domestic Chip Makers (1月27日付け Nasdaq)
→中国の半導体メーカー、Spreadtrum Communications社のchief executive、Leo Li氏曰く、中国の中央政府が昨年同社に対して、いくつかのofficialsのスマートフォン向けに特注の"safe phone"プロセッサを作り始めるよう要請の旨。1年から2年で米国サプライヤ製の広く使われている半導体を置き換える狙い、北京は海外スパイを手助けする"back doors"(秘密手段)内蔵の可能性を懸念の旨。

特に、金融機関向けのコンピュータはじめハイテク製品について完全自前仕立て、あるいは監視下に置くという以下の内容である。

◇China to demand secret source codes from computer firms: NYT (1月28日付け Reuters)
→New York Times発。中国が、コンピュータ機器を銀行に販売するメーカーに対し、secret source codeを引き渡し、敏感な監査を受け、そしてR&Dセンターを同国に設けるようにさせている旨。北京は、2019年までに中国の金融機関が用いるハイテク製品の75%を"安全確実で制御可能"にしたい旨。該新規則は、中国当局が同国から締め出そうとしている海外メーカーの間での懸念を募らせている旨。

Intelは、むしろ踏み込んで中国メーカーとの連携を強めて中国市場での優位を図る動きを見せている。

◇Intel cooperates with Spreadtrum, Rockchip to tap China mobile chip solution market (1月28日付け DIGITIMES)
→台湾のsupply chainメーカー発。Intelが、中国のIC design houses、Spreadtrum CommunicationsおよびRockchip Electronicsと緊密に協力、スマートフォンおよびタブレット用半導体ソリューションに向けてQualcommおよびMediaTekと競合すべく中国市場で同社プラットフォームを推進していく旨。Intelは2015年に44 million個のタブレット用プロセッサを出荷の運び、該数量はnon-Appleタブレット出荷の3分の1を占めると見積もられる旨。

中国が築く壁への世界の反応にしばらくは注目である。

◇Chinese Walls and Back Doors (1月29日付け EE Times/Blog)
→中国の公正取引regulatorsが自国の半導体業界の回りに新たな壁を構築、Qualcommおよび米国業界が押される側に。

次に、組んずほぐれつ状態のモバイル半導体市場、まずは、台湾・MediaTekの米国市場に乗り出す動き、そして早速の洗礼の一端も見られている。

◇Meet MediaTek, the brains powering your next budget smartphone-Budget smartphones are likely to have MediaTek chips (1月23日付け CNET)
→スマートフォンが市場のlower endで伸びが大きくなる流れ、MediaTekが、米国市場に一層重点化、モバイル半導体リーダー、Qualcommにおひざ元で挑んでいく旨。IntelがMediaTekを買収したがっているという噂があるが、MediaTekのexecutivesはそのような話を軽視の旨。

スマートフォンapplications processor市場のデータが発表されているが、Qualcommの圧倒的リード、それに続くApple、MediaTekという該分野模様である。

◇Global 3Q14 smartphone and tablet chip markets rise, says Strategy Analytics (1月26日付け DIGITIMES)
→Strategy Analytics発。2014年第三四半期のグローバルスマートフォン用applications processor(AP)市場が、前年同期比16%増の$5.6 billion、ベンダー別売上げシェアでは、Qualcommが51%でリード、続いてAppleが19%、MediaTekが15%。

ところが、Samsungの猛烈な反転攻勢が2つ、まずは、Appleの次世代A9 applicationプロセッサ製造の大方を受けるとともに、今までQualcomm製のappプロセッサを使っていた自分のスマートフォンについて自前のExynos appプロセッサに切り替えるという動きである。

◇Samsung Electronics to be main chip supplier for next iPhone: South Korea paper (1月26日付け Reuters)

◇Samsung expected to repeat success of memory biz in system semiconductor biz -Sources: Samsung to supply A9 processor for iPhone 7 (1月26日付け MK.co.kr (South Korea))
→市場観測筋発。Samsung Electronicsが、Appleの次世代iPhone 7 handsetに入るA9 applicationプロセッサの75%を供給するよう請われている旨。
同社はまた、QualcommのSnapdragon appプロセッサに取って代えて、Samsung Galaxy S6スマートフォンに自前のExynos appプロセッサを入れる旨。

