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次世代PC用CPUを製造するIntel最大の後工程工場を見てきた!

世界のトップ半導体メーカーである米Intelは、米国オレゴン州とアリゾナ州、アイルランド、イスラエルに前工程工場を持ち、オハイオ州とドイツに新たなファブを建設する。後工程ファブはマレーシア、ベトナム、中国(成都)、コスタリカにあり、ポーランドに新たな後工程ファブを計画している。3D-IC用先進パッケージングは、米国ニューメキシコ州とマレーシアで運用開始している(図1)。

Intel's Global Manufacturing Network / Intel

図1 Intelのグローバル製造ネットワーク 出典:Intel


Intelマレーシア工場は、同社にとって最大の後工程の生産拠点であり、まもなく登場する予定の次世代クライアントPCプロセッサであるMeteor Lake(コードネーム)の3次元実装・テストを始めており、Intel半導体製品はここから世界中の顧客へ出荷されている。今回、Intelは、ベールに包まれていたマレーシア工場の先端製造現場を初めて公開した。筆者は、同工場を訪問する機会を得たので、Intelの半導体製造戦略と後工程工場の様子を紹介しよう。


「4年間に5技術ノード実現して見せる」

工場見学に先立ち、Intel セールス&マーケティング事業部門VP兼 アジア・パシフィック・日本(APJ)担当ゼネラルマネージャーのSteve Long(スティーブ・ロング)氏(図2)がIntelの戦略について説明した。Intelは「4年間に5技術ノード達成」という意欲的な微細化計画を明らかにしており、Long氏は「我々は既に4年で5技術ノードという意欲的な計画のうち、『Intel 7』に関しては2022年に第13世代Coreで出荷を開始しており、『Intel 4』に関しても既に製造を開始している。Long氏は、5技術ノードの2段階目まで完了している」と述べた。Intel4は、今のところ製造は、米国オレゴン州のD1施設だけあり、製造にはEUVリソグラフィを使っている。現在、歩留まり向上中であり、いずれ量産移管先となるアイルランド工場ではテストウェーハを流している段階だという。


Advancing Moore's Law 5 Nodes In 4 Years

図2 Intel の意欲的な微細化計画を説明するSteve Long氏 筆者撮影


その上で、今後の計画としては「『Intel 4』のバリエーションとなる『Intel 3』を今年の後半に製造を開始、『Intel 20A』とそのバリエーションとなる『Intel 18A』はそれぞれ2024年前半、2024年後半に製造を開始する」と述べ、今後も前工程の製造技術の開発を継続し、着実に製造に導入していく、とLong氏は強調していた。

次に、Long氏は、「前工程のウェーハ製造については、内部での製造(Intel Foundry Service: IFS)と外部のファウンドリへの製造委託を併用することで、コストや効率を最適化していく」と「IDM2.0」の戦略を説明した(図3)。


Delivering Leadership Manufacturing: IDM 2.0 / Intel

図3 Intel の「IDM2.0戦略」 出典:Intel


事実、「Intel4」プロセス採用のMeteor LakeのCPUタイル(チップレットのIntel独自の呼称)と22nmベースチップはIntel製だが、GPUチップレットはTSMCに製造委託し、N5(いわゆる5nm)プロセス採用、SoCとI/OタイルはTSMC N6という具合である(図4,5)。


Meteor Lake / Intel

図4 次世代クライアントPC用プロセッサMeteor Lakeのタイル搭載状況(イメージ図):樹脂基板上のマザーチップ上に4個のチップレットが搭載されている 出典:Intel

Meteor Lake / Intel

図5 専用トレイに並んだMeteor Lake の完成品 出典:Intel


Intel マレーシアは従業員15,000人の巨大工場

次に、Intel 製造・サプライチェーン・運営担当 VP兼 Intel Malaysia工場長兼Intelアセンブリ・テストマニュファクチャリング(ATM)グループシステムインテグレーション&マニュファクチャリングサービス(SIMS)運営ゼネラルマネージャーのAK Chang氏がIntelの後工程およびマレーシア工場について説明した。

マレーシア工場には、ペナン島と対岸のクリムに2つのキャンパスが存在するが、ペナン・キャンパスはIntelが51年前の1972年(Intel設立の4年後)に開設したIntel初の海外事業所である「A1」サイト(当初の従業員100人)がベースになっている。それから51年経過し、マレーシア工場は、従業員15000人、敷地面積9万平方フィートの巨大工場に発展した(図6)。


Intel Malaysia: 51Years of Milestones

図6 Intel マレーシア工場の説明をするAK Chang工場長 筆者撮影


ペナン・キャンパスでは先進パッケージング用施設(コード名Pelican)、クリム・キャンパスでは新たなテスト用施設(コード名Falcon)の工事が進んでおり、今後10年間に300億リンギット(約9500億円)を投資し、国内で4000人以上のIntelによる直接雇用と、5000人以上の工場建設関係の雇用が創出されると見込まれるという(図7)。


3D-IC packaging facility in Malaysia

図7 マレーシアのペナン島で建設が進むインテル先進3D-ICパッケージング施設 筆者撮影


Chang氏によれば、マレーシア工場では、過去10年間に12億個のチップの組立・検査を担当し、500種類以上のテスターボードを用いて2020年以降、約5億個のダイソートを行ったという。

Intel マレーシアの各施設とその役割を(A)先進パッケージング専用棟(建設中)、(B)ダイ準備(ダイシング)およびソート(ダイ状態でのテスト)、(C)アセンブリおよび最終テスト、(D)ボードおよびシステム集積ツール製造に分けて各施設と対応付けて図8に示した。


Malaysia - A Manufacturing Powerhouse / Intel

図8 Intelマレーシア工場の全貌 A: ペナン・キャンパスに建設中の先進パケージング施設(コード名:Pelican)、B: クリム・キャンパスでのダイシング・ダイソート(検査による選別)工程、C: ペナン・クリム両キャンパスでのアッセンブリ・テスト工程およびクリム・キャンパスに建設中のアッセンブリ・テスト施設(コード名:Falcon)、D: クリム・キャンパスでのシステムインテグレーション&マニュファクチャリングサービス 出典:Intel提供


次回は、今まで社外秘だったクリーンルーム内部の様子を紹介しよう。 

国際技術ジャーナリスト 服部 毅

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