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東芝の電子デバイスは中長期売り上げ1兆円を狙う〜新生東芝の主要事業

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一時期のメディアの狂乱的な東芝に対する扱いにはひたすら辟易していた。憲法に保証されている表現の自由であるからして何を書いても良いのであろうが、それにしても紙の上でもネット上においても「東芝半導体売却」という見出しが多いのには恐れ入った。これは明確な間違いである。東芝はフラッシュメモリを量産するメモリ部門を売却するのであって、東芝半導体全部を売却するのではないからだ。

さて、東芝は先ごろ注力領域に対応した分社化を実行した。半導体部門は東芝メモリと東芝デバイス&ストレージの2社に分かれたのだ。このうち東芝メモリは2017年度中には連結子会社対象から外れることになっている。東芝本体の半導体を担う形になった東芝デバイス&ストレージは、2016年度連結で売り上げ8030億円となっており、従業員数は1万9000人。

東芝全体の2017年度売上高見込みは3兆7617億円(メモリーを除く)であり、東芝デバイス&ストレージの売り上げは21%を占めている。営業利益という面で見れば東芝全体の2017年度見込みの1126億円(メモリーを除く)のうち、何と37%を占めているのだ。すなわち、東芝デバイス&ストレージは、新生東芝の主要事業として位置づけられ成長を期していくことになる。

同社の現在の売り上げ構成は、半分以上がHDDであるが、残りはディスクリート、システムLSIが中心となっている。HDDはフラッシュメモリへの置き替えが進むため前年比マイナス6%となっているが、半導体分野は地味ではあるがかなり堅調に伸びてきている。とりわけ車載向けLSI、モーター制御IC、通信用LSI、MCUなどの伸びがよく、パワーディスクリートや画像向けチップも好調を維持している。

「車載戦略部を新設し、事業部横断で次世代自動車に向けての分野を拡大することに特化する。中長期的には売り上げ1兆円を目指し、ROS10%も達成していきたい。コアとなるのは車載向けパワー、高周波デバイス、車載用SoCであろう」

この力強い談話は東芝デバイス&ストレージを率いる代表取締役社長の福地浩志氏のものである。11月27日に開催された産業タイムズ社創立50周年記念カンファレンス(主催=電子デバイス産業新聞)の壇上においてであった。車載に特化する方向を明確にしただけではなく、イメージセンサ統括部のミックスドシグナルへの合流も図り、アナログ+センサのシナジー効果を追求していく姿勢も明らかにした。さらに、デジタルマーケティング統括部も新設され、Webを使った拡販強化も図っていく。

華やかなフラッシュメモリの世界ばかりが話題になるが、どっこい東芝半導体は本体の柱として生き残っているのだ、ということをはっきりと認識させられた講演であった。

産業タイムズ 代表取締役社長 泉谷 渉

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