これを受けたQualcommでは、直近の好業績の一方で先行きの見通しの厳しさが表れる発表が行われている。

◇Qualcomm Shows Unexpected Growth but Still Cuts Outlook-Chip Maker Cuts Revenue Targets Amid Continued Turmoil in China, Stiffening Competition for Smartphone Chips-Qualcomm's expected large customer loss may be Samsung (1月28日付け The Wall Street Journal)
→Qualcommが、今年度業績予測を下方修正、水曜28日、主要ベンダーを失うと予想している旨。これは、Samsung Electronicsが次のGalaxy S flagship phone用にQualcommのSnapdragon 810でなくて自前のプロセッサを用いる意向という報道の渦中で出てきている旨。Qualcommは、直近四半期について予想を上回る売上げおよびearnings、1つにはAppleのiPhonesの力強い売れ行きがあるとしている旨。

◇Qualcomm expects to lose a large customer's flagship device-The world's largest mobile-chips company cut its guidance Wednesday, suggesting that Samsung won't use its latest processor for its next Galaxy S smartphone. (1月28日付け CNET)

◇Qualcomm says key customer passed on new chip, stock drops (1月28日付け Reuters)

Qualcomm自らも、ARMから離れて自前のSoCに向かう動きを表明している。

◇Qualcomm drops ARM for premium CPU-Qualcomm forgoes ARM for own design, defends Snapdragon chip (1月29日付け Electronics Weekly (U.K.))
→QualcommのCEO、Steve Mollenkopf氏。Qualcommは、次世代premiumモバイルプロセッサの設計にはARMはもはや用いず、自前の64-ビットcustom system-on-a-chip(SoC)に向かう旨。

今回取り上げている中国、そしてモバイル半導体市場の両方に苛まれているQualcommを取り巻く情勢模様が見られている。

◇MediaTek to ramp up 4G chips at the expense of Qualcomm, says paper (1月30日付け DIGITIMES)
→中国語Liberty Times発。MediaTekが、Qualcommを犠牲にして2015年に特に中国市場で4G半導体の出荷を立ち上げる様相、この観測は、Qualcommが最近、同社Snapdragon 810プロセッサがある大手顧客の次期flagship機器の設計に入らないことを確認、その売れ行きが中国での競争の高まりで影響を受ける様相としていることから、出てきている旨。

◇Qualcomm Outlook Exposes 5 Trouble Spots (1月30日付け EE Times)
→以下の点:
・中国でのlicensingおよびロイヤリティ問題
・AppleとSamsungの間の勢力バランスの移行 …Appleのシェア増
・モバイル半導体市場での製品mixの変化
・QualcommのSnapdragon 810 appsプロセッサがSamsungの最新スマートフォンに入れられず
・中国でさらなる競合に直面


≪市場実態PickUp≫

【半導体業界洞察】

恒例のIC Insightsの予測講演から、特に注目させられる10点が表わされている。ここでも中国の伸びが出てきており、特にIC市場全体に占める比率の我が国との際立つ差の見方に目が離せないところがある。

◇10 Eye-Opening IC Insights (1月25日付け EE Times/Slideshow)
→IC Insightsのpresident、Bill McClean氏が、年2回の予測講演(SUNNYVALE, Calif.)にて。今年は半導体業界全体の伸びが7%とほどほどの年、しかし2018年を見据えると、骨の折れる移行が形成されていく旨。
目を見張らせる10点:
1.Tough transition
2.Apple nudges into Top 50
 …Appleがファウンドリー委託で半導体販売高で44位、初のトップ50入り
3.Greater China dominates growth
 …2014年半導体サプライヤ伸び率トップ5社のうち4社が中国勢。
  Huaweiの半導体子会社, HiSiliconが53%で首位、続くはSpreadtrumの33%。
4.China's growing gap
 …IC市場全体シェアの対比:
      2009年  2014年  2019年(予測)
  日本   16%    9%    7%
  中国   27%    34%   40%
5.China's top producers
 …中国における半導体メーカー・トップ2は海外勢、SK HynixとIntel
6.Look out for 2018
 …7-nmノードの夜明けが2018年ごろ
7.Foundries rise, capex falls
 …TSMCは2014年、世界のファウンドリー半導体の半分以上を製造。しかし、設備投資は、2014年の14%の伸びが今年は6%に。
8.Fabless flying high
 …2014年に世界のファブレス15社が、$1 billion以上の売上げ
9.A slower, more stable industry
 …200-mmおよび300-mm fabsをもつICメーカー数
       2007年  現時点
  200-mm   76   61
  300-mm   29   22
10.Drivers and numbers
 …スマートフォンブームが続いて、通信用半導体が初めてコンピュータ用半導体を上回る

【各社業績 …アップル】

米アップルの過去最高を更新する四半期業績が発表され、中国での「iPhone」の売上げの伸びが大きな原動力となっている。上記のモバイル市場のグローバルな攻防を煽る引き金となっている。

