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着実に成長しているIoTビジネス

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IoTビジネスが着実に成長している。日立製作所のIoTプラットフォームであるLumada(ルマーダ)事業は1兆円を突破した、と3月15日の日本経済新聞が報じた。IoTデバイスは5Gの特徴の一つでもある。5Gがらみの期待も大きい。さらにIoTビジネスの出遅れたアジアの企業の調子が今一つ、という鮮明な違いが浮き上がっている。

日立のIoT事業はPaaS(Platform as a Service)として、その中核のソフトウエアプラットフォームLumadaを中心に進めている。そのIoT事業の2018年度(2019年3月期)の売上額は1兆800億円とグループ全体の1割を占めるようになった。その営業利益は10%弱になり、来年度は10%を超えそうだという。このビジネスの中には、利益率の高いルマーダ・コア(人工知能やデータ分析で経営問題を解決するサービス)も含まれている。ただし、IoT事業の売り上げの9割が国内だという。海外展開はこれからとなる。

工業用IoTのソフトウエアプラットフォーム「エッジクロス」の販売ライセンス数が1460を超えた、とEdgecrossコンソーシアムが発表した。同コンソーシアムは17年11月に設立。三菱電機、日立製作所、オムロンなど7社が幹事会社となり、エッジクロスの仕様策定や販売などを手がける。「2018年5月に発売し、展示会などで認知度の向上を図った。19年度は普及から導入期への移行を進め、エッジクロス対応製品を18年度見込み比約5割増の85製品以上、会員数を同約7割増の420社以上への拡大を目指す」と3月14日の日刊工業新聞は報じている。

日刊工業はさらに、IoTを用いた医療・ヘルスケアへの応用としてのウェアラブル端末の可能性についても述べている。ヘルスケア用IoTデバイスとして血糖値センサや徘徊を検出するセンサなどの例を14日の記事で紹介しているが、米国ではAppleがすでにFDA(Food and Drug Association)の認可を得ており、日本ではテルモやエー・アンド・デイ、タニタなどの医療機器メーカーもIoTデバイスに参入しているが、厚生労働省の認可を得たデバイスはまだない。

また、IoTはこれまでLPWAやBluetooth LE、ZigBeeなどのネットワークで通信しているが、5G通信の特長の一つにIoTのような非携帯電話デバイスも含む。このため5GでのセルラーIoT規格であるNB-IoTやCat-M1対応も準備が整いつつある。LTEではこれらの規格がすでに利用可能だが、5Gを見込んで5Gインフラを整えるアジア各国の動きを13日の日本経済新聞が伝えている。タイとベトナムは2019年内に実証実験を行い、2020年にはサービスを開始したいとしている。タイ中部のチョンブリ県にタイ政府が次世代産業の振興を目指す経済特区「東部経済回廊(EEC)」内に5Gの実験施設が設置され、タイの通信大手やEricsson、中国の華為も参加し、自動運転やロボットの遠隔操作などを実験する。ベトナムでは5Gの基地局を自前で設置したいとしている。シンガポールは、10万本の街灯全てにセンサや監視カメラを備えたスマート街灯を計画しており、それらを5Gで結ぶという。

5Gのデータレートの速さは、VRやARの普及を支援する。これまでVRはゲーム専用機やパソコンと連動させて使うことが多かったが、5Gは高速であるため、VR機器が5Gで直接インターネットにつながる。Samsungの経営トップは5Gでスマホの復活を掲げているが、ウェアラブル機器やAIスピーカーなど多様な製品をスマホと連動させる必要性についても強調している。

15日の日経はアジア企業の業績について報じているが、IoTとはほとんど無縁のディスプレイ企業は中国勢の増産により値崩れを起こし、台湾のAUOは18年度に7割の減益、韓国のLGディスプレイは18年度170億円の赤字に転落した。半導体はまだマシで、2018年度のSamsung全社での純利益は前年度比6%増、台湾のTSMCはほぼ横ばいと減少はしていない。

(2019/03/18)

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