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IoTシステムはAIとセットで能力を発揮できることを実証

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データを分析するのにAIを使うことはもはや常識になりつつある。建設機械のコマツや日立建機は、IoTデバイスからのデータを基盤としたサービスを構築し始めた。コンビニエンスストアのセブンイレブンではIoTを多数取り付け設備の予知保全に備える。IoTセンサを簡単に作るためのマイコンボード「ラズベリーパイ」が活躍している。

IoTシステムの実証実験が進み、商用化やそれを使った新ビジネスモデルの創出なども出てきている。コマツは、NTTドコモと組み、2020年春にも「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」と呼ぶサービスを始める。この新サービスでは、まずドコモが位置情報の精度を高められる独自の基地局を用意する。コマツは衛星アンテナ、建機の動きを把握するセンサなどのキットを提供する。このキットがあれば中古建機や他社製品でも、わずか2cmの誤差の範囲内での施工が可能になる。広い土地に建物を建てる場合の基準となる座標をGPSや建機のセンサからのデータをベースに描く。元々建機ビジネスはレンタル制が多く、売り切りビジネスではない。このため、データサービスもサブスクリプションモデルで行う。

日立建機は、IoTセンサやカメラを設置した建機の稼働状況を本社や事業所から遠隔でモニターできるサービス「コンサイト」を行っている。現場で起きた故障はコンサイトの通信網を通じて、現場の作業者や代理店に一斉に自動配信される。作業中の建機がトラブルとなってもその2分後に代理店が連絡し、40分後には技術者が現場に到着したという事例があった。台湾やインドでも建機のトラブルをまずは監視し、可視化している。今後は、人工知能(AI)で修理履歴などを分析し異常傾向を把握。足元で6割程度だった故障予兆検知率を、20年にも9割程度まで高める考えだ、と8月30日の日経産業新聞は報じている。

IoTの利用による設備の予知保全は、工場だけではない。小売りでも進んでいる。セブンイレブンでは、冷凍や冷蔵の販売ケースをネットにつなげて稼働状況を監視する実験を進めている、と23日の日経は伝えた。冷凍食品の販売ケースの扉を開けると、上部に小さなスイッチ型のセンサがある。このセンサで扉の開閉回数を数えている。温度センサも取り付け、稼働時間や温度などのデータを日々収集している。東京都千代田区の「セブン-イレブン 千代田二番町店」では9つの設備に合計120個ほどのIoTセンサを取り付けている。予知保全により設備の故障を予防する仕組みを作るのだという。セブン-イレブンの店舗は全国に2万超あり、温度管理が必要な設備は約80万台にのぼる。保守のために作業員を店舗に派遣する回数は年間20万回を超える。店内の設備と通信して1台ごとに動作の異常や故障の予兆をつかめれば、保守の回数を減らすことができる。

IoTデバイスでは、センサとアナログインターフェース、マイコン、送信機などを基本回路としているが、マイコンを含むため、汎用的なコンピュータボードである「ラズベリーパイ」がIoTの基本プラットフォームになりつつある、と27日の日経産業新聞が報じた。このラズパイにAIの推論マシンを組み込めば、ラズパイが制御を担い、演算をGPUなどの推論マシンが担うことで、低コストでエッジAIを設計できる。ラズパイの世界販売額は8月時点で2700万台に達したという。

IoTのデータ分析に必要なAIを企業間で対話できるようなプラットフォームシステムをNECが開発した、と28日の日経産業が報じた。OKIや豊田通商などと共同で、AI間での交渉の実証実験の場としての承認を、米国の国際業界団体IIC(Industrial Internet Consortium)に申請し、このほど認められた。今後、AIによる企業間の対話の実証実験を進めつつ、技術の国際標準化を目指していく。ここでは、プロトコルや単語の定義などを統一していく。

(2019/09/02)

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