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AIチップは前年比58%で70億ドルに一気に急成長

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2020年のAIチップ市場は、前年比58%増の70億ドル市場に急成長している。AI(ディープラーニングや機械学習など)がデータセンターからエッジまで広がっていることを反映している。これはマクロプロセッサ専門の米市場調査会社Linley Groupが発表したもの。

いわゆるAIチップとは、ディープラーニングを実行するためのアクセラレータチップのことである。CPUは、どのようなソフトウエアも実行できる汎用のプロセッサであり、ディープラーニングも当然実行できるが、そうすると他のジョブを実行する時間が極端に遅くなってしまう。このためディープラーニングだけを別チップや別IPで実行し、制御することだけをCPUが受け持つ、というように役割を分担させることでシステム性能を上げようとする機能がアクセラレータである。AIのアクセラレータは、広い範囲のディープラーニングの応用で普及しており、大規模のパブリッククラウドでは翻訳や検索エンジンに使われ、エッジでもスマートスピーカーや高機能なスマホ、音声認識、自動運転などにも使われている。

エッジAIチップは大量に使われるため、半導体メーカーにとっては魅力的な市場となっている。これまではGPUやFPGAを使う例が多かったが、消費電力をもっと減らすためエッジでは推論専用のAIチップやIPが多数登場している。

Linleyが発行したレポート「A Guide to Processors for Deep Learning」によると(参考資料1)、60社以上の企業がAIチップを開発しているという。しかしAIは応用が極めて広く、しかも顧客ごとに仕様が異なるため、競争が激化してはいない。ちなみにこのレポートがカバーしている代表的な企業は次の通り;AMD、Cambricon、Cerebras、Graphcore、Groq、Intel(旧AlteraやHabana、Mobileye、Movidiusを含む)、Mythic、Nvidia(TegraとTesla)、NXP、Xilinx、Brainchip、Gyrfalcon、Hailo、Huawei、Lattice、Qualcomm、Synaptics、Texas Instrumentsなど。さらにインターネットサービス企業であるGoogleやAmazonなども含めている。特に、GoogleのTPUファミリは、AIフレームワークのTensorFlowを使えることを含め、絶対外せないAIアクセラレータとなっている。

AIチップは、顧客ごとに対応しなければならないため、開発ツールを充実させることがこれからのビジネスの勝負のカギを握る。初期のFPGAビジネスがそうであったように、使いやすいソフトウエアを提供できれば、顧客はつきやすい。チップだけ作ってもユーザーはつかない。セミコンポータルが伝えた企業の一つGyrfalconは、エッジAI向けにツールを揃えた企業の一つである(参考資料2)。AIチップビジネスはソフトウエア開発ツールと実際に使えることを示しカスタマイズやチューニングのできる、リファレンスデザインが勝ち組につながることは間違いない。

AIアクセラレータチップの大きな市場は、データセンターと自動車(ADASなど)、そして組み込みシステムの三つだとそのレポートは伝えている。

参考資料
1. AI Chip Market Juggernaut Continues According to New Linley Group Report (2021/02/16)
2. ソフトウエアツール+AIチップで現場にAI導入を支援するジルファルコン (2021/01/14)

(2021/02/17)

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