◇iPhone Dials Up Record Apple Sales-74.5 million handsets shipped in quarter (1月27日付け EE Times)

◇IPhone Sales in China Bolster Apple Earnings (1月27日付け The New York Times)
→Apple社が火曜27日、mainland China、香港および台湾を含む“greater China”からの第一四半期売上げが$16.1 billion、前年同期比70%増の旨。リサーチ会社、Canalysは、Appleが今や中国でのNo. 1スマートフォンメーカーと評価の旨。

◇アップル最高益、中国で売り上げ7割増、10〜12月 (1月28日付け 日経 電子版)
→米アップルの2014年10〜12月期決算は、売上高、純利益ともに四半期としては過去最高を更新、スマートフォン「iPhone」を中心に中国での売上高が7割増え、好業績をけん引した旨。

◇アップル純利益38%増、iPhone好調、10〜12月 (1月28日付け 日経 電子版)
→米アップルが27日夕に発表した2014年10〜12月期決算。売上高が前年同期比30%増の$74.599 billion、純利益が同38%増の$18.024 billion(約2兆1000億円)。主力のスマートフォン「iPhone」の販売台数は7446万台と前年同期から46%増加、一方、多機能携帯端末「iPad」の販売台数は2141万台と18%減少した旨。

【各社業績 …サムスン】

アップルとは対照的に、スマートフォンの落ち込みが落ち着いてきたとは言えなお続くサムスン電子の以下四半期業績である。半導体が支えているものの2014年売上高は1割の減少となっている。

◇Samsung Pegs Rebound Hopes on Mobile Chips, Cheaper Phones-Smartphone Sales Slipped Amid Intense Competition-Samsung sees mobile profits shrink, but has hopes in chips (1月28日付け The Wall Street Journal)
→Samsung Electronicsのモバイル機器部門の第四四半期operating profitsが64%の落ち込み、今後は伸びている半導体事業および低価格phonesに重点化する新戦略に基づいて浮揚を図る旨。

◇Samsung Boosts Dividend as Profit Beats Estimates on Chips (1月28日付け Bloomberg)

◇サムスン12月期利益、スマホ部門42%減、半導体27%増と好調 (1月30日付け 日経産業)
→韓国サムスン電子が29日、2014年12月期のスマートフォンなどIT機器部門の営業利益が14兆5600億ウォン(約1兆5700億円)と前年同期比42%減と発表の旨。スマホ事業の減速ペースは足元では落ち着いてきた旨。半導体はスマホやデータセンター向けメモリ半導体の販売が好調、2014年の部門営業利益は8兆7800億ウォンと27%増。2014年の連結売上高は10%減の206兆2100億ウォン、売上高営業利益率は12%と4ポイント下がった旨。

【各社業績 …TIおよびSK Hynix】

半導体ベンダーランキングの上位に入るTexas Instruments(TI)社およびSK Hynixの2014年売上げが、それぞれ6.9%増および21%増と伸ばしている。
TIのアナログ、Embedded Processingに対し、SK Hynixはメモリと、分野を引っ張る業容となっている。

◇Texas Instruments' profit rises, helped by auto industry-TI forecasts higher Q1 sales of auto chips (1月26日付け Reuters)

◇Analog, Embedded Drive TI Upwards in 2014 (1月27日付け EE Times)
→Texas Instruments(TI)社の2014年売上げが、前年($12.205 billion)比6.9%増の$13.045 billion、net incomeが同30.6%増の$2.82 billion。第四四半期で見ると、AnalogおよびEmbedded Processingで売上げの85%を占めている旨。2015年第一四半期の売上げ見通しが$3.07 billion〜$3.33 billion、midpointで前年同期比7%増の旨。

◇SK Hynix posts record earnings for 4Q14 and 2014 (1月28日付け DIGITIMES)
→SK Hynixが、2014年第四四半期および2014年年間について最高の利益を記録、第四四半期の連結販売高が前年同期比53%増のKRW5.15 trillion、operating profitsが同112%増のKRW1.67 trillion($1.54 billion)。2014年年間では、連結売上げが21%増のKRW17.13 trillion($15.8 billion)、operating profitsが51%増のKRW5.1 trillion、net profitsがKRW4.2 trillion、これらはすべて2年連続最高更新の旨。

◇SK hynix performance all-time high in 2014-SK Hynix sets records in 2014, with 46% rise in net profit (1月28日付け The Korea Herald (Seoul)/Yonhap News Agency (South Korea))
→SK Hynixの2014年業績、売上げが21%増、net profitが46%増の$3.87 billion、operating profitが51%増の旨。

