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NANDフラッシュの市場がデジカメ・スマホからデータストレージにも拡大

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ビッグデータ、データセンター、ストレージ、NANDフラッシュ、複雑な高集積プロセス。一見関係のない言葉だが、半導体のプロセスがITデータセンターの技術と今、深く結びついている。AEC/APCレポート(参考資料1)で報告したように、ビッグデータの解析に使うHadoopソフトウエアが、複雑な半導体プロセスパラメータの解析にも使われるようになり、NANDフラッシュはHDDと置き換わる過渡期にある。

11月29日の日経産業新聞が「ビッグデータ時代」をマンスリー編集特集で報じたように、NECや日立製作所、Yahooの子会社のIDCフロンティアなどが続々、データセンターを増強している。例えば、日立は幅3メートル、長さ9メートル、高さ3メートルというコンテナ型の移動式データセンターを発売した。トレーラーで運搬できるため、このまま海外でも販売できる。データセンターに欠かせないのがストレージデバイス。

日立はストレージ事業にも力を入れているが、ここではHDDからSSDへの切り替えに注力している。NANDフラッシュを搭載したストレージ製品HAF1万台を世界中の企業に向け日立は販売したと11月26日の日経産業が報じた。これまでのHAFはハイエンド製品だったが、このほど中級モデルも発売、データストレージ分野でリードしたい考えだ。

このNANDフラッシュ市場では、東芝がサムスンに肉薄しており、11月27日の日刊工業新聞によると、ある調査会社の4〜6月期の市場シェアではサムスンの34.2%に対して東芝が32.5%まで接近したという。NANDフラッシュはこれまでデジタルカメラから、USBメモリやスマートフォンに向けて大きな市場を得てきたが、これからはデータストレージ市場が開けてくる。

データセンター用のコンピュータシステムでは、主記憶であるDRAMとストレージのHDDとのアクセス速度の差を埋めるためのメモリ技術として、現在はNANDフラッシュが入手可能であるが、MRAMやReRAM、PCRAMなどのストレージクラスメモリが理想的とされる。これらの技術開発はもちろん進んでいるが、いかにビットコストを下げられるか、が大きなテーマである。ストレージクラスメモリの開発が進んでもNANDフラッシュの大容量化、低ビットコスト化の進展が早く、その勝負は全く見えていない。

今週、セミコンジャパンが始まることを受け、この1週間、半導体製造装置の新製品発表が相次いだ。堀場エステックは流量精度±1%、応答速度0.8秒というマスフローコントローラ「クライテリオンD500」を発売する。10種類以上の仕様に対応する。サムコはMEMSやTSVの加工用にRIEエッチング装置「RIE-800iPBC」を発売する。毎分50µm以上のエッチング速度で、その均一性は±3%だとしている。

後工程では、ディスコがウェーハ搬送とフレーム搬送を簡単に切り替えられるレーザダイシングソーを発売する。ウェーハを薄くするためにグラインドした後にフレームで固定する訳だが、薄くなったウェーハをフレームに載せて搬送する場合には装置を変えなければならなかった。ハンダメーカーの日本スペリアは、ナノスケールの銀粒子をアルコールで被膜させると200〜300℃で溶融状態になるが、いったん固まると900℃でも溶けないという「ナノ銀ペースト」を量産する。SiCやGaNなどの高温半導体の接合に向く。

半導体製造装置は最新のB/Bレシオなどの指数(参考資料2)を見る限り、この先しばらくは好調である。その影響を受けてか、11月26日の日本経済新聞によると、日立ハイテクノロジーズは、2014年3月期の営業利益が前年比56%増の200億円程度、売り上げは同13%増の1175億円になりそうだという見通しだという。

パナソニックは富山県の魚津市と砺波市、新潟県妙高市にある半導体工場をイスラエルのファウンドリ、TowerJazzに売却することで大筋合意した、と27日の日経が報じた。売却額は100億円という。まるで二束三文だ。パナソニックはこの先、自動車エレクトロニクス、産業機器、スマートハウスなど産業用途に力を入れるという方針を発表しているが、その中核のエンジンとなる半導体を捨てて、どうやって製品の差異化を行うのか、いまだに述べていない。

参考資料
1. 半導体プロセスはビッグデータ解析で生産性向上へ〜AEC/APC Sympo2013から (2013/11/14)
2. 10月の半導体製造装置、受注額が前年同期比で倍増、好調を持続 (2013/11/22)

(2013/12/02)

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