セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト
セミコンポータル

22年のウェーハ処理装置は過去最高、でも3月より下方修正の1010億ドル

|

SEMIは7月12日に2022年と2023年における半導体製造装置の予測を発表し(参考資料1)、2022年には1175億ドルの過去最高を記録するとした。しかし実は下方修正になっている。ウェーハ処理用の製造装置市場は、3月発表では前年比18%増の1070億ドルだったが、今回は同15.4%増の1010億ドルと低下しているのだ。

SEMI 2022 Mid-year Total Equipment Forecast by Segment (US$ Billion) / SEMI

図1 7月にSEMIが発表した半導体製造装置の販売予測 出典: SEMI


SEMIはSEMICON Westの開催に合わせて、半導体製造装置市場の予測を発表しているが(図1)、前工程、後工程を含めた全体では、同14.7%増の1175億ドルとなっており、過去最高の金額ではある。組み立てとパッケージング向けの製造装置とテスト装置の合計は、同10.2%増の165.3億ドルとなり、前工程のウェーハ処理用装置市場は15.4%増の1010億ドルと予想する。1000億ドルを超えたことは過去最高ではあるが、3月での発表(参考資料2)では1070億ドルと見ていた。

その代わり、2023年の見通しがプラス成長に変わっている。3月の発表では2022年の1070億ドルから23年には1000億ドルと低下するが、今回の発表では23年には1042.7億ドルと、23年もプラス成長と見ている。このような22年の下方修正に関して、SEMIは一切コメントしておらず、今年もデジタルインフラへの投資により上り調子、というトーンで発表している。

これは3月時点の予測では、半導体製品そのものの販売額は上り調子で推移していたため、製造装置も大きな成長が見込まれていた。しかし、ここにきて変調の兆しが見え始めている。このため、3月での予想よりは下がる予想を立てたものとみられる。ただし23年には建設中の工場が完成するため、製造装置は下がらずむしろ若干増えるという予想になったようだ。


 / SEMI

図2 半導体製品別の製造装置の予測 出典:SEMI


製品別では、ファウンドリとロジック部門の成長が最も大きく(図2の青い部分)、2022年には前年比20.6%増の552億ドルに、23年はさらに7.9%増の595億ドルになると見ている。DRAMメモリ向けは22年、同8%増の171億ドルと見込んでおり、NANDフラッシュ向け装置は同6.8%増の211億ドルを見込んでいる。メモリ価格が下がり始めており、製造装置の伸びはファウンドリほどではなくなっている。

参考資料
1. "Global Total Semiconductor Equipment Sales on Track to Record $118 Billion in 2022, SEMI Reports", SEMI (2022/07/12)
2. 「2022年半導体工場の製造装置市場は過去最高の1070億ドルへ」、セミコンポータル (2022/03/24)

(2022/07/14)

月別アーカイブ

Copyright(C)2001-2024 Semiconductor Portal Inc., All Rights Reserved.