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SK Hynixがファウンドリサービスを開始

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東芝を買収するらしいと騒がれている韓国のSK Hynixがファウンドリサービスを開始した。7月10日に工場の正式オープンを発表し、12日の日本経済新聞もそれを報じた。また、SEMIが2017年の見通しを発表し、半導体産業の好況さを日経や日経産業新聞などが報じた。

SK HynixはこれまでDRAMメモリとNANDフラッシュに注力してきたが、これからのIoTやAI(人工知能)に必要な半導体を製造するためファウンドリとして切り離した。今や新しい機能を盛り込んだ半導体チップは、設計に集中するファブレスが強くなっている。このため新しい半導体への要求に応える設計部隊を置かずに、製造に集中することでIoTやAI用、民生用などの半導体に対応しようというもの。このため、設計と製造が一体化する大量生産のメモリとはビジネスが全く異なるファウンドリを別会社にした。

新会社SK Hynix System ICの資本は100%、SK Hynixが持っており、資本金は3億600万ドル。従業員は1300名、となっている。

SK Hynixが最も強くライバル視するSamsungは、Appleのアプリケーションプロセッサの大量生産を手掛けたファウンドリ経験があり、同社は7nmプロセスのファウンドリサービスを2018年から始めると12日の日経が報じた。それによると、EUVリソグラフィを使って7nm品の生産を手始めに、19年には5nm品、20年には4nm品の受注を開始するとしている。もはや微細化の先頭を切るデバイスはメモリではなく、プロセッサやFPGAになっている。このためファウンドリメーカーが微細化の先頭に立つようになった。

半導体製造装置・材料の業界団体であるSEMIは、2017年の製造装置の世界販売額がこれまで最高だった2000年のITバブルによる476億ドルを上回り、史上最高の494億2000万ドルになるとの予測を発表した(参考資料1)。これは前年比19.8%増という極めて大きな伸びである。新たな製造装置が必要なデバイスは3D-NANDフラッシュメモリ。さらにDRAMの品不足も続いており、Inoteraの生産トラブルによる出荷停止も供給不足に拍車をかけている(参考資料2)。さらに半導体産業に参入した中国企業の影響も大きい。17年は5.9%増の68億4000万ドルにとどまるが、これでも日本の52億3000万ドルをすでに抜いている。18年には6割増しの110億ドル4000万ドルとSEMIは予測している。13日の日経は、ファンドである紫光集団の趙偉国董事長のコメント「20年にはメモリで世界のトップグループに入りたい」というコメントを掲載している。

これを受けて国内の製造装置メーカー、東京エレクトロン(TEL)は「新しい成長フェーズに入った」という河合利樹社長のコメントを13日の日経が引用した。TELは5月に中期計画を上方修正した。ウェーハやチップ数が増えるほど多数必要になるウェーハ切断装置のブレードや装置そのものなどでディスコは、17年上期には過去最高の売上額になると見込んでいる。

半導体材料系企業も攻めの姿勢を見せる。三菱ガス化学は、米国のオレゴン州とテキサス州に土地を取得し、6000万ドルを投じて2019年までに2工場を新設する、と12日の日経は伝えた。ウェーハ洗浄向け高純度の過酸化水素水を19年までにそれぞれ年間3万5000トンを生産する予定だという。11日の日経産業は、洗浄装置のSCREENセミコンダクターソリューションズがSEMICON Westに向けた新しい洗浄装置CW-2000を出展すると報じた。これは1時間当たり標準150枚を洗浄でき、生産性を従来品の1.5倍に高めたとしている。同社は18年3月末までに8台、19年3月までに20台の販売を目指すという。

15日の日経は、IoTのデータ収集・解析で、国内携帯大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)が農業や畜産で生産性を上げるためのIoTビジネスで海外進出を展開すると報じた。ソフトバンクグループは日立製作所と南米コロンビアの国際熱帯農業センターと共同で実験を行う。日立は、IoT用のデータ収集・保存・解析するためのソフトウエアプラットフォーム「ルマンダ」を持っており、これを使うとみられる。

IoTビジネスの海外展開では、ドイツSiemensがIoTの開発拠点をシンガポールに設立すると14日の日経が報じた。この都市国家は、交通や製造業などでIoTを利用したサービスを開発し効率的な国づくりを目指す。Siemensもクラウド型のIoTプラットフォーム「MindSphere」を持っており、地元の教育機関や顧客と共同でアプリケーションなどの開発を進める。データ解析やソフトウエア開発、医療サービスの専門家60名で立ち上げ、2022年までに300名に拡大する計画だとしている。MindSphereは、日本国内でも4月から販売しており、工作機械向けのMachine Tool Analyticsや、駆動システム向けのDrive Train Analyticsなどのデータベースサービスを提供している。

参考資料
1. $49.4 Billion Semiconductor Equipment Forecast − New Record, Korea Top (2017/07/11)
2. Inotera事故で半導体供給不足はさらに加速 (2017/07/11)

(2017/07/18)

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