【車載用半導体の今後】

好調の自動車販売が引っ張って、2014年は車載用半導体のまさに当たり年と以下表されているが、本年の伸び、そして先々のConnected Car台数の拡大ぶりが続けて表わされている。

◇2014 was bumper year for automotive semiconductors (1月27日付け ELECTROIQ)
→IHSからの最新分析。2014年の車載用半導体市場はまさに当たり年、自動車生産の力強い伸びが車の半導体使用増大と合わさって、10%の伸び、$29Bに達した旨。車載用半導体で最も伸びている分野は、hybrid electric vehicles, telematics & connectivityおよびadvanced driver assistance systems(ADAS)、これらの応用の半導体売上げは、2013-2018年のcompound annual growth rate(CAGR)でそれぞれ20%、19%および18%と予想する旨。2015年の見通しも有望、車載用半導体市場は2014年から力強く7.5%増、$31Bに達すると見る旨。

◇Gartner Says By 2020, a Quarter Billion Connected Vehicles Will Enable New In-Vehicle Services and Automated Driving Capabilities-Connected Cars Will Form a Major Element of the Internet of Things (1月26日付け Gartner)
→Gartner(STAMFORD, Conn.)の予測。世界中の道路を走る車の約5台に1台が、2020年までにワイヤレスネットワーク接続のなんらかの形をもち、250 million台以上に上る旨。

◇Connected Car: Dramatic Growth Ahead (1月28日付け EE Times)
→Gartner発。今年、2015年の間にconnected thingsの数が、2014年から30%増の4.9 billionに達し、2020年までには25 billionに膨れ上がると見る旨。この中で、Internet of Things(IoT)の車載版、Connected Carは主要な要素となる旨。


≪グローバル雑学王−343≫

戦後すぐの生まれ、「団塊の世代」のはしりの小生からは、平成元年生まれのものの見方、考え方、受け止め方というものを、

 『ゆとり世代の愛国心 −世界に出て、日本の奇跡が見えてきた』
  (税所 篤快[さいしょ あつよし] 著:PHP新書 941) …2014年9月1日 第一版第一刷発行

よりじっくり味わされ、考えさせられるところ多々で、読み進めている。高度成長の後、バブル崩壊、失われた何年かの停滞期を経て成熟成長を図る、依然道半ばの我が国に思いを馳せることが時折であるが、「ゆとり世代」と呼ばれる年代の馳せる思いというものに以下触れて、まさに今、現状を若い目を通してアップデートさせられている。


第6章 「ゆとり世代」と呼ばれて

◇「自分たちは失敗作らしい」
・ゆとり教育を受けた、いわゆる「ゆとり世代」
 →狭義としては1987〜2003年生まれ
 →(著者は、)まさに「ゆとり世代の中心」に
・高校2年生だった2003年、「日本人の学力低下」が騒がれた
 →なんとなくだが「自分たちは失敗作らしい」という想い

◇大人を恨んでも意味がない
・「団塊の世代」、60代の先輩が、自己愛と憐憫の詰まった言葉を次々に投げかけ
 →本音で思ったこと「バブル時代に遊びにうつつを抜かしていた世代が、日本に蓄積された富を使い果たしてしまった」
 →「何か違うんじゃないの」と思わざるを得ない
・早稲田大時代の恩師、田原総一朗氏
 →「むかしは破壊すべき『体制』があった。いまは、倒すべき『体制』がなくなってしまった」
・その一方、高度成長期の大人たちががんばってくれたおかげで、日本はこれほどまでに豊かになれた

◇新しいマニュアル世代
・平成生まれ世代
 →困難に立ち向かうための知識や能力を手軽に身につけられると思い込む傾向
 →お手軽な「チカラ」を得ることに意識を集中
・どうしたら上の世代を驚かせる「力」をつけられるのか
 →僕たちに問われている

◇つながっていたい欲求の良し悪し
・もう1つ、僕たちに求められていること
 →「群れからの脱出」
 →「仲間とつながっていたい」という想いが強い
・フェイスブックやLINEといったSNS
 →事務連絡を共有ページに、数分もしないうちに全員が閲覧

◇ソーシャルメディアが「見栄」を増長させている
・チャレンジを大きく邪魔する要素
 →見栄。人間の自然な感情として、「他人と比べて自分の状況はどうか」
 →僕たちの世代に特有、ソーシャルメディアが「見栄」の意識を増長させている
 →書き込みのほとんどは輝きとエネルギーに満ちている
・ソーシャルメディアの発達が「承認社会」をもたらしたという意見も
 →「いいね!」と言われることで、心理的な満足感を容易に
・この構図を乗り越えることができるか
 →僕たちに求められる些細な勇気と覚悟

