セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

アドバンテスト、次世代ドライバ・アナログ・メモリのテスターを顔見せ

アドバンテストが、セミコンジャパンでテスター新製品を発表した。タッチセンサを集積したLCDドライバIC向けのテスター「T6391」(図1)や、モジュール方式でさまざまなアナログIC/ミクストシグナルICに対応した「EVA100」(図2)、512個のメモリの温度特性を測るハンドラ「M6245」(図3)などだ。

図1 タッチセンサ内蔵ドライバICのテスター「T6391」 出典:アドバンテスト

図1 タッチセンサ内蔵ドライバICのテスター「T6391」 出典:アドバンテスト


ディスプレイシステムではいわゆる「額縁」にタッチセンサコントローラやLCDドライバを搭載している。次世代のスマートフォンやタブレット、モバイルPCなどのディスプレイでは、タッチパネルコントローラとLCDドライバを集積化することで、この額縁をさらに薄くできる。配線も簡単になる上に、ノイズ対策も容易になる。ルネサスのドライバIC部門の子会社を買収したSynapticsは、タッチセンサコントローラとLCDドライバを1チップに集積したIC(参考資料1)をすでに設計中である。

T6391では、デバイスの多ピン化や高速インターフェース対応などディスプレイドライバの機能テストをカバーする。最大3584ピンのドライバICにも対応する。512個のI/Oチャンネルを備え、高速インターフェースでスループットを上げる工夫もしている。I/Oピンは最大1.6Gbpsというデータレートで動作し、モバイル規格のMIPIインターフェースを備えたドライバICをテストできる。4Kテレビのテスト用に最大6.5Gbpsのデータレートでデータ伝送できる。12月末に出荷する予定。


図2 モジュール方式のアナログ/ミクストシグナルIC 出典:アドバンテスト

図2 モジュール方式のアナログ/ミクストシグナルIC 出典:アドバンテスト


EVA100では、まるでNational InstrumentsのPXI製品(参考資料23)を想起するようなモジュール方式になっており、試作評価から量産まで対応する。アナログ電圧、電流源、パターンジェネレータ、オシロスコープなどの機能がEVA100に納められており、それぞれボードを差し込むことで機能を実現する。モジュール方式だと、いろいろなアナログICに対応できるため、アドバンテストはこれからモジュールの種類を増やしていく予定だ。

EVA100向けにテストシーケンスを簡単に設定するためのソフトウエアもアドバンテストが提供する。直感的な操作を可能にするためにプログラム言語は不要で、測定器画面、シーケンスエディタ、そのテンプレート、レポート機能も備わっている。

テストハンドラM6245では、大量のメモリの温度特性を測定できるようにし、かつ0.3mmというファインピッチの製品もテストできるようにするため、マシンビジョンによるアラインメント方式を利用して位置決めを行っている。全体のボールの位置やセンタの位置を検出、512個のメモリの位置決め時間は60〜70秒、テスト時間も同じ程度であるため、デュアル構成で1ロットの512個のメモリをテストしている時間で、次のロットのメモリの位置決めをしておく。このデュアル構成により、時間短縮ができる。


図3 量産向けのテストハンドラ 出典:アドバンテスト

図3 量産向けのテストハンドラ 出典:アドバンテスト


温度特性の測定には、昨年発表したM4871(参考資料4)と同様、水とお湯の2槽に浸す方式を利用する。ただし、昨年の装置では16個あるいは32個までのICしか扱えなかったが、今回は512個まで扱うことができる。モバイル用のLPDDRに加え、NANDフラッシュにも使えるとしている。

参考資料
1. Synapticsがルネサスを買収するメリットは大きい (2014/06/16)
2. NI、RF/ミクストシグナルIC向けフレキシブルなテスターをリリース (2014/08/07)
3. 日本NI、半導体分野への進出の狙いを池田社長に聞く(動画) (2014/11/21)
4. アドバンテスト、プラットフォーム戦略を推進、ハンドラやモジュールに特長 (2013/12/27)

(2014/12/10)

月別アーカイブ