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年明け早々、CPUのバグが問題に

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年明け早々、Microsoftは、IntelやAMD、ARMなどのCPUにセキュリティ上のバグがあることを公表した。メルトダウン(Meltdown)およびスペクター(Spectre)と呼ばれる二つのバグはこれまで20年間に製造されたCPUに影響を及ぼす恐れがあるという。Microsoftは最新パッチをインストールすることで対策を打てるとしている。

米国時間1月4日にMicrosoftが発表し、同日AppleとIntelも対策できることを発表したが、IntelとARM、AMDのCPUはほとんど全てのコンピュータだけではなく、電子機器に組み込みシステムとして入り込んでいるため、影響は甚大になる。このニュースはあらゆる電子機器に入り込んでしまったこれらのCPUは、ほとんどの機器にバグの疑いがあることになる。しかしながら、Microsoftによると、今のところ同社の顧客がこの脆弱性を悪用されて攻撃されたことはなく、顧客からの報告はない、と述べている。

MicrosoftのWindows 10で走る以下のSurfaceデバイスで最新のパッチを施してソフトウエアを更新したという;
Surface Pro 3、Surface Pro 4、Surface Book、Surface Studio、Surface Pro Model 1796、Surface Laptop、Surface Pro with LTE Advanced、Surface Book 2

IntelのCPUをパソコンMacに使い、ARMコアをiPhoneやiPadなどのiOSデバイスに使っているAppleも声明を出した。それによると、Mac OSやiOSなどのデバイスに対してすぐさま新パッチをインストールし、特にクラウドコンピューティングのインフラでは最高レベルで対応したという。今のところ、すべてのMacコンピュータとiOSデバイスで顧客を攻撃したという報告はない、としている。また、Intelチップに特有のメルトダウンに対しては最新OSにパッチを施すことで対策し、スペクターに対してはMacOSとiOS上のブラウザSafari向けのパッチも発行する予定だという。

Intelもメルトダウンとスペクターのバグを確認し、今週末までに過去5年以内に販売された90%のプロセッサ製品のソフトウエアを更新するとしている。さらに多数のOSベンダーやパブリッククラウドサービスプロバイダには製品をすでに更新したことを伝えたと述べている。IntelはシステムメーカーやOSベンダーなどとさらにシステムの更新を進めていくとしている。
Googleは、CPUへのパッチによって、性能への悪影響はほとんどない、と述べている。

また、1月8日の日本経済新聞は、2017年11月に国産初の量子コンピュータとNTTなどが宣言したが、量子コンピュータとは別物だ、という注文を別の研究者が付けた、と報じた。日経によると、計算の途中で光パルスを使うことから光子=量子と考え、量子と名付けたとしている。しかし、国内外の研究者がSNSなどを通じて、これでは量子コンピュータとは違う、と異論を唱えたとしている。

本来、量子コンピュータは、一般的に「1、0」を量子力学的な重ね合わせの原理で表現することから、量子コンピュータと呼ばれている。「1と0」は時には「1と1」や「0と1」になりうることで超並列動作が可能になるというもの。量子ビット数をnとすると2のn乗の並列動作することから、10量子ビットは2の10乗、すなわち1024もの並列動作するマシンとなる。また、よく似た言葉で、量子アニーリングという言葉もあるが、これも量子コンピュータではない。最適化問題を解くためのアルゴリズムである。最適値に達する前に、局所最適に陥る場合にはエネルギーを加えて(温度を加えてアニールするように)局所最適からいったん抜け出し、全体最適な最小値に落ち着かせるためのアルゴリズムである。

量子コンピュータの言葉で見られるように正しい言葉の使い方を指摘するのはAIでも同じだ。ちょっとした自動制御でも昔はAI(人工知能)と言った。9日の日刊工業新聞に日本IBMのエリー・キーナン社長とのインタビューが掲載されているが、ここでもIBMはAIを人工知能とは呼ばず、Augmented Intelligence(拡張知能)と呼んでいる。Augmentedは補助的という意味であり、人間の知能を補助するマシン、と捉えている。AIという言葉も正しく捉えなければ、AIが人間にとって代わるといった扇動するような情報が独り歩きしてしまうため、言葉の定義はとても重要である。

(2018/01/09)

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