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5Gサービス競争が始まった、工場内セルラーへの応用も登場

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先週、5Gサービスが韓国と米国で始まったというニュースがあり、欧州では産業機器の展示会であるハノーバーメッセが開かれた。5Gがこれまでの携帯電話の規格とは違って、さまざまな機器がつながることも特長である。工場内のIoTセンサ機器をネットワークで結ぶ手段としても5Gがある。また、ジャパンディスプレイが行き詰っているという話もある。

工場内5G通信を伝えたのは、4月4日の日本経済新聞である。ドイツのSiemensが生産データを工場の外に出さず拠点内で完結する「プライベート5G」の開発を進める、というのだ。社内に複数のテストセンターを設け、22年をめどに装置やシステムを投入する。

実は、工場内のネットワークとしてこれまでバラバラの規格で動いていた有線のEtherCATやCC-Link、Profibusなど各社各様の規格で工場内の産業機器をつないでいるが、なかなか共通化、標準化ができない。企業ごとにフィールドバスの規格が乱立しているこれまでの状態を、いっそのことセルラーネットワークと同じ仕様で工場内の機器をつなげられれば、もっと低コストでネットワークを構築できる。

このため工場内のセルラーネットワークのアイデアは、実は昨年のMWC(Mobile World Congress)から出てきていたようだ。その時はLTEを使ったネットワークになったが、5Gは工場内セルラーネットワークとしてはむしろLTEの延長線上にくるといえる。ただ、工場内セルラーネットワークのアイデアは出て間もないため、携帯電話向けの5Gよりも時間がかかりそうだ。

4月5日の日経によると、韓国では4月5日からスマートフォンの5Gサービスを始めるとしていたが、米国のVerizonが3日から開始したと発表した後、3日からサービスを開始すると慌てて発表したようだという。韓国の主要な通信オペレータはKT、SK Telecom、LG Uplusの3社だが、3社とも韓国政府から周波数割り当てを受け、ほぼ同時にサービスを開始した。Verizonは大都市のシカゴ市とミネアポリス市の一部から始め、2019年中に全米30都市に広げる計画だとしている。ただし、現在使えるスマホ機種は、レノボグループ傘下のMotorola Mobilityの「Moto Z3」だけ。

5Gのデータ転送レートがダウンリンク最大20Gbps、アップリックが最大10Gbpsとなっているが、日本では当初の3.7GHz、4.5GHz、28GHzの周波数割り当てが決まっている。米国や中国は2.5GHzといった低い周波数帯を使い、韓国でも3.5GHzと28GHzの周波数を使うため、データレートが10Gbpsに到達していないとみられる。3.5GHzでは帯域が280MHzで、キャリアアグリゲーションで帯域を束ねても10Gbpsには達しないからだ。やはり、キャリア周波数を上げていかなければ10/20Gbpsは得られない。

5G通信で日本が遅れているという声は一部であるが、5Gの実験はNTTドコモが2016年のMWCで示しており、世界をリードしていた。しかし、5Gで単独先行することで、3Gの時のようにガラパゴスになってしまいたくないという意識が強く、3GPPの標準化をしっかり担保したうえでサービスを始めるとしていた。技術的には、256QAMを利用したOFDM技術や、マッシブMIMO、ビームフォーミング/ビームトラッキングなどの技術もすでに確立しており、技術的に劣っている訳ではない。10Gbpsには全く届かない3.5GHz帯で5Gを始めたとしても、5G技術は2020年代に渡って、徐々に10/20Gbpsへと進化していくように設計されている。このため、スタート出遅れたからといって、慌てることではない。

残念な話として、ジャパンディスプレイ(JDI)が自立再建できなくなってきた。台湾のメーカー2社と中国のファンドが資金を提供することになりそうだ。台中3社から最大800億円の金融支援を受け入れることで合意した、と4日の日経が報じた。外資が議決権の5割弱を握ることになり、日本の官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)は筆頭株主ではなくなる。

もともとJDIは、経済産業省が主導して、日立製作所と東芝、ソニーの液晶グループをまとめ、旧産業革新機構が2000億円を出資してできた、いわば官製の会社。当時はすでに、液晶パネルの競争が韓国と台湾から中国へ移ろうとしていた。ハイテクからすでにローテクに変わろうとしていた産業に政府が資金を投入したことになる。

(2019/04/08)

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