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CEATEC 2013(1)〜IoTに向けたヘルスケアソリューションが活発、海外コラボも

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千葉県幕張で開催されているCEATEC 2013(図1)では、部品メーカーのソリューション提案が目立つ。ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)からつながる将来のIoT(Internet of Things)、ワイヤレスヘルスケアなどのソリューション向け、Bluetooth Smart、各種のセンサ、そのためのコラボレーションも活発だ。半導体メーカーの参加は国内ではロームのみ。

図1 CEATEC会場

図1 CEATEC会場


村田製作所(ムラタ)やローム、ミツミ、アルプスなど大手部品メーカーは、部品だけではなくモジュールも開発しているが、CEATEC 2013では、それらを使って何ができるかというソリューション提案を行っている。つまり2〜3年先にユーザーが欲しがるようなシステムの提案である。今エレクトロニクス産業では世界的に、こういったソリューション提案できるところが成功している。半導体メーカーも同じである。シリコンバレーをはじめとして海外では、ソリューション提案が極めて活発だ。

グローバルなコラボで3次元ジェスチャーシステム
ムラタは、超音波トランスデューサを利用した3次元のジェスチャー入力システムを開発、展示した。スマートフォンやタブレット画面に触れなくても、手を動かしてページめくりやスクロール、などの手のジェスチャーによりコマンドを入力する。それも画面からはみ出た周囲からでさえ、右から左へ(その逆も)、上から下へ(その逆も)と操作することも可能で、いわばスクリーンが仮想的に大きくなったようなもの。

原理的には、タブレットの右上と左上の角に2個の超音波発生器(トランスミッタ)を配置し、手などに反射した超音波を検出するマイクを4つの角付近に配置する。発射された超音波が手によって反射されると、トランスミッタとの距離を測定・演算できるため、手の動きを立体的に表現できる。これまでジェスチャーを検出するのにカメラが用いられることが多かったが、カメラでは距離を測定できないため立体的な動きを表現できなかった。

ムラタは今からちょうど2年前にフィンランドのMEMSメーカーのVTI社を買収、北欧とのパイプを作った。今回、超音波センサはムラタ製だが、SDK(ソフトウエア開発キット)はノルウェーのソフトウエアメーカーEllipticlabs社が手掛けた。超音波を拾うMEMSマイクは実績のある米国Knowles(ノウルズ)社製を利用、文字通りグローバルなコラボ体制で開発した。ムラタのブースでは来日したEllipticslabs社の社員が説明しており、このシステムは消費電流10mA、高周波電圧6Vppとカメラを使う場合の1/4の消費電力で済むという。

Bluetooth Smart規格がアンドロイドOSによってサポートされることが決まって以来、急速に各社が開発に力を入れているが、CEATECでもムラタやローム、ミツミ電機などがそのモジュールを新製品として展示していた。ムラタは5.4mm×4.4mmと小型のBluetooth Smartモジュールを展示、アンテナ内蔵でも7.4mm×7.0mmと小さい(図2)。Bluetooth SmartはIoTやヘルスケアなどで無線を飛ばす標準的な規格であり、消費電力が小さいながらも従来のBluetoothと互換性がある (参考資料1)。


図2 5.4mm×4.4mmと小さなBluetooth Smartモジュール 村田製作所製

図2 5.4mm×4.4mmと小さなBluetooth Smartモジュール 村田製作所製


ロームは、Bluetooth Smartをヘルスケア用に使うための円盤状のモジュール(図3)を開発、電池を半年以上交換せずに体温を測定するというデモを行った。このモジュールを絆創膏のように体に張り付けサーミスタセンサで体温を検出、そのモジュールからデータを連続的にスマホに送る。スマホにはBluetooth Smart Ready規格のチップが内蔵されている。スマホでは複数の患者の体温測定データを記録する。今回のBluetooth Smart規格に合ったチップはローム傘下のラピスセミコンダクタ(旧沖電気セミコンダクター)が製品化している。


図3 ロームがラピスのBluetooth Smartチップを使って開発した通信モジュール

図3 ロームがラピスのBluetooth Smartチップを使って開発した通信モジュール


ヘルスケアへの取り組みはミツミも同様、Bluetooth Smart規格のモジュールを展示しているが、同社ではMEMSの圧力センサとセンサ信号処理ICを一つのパッケージに収めた圧力センサがユニークだ(図4)。これは7mm×7mmのパッケージ収容、分解能16ビットのΔΣ型A-Dコンバータを信号処理ICに集積している。出力は16ビットのデジタルSPIバス経由。温度センサとEEPROMも内蔵しているため、温度補正できる。


図4 デジタル出力可能な圧力センサ ミツミ電機

図4 デジタル出力可能な圧力センサ ミツミ電機


参考資料
1.Bluetooth Smart規格がスマホのアクセサリ市場を牽引する (2013/06/04)

(2013/10/03)

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