2025年7月15日
|服部毅のエンジニア論点
2nmおよびその先のデバイスの試作ラインを欧州連合(EU) 圏に設置して最先端デバイスの設計・開発・試作・応用のエコシステムを構築し、欧州における半導体産業を活性化する「NanoICプロジェクト」をご存じだろうか(参考資料1)。去る5月下旬に、EU加盟各国からNanoIC プロジェクト関係者がベルギーに集まり、このプロジェクトの決起大会ともいうべき「NanoIC Workshop」が開催され、プロジェクトの計画や進捗状況が報告された。
[→続きを読む]
2025年7月14日
|週間ニュース分析
日本の中小のOSAT(半導体後工程の請負ビジネス)企業が集まり、日本OSAT連合会を立ち上げた。6月10日現在で26社が正会員となりまず情報の共有から始めた。台湾の主要IT企業は月次の売上額を報告しているが、TSMCの4〜6月期は前年同期比(YoY)38%増となった。一方韓国のSamsungの同時期における営業利益は56%減の4.6兆ウォン(約4900億円)となり対照的だ。AIデータセンターを結び海底ケーブルで総務省が支援する。
[→続きを読む]
2025年7月14日
|長見晃の海外トピックス
米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、この5月について$59.0 billionと、少なくとも2022年まで遡って昨年11月の$57.8 billionを上回る月次最高を示している。本年出だし2ヶ月は前月比減少となったが、以降5月まで3ヶ月連続増加となり、AI(人工知能)関連需要が圧倒的に牽引すると目される現下の市場の力強さがあらわれている。PC、スマホはじめ従来の分野の本格的回復が待たれる雲行きの中、今の状況が続くかどうか、変化に目が離せないところである。各社の状況についても、Nvidia及びTSMCがAI関連を圧倒的に引っ張る一方、インテル、Samsungなど追い込みを図る取り組みと、際立つAI濃淡模様である。
[→続きを読む]
2025年7月11日
|市場分析
全世界企業の時価総額においてNvidiaが、一時的だが4兆ドル(1ドル=146円)に達した。時価総額が4兆ドルに達した企業はこのNvidiaが初めてだ。時価総額トップテンの半導体企業にはNvidiaの他に8位にBroadcom、9位にTSMCが入っている(図1)。10位までの1兆ドルクラブに半導体企業が3社も入っていることは、半導体産業への期待がいかに大きいかを物語っている。
[→続きを読む]
2025年7月10日
|技術分析(半導体製品)
ルネサスエレクトロニクスは、マイクロコントローラ(MCU)の微細化を進めるために従来のNORフラッシュに代えてMRAMで22nm以降に対応する。微細化するのは、高集積化のためだが、従来のマイコンCPUに加え、AI専用のNPU(ニューラルプロセッサ)コアも集積しているのが特長だ。このほど第1弾としてAIoT向けの次世代マイコン「RA8P1」をサンプル出荷している。
[→続きを読む]
2025年7月 9日
|鴨志田元孝の技術つれづれ
前報(参考資料1)で医工連携につき、医学の臨床現場で使われている患者に対する説明書の難解さを記述した。本稿ではAIの将来革新技術を探る目的で岡目八目をしているので、あまり深入りはせず、ただ実態を知るための現状認識程度に考えてお読みいただきたい。
[→続きを読む]
2025年7月 9日
|鴨志田元孝の技術つれづれ
現代のAI機器には消費電力の課題があるのでイノベーションが必要なことは誰しも思うことであるが、何をどうすればよいのかは皆目見当もつかない。こういう時は身近な産業分野を時々眺めてみることも必要である。いわゆる岡目八目である。本稿以降しばらくバイオと光学分野の現状を覗いてみたい。光学では情報伝送の省電力という意味でフォトニクスや量子産業がセミコン産業と隣接している。またバイオはニューロンの仕組みなど省力システム関係で見ておかねばならない。とはいっても、両者ともあまりに広いのでどこを覗くか、その切り口が重要になる。筆者の独断と偏見で医療関係、特に医工連携から入るが、それは筆者の個人的な事情もあるので、それによる偏りはあらかじめご了承頂きたい。
[→続きを読む]
2025年7月 8日
|各月のトップ5
2025年6月に最もよく読まれた記事は「2025年第1四半期の世界半導体ランキング、日本はソニーの14位が最高位」である。これは、セミコンポータルが独自に調査して求めた世界半導体企業の売上額から順位を付けた。各社の四半期ごとの決算発表の数字からカレンダー年で2025年1〜3月期に最も近い四半期の数字を集計し順位を求めたもの。
[→続きを読む]
2025年7月 7日
|週間ニュース分析
最近の半導体景況は、いまだにAIデータセンター向け好調、パソコンやスマホは徐々に回復だがEVなどの自動車は不調、という状況を示す事実が先週のニュースで見られた。AIデータセンター向けの電力増強、Metaの「超知能」、フィジカルAIというべきロボットを看護師の補助として使う台湾の病院が紹介されている。一方でOSATトップの台湾ASEが北九州市に取得した土地が1年間活用されていないという問題もある。
[→続きを読む]
2025年7月 7日
|長見晃の海外トピックス
トランプ政権の減税・歳出法案そして関税交渉の進捗具合が米国内そして世界各国にそれぞれ分断模様の議論を引き起こすなか、半導体関連では米国政府の2つの動きが見られている。トランプ大統領の言う「大きくて美しい法案(One Big Beautiful Bill Act)」を受けて、先進製造投資税額控除の税率が25%から35%に引き上げられ、最も重要な税制優遇措置が推進されている。そして、米中貿易協定の成立発表に応じる形で、中国企業への半導体設計ソフトウェアの提供に関するライセンス要件が撤廃されている。もう1つ、立て直しを図っているインテルについて、ファウンドリーの製造プロセス対応を先進的な14Aノードに移すなど、新たな基軸が示されている。
[→続きを読む]