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AI活用事例が豊富になった

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あらゆる分野でAI(人工知能)を活用することが定着してきた。医療関係では機械学習やディープラーニングを活用して、医師の診断に利用する例が増えてきた。またカメラ画像から地図を作成する、河川の水位を予測する、小売り店舗で棚の欠品を検出するのにもAIを使うという。IntelはCPU以外にもAI用半導体を準備している。

AI(機械学習やディープラーニング)を使った医療への応用では、内臓の画像からがんを見分けるためにAIでがんの画像を学習させるようになってきた。がんを正確に診断できる病理医が不足しているため、その解消のためにAIを使う。ただし、学習させるためには、画像をみてどこががんなのか、印をつけるというAI前処理(学習させる前の処理工程)が必要である。この前処理は、優秀な病理医の協力が必要で、病理医の知識を元にAI研究者が印をつけていく。しかも、学習の精度を上げるには、一般に多数の画像データが必要だが、AIアルゴリズムによっては過去のデータを利用することで学習回数を減らす技術も開発されている。

福島県では10万人当たりの病理医の数が全国の都道府県で下から2番目に少ないため、福島県立医科大学は、県内の6の医療機関と結び、各医療機関の病理医同士が互いに診断を支援できるネットワーク「福島県遠隔病理診断ネットワーク」を構築した、と8月19日の日刊工業新聞が報じた。病理医がいない病院でも、診断を遠隔で行うことができる。加えて、連携する医療機関から送られてきた画像のAI診断結果を県立医大の病理専門医が評価し、その画像を病理学会に送り、データ量を増やしている。

大学同士の研究協力も進んでいる。帝京大学医学部の神野浩光教授と東京医科大学教授で慶応義塾大学先端生命科学研究所の杉本昌弘徳仁教授らは、唾液中の代謝物の濃度の違いから乳がんを検出する診断予測システムを開発した。乳がん患者に特徴的な代謝物のパターンをAIで学習させた。代謝物を網羅的に解析する「メタボローム解析」を行った結果、260種類の代謝物の内、30物質が乳がんに関係することが明らかになった。乳がん患者124人と、健康な人42人の唾液検体から学習させた。また、東京大学医学部付属病院検査部の佐藤雅哉助教と、島津製作所基盤技術研究所の森本健太郎主任らは、肝疾患患者の検査データなどをAIに学習させた結果、87.3%の確率で正しく診断できた、と日刊工業はレポートしている。

地図のない道でもロボットが走行できるようにするため、全方位カメラと、「トポロジカルマップ」を組み合わせて、自ら地図を作り走行するロボットを、大阪大学コマツみらい建機協働研究所の大須賀公一所長と立命館大学の倉鋪圭太准教授らが開発中だ、と14日の日刊工業が伝えた。トポロジカルマップとは、特定の地点を見た目の特徴で識別し、各地点を結ぶつながりを道として作られるマップだという。GPSが使えない環境での利用を期待している。多数のカメラ画像をラベル付けし学習させた。

富士通は、自社のAIマシンである「Fujitsu Human Centric AI Zinrai」を使って、雨量と水位のデータから、河川の水位を予測する技術を開発した。これまでの川ごとのデータがなくても、雨水の流出を表現したタンクモデルから河川への流出量を求め、過去の雨量データと水量データとの関係を学習させた。中小河川にこの技術を適用したところ、降雨による増水の水位上昇を予測できることを確認した。どのような河川でも予測できるというメリットがある。

19日の日経は、ベビーブーマー4200万人の退職に備え、小売り最大手のWalmartのニューヨーク店舗で、天井に3000個のカメラやセンサを設置、棚の欠品を素早く探せるようにするためカメラ画像をAIで分析できることを目指すと報じた。すでに各商品の画像や価格、在庫状況はスマートフォンで把握できるが、こちらからスマホをアクセスしなければわからない。しかし、カメラ画像で分析できれば、欠品が出た瞬間からそれを把握できる。

15日の日本経済新聞は、IntelのCEOであるBob Swan氏とのインタビュー記事を載せ、IntelのパソコンからAIなどに拡大する方針をレポートした。同社はデータセンター向けのハイエンドCPUのXeonに加え、GPUやFPGA、AI専用チップなどを組み合わせることで、幅広い機能やサービスを提供していく。

(2019/08/19)

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