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半導体製造装置の販売額、日米とも好調続く

2021年9月における半導体製造装置の販売額は日本製・北米製共に前年同月比、前月比ともにプラスの成長で推移している。SEMIの発表による北米製半導体製造装置の販売額は、前年同期比35.5%増、前月比1.7%増の37億1810万ドル、SEAJによる日本製半導体製造装置の販売額は、同39%増、同10.9%増の2723億8800万円だった。共に3カ月の移動平均値である。

図1 日本製および北米製の半導体製造装置販売額の推移

図1 日本製および北米製の半導体製造装置販売額の推移


日本製、北米製とも半導体製造装置は上向いており好調である。日本の場合は、3月が年度末だったため帳簿上、売り上げの立った企業が多く、3月、4月、5月では移動平均値に3月分の値が加わった。これによって、4月、5月の分が引きずられ大きく見え、3月分が消えた6月は落ちたように見えた。しかし、その移動平均値をよく見ると4月、5月も上昇しているから、3月の単月の数字が異常な高値だったのである。このことを考慮すれば、2月から3月を除き、4月、5月、6月とも順調に伸びてきていることが読み取れる。6月は落ちたのではなく、3ヵ月の移動平均を取るから落ちたように見えるだけで、実際には上昇傾向にある。ある意味、3カ月の移動平均値によって、却って読みにくくなっているともいえる。

7月は一服し、8月、9月は再び上昇していることがよくわかる。従来、日本製半導体製造装置は移動平均で単月に2000億円を超えたことはほとんどなかった。ところが、今年に入り、3月以降はずっと2000億円以上を記録しており、3月の単月に記録した3000億円を塗り替える月はそう遠くなさそうだ。このことは日本製半導体製造装置市場が拡大したと言えるだろう。

SEMI、SEAJとも市場地域別の販売額を明らかにしていないが、これまでの流れから恐らく中国向けの売り上げが多いと見られる。少なくともワッセナール協定から逸脱しない限りは中国へ製造装置を販売できるからだ。ただ、中国市場がいつまで活性化するかを見極める必要がありそうだ。

参考資料
1. 「日米半導体製造装置販売額、好調さをキープ」、セミコンポータル (2021/09/22)

(2021/10/27)
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