◇就活で人生を終わらせるくらいなら
・平成生まれの就職事情は、これまでとはくらべものにならないほど過酷
 →僕自身も就職活動に取り組んだが、厳しい現実
・就職活動で‑自分たちを突き落とすにも大人なら、救いの手を差し伸べてくれるのも大人
・未熟さを受け入れ、励ましてくれる大人に出会えるか、すべてはそれに

◇すべてを受け入れてくれる存在はどこかにいる
・2010年末、居酒屋チェーン、ワタミ主催のビジネスコンテスト「みんなの夢アワード」で最優秀賞を受賞
 →2年目を迎えた「e-Education」のさらなる拡大を図る
・だが、そこでの取り組みは失敗の連続
 →課金したとたんに生徒はいっさい来なくなった
 →途方に暮れた
・悲惨な状況のなか、出資者の視察団チームがバングラデシュに
 →この試練は、HISダッカ支店の浦田さんの応援なしには耐えきれなかった
 →「自分を100%受け入れてくれる人」の重要さを痛感

◇「期待には応えない」と決意する
・早稲田大ラグビー蹴球部前監督の中竹さんから教わること
 →損得抜きで自分を信頼してくれる人間が一人でもいること
 →プレッシャーに押しつぶされないためのメンタル術
  →「相手の期待を外す」という技
・中竹さんが提唱する二つ
1)ゴールを相手とすり合わせる
2)「相手の期待には応えない」と決意する
・僕がほんとうにやりたかったこと
 →バングラデシュで予備校ビジネスを成功させることではない
 →不足な地域の子供たちに教育の機会、格差を少しでもなくすこと
 →その志の実現に向けて現地の仲間と楽しくやりたかった

◇日本の教育システムの欠陥
・超学歴社会のバングラデシュ、なぜ日本のような就活自殺がほとんどないのか?
 →日本の学校システムでは、生徒が失敗して危機に直面したときに、どのようにして心の状態をマネジメントすればいいかを教えない

◇値段の価値観が違うことに気づいた
・2011年5月、1年目のささやかな成功の後、遅々として進まない2年目のプロジェクトに焦りと苛立ち
・甘くなかった現実
 →バングラデシュ農村部のインターネットカフェは、決して教育を受ける場ではなかった
 →もう1つ、現地の人々からあまり協力を得られなかった
 →授業料の存在を甘く見ていたことも

◇「日本ブランド」を意識する
・ワタミチームは、現場のネットカフェも視察
 →事業に対するフィードバック3点
1)「圧倒的なコンテンツ」
2)「日本ブランド」の活用
3)現地のコーディネーターの育成

◇「上場」と「外資系」という誘惑
・バングラデシュで尊敬する先達の一人
 →株式会社ユーグレナの出雲代表取締役社長
 →微生物のミドリムシを使って食品や化粧品などをつくるバイオベンチャー
・出雲社長は、上場を果たして乗りに乗っていても、まったく変わらない謙虚な人柄や果てしなき好奇心
 →ミドリムシを通じて果たしたい自分の夢
・2014年4月、ユーグレナのダッカオフィスのオープニングセレモニー
 →出雲社長「ミドリムシは途上国の栄養不良問題を解決、人々をより健康にすることができる。ミドリムシを通じて、世界を救いたい!」
・ユーグレナがバングラデシュで立ち上げる「GENKIプログラム」
 →ミドリムシからつくられた栄養満点のクッキーを学校経由で子供たちに届ける
・出雲さんの活躍ぶり、同社取締役の一人は外資系投資銀行出身
 →自分はなんて脆弱な基盤で事業をしているのか、思い知らされる

◇若者はお金よりも社会貢献を重視するのか?
・「e-Education」には、貧乏だからこそ発揮できる強みも
 →世界の最前線で身一つで戦いたいというモチベーションこそが、僕たちの原動力
・僕たちは、ニーズがあるところなら世界のどこにでも飛んでいく
・僕たちは、社会に貢献できる事業を継続的に行うビジネスモデルをつくりたいと考える
 →事業を継続できるだけのお金は稼がないといけない
  →強力な武器となるのが「Crowdfunding」
   …インターネットを通じて、活動に共感する不特定多数の出資者を募り、お金を集める仕組み
・バングラデシュでの成功のあと、パレスチナ、ガザ、ハンガリーと活動を広げるなか、
 →合計800名近くの方々から、500万円以上の支援をいただいた
 →心ある支援者の方々の助けがあってこそ、僕たちは活動を広げていける
・無謀な若者の挑戦を懐の深い大人たちがバックアップ
 →平成生まれが思う存分に挑戦する土壌をつくっている

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