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高級なFPGAをもっと使いやすく、開発キットに注力するAltera、マクニカ

「FPGAをもっと身近に使ってほしい」。こんな気持ちで高級なFPGAをもっと使いやすい開発ツールの提供にAlteraとマクニカが共同で取り組んでいる。最大5万LUT(ルックアップテーブル)を持つAlteraのFPGAであるMAX10シリーズのユーザを拡大するため、Alteraは使いやすさを念頭に置いた開発ツールDK-DEV-10M50-Aを3月から出荷する。

図1 MAX10の新しい開発キットDK-DEV-10M50-A

図1 MAX10の新しい開発キットDK-DEV-10M50-A


昨年10月にMAX10ファミリーをリリースした時に、評価キットも用意したが、ボードに搭載したFPGAのロジックエレメント数が少なく、顧客の要望を全てかなえられなかった。今回のMAX 10キットは最大5万LUTをカバー。MAX10ファミリー全ての開発評価ができるようになった。MAX10は、ミッドレンジの工業用モータドライバやI/Oモジュール、クルマ向けADADS(先進ドライバー支援システム)やインフォテインメント、モバイル通信基地局、コンピューティングなどを狙ったFPGA製品。国内の顧客からこれまでに150社から予約があったという。

MAX10にはA-D/D-Aコンバータを内蔵しているため、センサやアクチュエータとのインタフェースや、ギガビットイーサネットを開発するのにも向いている。開発ツールには、テスト用のJTAGを搭載しているだけではなく、GUIベースの消費電力評価ツールも搭載している。この開発キットを使えば、HDLのようなLSI設計専用の言語を使わなくても設計できる。

MAX10は、Nios IIと呼ぶ32ビットプロセッサコア、SRAM、DSP、ユーザ定義のフラッシュメモリ2個などを集積しており、デュアルコンフィギュレーションやインスタントオンのような不揮発性の機能を持っている。

Alteraは、半導体代理店のマクニカと共同で、新しい開発キットMpression Odysseyも提供し始めた。これは、MAX10を使ったFPGA開発キット(マザーボード)に、Bluetooth LEと各種センサを搭載したドーターボードからなる。ドーターボードにはARM Cortex Mシリーズの32ビットCPUコアに最大15の設計を格納できるSPIフラッシュ、BroadcomのWiced Bluetooth LEモジュール(参考資料1)、その他のセンサを搭載している。このFPGA開発キットの定価は9600円だが、キャンペーン価格は5480円だとしている。


図2 マクニカが開発した、無線でスマホとFPGA設計をつなぐ開発キット

図2 マクニカが開発した、無線でスマホとFPGA設計をつなぐ開発キット


Odysseyは、スマートフォンとBluetoothを介して接続され、スマホを使ってOdysseyのアプリを起動し、試したいメニューを選択できる。iOSとAndroidに対応し、3月にはOdysseyのアプリがApple、Googleに認定・登録される見込みだとしている。登録されると、iOSは、App Storeから、AndroidはGoogle Playから、それぞれアプリをダウンロードできるようになる。

参考資料
1. Broadcom、802.11ac規格に準拠したWi-FiチップでIoT市場を攻める (2013/06/21)

(2015/02/20)
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