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ビジネスが活発に動くようになった台湾、半導体・液晶・EMSが上向きに

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台湾半導体、エレクトロニクス産業が活発だ。先週から今日にかけて台湾勢がアグレッシブな結果を出し、経済活動を活性化している様子が浮き彫りになっている。もう一つのニュースは東芝・シャープが白色LEDの自社開発に乗り出したことである。この二つの動きを採り上げよう。

セミコン台湾での一風景

セミコン台湾での一風景


台湾の財政部が10月の輸出額が前月比3.9%増、前年同月比4.7%減の198億ドルになったと日本経済新聞が11月10日に報じた。昨年10月以来の高水準だという。半導体製造装置市場としても2009年4〜9月期までの累計では、前年同期比6.8減の20億7700万ドルにまで回復している。日本市場はまだ76.2%減であるから、その投資活動は極めて対照的だ。

台湾各社は7〜9月期の決算で液晶ビジネスが黒字に転換し、ファウンドリは対前期比で増収増益、DRAMメーカーは赤字幅を削減したと16日の日経は報道している。ファウンドリトップのTSMCは売り上げ899億台湾元(1台湾元=3.6円)と前期比21%増、最終利益は305億台湾元で前期比25%増になった。UMCも売り上げは274億台湾元で同21%増、利益は4倍増の60億台湾元としている。液晶メーカーもAUOと奇美電子がそれぞれ74億、51億台湾元の利益を出した。DRAMメーカーの代表である南亜科技と力晶半導体も赤字幅をそれぞれ65億から38億台湾元、117億から42億台湾元へと減少させている。

先週、インダストリーコラムで紹介したが、エルピーダが台湾のDRAMメーカーとファウンドリ契約を結び、投資リスクを軽減するアセットライト手法に打って出ている。これは台湾のDRAMメーカーにとっても販売ルートを確保でき、お互いウィンウィンの関係を築いている。それも矢継ぎ早にだ。従来のレックスチップやパワーチップに加えてProMOS、Winbondとも次々と契約したことを発表した。

台湾の国策DRAM会社TIMCの設立を巡って、そのトップにUMCの首脳を据えたことから、TIMCをファブレスにするという発言を巡り、台湾のDRAMメーカーが反発、南亜が手を引くなどすったもんだ状態だった。しかし10日にTIMCに49億台湾元を当局が出資することを承認したと11日の日経新聞は伝えている。エルピーダの台湾との提携は台湾政府の対応の遅さにしびれを切らしたものともいえる。

台湾の話題でもう一つ見逃せないのは、EMS(電子製品の生産請負)世界トップの鴻海精密(英語名Foxconn)が液晶大手の奇美電子を買収するというニュースだ。鴻海グループは売り上げ規模が5兆8900億円という巨大企業に成長した。ソニーが7兆7299億円だから相当な規模だ。鴻海グループ内には小中型パネルの液晶メーカーもあり、奇美を買収することで大型パネルの品ぞろえを拡充できるようになる。

EMSは電子機器メーカーからセットを請け負い、電子機器メーカーに収めるという黒子ビジネスだ。ブランド(OEM)はあくまでも電子機器メーカーである。台湾にはこういった黒子ビジネスが多い。古くはパソコンのエイサーがもとはそうだった。TSMCも半導体製品のブランドは持たない。にもかかわらず成長は著しく、いずれも大きな規模に成長した。台湾にもともとあった総合電機の大同は今や影は薄い。

日本はブランドにこだわり過ぎるが、残念ながらそのブランドに見合った製品を時流に載せて販売できず苦戦している中、三洋電機の電池ビジネスが黒子ビジネスに近い。リチウムイオン2次電池は過充電防止をはじめとするバッテリマネジメント回路を搭載したバッテリーモジュールではなければ販売しない。リチウムイオン電池のセル単体を素人が扱えば過熱によるやけどやけがなどの危険を伴うことが多いからだ。三洋電機はデジカメも製造しておりOEMメーカーに収めていた。黒子ビジネスは利益を生み出している。

最後に、LEDはこれまで日亜化学と豊田合成が生産していたが、半導体大手の東芝とシャープも参入することを日刊工業新聞が伝えている。LEDは照明用や液晶バックライトなどで今後の需要が見込まれており、半導体メーカーが参入しないこと自体が奇妙だった。LEDはこれまでの豆ランプ代わりの応用ではチップサイズが0.25mm〜0.3mmと小さく、化合物半導体ウェーハの大口径化はそれほど必要なかったが、照明用となるとチップは1mm角と10倍以上に大きくなるため、ウェーハの大口径化は必須となる。

そもそも半導体各社は30年も前からLEDを生産してきた。化合物半導体は得意とするところだった。今回東芝・シャープが参入することで照明ビジネスはさらに活発になる。電気自動車は100%LEDランプになる上に、コンビニなど24時間稼働する店舗などは2〜3年でコストを回収できる。LEDの市場はこれからだが、期待は大きい。

ただし、ここにNECエレやルネサスなどが参入するならコスト競争に陥り、共倒れになる恐れが出てくる。それよりもライバルがやるから自社は違う道を選ぶという、台湾流のビジネスの考え方こそ、これからの日本の半導体に求められる方向だろう。これまでのような横並び意識を捨てなければ、日本半導体は本当に沈没する。

(2009/11/16)

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