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Nvidiaの技術会議でSamsungがHBM2Eのメモリを発表

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SamsungがHBM2よりさらにメモリバンド幅の広いHBM2E規格に準じた製品を発表した。データレートが3.2Gbpsと極めて高速で、Flashboltと呼ばれている。次世代のデータセンターに向けた製品。Nvidiaが3月19日から開催したGTC(GPU Technology Conference)で発表されたもの。Nvidiaはトヨタとの自動運転の提携を拡大すると発表した。

HBM(High Bandwidth Memory)は、DRAMアレイを4枚あるいは8枚か9枚(パリティ用の1ビット)TSV(Through Silicon Via)で重ねたDRAMモジュール。データレートが2.4Gbpsで、8GBのHBM2という規格からデータセンター向けに使われ始めたところで、これまでNvidiaやIntelなどがデータセンターで使い始め、最近Xilinxもサンプル出荷を始めている。

今回Samsungが発表したHBM2E(参考資料1)は、HBM2よりもさらに高速化したもので、このFlashboltはチップ当たり16Gビットのメモリ容量を持ち、HBM2の2倍の容量を持つ。これによって、1パッケージの容量は16GBで、そのメモリバンド幅は410 GBpsと広い。Samsungのメモリ製品企画および応用技術部門のバイスプレジデントである、Jinman Han氏は、この性能によって次世代のデータセンターやAI(人工知能)、機械学習、グラフィックスなどのソリューションとなると述べている。

Nvidiaとトヨタとの提携拡大は、3月20日の日本経済新聞が報じた記事で、トヨタの研究開発子会社が仮想空間での自動運転車の走行シミュレーションに、Nvidiaが開発した技術を用いる、というもの。自動運転ではクルマの前方の物体がクルマなのか、人、自転車なのかを判断し、そのスピードを瞬時に計算し、最も遅い人ならばすぐにブレーキを踏むという動作を行う。Toyota Research Institute −Advanced Developmentがカメラなど自動運転に欠かせないセンサ類の挙動をコンピュータ上に再現した道路で検証するという。

データセンターはクラウドに欠かせない、コンピュータハードウエアを大量に並べた巨大なシステム。NvidiaもNGC(Nvidia GPU Cloud)と呼ぶデータセンターを持っている。一般企業に貸し出すパブリッククラウドの一つMicrosoftは巨大なデータセンターを世界の54カ所に持っており、日本にも東日本と西日本にそれぞれ2カ所にある。MicrosoftはAzureと呼ぶクラウドベースのソフトウエアプラットフォームも持っており、このプラットフォームを使ってIoTのデータ収集・管理・解析などを行う。

米中の貿易摩擦の影響はデータセンターの設置場所にも大きな影響を及ぼす。EMS(Electronics Manufacturing Service)最大手の鴻海精密工業は台湾南部の高雄にデータセンター関連機器の工場を建設する方針を明らかにした、と18日の日経が報じた。鴻海は中国に量産工場を持っているが、データ処理に係わる敏感な問題に対しては中国に設置しない方向。

やはり、というべきか、IoTのビジネス化が非常に遅い。調査会社の富士キメラ総研は、2018年のセンサの市場規模がわずか6%増の6兆1772億円にとどまる見通しだ、と22日の日経MJが報じた。IoTには欠かせないセンサがわずか6%しか伸びず、22年度の市場規模は、18年度見込み比で24%増の7兆7009億円となる見通しだとしている。富士キメラは日本国内の調査が得意な調査会社で、このことは裏返せば、日本のIoTは今後もわずかしか伸びないことを物語っている。


参考資料
1. Samsung Electronics Introduces New High Bandwidth Memory Technology Tailored to Data Centers, Graphic Applications, and AI (2019/03/19)

(2019/03/25)

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