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台湾UMC、20nmをスキップ、14nmFINFETプロセスで巻き返し狙う

ファウンドリのUMCは28nmプロセスの量産品を出荷しており、その量産規模拡大を進めている中、20nmプロセスをスキップして、14nmのFINFETプロセス立ち上げに狙いを絞っていることを明らかにした(図1)。

図1 ロジックやプロセッサでは20nmは特定顧客にのみ提供、汎用は14nmFINFETに絞る 出典:UMC

図1 ロジックやプロセッサでは20nmは特定顧客にのみ提供、汎用は14nmFINFETに絞る 出典:UMC


UMCは、ASIC的なアプローチを採ってきたファウンドリであり、もともと大手顧客に絞ってきた。このため特定顧客とのテイラーメードのプロセス仕様で製造を請け負うことが得意だった。この点、どんな顧客にも標準プロセスで対応してきたTSMCとは全く違う戦略だ。

UMCは世界のファウンドリビジネスで2011年の世界2位から2012年は4位に後退していた(参考資料1)。1年前、TSMCは28nm LPプロセスで量産が間に合わず、クアルコムやアップルなどアプリケーションプロセッサメーカーの注文に応えられなかった。しかしUMCも28nmプロセスに出遅れ、このビジネスチャンスを生かしきれなかった。

UMCは昨年の教訓を生かし、積極的に打って出る戦略に変えた。TSMCと同様、標準仕様であるPDK(プロセス開発キット)を準備して、ファブレス企業やIDM、システムメーカーからPDKに沿った注文を採り、多くの顧客にも対応できる体制を作った。同時に特定顧客とのテイラーメードにも応えられることは続けていく。そして、日本市場を狙い、標準プロセスとテイラーメードとの間のどのプロセスにも応えられるようなフレキシブルな戦略を採る。

特に日本の潜在顧客であるIDMは、テイラーメードでプロセスのファインチューニングに熱心だ。標準プロセスを利用するIDMはほとんどいない。だからこそ、日本はTSMCよりはフレキシブルに対応できる市場に見える。これが日本の顧客に積極攻勢をかけている理由だ。もちろん、テイラーメードプロセスでは、きちんとした守秘契約を交わし、プロセスの流出を防ぐことに対しては責任を持つ。

28nmプロセスでは、PDKを用意し標準プロセスの量産立ち上げを急いでいるが、20nmプロセスに関しては標準プロセスをスキップし、14nmFINFETプロセスの標準化を目指す。ただし、図1のように20nmプロセスのテイラーメード仕様は顧客の要求次第で提供する。

14nmプロセスはIBMからライセンスを受けており、すでに開発に取り掛かっている。今後PDKも準備し、14nmFINFETプロセスは28nmの次の標準プロセスになる。FINFETプロセスは2014年〜2016年に量産に入る、と同社Corporate Marketing DivisionのDivision DirectorであるKurt Huang氏(図2)は見ている。同氏はUMC入社前に台湾のデザインハウスであるGlobal Unichip社におり、設計にも精通している人物だ。


図2 設計に精通しているUMCのKurt Huang氏

図2 設計に精通しているUMCのKurt Huang氏


UMCでは、CEOのP. W. Yen氏もこのほど来日しており、CEOインタビューの詳細は近いうちにレポートする。

参考資料
1. 世界のファウンドリビジネスが20%成長した2012年、サムスン急伸 (2013/01/16)

(2013/05/30)
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