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3月、世界半導体はズタズタ!!〜東芝、サムスンに厳しさ

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ルネサスの呉文精社長が3月の定時株主総会で工場停止に言及したことで波紋が広がっている。需要が回復しないリスクに備えてコストを削減するとの言い分であり、国内の主要6工場は最大2ヵ月の操業停止に踏み切る。

最大の理由は、中国向けのFA(ファクトリーオートメーション)や自動車の減速にあるとしているが、Infineon TechnologiesやNXP Semiconductorの安値攻勢で、得意のマイコンのかなりのシェアを落としている事実も否定できないところだ。

東芝メモリにおいてもNANDフラッシュの減速の影響は凄まじい限りだ。2019年1〜3月期(2018年度第4四半期)だけで310億円の赤字が出ることが確実と言われている。東芝はもともとメモリーカードやスマホ向けにはそこそこ強いが、サーバ向けはSamsungに太刀打ちできない。スマホが止まっている以上、どうにもこうにも出口はないのだ。それにしても、政策投資銀行や政府筋が数千億円の資金を再び東芝に投入するのは、この大赤字補填ではないのかと疑っているのは筆者だけであろうか。

ファブレスの大手であるメガチップスにも影響が出てきた。19年3月期の売上げは予想を50億円下回る950億円となり、赤字は19億円に拡大した。デジカメ向けおよびゲーム向けのLSIが予想を下回ったことが原因だ。そこで、35歳以上で40人の希望退職を募集する事態に陥っている。

もちろん、Samsungもひどいことになっている。メモリバブルの崩壊で2018年第4四半期の半導体売上げはなんと前年比25%減の1兆7368億円になってしまった。中国がトランプ大統領の攻撃によってズタズタになっているため、どうにもこうにも中国向けの輸出が伸びない。さらに改正化学物質管理法の施行により工場稼働停止の危機にも直面している。さしもの台湾ファンドリもついにマイナス基調が出てきている。2019年第1四半期は10〜20%のマイナス成長になることは確実と言われている。さらにまたTSMCは、フォトレジストへの異物混入事故により、数万枚のウェーハを損失し予断を許さない状況だ。

こうしたことが装置メーカーや材料メーカーに影響を与えないわけがない。おそらく2019年半導体設備投資は15〜20%のマイナス成長で、7兆円に届けば良い方だろう。

それにしても、2019年3月15日付のフィラデルフィア半導体株価指数は3.7%も上昇しており、東京エレクトロンは3.19%高、SCREENは3.57%高、アドバンテストは2.13%高を記録している。今年後半から一気に半導体需要が上向く、という予想の上に立って装置各社の株価は上がっている。過去の原則に従えばフィラデルフィア半導体株価指数は将来予想を誤ったことをほとんどないだけに、昨年記録した最高値まであと3%の水準ということは、この1〜3月期が半導体不況の底だと見て良いのかもしれない。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

【訂正】
平素はセミコンポータルをご利用いただきまして誠にありがとうございます。2019年3月29日掲載時のコラム内の損失額に誤認がございました。筆者の修正依頼に従って訂正を致しました。誤った情報を掲載していましたこと、深くお詫び申し上げます。

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